第一章 総則
(趣旨)第一条 この政令は、小型船舶の登録に関し必要な事項を定めるものとする。
(付記登録)第二条 次に掲げる登録は、付記登録とする。
一 変更登録
二 登録名義人の表示の変更の登録
三 一部が抹消された登録の回復の登録
2 更正の登録は、登録上利害関係を有する第三者がないとき、又は登録上利害関係を有する第三者の承諾書若しくはこれに対抗することができる裁判の謄本若しくは抄本が提出されたときに限り付記登録とする。 (順位)第三条 付記登録の順位は、主登録の順位により、付記登録間の順位は、その前後による。
第二章 原簿
(原簿の調製)第四条 原簿は、その全部を磁気ディスクをもって調製するものとし、その調製の方法は、国土交通省令で定める。
2 国土交通大臣は、原簿に記録した事項と同一の事項を記録する副原簿を調製しておくものとする。 (滅失した原簿の回復)第五条 国土交通大臣は、原簿の登録事項の記録の全部又は一部が滅失したときは、副原簿の記録により登録の回復をしなければならない。
2 国土交通大臣は、副原簿の記録がないため前項の規定により登録の回復をすることができないときは、三月以上の期間を定めて、記録の滅失した小型船舶の範囲及び登録の回復の申請をすることができる旨を告示しなければならない。 3 前項の規定により告示された範囲の小型船舶に係る登録名義人は、同項の規定により告示された期間内に、国土交通大臣に対し、登録の回復の申請をすることができる。 4 国土交通大臣は、前項の申請に基づき、登録の回復をしなければならない。 5 回復された登録の順位は、滅失前の登録の順位による。第三章 登録の手続
(登録を行う場合)第六条 登録は、法令に別段の定めがある場合を除き、申請又は嘱託(通知を含む。)がなければ、これをしてはならない。
2 申請による登録に関する規定は、法令に別段の定めがある場合を除き、嘱託(通知を含む。)による登録の手続に準用する。 (登録の申請)第七条 登録は、法令に別段の定めがある場合を除き、登録権利者及び登録義務者が共同して申請しなければならない。
2 新規登録又は移転登録は、登録権利者だけで申請することができる。 3 判決又は相続その他の一般承継による登録は、登録権利者だけで申請することができる。 4 変更登録、登録名義人の表示の変更の登録又は抹消登録は、登録名義人だけで申請することができる。 (申請書)第八条 登録の申請をする者(以下「申請者」という。)は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
一 船体識別番号
二 船舶番号を有するときは、当該船舶番号
三 船籍港
四 申請者の氏名又は名称及び住所
五 代理人により登録の申請をするときは、その氏名又は名称及び住所
六 登録の原因(申請者の権利につき持分の定めがあるときは、その持分を含む。)及びその発生年月日
七 登録の目的
八 申請の年月日
九 その他国土交通省令で定める事項
2 申請者は、新規登録又は移転登録の申請をするときは、申請書に記名及び押印をしなければならない。 ただし、国土交通大臣がやむを得ないと認めるときは、記名及び押印に代えて、国土交通大臣が適当と認める方法によることができる。 (添付書面)第九条 前条第一項の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。
一 譲渡証明書その他の登録の原因を証明する書面
二 登録の原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、これを証明する書面
三 代理人により登録の申請をするときは、その権限を証明する書面
2 登録の原因について第三者の許可、同意又は承諾を要する場合において、申請書に当該第三者が記名及び押印をしたときは、前項第二号の書面を添付することを要しない。 (印鑑の添付)第十条 第八条第二項又は前条第二項の規定に基づき申請者又は当該第三者が申請書又は書面に記名及び押印をする場合には、その申請書又は書面に、申請者又は当該第三者の印鑑であって市町村長又は区長の証明を得たもの(申請者又は当該第三者が法人であるときは、その代表者の印鑑であって法人の登記に関し印鑑を提出した登記所の証明を得たもの)を添付しなければならない。
2 前項の規定は、申請者又は当該第三者が国又は地方公共団体である場合には、適用しない。 3 第一項の規定により申請書に添付すべき印鑑は、市町村長、区長又は登記所の証明の日から三月以内のものでなければならない。 (戸籍謄本等の添付)第十一条 次に掲げる場合は、申請書に戸籍又は住民票の謄本又は抄本、登記事項証明書その他の当該事実を証明することができる書面を添付しなければならない。
一 登録の原因が相続その他の一般承継であるとき。
二 申請者が登録権利者又は登録義務者の相続人その他の一般承継人であるとき。
三 登録名義人の表示の変更の登録の申請をするとき。
(債権者の代位)第十二条 債権者は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項又は第四百二十三条の七の規定により債務者に代位して登録の申請をするときは、第八条第一項各号に掲げる事項のほか、申請書に次に掲げる事項を記載し、かつ、代位の原因を証明する書面を添付しなければならない。
一 債権者及び債務者の氏名又は名称及び住所
二 代位の原因
(小型船舶の提示)第十三条 新規登録又は変更登録(小型船舶の登録等に関する法律(以下「法」という。)第六条第二項第二号又は第七号に掲げる事項のみの変更の場合を除く。)の申請者は、当該申請に係る小型船舶を、国土交通大臣の指定する期日及び場所において提示しなければならない。
(書面の提出)第十四条 新規登録又は変更登録(法第六条第二項第三号又は第四号に掲げる事項の変更の場合に限る。)の申請者は、当該申請に係る小型船舶の図面その他の国土交通省令で定める書面を、前条に規定する期日までに国土交通大臣に提出しなければならない。
第十五条 国土交通大臣は、申請者に対し、第九条から第十二条まで及び前条に規定するもののほか、第八条第一項及び第十二条に規定する事項に係る申請書の記載が真正なものであることを証明するため必要な書面の提出を求めることができる。
(登録の順序)第十六条 一の小型船舶に関し二以上の登録の申請があったときは、これらの登録は、その受付の順序に従ってしなければならない。
(申請の却下)第十七条 国土交通大臣は、次に掲げる場合には、登録の申請を却下しなければならない。
一 登録の申請をした事項が登録すべきものでないとき。
二 申請書が方式に適合しないとき。
三 申請書に必要な書面を添付しないとき又は第十四条若しくは第十五条に規定する書面を提出しないとき。
四 申請書に記載した事項が申請書の添付書面の内容と符合しないとき。
五 小型船舶を提示すべき場合において、当該船舶を提示しないとき又は提示に際し測度を行うために必要な準備その他の国土交通省令で定める準備をしないとき。
六 新規登録又は変更登録(法第六条第二項第五号に掲げる事項の変更の場合に限る。)の申請である場合において、申請書に記載した船体識別番号が、申請に係る小型船舶において打刻されていないとき、他の小型船舶の船体識別番号の打刻と同一のものであるとき又は識別困難なものであるとき。
七 第十一条第二号に規定する場合を除き、申請書に記載した登録義務者の表示が原簿と符合しないとき。
八 第十一条第三号に規定する場合を除き、申請者が登録名義人である場合において、その表示が原簿の記載と符合しないとき。
九 その他申請書に記載した事項のうち国土交通省令で定める事項が登録されている事項と符合しないとき。
十 手数料を納付しないとき。
2 国土交通大臣は、前項の規定により申請を却下したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。 (行政区画の名称等の変更)第十八条 行政区画又は土地の名称の変更があったときは、原簿に記載した行政区画又は土地の名称は、変更後の行政区画又は土地の名称に変更されたものとみなす。
(更正の登録)第十九条 国土交通大臣は、登録を完了した後、その登録について錯誤又は脱落があることを発見した場合において、錯誤又は脱落が国土交通大臣の過誤に基づくものであるときは、登録上利害関係を有する第三者がある場合を除き、遅滞なく、更正の登録をし、その旨を登録権利者及び登録義務者又は登録名義人に通知しなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の規定により更正の登録をする場合を除くほか、登録を完了した後、その登録について錯誤又は脱落があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登録権利者及び登録義務者又は登録名義人に通知しなければならない。 3 前二項の通知は、登録が第十二条の規定による申請に係るものであるときは、債権者にも、これをしなければならない。 4 登録について錯誤又は脱落がある場合には、当該登録の申請者は、国土交通大臣に対し、更正の登録の申請をすることができる。 (登録の抹消)第二十条 国土交通大臣は、登録を完了した後、その登録が第十七条第一項第一号に掲げる場合に該当することを発見したときは、登録権利者、登録義務者、登録名義人及び登録上利害関係を有する第三者に対し、一月以内の期間を定め、その期間内に異議を述べないときは、その登録を抹消すべき旨を通知しなければならない。
2 通知を受けるべき者の住所が不明のときは、前項の通知に代えて、官報で公告をしなければならない。 3 国土交通大臣は、官報のほか相当と認める新聞紙に同一の公告を掲載することができる。 4 第一項の規定により異議を述べる者があったときは、国土交通大臣は、その異議について決定をしなければならない。 5 異議を述べる者がないとき、又は異議を却下したときは、国土交通大臣は、第一項に規定する登録を抹消しなければならない。第二十一条 登録の抹消を申請する場合において、登録上利害関係を有する第三者があるときは、申請書にその者の承諾書又はその者に対抗することができる裁判の謄本若しくは抄本を添付しなければならない。 ただし、法第十二条第一項第一号に規定する小型船舶の滅失若しくは沈没又は同項第二号に規定する小型船舶の存否不明により申請をする場合は、この限りでない。
第二十二条 登録小型船舶の所有権について民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十四条において準用する同法第五十三条第一項の規定による仮処分の登録をした後、その仮処分の債権者がその仮処分の債務者を登録義務者として小型船舶の登録を申請する場合においては、その債権者だけでその仮処分の登録に後れる登録の抹消を申請することができる。
2 前項の規定により登録の抹消を申請する場合には、申請書に民事保全法第六十一条において準用する同法第五十九条第一項の規定による通知をしたことを証明する書面を添付しなければならない。 3 国土交通大臣は、第一項の規定により仮処分の登録に後れる登録を抹消したときは、その仮処分の登録を抹消しなければならない。 (抹消した登録の回復)第二十三条 抹消した登録の回復を申請する場合において、登録上利害関係を有する第三者があるときは、申請書にその者の承諾書又はその者に対抗することができる裁判の謄本若しくは抄本を添付しなければならない。
(予告登録)第二十四条 予告登録は、登録の原因の無効又は取消しによる登録の抹消又は回復の訴えが提起された場合にするものとする。 ただし、登録の原因の無効又は取消しをもって善意の第三者に対抗することができる場合に限る。
2 裁判所は、前項に規定する訴えの提起があったときは、遅滞なく、嘱託書に訴状の謄本又は抄本を添付して、予告登録を国土交通大臣に嘱託しなければならない。 (予告登録の抹消)第二十五条 第一審裁判所は、前条第一項に規定する訴えを却下した裁判若しくはこれを提起した者に対して敗訴を言い渡した裁判が確定したとき、訴えの取下げがあったとき、請求の放棄があったとき、又は請求の目的について和解があったときは、遅滞なく、嘱託書に裁判の謄本若しくは抄本又は訴えの取下げ、請求の放棄若しくは和解を証明する裁判所書記官の書面を添付して、予告登録の抹消を国土交通大臣に嘱託しなければならない。
2 前項の規定は、前条第一項に規定する訴えに係る確定判決又は和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した登録の抹消又は回復を請求する権利を放棄したことを証明する書面の提出があった場合について準用する。 この場合において、前項中「裁判の謄本若しくは抄本又は訴えの取下げ、請求の放棄若しくは和解」とあるのは、「その書面の提出があったこと」と読み替えるものとする。 3 国土交通大臣は、登録の原因の無効又は取消しにより登録の抹消又は回復をしたときは、予告登録を抹消しなければならない。 (公売処分による移転登録)第二十六条 登録小型船舶の公売処分をした者は、国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)その他の法令に別段の定めがある場合を除き、登録権利者の請求により、嘱託書に登録の原因を証明する書面を添付して、小型船舶の移転登録を国土交通大臣に嘱託しなければならない。
2 前項の場合における手数料は、同項の請求をする登録権利者の負担とする。第四章 雑則
(機構が登録測度事務を行う場合における規定の適用)第二十七条 法第二十一条第一項の規定により機構が登録測度事務を行う場合における第四条第二項、第五条第一項、第三項及び第四項、第八条、第十三条から第十五条まで、第十七条、第十九条第一項、第二項及び第四項、第二十条第一項及び第三項から第五項まで、第二十二条第三項、第二十四条第二項、第二十五条第一項及び第三項並びに前条第一項の規定の適用については、これらの規定中「国土交通大臣」とあるのは、「機構」とする。
(審査請求が理由がある場合の登録)第二十八条 国土交通大臣は、登録に関し審査請求があった場合において、審査請求が理由があるとする裁決をしたときは、機構に対し、相当の措置をとるべき旨を命じなければならない。
(権限の委任)第二十九条 この政令に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、地方運輸局長(運輸監理部長を含む。以下同じ。)に委任することができる。
2 前項の規定により地方運輸局長に委任された権限は、国土交通省令で定めるところにより、運輸支局長又は地方運輸局、運輸監理部若しくは運輸支局の事務所の長に委任することができる。 (国土交通省令への委任)第三十条 この政令に定めるもののほか、登録の実施に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
(手数料の納付を要しない独立行政法人)第三十一条 法第二十九条第一項の政令で定める独立行政法人は、次に掲げる独立行政法人とする。
一 独立行政法人国立青少年教育振興機構
二 国立研究開発法人防災科学技術研究所
三 国立研究開発法人水産研究・教育機構
四 独立行政法人海技教育機構
五 国立研究開発法人国立環境研究所
六 独立行政法人国立高等専門学校機構
附則
この政令は、法の施行の日(平成十四年四月一日)から施行する。附則(平成一四年六月七日政令第二〇〇号)
(施行期日)
第一条 この政令は、平成十四年七月一日から施行する。
附則(平成一五年一二月三日政令第四八三号)
(施行期日)
第一条 この政令は、平成十六年四月一日から施行する。
附則(平成一七年二月一八日政令第二四号)
(施行期日)
第一条 この政令は、不動産登記法の施行の日(平成十七年三月七日)から施行する。
附則(平成一八年三月三一日政令第一六一号)
この政令は、平成十八年四月一日から施行する。附則(平成一八年三月三一日政令第一六七号)
この政令は、平成十八年四月一日から施行する。附則(平成二七年三月一八日政令第七四号)
この政令は、平成二十七年四月一日から施行する。附則(平成二八年三月九日政令第五七号)
この政令は、平成二十八年四月一日から施行する。附則(平成二八年三月三〇日政令第八六号)
(施行期日)
第一条 この政令は、平成二十八年四月一日から施行する。
附則(平成三〇年六月六日政令第一八三号)
この政令は、民法の一部を改正する法律の施行の日(令和二年四月一日)から施行する。附則(令和元年六月二八日政令第四四号)
(施行期日)
第一条 この政令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年七月一日)から施行する。