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平成十四年法律第五十二号
農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法

施行日:

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(目的)

第一条 この法律は、農林漁業法人等に対する投資の円滑化を図るための特別の措置を講ずることにより、農林漁業及び食品産業の事業者の自己資本の充実を促進し、その健全な成長発展を図るとともに、農林漁業及び食品産業の事業者の事業の合理化、高度化その他の改善を支援する事業活動に対し資金供給を行い、もって農林漁業及び食品産業の持続的な発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「農林漁業法人等」とは、次に掲げる法人をいう。

農事組合法人又は株式会社等(株式会社又は会社法(平成十七年法律第八十六号)第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。以下同じ。)であって、農業を営むもの

株式会社等であって林業を営むもの

株式会社等であって漁業を営むもの及び漁業生産組合

農事組合法人又は株式会社等であって、農林水産物若しくは食品の製造、加工、流通、販売若しくは輸出又はこれらを飲食させる役務の提供を営むもの(前三号に掲げるものを除く。)

農事組合法人又は株式会社等であって、農林水産物の生産又は前号に規定する事業の合理化、高度化その他の改善の支援その他の農林漁業又は食品産業の持続的な発展に寄与すると認められる事業活動として農林水産省令で定めるものを行うもの(前各号に掲げるものを除く。)

2 この法律において「農林漁業法人等投資育成事業」とは、次に掲げる事業をいう。

農林漁業法人等の持分、株式、新株予約権又は新株予約権付社債等(新株予約権付社債及びこれに準ずる社債として農林水産省令で定めるものをいう。以下同じ。)の取得及び保有

前号の規定によりその持分、株式、新株予約権又は新株予約権付社債等を保有している農林漁業法人等に対して経営又は技術の指導を行う事業

3 この法律において「投資事業有限責任組合」とは、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合をいう。

4 この法律において「農林水産物」には、これを原料又は材料として製造し、又は加工したもの(次項に規定するものを除く。)であって、農林水産省令で定めるものを含むものとする。

5 この法律において「食品」とは、全ての飲食物(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第一項に規定する医薬品、同条第二項に規定する医薬部外品及び同条第九項に規定する再生医療等製品を除く。)をいう。

(事業計画の承認)

第三条 農林漁業法人等投資育成事業を営もうとする株式会社(農林漁業法人等投資育成事業を営む株式会社を設立しようとする者を含む。)又は農林漁業法人等投資育成事業を営もうとする投資事業有限責任組合は、農林水産省令で定めるところにより、当該農林漁業法人等投資育成事業に関する計画(以下「事業計画」という。)を作成し、これを農林水産大臣に提出して、その事業計画が適当である旨の承認を受けることができる。

2 事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

農林漁業法人等投資育成事業を営む株式会社又は投資事業有限責任組合に関する事項

持分、株式、新株予約権又は新株予約権付社債等の取得の対象とする農林漁業法人等が前条第一項各号に掲げる法人のいずれに該当するかの別

持分又は株式の取得の対象とする農林漁業法人等の選定の基準、持分又は株式の取得の際の評価の基準、持分又は株式の取得の限度、持分又は株式の保有期間及び持分又は株式の処分の方法

新株予約権の取得の対象とする農林漁業法人等の選定の基準、新株予約権の内容に関する基準、新株予約権の取得の限度及び新株予約権の行使の時期

新株予約権付社債等の取得の対象とする農林漁業法人等の選定の基準、新株予約権付社債等の取得の限度及び新株予約権付社債等の償還期限に関する基準並びに新株予約権付社債にあっては、当該社債に付された新株予約権の内容に関する基準及び新株予約権の行使の時期

前条第二項第二号に掲げる事業に係る手数料

3 前項第二号に規定する農林漁業法人等に前条第一項第五号に掲げる法人が含まれる場合にあっては、前項第三号から第五号までに規定する選定の基準として、当該法人が行う事業活動の内容を記載するものとする。

4 第二項第二号に規定する農林漁業法人等に外国法人である農林漁業法人等が含まれる場合にあっては、同項第三号から第五号までに規定する選定の基準として、当該外国法人である農林漁業法人等が営む事業又はその行う事業活動の実施地域及び分野並びに当該外国法人である農林漁業法人等と我が国の農林漁業又は食品産業の事業者(第十二条第一項において「国内事業者」という。)との関連性を記載するものとする。

5 農林水産大臣は、第一項の承認の申請があった場合において、その事業計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その承認をするものとする。

農林漁業法人等投資育成事業を営む株式会社又は投資事業有限責任組合が農林漁業法人等投資育成事業を適正かつ確実に営むことができると認められる者であること。

第二項第二号に規定する農林漁業法人等に前条第一項第一号から第四号までに掲げる法人が含まれる場合にあっては、その事業計画に係る農林漁業法人等投資育成事業が当該法人の自己資本の充実を図る上で有効かつ適切なものであること。

その事業計画に係る農林漁業法人等投資育成事業が農林漁業又は食品産業の健全な成長発展に資するものであること。

その事業計画が当該農林漁業法人等投資育成事業を円滑かつ確実に遂行するために適切なものであること。

その事業計画に第三項又は前項に規定する事項が記載されている場合にあっては、これらの事項が我が国の農林漁業又は食品産業の持続的な発展に寄与することを確保するために必要なものとして農林水産大臣が定める基準に照らして適切なものであること。

(事業計画の変更)

第四条 前条第一項の承認を受けた者(その者の設立に係る同項の株式会社を含む。)は、当該承認に係る事業計画を変更しようとするときは、農林水産大臣の承認を受けなければならない。

2 前条第五項の規定は、前項の承認について準用する。

(報告の徴収)

第五条 農林水産大臣は、第三条第一項の承認を受けた株式会社(同項の承認を受けた者の設立に係る同項の株式会社を含む。以下「承認会社」という。)又は同項の承認を受けた投資事業有限責任組合(以下「承認組合」という。)の無限責任組合員に対し、農林漁業法人等投資育成事業の実施状況について報告を求めることができる。

(改善命令)

第六条 農林水産大臣は、承認会社又は承認組合が第三条第一項の承認に係る事業計画(第四条第一項の規定による変更の承認があったときは、その変更後のもの。以下「承認事業計画」という。)に従って農林漁業法人等投資育成事業を営んでいないと認めるときは、当該承認会社又は当該承認組合の無限責任組合員に対し、相当の期限を定めて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(事業計画の承認の取消し)

第七条 農林水産大臣は、承認会社又は承認組合の無限責任組合員が前条の規定による命令に違反したときは、第三条第一項の承認を取り消すことができる。

(株式会社日本政策金融公庫法の特例)

第八条 株式会社日本政策金融公庫は、株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)第十一条に規定する業務のほか、農林漁業法人等に対する民間の投資を補完するため、承認会社又は承認組合が承認事業計画に従って農林漁業法人等投資育成事業を営むのに必要な資金の出資の業務を行うことができる。

2 前項に規定する資金の出資は、当該出資に係る農林漁業法人等投資育成事業からの配当の支払を可能とする利益の発生が確実であると認められる場合に限り、農林水産大臣及び財務大臣の認可を受けて行うことができるものとする。

3 第一項の規定により株式会社日本政策金融公庫が行う同項に規定する資金の出資についての株式会社日本政策金融公庫法第十一条第一項第六号、第十二条第一項、第三十一条第二項第一号ロ、第四十一条第二号、第五十八条、第五十九条第一項、第六十四条第一項第四号及び第七十三条第三号の規定の適用については、同法第十一条第一項第六号中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務及び農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法(平成十四年法律第五十二号。以下「特別措置法」という。)第八条第一項に規定する業務」と、同法第十二条第一項中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務及び特別措置法第八条第一項に規定する業務」と、同法第三十一条第二項第一号ロ、第四十一条第二号及び第六十四条第一項第四号中「同項第五号」とあるのは「特別措置法第八条第一項に規定する業務並びに第十一条第一項第五号」と、同法第五十八条及び第五十九条第一項中「この法律」とあるのは「この法律、特別措置法」と、同法第七十三条第三号中「第十一条」とあるのは「第十一条及び特別措置法第八条第一項」とする。

(農業協同組合法の特例)

第九条 承認会社が承認事業計画に従って農林漁業法人等投資育成事業を営む場合における当該承認会社についての農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第七十二条の十三第一項の規定の適用については、同項中「次に掲げる者」とあるのは、「次に掲げる者及び当該農事組合法人に農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法(平成十四年法律第五十二号)第六条に規定する承認事業計画に従つて同法第二条第二項に規定する農林漁業法人等投資育成事業に係る投資を行つた同法第五条に規定する承認会社」とする。

(農地法の特例)

第十条 承認会社であって、地方公共団体、農業協同組合、農業協同組合連合会、農林中央金庫又は株式会社日本政策金融公庫がその総株主の議決権の過半数を有しているものが、承認事業計画に従って農林漁業法人等投資育成事業を営む場合における当該承認会社についての農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第二条第三項第二号の規定の適用については、同号中「次に掲げる者に該当する株主」とあるのは「次に掲げる者又はその法人に承認事業計画(農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法(平成十四年法律第五十二号)第六条に規定する承認事業計画をいう。)に従つて農林漁業法人等投資育成事業(同法第二条第二項に規定する農林漁業法人等投資育成事業をいう。)に係る投資を行つた承認会社(同法第五条に規定する承認会社をいう。)に該当する株主」と、「次に掲げる者に該当する社員」とあるのは「次に掲げる者又は当該承認会社に該当する社員」とする。

(水産業協同組合法の特例)

第十一条 承認会社が承認事業計画に従って農林漁業法人等投資育成事業を営む場合における当該承認会社についての水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第七十九条の規定の適用については、同条中「漁民」とあるのは、「漁民及び組合に農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法(平成十四年法律第五十二号)第六条に規定する承認事業計画に従つて同法第二条第二項に規定する農林漁業法人等投資育成事業に係る投資を行つた同法第五条に規定する承認会社」とする。

(投資事業有限責任組合契約に関する法律の特例)

第十二条 承認組合の組合員は、当該承認組合が承認事業計画(第三条第四項に規定する事項が記載されたものに限る。)に従って農林漁業法人等投資育成事業を営む場合においては、投資事業有限責任組合契約に関する法律第三条第一項の組合契約において、同項各号に掲げる事業のほか、各当事者が共同で、外国法人である農林漁業法人等の株式、新株予約権又は新株予約権付社債等の取得及び保有(当該取得及び保有の対象とする外国法人である農林漁業法人等が国内事業者と密接な関連性を有するとともに、当該外国法人である農林漁業法人等が営む事業又はその行う事業活動が当該国内事業者の事業の発展に寄与すると認められることについて、農林水産大臣の確認を受けた場合に限る。)の事業を営むことを約することができる。

2 前項に規定する事業を営むことを約した承認組合の組合員に対する投資事業有限責任組合契約に関する法律第七条第四項の規定の適用については、同項中「第三条第一項に掲げる事業以外の行為」とあるのは「第三条第一項に掲げる事業及び農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法(平成十四年法律第五十二号)第十二条第一項に規定する事業以外の行為」と、「同項に掲げる事業以外の行為」とあるのは「第三条第一項に掲げる事業及び同法第十二条第一項に規定する事業以外の行為」とする。

(罰則)

第十三条 第五条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

附則

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一七年七月二六日法律第八七号)

この法律は、会社法の施行の日から施行する。

附則(平成一九年五月二五日法律第五八号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十年十月一日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第八条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第九条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成二一年六月二四日法律第五七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成二三年五月二日法律第三九号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、第五条第一項及び第四十七条並びに附則第二十二条から第五十一条までの規定は、平成二十四年四月一日から施行する。

(株式会社日本政策金融公庫法等の改正に伴う経過措置)
第五十条 前項に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

(罰則の適用に関する経過措置)
第五十一条 附則第一条ただし書に規定する規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則(平成二五年一二月一三日法律第一〇二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(農業法人投資育成事業に関する経過措置)
第七条 附則第一条第二号に掲げる規定の施行前に第三条の規定による改正前の農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法(以下この条において「旧投資円滑化法」という。)第三条第一項の規定により承認を受けた事業計画(旧投資円滑化法第四条第一項の規定による変更の承認があったときは、その変更後のもの)又は同号に掲げる規定の施行の際現に旧投資円滑化法第三条第一項若しくは第四条第一項の規定によりされている承認の申請は、それぞれ第三条の規定による改正後の農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法第三条第一項の規定により承認を受けた事業計画又は同項若しくは同法第四条第一項の規定によりされている承認の申請とみなす。

(罰則に関する経過措置)
第十条 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第十一条 附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)
第十二条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、これらの法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附則(平成二七年九月四日法律第六三号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第百十四条 この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第百十五条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附則(令和三年四月二八日法律第二六号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(農業法人投資育成事業に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前にこの法律による改正前の農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法(以下この条において「旧法」という。)第三条第一項の規定により承認を受けた事業計画(旧法第四条第一項の規定による変更の承認があったときは、その変更後のもの)は、この法律による改正後の農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法(次項において「新法」という。)第三条第一項の規定により承認を受けた事業計画とみなす。 この法律の施行前にされた旧法第三条第一項又は第四条第一項の規定による承認の申請であって、この法律の施行の際、承認をするかどうかの処分がされていないものは、それぞれ新法第三条第一項又は第四条第一項の規定による承認の申請とみなす。