第一章 総則
(目的)第一条 この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
(定義)第二条 この法律において「確定拠出年金」とは、企業型年金及び個人型年金をいう。
2 この法律において「企業型年金」とは、厚生年金適用事業所の事業主が、単独で又は共同して、次章の規定に基づいて実施する年金制度をいう。 3 この法律において「個人型年金」とは、連合会が、第三章の規定に基づいて実施する年金制度をいう。 4 この法律において「厚生年金適用事業所」とは、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第六条第一項の適用事業所及び同条第三項の認可を受けた適用事業所をいう。 5 この法律において「連合会」とは、国民年金基金連合会であって、個人型年金を実施する者として厚生労働大臣が全国を通じて一個に限り指定したものをいう。 6 この法律において「第一号等厚生年金被保険者」とは、厚生年金保険の被保険者のうち厚生年金保険法第二条の五第一項第一号に規定する第一号厚生年金被保険者(以下「第一号厚生年金被保険者」という。)又は同項第四号に規定する第四号厚生年金被保険者(以下「第四号厚生年金被保険者」という。)をいう。 7 この法律において「確定拠出年金運営管理業」とは、次に掲げる業務(以下「運営管理業務」という。)の全部又は一部を行う事業をいう。一 確定拠出年金における次のイからハまでに掲げる業務(連合会が行う個人型年金加入者の資格の確認に係る業務その他の厚生労働省令で定める業務を除く。以下「記録関連業務」という。)
イ 企業型年金加入者及び企業型年金運用指図者並びに個人型年金加入者及び個人型年金運用指図者(以下「加入者等」と総称する。)の氏名、住所、個人別管理資産額その他の加入者等に関する事項の記録、保存及び通知
ロ 加入者等が行った運用の指図の取りまとめ及びその内容の資産管理機関(企業型年金を実施する事業主が第八条第一項の規定により締結した契約の相手方をいう。以下同じ。)又は連合会への通知
ハ 給付を受ける権利の裁定
二 確定拠出年金における運用の方法の選定及び加入者等に対する提示並びに当該運用の方法に係る情報の提供(以下「運用関連業務」という。)
8 この法律において「企業型年金加入者」とは、企業型年金において、その者について企業型年金を実施する厚生年金適用事業所の事業主により掛金が拠出され、かつ、その個人別管理資産について運用の指図を行う者をいう。 9 この法律において「企業型年金運用指図者」とは、企業型年金において、その個人別管理資産について運用の指図を行う者(企業型年金加入者を除く。)をいう。 10 この法律において「個人型年金加入者」とは、個人型年金において、掛金を拠出し、かつ、その個人別管理資産について運用の指図を行う者をいう。 11 この法律において「個人型年金運用指図者」とは、個人型年金において、その個人別管理資産について運用の指図を行う者(個人型年金加入者を除く。)をいう。 12 この法律において「個人別管理資産」とは、企業型年金加入者若しくは企業型年金加入者であった者又は個人型年金加入者若しくは個人型年金加入者であった者に支給する給付に充てるべきものとして、一の企業型年金又は個人型年金において積み立てられている資産をいう。 13 この法律において「個人別管理資産額」とは、個人別管理資産の額として政令で定めるところにより計算した額をいう。第二章 企業型年金
第一節 企業型年金の開始
第一款 企業型年金規約
(規約の承認)第三条 厚生年金適用事業所の事業主は、企業型年金を実施しようとするときは、企業型年金を実施しようとする厚生年金適用事業所に使用される第一号等厚生年金被保険者(第九条第二項第二号に該当する者を除く。以下この項及び第五項、次条第三項(第五条第四項、第六条第二項及び第四十六条第三項において準用する場合を含む。)及び第四項、第五条第二項(第六条第二項において準用する場合を含む。)並びに第四十六条第一項において同じ。)の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該第一号等厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合がないときは当該第一号等厚生年金被保険者の過半数を代表する者の同意を得て、企業型年金に係る規約を作成し、当該規約について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
二以上の厚生年金適用事業所について企業型年金を実施しようとする場合においては、前項の同意は、各厚生年金適用事業所について得なければならない。 企業型年金に係る規約においては、次に掲げる事項を定めなければならない。一 企業型年金を実施する厚生年金適用事業所の事業主(次項及び第五項、第四十七条第五号、第五十四条の六、第五十五条第二項第四号の二、第七十条、第七十一条並びに第七十八条を除き、以下「事業主」という。)の名称及び住所
二 企業型年金が実施される厚生年金適用事業所(以下「実施事業所」という。)の名称及び所在地(厚生年金保険法第六条第一項第三号に規定する船舶(以下「船舶」という。)の場合にあっては、同号に規定する船舶所有者の名称及び所在地)
二の二 第五項に規定する簡易企業型年金を実施する場合にあっては、その旨
三 事業主が運営管理業務の全部又は一部を行う場合にあっては、その行う業務
四 事業主が第七条第一項の規定により運営管理業務の全部又は一部を委託した場合にあっては、当該委託を受けた確定拠出年金運営管理機関(第八十八条第一項の登録を受けて確定拠出年金運営管理業を営む者をいう。以下同じ。)(第七条第二項の規定により再委託を受けた確定拠出年金運営管理機関を含む。)の名称及び住所並びにその行う業務
五 資産管理機関の名称及び住所
六 実施事業所に使用される第一号等厚生年金被保険者が企業型年金加入者となることについて一定の資格を定める場合にあっては、当該資格に関する事項
七 事業主が拠出する掛金(以下「事業主掛金」という。)の額の算定方法その他その拠出に関する事項
七の二 企業型年金加入者が掛金を拠出することができることを定める場合にあっては、当該掛金(以下「企業型年金加入者掛金」という。)の額の決定又は変更の方法その他その拠出に関する事項
八 運用の方法の提示及び運用の指図に関する事項
八の二 第二十三条の二第一項の規定により指定運用方法を提示することとする場合にあっては、指定運用方法の提示に関する事項
八の三 第二十六条第一項の規定により運用の方法を除外することとする場合にあっては、除外に係る手続に関する事項
九 企業型年金の給付の額及びその支給の方法に関する事項
十 企業型年金加入者が資格を喪失した日において実施事業所に使用された期間が三年未満である場合において、その者の個人別管理資産のうち当該企業型年金に係る事業主掛金に相当する部分として政令で定めるものの全部又は一部を当該事業主掛金に係る事業主に返還することを定めるときは、当該事業主に返還する資産の額(以下「返還資産額」という。)の算定方法に関する事項
十一 企業型年金の実施に要する事務費の負担に関する事項
十二 その他政令で定める事項
第一項の承認を受けようとする厚生年金適用事業所の事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、当該承認に係る申請書に、次に掲げる書類(当該事業主が運営管理業務の全部を行う場合にあっては、第四号に掲げる書類を除く。)を添付して、厚生労働大臣に提出しなければならない。一 実施する企業型年金に係る規約
二 第一項の同意を得たことを証する書類
三 実施事業所に使用される第一号等厚生年金被保険者が企業型年金加入者となることについて一定の資格を定める場合であって、当該実施事業所において確定給付企業年金(確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第二条第一項に規定する確定給付企業年金をいう。以下同じ。)又は退職手当制度を実施しているときは、当該確定給付企業年金及び退職手当制度が適用される者の範囲についての書類
四 運営管理業務の委託に係る契約書
五 第八条第二項に規定する資産管理契約の契約書
六 その他厚生労働省令で定める書類
厚生年金適用事業所の事業主が次に掲げる要件に適合する企業型年金(第十九条第二項及び第二十三条第一項において「簡易企業型年金」という。)について、第一項の承認を受けようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、前項第三号から第五号までに掲げる書類及び同項第六号に掲げる書類(厚生労働省令で定める書類に限る。)の添付を省略することができる。一 実施事業所に使用される全ての第一号等厚生年金被保険者(厚生労働省令で定める者を除く。)が実施する企業型年金の企業型年金加入者の資格を有すること。
二 実施する企業型年金の企業型年金加入者の資格を有する者の数が三百人以下であること。
三 その他厚生労働省令で定める要件
前各項に定めるもののほか、企業型年金に係る規約の承認に関し必要な事項は、政令で定める。(承認の基準等)第四条 厚生労働大臣は、前条第一項の承認の申請があった場合において、当該申請に係る規約が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、同項の承認をするものとする。
一 前条第三項各号に掲げる事項が定められていること。
二 実施事業所に使用される第一号等厚生年金被保険者が企業型年金加入者となることについて一定の資格を定めた場合であって、当該実施事業所において確定給付企業年金又は退職手当制度を実施しているときは、当該資格は、確定給付企業年金及び退職手当制度が適用される者の範囲に照らし、特定の者について不当に差別的なものでないこと。
三 事業主掛金について、定額又は給与に一定の率を乗ずる方法その他これに類する方法により算定した額によることが定められていること。
三の二 前条第三項第七号の二に掲げる事項を定めた場合にあっては、各企業型年金加入者に係る企業型年金加入者掛金の額が当該企業型年金加入者に係る事業主掛金の額を超えないように企業型年金加入者掛金の額の決定又は変更の方法が定められていること。
四 提示される運用の方法の数及び種類について、第二十三条第一項及び第二項の規定に反しないこと。
五 企業型年金加入者及び企業型年金運用指図者(以下「企業型年金加入者等」という。)による運用の指図は、少なくとも三月に一回、行い得るものであること。
六 企業型年金の給付の額の算定方法が政令で定める基準に合致していること。
七 企業型年金加入者が資格を喪失した日において実施事業所に使用された期間が三年以上である場合又は企業型年金加入者が当該企業型年金の障害給付金の受給権を有する場合について、その者の個人別管理資産が移換されるときは、その全てを移換するものとされていること。
八 その他政令で定める要件
厚生労働大臣は、前条第一項の承認をしたときは、速やかに、その旨をその申請をした事業主に通知しなければならない。 事業主は、前条第一項の承認を受けたときは、遅滞なく、同項の承認を受けた規約(以下「企業型年金規約」という。)を実施事業所に使用される第一号等厚生年金被保険者に周知させなければならない。 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、企業型年金規約を実施事業所ごとに備え置き、その使用する第一号等厚生年金被保険者の求めに応じ、これを閲覧させなければならない。(規約の変更)第五条 事業主は、企業型年金規約の変更(厚生労働省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、その変更について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
前項の変更の承認の申請は、実施事業所に使用される第一号等厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該第一号等厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合がないときは当該第一号等厚生年金被保険者の過半数を代表する者の同意を得て行わなければならない。 前項の場合において、実施事業所が二以上であるときは、同項の同意は、各実施事業所について得なければならない。 ただし、第一項の変更が全ての実施事業所に係るものでない場合であって、規約において、あらかじめ、当該変更に係る事項を定めているときは、当該変更に係る実施事業所について前項の同意があったときは、当該変更に係る実施事業所以外の実施事業所についても同項の同意があったものとみなすことができる。 前条の規定は、第一項の変更の承認の申請があった場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「第一号等厚生年金被保険者」とあるのは、「第一号等厚生年金被保険者(企業型年金運用指図者に係る事項に重要な変更を加えたときは、企業型年金運用指図者を含む。)」と読み替えるものとする。第六条 事業主は、企業型年金規約の変更(前条第一項の厚生労働省令で定める軽微な変更に限る。)をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。 ただし、第三条第三項第五号に掲げる事項その他厚生労働省令で定める事項の変更については、この限りでない。
第四条第三項並びに前条第二項及び第三項の規定は、前項の変更について準用する。 ただし、当該変更が同条第一項の厚生労働省令で定める軽微な変更のうち特に軽微なものとして厚生労働省令で定めるものである場合においては、同条第二項及び第三項の規定は、準用しない。第二款 運営管理業務の委託等
(運営管理業務の委託)第七条 事業主は、政令で定めるところにより、運営管理業務の全部又は一部を確定拠出年金運営管理機関に委託することができる。
確定拠出年金運営管理機関は、政令で定めるところにより、前項の規定により委託を受けた運営管理業務の一部を他の確定拠出年金運営管理機関に再委託することができる。 運営管理業務の全部又は一部を行う確定拠出年金運営管理機関が欠けることとなるときは、事業主は、当該全部若しくは一部の運営管理業務を自ら行い、又は当該運営管理業務を承継すべき確定拠出年金運営管理機関を定めて当該運営管理業務を委託しなければならない。 事業主は、第一項の規定により確定拠出年金運営管理機関に運営管理業務の全部又は一部を委託した場合(第二項の規定により再委託した場合を含む。)は、少なくとも五年ごとに、運営管理業務の実施に関する評価を行い、運営管理業務の委託について検討を加え、必要があると認めるときは、確定拠出年金運営管理機関の変更その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 前各項に定めるもののほか、運営管理業務の委託に関し必要な事項は、政令で定める。(資産管理契約の締結)第八条 事業主は、政令で定めるところにより、給付に充てるべき積立金(以下「積立金」という。)について、次の各号のいずれかに掲げる契約を締結しなければならない。
一 信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条又は第五十三条第一項の免許を受けたものに限る。以下同じ。)、信託業務を営む金融機関又は企業年金基金を相手方とする運用の方法を特定する信託の契約
二 生命保険会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第三項に規定する生命保険会社及び同条第八項に規定する外国生命保険会社等をいう。以下同じ。)を相手方とする生命保険の契約
三 農業協同組合連合会(全国を地区とし、農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第十号の事業のうち生命共済の事業を行うものに限る。)を相手方とする生命共済の契約
四 損害保険会社(保険業法第二条第四項に規定する損害保険会社及び同条第九項に規定する外国損害保険会社等をいう。以下同じ。)を相手方とする損害保険の契約
前項各号に規定する者は、正当な理由がある場合を除き、同項各号に掲げる契約(以下「資産管理契約」という。)の締結を拒絶してはならない。 資産管理機関が欠けることとなるときは、事業主は、別に資産管理契約の相手方となるべき者を定めて、資産管理契約を締結しなければならない。 資産管理契約が解除されたときは、当該解除された資産管理契約に係る資産管理機関は、速やかに、当該資産管理契約に係る積立金を事業主が定めた資産管理機関に移換しなければならない。 前各項に定めるもののほか、資産管理契約の締結に関し必要な事項は、政令で定める。第二節 企業型年金加入者等
(企業型年金加入者)第九条 実施事業所に使用される第一号等厚生年金被保険者は、企業型年金加入者とする。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の規定にかかわらず、企業型年金加入者としない。一 実施事業所に使用される第一号等厚生年金被保険者が企業型年金加入者となることについて企業型年金規約で一定の資格を定めた場合における当該資格を有しない者
二 企業型年金の老齢給付金の受給権を有する者又はその受給権を有する者であった者
(資格取得の時期)第十条 企業型年金加入者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日に、企業型年金加入者の資格を取得する。
一 実施事業所に使用されるに至ったとき。
二 その使用される事業所若しくは事務所(以下「事業所」という。)又は船舶が、実施事業所となったとき。
三 実施事業所に使用される者が、第一号等厚生年金被保険者となったとき。
四 実施事業所に使用される者が、企業型年金規約により定められている資格を取得したとき。
(資格喪失の時期)第十一条 企業型年金加入者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(その事実があった日に更に前条各号のいずれかに該当するに至ったとき、第五号に該当するに至ったとき(厚生労働省令で定める場合に限る。)又は第六号に該当するに至ったときは、当該至った日)に、企業型年金加入者の資格を喪失する。
一 死亡したとき。
二 実施事業所に使用されなくなったとき。
三 その使用される事業所又は船舶が、実施事業所でなくなったとき。
四 第一号等厚生年金被保険者でなくなったとき。
五 企業型年金規約により定められている資格を喪失したとき。
六 企業型年金の老齢給付金の受給権を有する者となったとき。
(企業型年金加入者の資格の得喪に関する特例)第十二条 企業型年金加入者の資格を取得した月にその資格を喪失した者は、その資格を取得した日にさかのぼって、企業型年金加入者でなかったものとみなす。
(同時に二以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有する者の取扱い)第十三条 同時に二以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有する者は、第九条の規定にかかわらず、その者の選択する一の企業型年金以外の企業型年金の企業型年金加入者としないものとする。
2 前項の選択は、その者が二以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有するに至った日から起算して十日以内にしなければならない。 3 第一項に規定する者は、同項の選択をしたときは、その者が二以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有するに至った日にさかのぼって、その選択した一の企業型年金以外の企業型年金の企業型年金加入者でなかったものとする。 4 第一項に規定する者が同項の選択をしなかったときは、その者は、政令で定めるところにより、当該二以上の企業型年金のうちその一の企業型年金を選択したものとみなす。 5 甲企業型年金の企業型年金加入者が同時に乙企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有するに至った場合において、第一項の規定により乙企業型年金を選択したときは、その者は、乙企業型年金の企業型年金加入者となった日に、甲企業型年金の企業型年金加入者の資格を喪失する。 6 第一項に規定する者が、同項の規定により選択した企業型年金の企業型年金加入者でなくなったときは、その者は、その日に、当該企業型年金以外の企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得する。 (企業型年金加入者期間)第十四条 企業型年金加入者である期間(以下「企業型年金加入者期間」という。)を計算する場合には、月によるものとし、企業型年金加入者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。
2 企業型年金加入者の資格を喪失した後、再びもとの企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得した者については、当該企業型年金における前後の企業型年金加入者期間を合算する。 (企業型年金運用指図者)第十五条 次に掲げる者は、企業型年金運用指図者とする。
一 六十歳以上の企業型年金加入者であって、第十一条各号(第一号及び第三号を除く。)に該当するに至ったことにより企業型年金加入者の資格を喪失したもの(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)
二 企業型年金の企業型年金加入者であった者であって当該企業型年金の年金たる障害給付金の受給権を有するもの
2 企業型年金運用指図者は、前項各号に掲げる者のいずれかに該当するに至った日に、企業型年金運用指図者の資格を取得する。 3 企業型年金運用指図者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第三号に該当するに至ったときは、当該至った日)に、企業型年金運用指図者の資格を喪失する。一 死亡したとき。
二 当該企業型年金に個人別管理資産がなくなったとき。
三 当該企業型年金の企業型年金加入者となったとき。
4 第十二条の規定は企業型年金運用指図者の資格について、前条の規定は企業型年金運用指図者である期間(以下「企業型年金運用指図者期間」という。)を計算する場合について準用する。 (通知等)第十六条 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その実施する企業型年金の企業型年金加入者の氏名及び住所その他の事項を当該企業型年金の企業型年金加入者等に係る記録関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関(以下「企業型記録関連運営管理機関」という。)に通知しなければならない。 ただし、当該事業主が記録関連業務の全部を行う場合にあっては、この限りでない。
2 企業型年金加入者は、厚生労働省令で定めるところにより、第十三条第一項の規定により選択した企業型年金その他の事項を事業主又は企業型記録関連運営管理機関に申し出なければならない。第十七条 企業型年金運用指図者は、厚生労働省令で定めるところにより、氏名及び住所その他の事項を企業型記録関連運営管理機関(記録関連業務を行う事業主を含む。以下「企業型記録関連運営管理機関等」という。)に申し出なければならない。
(企業型年金加入者等原簿)第十八条 企業型記録関連運営管理機関等は、厚生労働省令で定めるところにより、企業型年金加入者等に関する原簿を備え、これに企業型年金加入者等の氏名及び住所、資格の取得及び喪失の年月日、個人別管理資産額その他厚生労働省令で定める事項を記録し、これを保存しなければならない。
2 企業型年金加入者及び企業型年金加入者であった者(死亡一時金を受けることができる者を含む。)は、企業型記録関連運営管理機関等に対し、前項の原簿の閲覧を請求し、又は当該原簿に記録された事項について照会することができる。 この場合においては、企業型記録関連運営管理機関等は、正当な理由がある場合を除き、閲覧の請求又は照会の回答を拒んではならない。第三節 掛金
(事業主掛金及び企業型年金加入者掛金)第十九条 事業主は、政令で定めるところにより、年一回以上、定期的に掛金を拠出する。
2 事業主掛金の額は、企業型年金規約で定めるものとする。 ただし、簡易企業型年金に係る事業主掛金の額については、政令で定める基準に従い企業型年金規約で定める額とする。 3 企業型年金加入者は、政令で定める基準に従い企業型年金規約で定めるところにより、年一回以上、定期的に自ら掛金を拠出することができる。 4 企業型年金加入者掛金の額は、企業型年金規約で定めるところにより、企業型年金加入者が決定し、又は変更する。 (拠出限度額)第二十条 各企業型年金加入者に係る一年間の事業主掛金の額(企業型年金加入者が企業型年金加入者掛金を拠出する場合にあっては、事業主掛金の額と企業型年金加入者掛金の額との合計額。以下この条において同じ。)の総額は、拠出限度額(一年間に拠出することができる事業主掛金の額の総額の上限として、企業型年金加入者の確定給付企業年金の加入者の資格の有無等を勘案して政令で定める額をいう。)を超えてはならない。
(事業主掛金の納付)第二十一条 事業主は、事業主掛金を企業型年金規約で定める日までに資産管理機関に納付するものとする。
2 事業主は、事業主掛金を納付する場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、各企業型年金加入者に係る事業主掛金の額を企業型記録関連運営管理機関に通知しなければならない。 ただし、当該事業主が記録関連業務の全部を行う場合にあっては、この限りでない。 (企業型年金加入者掛金の納付)第二十一条の二 企業型年金加入者掛金を拠出する企業型年金加入者は、企業型年金加入者掛金を企業型年金規約で定める日までに事業主を介して資産管理機関に納付するものとする。
2 前条第二項の規定は、事業主が企業型年金加入者掛金の納付を行う場合について準用する。 (企業型年金加入者掛金の源泉控除)第二十一条の三 前条第一項の規定により企業型年金加入者掛金の納付を行う事業主は、当該企業型年金加入者に対して通貨をもって給与を支払う場合においては、企業型年金加入者掛金を給与から控除することができる。
2 事業主は、前項の規定によって企業型年金加入者掛金を控除したときは、企業型年金加入者掛金の控除に関する計算書を作成し、その控除額を当該企業型年金加入者に通知しなければならない。第四節 運用
(事業主の責務)第二十二条 事業主は、その実施する企業型年金の企業型年金加入者等に対し、これらの者が行う第二十五条第一項の運用の指図に資するため、資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置を継続的に講ずるよう努めなければならない。
2 事業主は、前項の措置を講ずるに当たっては、企業型年金加入者等の資産の運用に関する知識を向上させ、かつ、これを第二十五条第一項の運用の指図に有効に活用することができるよう配慮するものとする。 (運用の方法の選定及び提示)第二十三条 企業型年金加入者等に係る運用関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関(運用関連業務を行う事業主を含む。以下「企業型運用関連運営管理機関等」という。)は、政令で定めるところにより、次に掲げる運用の方法のうち政令で定めるもの(次条第一項において「対象運用方法」という。)を、企業型年金加入者等による適切な運用の方法の選択に資するための上限として政令で定める数以下で、かつ、三以上(簡易企業型年金を実施する事業主から委託を受けて運用関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関(運用関連業務を行う簡易企業型年金を実施する事業主を含む。)にあっては、二以上)で選定し、企業型年金規約で定めるところにより、企業型年金加入者等に提示しなければならない。
一 銀行その他の金融機関を相手方とする預金又は貯金の預入
二 信託会社又は信託業務を営む金融機関への信託
三 有価証券の売買
四 生命保険会社又は農業協同組合(農業協同組合法第十条第一項第十号の事業のうち生命共済の事業を行うものに限る。)その他政令で定める生命共済の事業を行う者への生命保険の保険料又は生命共済の共済掛金の払込み
五 損害保険会社への損害保険の保険料の払込み
六 前各号に掲げるもののほか、投資者の保護が図られていることその他の政令で定める要件に適合する契約の締結
2 前項の規定による運用の方法の選定は、その運用から生ずると見込まれる収益の率、収益の変動の可能性その他の収益の性質が類似していないことその他政令で定める基準に従って行われなければならない。 3 企業型運用関連運営管理機関等は、前二項の規定により運用の方法の選定を行うに際しては、資産の運用に関する専門的な知見に基づいて、これを行わなければならない。 (指定運用方法の選定)第二十三条の二 企業型運用関連運営管理機関等は、企業型年金規約で定めるところにより、前条第一項の規定により提示する運用の方法のほか、対象運用方法のうちから一の運用の方法を選定し、企業型年金加入者に提示することができる。
2 前項の規定により選定した運用の方法(以下「指定運用方法」という。)は、長期的な観点から、物価その他の経済事情の変動により生ずる損失に備え、収益の確保を図るためのものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものでなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定により指定運用方法を選定する場合について準用する。 (運用の方法に係る情報の提供)第二十四条 企業型運用関連運営管理機関等は、厚生労働省令で定めるところにより、第二十三条第一項の規定により提示した運用の方法について、これに関する利益の見込み及び損失の可能性その他の企業型年金加入者等が第二十五条第一項の運用の指図を行うために必要な情報を、当該企業型年金加入者等に提供しなければならない。
(指定運用方法に係る情報の提供)第二十四条の二 企業型運用関連運営管理機関等は、第二十三条の二第一項の規定により指定運用方法を選定し、提示した場合は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項に係る情報を企業型年金加入者に提供しなければならない。
一 指定運用方法に関する利益の見込み及び損失の可能性
二 指定運用方法を選定した理由
三 第二十五条の二第二項の事項
四 その他厚生労働省令で定める事項
(運用の指図)第二十五条 企業型年金加入者等は、企業型年金規約で定めるところにより、積立金のうち当該企業型年金加入者等の個人別管理資産について運用の指図を行う。
2 前項の運用の指図(以下この章において単に「運用の指図」という。)は、第二十三条第一項の規定により提示された運用の方法(第二十三条の二第一項の規定により指定運用方法が提示された場合にあっては、当該指定運用方法を含む。以下この条において同じ。)(第二十六条第一項において「提示運用方法」という。)の中から一又は二以上の運用の方法を選択し、かつ、それぞれの運用の方法に充てる額を決定して、これらの事項を企業型記録関連運営管理機関等に示すことによって行うものとする。 3 企業型記録関連運営管理機関等は、運用の指図を受けたときは、政令で定めるところにより、同時に行われた運用の指図を第二十三条第一項の規定により提示された運用の方法ごとに取りまとめ、その内容を資産管理機関に通知するものとする。 4 資産管理機関は、前項の通知があったときは、速やかに、同項の通知に従って、それぞれの運用の方法について、契約の締結、変更又は解除その他の必要な措置を行わなければならない。 (指定運用方法が提示されている場合の運用の指図の特例)第二十五条の二 次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日から起算して三月以上で企業型年金規約で定める期間(次項において「特定期間」という。)を経過してもなお企業型記録関連運営管理機関等が企業型年金加入者から運用の指図を受けないときは、当該企業型記録関連運営管理機関等は、同項の事項及び当該指定運用方法を当該企業型年金加入者に通知しなければならない。
一 第二十三条の二第一項の規定により指定運用方法が提示されている場合であって、企業型年金加入者がその資格を取得したとき その後最初に事業主掛金又は企業型年金加入者掛金(次号及び第三項において「事業主掛金等」という。)の納付が行われた日
二 企業型年金加入者がその資格を取得している場合であって、第二十三条の二第一項の規定により指定運用方法が提示されたとき その後最初に事業主掛金等の納付が行われた日
2 前項の規定による通知を受けた企業型年金加入者が特定期間を経過した日から二週間以上で企業型年金規約で定める期間(次項において「猶予期間」という。)を経過してもなお運用の指図を行わないときは、当該企業型年金加入者は、当該通知に係る指定運用方法を選択し、かつ、当該指定運用方法にその未指図個人別管理資産の全額を充てる運用の指図を行ったものとみなす。 3 前項の「未指図個人別管理資産」とは、個人別管理資産のうち、第一項の規定による通知に係る猶予期間が終了する日までに運用の指図が行われていないもの及び同日後に納付される事業主掛金等について運用の指図が行われていないものをいう。 (運用の方法の除外に係る同意)第二十六条 企業型運用関連運営管理機関等は、提示運用方法から運用の方法を除外しようとするときは、企業型年金規約で定めるところにより、当該除外しようとする運用の方法を選択して運用の指図を行っている企業型年金加入者等(以下この条において「除外運用方法指図者」という。)(所在が明らかでない者を除く。)の三分の二以上の同意を得なければならない。 ただし、当該運用の方法に係る契約の相手方が欠けたことその他厚生労働省令で定める事由により当該運用の方法を除外しようとするときは、この限りでない。
2 企業型運用関連運営管理機関等は、企業型年金規約で定めるところにより、除外運用方法指図者に前項の同意を得るための通知をした日から三週間以上で企業型年金規約で定める期間を経過してもなお除外運用方法指図者から同意又は不同意の意思表示を受けなかった場合は、当該除外運用方法指図者は同項の同意をしたものとみなすことができる。 この場合において、当該通知には、その旨を記載しなければならない。 3 企業型運用関連運営管理機関等は、第一項の規定により運用の方法を除外したときは、その旨を除外運用方法指図者に通知しなければならない。 4 企業型運用関連運営管理機関等は、除外運用方法指図者の所在が明らかでないため前項の通知をすることができないときは、同項の通知に代えて、当該運用の方法が除外された旨を公告しなければならない。 (個人別管理資産額の通知等)第二十七条 企業型記録関連運営管理機関等は、毎年少なくとも一回、企業型年金加入者等の個人別管理資産額その他厚生労働省令で定める事項を当該企業型年金加入者等に通知しなければならない。
2 企業型記録関連運営管理機関等は、企業型年金加入者等に係る掛金の拠出の状況その他の厚生労働省令で定める事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって厚生労働省令で定めるものにより、当該企業型年金加入者等が閲覧することができる状態に置かなければならない。第五節 給付
第一款 通則
(給付の種類)第二十八条 企業型年金の給付(以下この款及び第四十八条の二において「給付」という。)は、次のとおりとする。
一 老齢給付金
二 障害給付金
三 死亡一時金
(裁定)第二十九条 給付を受ける権利は、その権利を有する者(以下この節において「受給権者」という。)の請求に基づいて、企業型記録関連運営管理機関等が裁定する。
企業型記録関連運営管理機関等は、前項の規定により裁定をしたときは、遅滞なく、その内容を資産管理機関に通知しなければならない。(給付の額)第三十条 給付の額は、企業型年金規約で定めるところにより算定した額とする。
(年金給付の支給期間等)第三十一条 給付のうち年金として支給されるもの(次項において「年金給付」という。)の支給は、これを支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、権利が消滅した月で終わるものとする。
年金給付の支払期月については、企業型年金規約で定めるところによる。(受給権の譲渡等の禁止等)第三十二条 給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。
租税その他の公課は、障害給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。第二款 老齢給付金
(支給要件)第三十三条 企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限り、当該企業型年金の障害給付金の受給権者又は他の企業型年金の企業型年金加入者を除く。以下この項において同じ。)であって次の各号に掲げるものが、それぞれ当該各号に定める年数又は月数以上の通算加入者等期間を有するときは、その者は、厚生労働省令で定めるところにより、企業型記録関連運営管理機関等に老齢給付金の支給を請求することができる。 ただし、企業型年金加入者であった者であって六十歳以上七十五歳未満のものは、通算加入者等期間を有しない場合であっても、企業型年金加入者となった日その他の厚生労働省令で定める日から起算して五年を経過した日から企業型記録関連運営管理機関等に老齢給付金の支給を請求することができる。
一 六十歳以上六十一歳未満の者 十年
二 六十一歳以上六十二歳未満の者 八年
三 六十二歳以上六十三歳未満の者 六年
四 六十三歳以上六十四歳未満の者 四年
五 六十四歳以上六十五歳未満の者 二年
六 六十五歳以上の者 一月
前項の通算加入者等期間とは、政令で定めるところにより同項に規定する者の次に掲げる期間(その者が六十歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る。)を合算した期間をいう。一 企業型年金加入者期間
二 企業型年金運用指図者期間
三 個人型年金加入者である期間(以下「個人型年金加入者期間」という。)
四 個人型年金運用指図者である期間(以下「個人型年金運用指図者期間」という。)
第一項の請求があったときは、資産管理機関は、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づき、その請求をした者に老齢給付金を支給する。(七十五歳到達時の支給)第三十四条 企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が前条の規定により老齢給付金の支給を請求することなく七十五歳に達したときは、資産管理機関は、その者に、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、老齢給付金を支給する。
(支給の方法)第三十五条 老齢給付金は、年金として支給する。
老齢給付金は、企業型年金規約でその全部又は一部を一時金として支給することができることを定めた場合には、前項の規定にかかわらず、企業型年金規約で定めるところにより、一時金として支給することができる。(失権)第三十六条 老齢給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。
一 受給権者が死亡したとき。
二 当該企業型年金の障害給付金の受給権者となったとき。
三 当該企業型年金に個人別管理資産がなくなったとき。
第三款 障害給付金
(支給要件)第三十七条 企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)から起算して一年六月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)から七十五歳に達する日の前日までの間において、その傷病により政令で定める程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に企業型記録関連運営管理機関等に障害給付金の支給を請求することができる。
企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下この項において「基準傷病」という。)に係る初診日において基準傷病以外の傷病により障害の状態にある場合であって、基準傷病に係る障害認定日から七十五歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害と他の障害とを併合して前項の政令で定める程度の障害の状態に該当するに至ったとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が二以上ある場合は、基準傷病以外の全ての傷病)の初診日以降であるときに限る。)は、その者は、その期間内に企業型記録関連運営管理機関等に障害給付金の支給を請求することができる。 前二項の請求があったときは、資産管理機関は、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づき、その請求をした者に障害給付金を支給する。(支給の方法)第三十八条 障害給付金は、年金として支給する。
障害給付金は、企業型年金規約でその全部又は一部を一時金として支給することができることを定めた場合には、前項の規定にかかわらず、企業型年金規約で定めるところにより、一時金として支給することができる。(失権)第三十九条 障害給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。
一 受給権者が死亡したとき。
二 当該企業型年金に個人別管理資産がなくなったとき。
第四款 死亡一時金
(支給要件)第四十条 死亡一時金は、企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が死亡したときに、その者の遺族に、資産管理機関が企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、支給する。
(遺族の範囲及び順位)第四十一条 死亡一時金を受けることができる遺族は、次に掲げる者とする。 ただし、死亡した者が、死亡する前に、配偶者(届出をしていないが、死亡した者の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。以下この条において同じ。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹のうちから死亡一時金を受ける者を指定してその旨を企業型記録関連運営管理機関等に対して表示したときは、その表示したところによるものとする。
一 配偶者
二 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって死亡した者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持していたもの
三 前号に掲げる者のほか、死亡した者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持していた親族
四 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって第二号に該当しないもの
前項本文の場合において、死亡一時金を受けることができる遺族の順位は、同項各号の順位により、同項第二号及び第四号に掲げる者のうちにあっては同号に掲げる順位による。 この場合において、父母については養父母、実父母の順とし、祖父母については養父母の養父母、養父母の実父母、実父母の養父母、実父母の実父母の順とする。 前項の規定により死亡一時金を受けることができる遺族に同順位者が二人以上あるときは、死亡一時金は、その人数によって等分して支給する。 死亡一時金を受けることができる遺族がないときは、死亡した者の個人別管理資産額に相当する金銭は、死亡した者の相続財産とみなす。 死亡一時金を受けることができる者によるその権利の裁定の請求が死亡した者の死亡の後五年間ないときは、死亡一時金を受けることができる遺族はないものとみなして、前項の規定を適用する。(欠格)第四十二条 故意の犯罪行為により企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者を死亡させた者は、前条の規定にかかわらず、死亡一時金を受けることができない。 企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者の死亡前に、その者の死亡によって死亡一時金を受けるべき者を故意の犯罪行為により死亡させた者についても、同様とする。
第六節 事業主等の行為準則
(事業主の行為準則)第四十三条 事業主は、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分及び企業型年金規約を遵守し、企業型年金加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
2 事業主は、企業型年金の実施に係る業務に関し、企業型年金加入者等の氏名、住所、生年月日、個人別管理資産額その他の企業型年金加入者等の個人に関する情報を保管し、又は使用するに当たっては、その業務の遂行に必要な範囲内で当該個人に関する情報を保管し、及び使用しなければならない。 ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。 3 事業主は、次に掲げる行為をしてはならない。一 自己又は企業型年金加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって、第七条第一項の規定による運営管理業務の委託に係る契約又は資産管理契約を締結すること。
二 前号に掲げるもののほか、企業型年金加入者等の保護に欠けるものとして厚生労働省令で定める行為
4 事業主(運用関連業務を行う者である場合に限る。)は、次に掲げる行為をしてはならない。一 自己又は企業型年金加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって、特定の運用の方法を選定すること。
二 前号に掲げるもののほか、企業型年金加入者等の保護に欠けるものとして厚生労働省令で定める行為
(資産管理機関の行為準則)第四十四条 資産管理機関は、法令及び資産管理契約を遵守し、企業型年金加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
第七節 企業型年金の終了
(企業型年金の終了)第四十五条 企業型年金は、次の各号のいずれかに該当するに至った場合に終了する。
一 次条第一項の承認があったとき。
二 第四十七条の規定により企業型年金規約の承認の効力が失われたとき。
三 第五十二条第二項の規定により企業型年金規約の承認が取り消されたとき。
第四十六条 事業主は、企業型年金を終了しようとするときは、実施事業所に使用される第一号等厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該第一号等厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合がないときは当該第一号等厚生年金被保険者の過半数を代表する者の同意を得て、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
2 前項の場合において、実施事業所が二以上であるときは、同項の同意は、各実施事業所について得なければならない。 3 第四条第二項及び第三項の規定は、第一項の終了の承認の申請があった場合について準用する。第四十七条 事業主(企業型年金を共同して実施している場合にあっては、当該企業型年金を実施している事業主の全部)が次の各号のいずれかに該当するに至った場合は、その実施する企業型年金の企業型年金規約の承認は、その効力を失う。 この場合において、それぞれ当該各号に定める者は、当該各号に該当するに至った日(第一号の場合にあっては、その事実を知った日)から三十日以内に、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
一 事業主が死亡したとき その相続人
二 法人が合併により消滅したとき その法人を代表する役員であった者
三 法人が破産手続開始の決定により解散したとき その破産管財人
四 法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき その清算人
五 厚生年金適用事業所の事業主でなくなったとき(前各号に掲げる場合を除く。) 厚生年金適用事業所の事業主であった個人又は厚生年金適用事業所の事業主であった法人を代表する役員
(政令への委任)第四十八条 この節に定めるもののほか、企業型年金の終了に関し必要な事項は、政令で定める。
第八節 雑則
(情報収集等業務及び資料提供等業務の委託)第四十八条の二 事業主は、給付の支給を行うために必要となる企業型年金加入者等に関する情報の収集、整理又は分析の業務(運営管理業務を除く。以下「情報収集等業務」という。)及び企業型年金加入者等による運用の指図に資するために行う資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置に係る業務(以下「資料提供等業務」という。)の全部又は一部を、企業年金連合会(確定給付企業年金法第九十一条の二第一項に規定する企業年金連合会をいう。以下同じ。)に委託することができる。
(企業年金連合会の業務の特例)第四十八条の三 企業年金連合会は、確定給付企業年金法の規定による業務のほか、前条(第七十三条において準用する場合を含む。)の規定による委託を受けて、情報収集等業務及び資料提供等業務を行うことができる。
(区分経理)第四十八条の四 企業年金連合会は、情報収集等業務及び資料提供等業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。
(確定給付企業年金法の適用)第四十八条の五 第四十八条の三の規定により企業年金連合会の情報収集等業務又は資料提供等業務が行われる場合には、確定給付企業年金法第百二十一条中「この法律」とあるのは、「この法律又は確定拠出年金法第四十八条の三」とするほか、同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(運営管理業務に関する帳簿書類)第四十九条 事業主(運営管理業務を行う者である場合に限る。)は、厚生労働省令で定めるところにより、運営管理業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
(報告書の提出)第五十条 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、企業型年金に係る業務についての報告書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
(報告の徴収等)第五十一条 厚生労働大臣は、この法律の施行に必要な限度において、事業主に対し、企業型年金の実施状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして事業所に立ち入って関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。
2 前項の規定によって質問及び検査を行う当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (事業主に対する監督)第五十二条 厚生労働大臣は、前条の規定により報告を徴し、又は質問し、若しくは検査した場合において、事業主がその実施する企業型年金に関し法令、企業型年金規約若しくは厚生労働大臣の処分に違反していると認めるとき、又は事業主の企業型年金の運営が著しく適正を欠くと認めるときは、期間を定めて、事業主に対し、その違反の是正又は改善のため必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。
2 事業主が前項の命令に違反したとき、又は企業型年金の実施状況によりその継続が困難であると認めるときは、厚生労働大臣は、当該事業主の企業型年金規約の承認を取り消すことができる。 (企業年金基金の業務の特例)第五十三条 企業年金基金は、その規約で定めるところにより、資産管理契約に係る業務を行うことができる。
2 企業年金基金は、資産管理契約に係る業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。 3 第一項の規定により企業年金基金の業務が行われる場合には、確定給付企業年金法第百二十一条中「この法律」とあるのは、「この法律又は確定拠出年金法第五十三条第一項」とするほか、同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。 (他の制度の資産の移換)第五十四条 企業型年金の資産管理機関は、政令で定めるところにより、当該企業型年金の実施事業所において実施される確定給付企業年金、中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)の規定による退職金共済又は退職手当制度に係る資産の全部又は一部の移換を受けることができる。
2 前項の規定により資産管理機関が資産の移換を受けたときは、各企業型年金加入者が当該実施事業所の事業主に使用された期間(当該企業型年金加入者が六十歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る。)その他これに準ずる期間のうち政令で定めるものは、当該企業型年金加入者に係る第三十三条第一項の通算加入者等期間に算入するものとする。 (脱退一時金相当額等の移換)第五十四条の二 企業型年金の資産管理機関は、政令で定めるところにより、脱退一時金相当額等(確定給付企業年金の脱退一時金相当額(確定給付企業年金法第八十一条の二第一項に規定する脱退一時金相当額をいう。)又は企業年金連合会の規約で定める積立金(確定給付企業年金法第五十九条に規定する積立金をいう。)をいう。以下同じ。)の移換を受けることができる。
2 前項の規定により資産管理機関が脱退一時金相当額等の移換を受けたときは、各企業型年金加入者等が当該確定給付企業年金の実施事業所の事業主に使用された期間(当該企業型年金加入者が六十歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る。)その他これに準ずる期間のうち政令で定めるものは、当該企業型年金加入者等に係る第三十三条第一項の通算加入者等期間に算入するものとする。 (他の制度の資産等の移換があった場合の運用の指図の特例)第五十四条の三 第五十四条第一項又は前条第一項の規定により移換される資産又は脱退一時金相当額等がある場合における第二十五条の二の規定の適用については、同条第三項中「及び同日後」とあるのは「、同日後」と、「をいう」とあるのは「及び同日後に第五十四条第一項又は第五十四条の二第一項の規定により移換される資産又は脱退一時金相当額等について運用の指図が行われていないものをいう」とする。
(確定給付企業年金の加入者となった者の個人別管理資産の移換)第五十四条の四 企業型年金の企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)は、確定給付企業年金の加入者の資格を取得した場合であって、当該確定給付企業年金の規約において、あらかじめ、当該企業型年金の資産管理機関からその個人別管理資産の移換を受けることができる旨が定められているときは、当該企業型年金の資産管理機関にその個人別管理資産の移換を申し出ることができる。
2 企業型年金の資産管理機関は、前項の規定による申出があったときは、当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等(確定給付企業年金法第三十条第三項に規定する資産管理運用機関等をいう。以下同じ。)に当該申出をした者の個人別管理資産を移換するものとする。 (企業型年金加入者であった者の個人別管理資産の移換)第五十四条の五 企業型年金の企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限り、第十五条第一項第一号に規定する企業型年金運用指図者を除く。)は、企業年金連合会の規約において、あらかじめ、当該企業型年金の資産管理機関からその個人別管理資産の移換を受けることができる旨が定められているときは、当該企業型年金の資産管理機関にその個人別管理資産の移換を申し出ることができる。
2 企業型年金の資産管理機関は、前項の規定による申出があったときは、企業年金連合会に当該申出をした者の個人別管理資産を移換するものとする。 (退職金共済契約の被共済者となった者等の個人別管理資産の移換)第五十四条の六 実施事業所の事業主が会社法(平成十七年法律第八十六号)その他の法律の規定による合併、会社分割その他の行為として厚生労働省令で定める行為(以下この条において「合併等」という。)をした場合であって、当該合併等に係る事業主が、当該合併等により企業型年金の企業型年金加入者の資格を喪失した者を中小企業退職金共済法第二条第七項に規定する被共済者として同条第三項に規定する退職金共済契約を締結するときは、当該事業主は、当該企業型年金加入者であった者の同意を得て、当該企業型年金の資産管理機関に独立行政法人勤労者退職金共済機構(次条において「機構」という。)への当該同意を得た企業型年金加入者であった者の個人別管理資産の移換を申し出ることができる。
(政令への委任)第五十四条の七 第五十四条から前条までに定めるもののほか、企業型年金の資産管理機関への資産及び脱退一時金相当額等並びに確定給付企業年金の資産管理運用機関等、企業年金連合会及び機構への個人別管理資産の移換に関し必要な事項は、政令で定める。
第三章 個人型年金
第一節 個人型年金の開始
第一款 個人型年金規約
(規約の承認)第五十五条 連合会は、個人型年金に係る規約を作成し、当該規約について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
個人型年金に係る規約においては、次に掲げる事項を定めなければならない。一 連合会の名称及び所在地
二 第六十条第一項の規定により委託を受けた確定拠出年金運営管理機関(同条第三項の規定により再委託を受けた確定拠出年金運営管理機関を含む。)の名称及び住所並びにその行う業務
三 個人型年金加入者及び個人型年金運用指図者(以下「個人型年金加入者等」という。)による確定拠出年金運営管理機関の指定に関する事項
四 個人型年金加入者が拠出する掛金(以下「個人型年金加入者掛金」という。)の額の決定又は変更の方法その他その拠出に関する事項
四の二 中小事業主(企業型年金及び確定給付企業年金を実施していない厚生年金適用事業所の事業主であって、その使用する第一号厚生年金被保険者の数が三百人以下のものをいう。以下この章において同じ。)が第六十八条の二第一項の規定により掛金を拠出することを定める場合にあっては、当該掛金の額の決定又は変更の方法その他その拠出に関する事項
五 運用の方法の提示及び運用の指図に関する事項
五の二 第七十三条において準用する第二十三条の二第一項の規定により指定運用方法を提示することとする場合にあっては、指定運用方法の提示に関する事項
五の三 第七十三条において準用する第二十六条第一項の規定により運用の方法を除外することとする場合にあっては、除外に係る手続に関する事項
六 個人型年金の給付(第八十三条第一項の規定により個人別管理資産が連合会に移換された者(当該移換された日以後に企業型年金加入者の資格を取得した者又は個人型年金加入者若しくは個人型年金運用指図者を除く。第七十三条の二及び第百十三条第一項において「連合会移換者」という。)に係る給付を含む。次条第一項第四号において同じ。)の額及びその支給の方法に関する事項
七 個人型年金の実施に要する事務費の負担に関する事項
八 その他政令で定める事項
(承認の基準等)第五十六条 厚生労働大臣は、前条第一項の承認の申請があった場合において、当該申請に係る規約が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、同項の承認をするものとする。
一 前条第二項各号に掲げる事項が定められていること。
二 提示される運用の方法の数及び種類について、第七十三条において準用する第二十三条第一項及び第二項の規定に反しないこと。
三 個人型年金加入者等による運用の指図は、少なくとも三月に一回、行い得るものであること。
四 個人型年金の給付の額の算定方法が政令で定める基準に合致していること。
五 その他政令で定める要件
厚生労働大臣は、前条第一項の承認をしたときは、速やかに、その旨を連合会に通知しなければならない。 連合会は、前条第一項の承認を受けたときは、政令で定めるところにより、同項の承認を受けた規約(以下「個人型年金規約」という。)を公告しなければならない。(規約の変更)第五十七条 連合会は、個人型年金規約の変更(厚生労働省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、その変更について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
前条の規定は、前項の変更の承認の申請があった場合について準用する。第五十八条 連合会は、個人型年金規約の変更(前条第一項の厚生労働省令で定める変更に限る。)をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。
第五十六条第三項の規定は、前項の変更について準用する。(個人型年金規約の見直し)第五十九条 連合会は、少なくとも五年ごとに、個人型年金加入者数の動向、企業型年金の実施の状況、国民生活の動向等を勘案し、個人型年金規約の内容について再検討を加え、必要があると認めるときは、個人型年金規約を変更しなければならない。
第二款 運営管理業務の委託等
(運営管理業務の委託)第六十条 連合会は、政令で定めるところにより、運営管理業務を確定拠出年金運営管理機関に委託しなければならない。
確定拠出年金運営管理機関は、正当な理由がある場合を除き、前項の規定による委託に係る契約の締結を拒絶してはならない。 確定拠出年金運営管理機関は、政令で定めるところにより、第一項の規定により委託を受けた運営管理業務の一部を他の確定拠出年金運営管理機関に再委託することができる。 前三項に定めるもののほか、運営管理業務の委託に関し必要な事項は、政令で定める。(事務の委託)第六十一条 連合会は、政令で定めるところにより、次に掲げる事務を他の者に委託することができる。
一 次条第一項の申出の受理に関する事務
二 第六十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の届出の受理に関する事務
三 積立金の管理に関する事務
四 積立金の運用に関する契約に係る預金通帳、有価証券その他これに類するものの保管に関する事務
五 その他厚生労働省令で定める事務(個人型年金加入者の資格の確認及び個人型年金加入者掛金の額が第六十九条に規定する拠出限度額の範囲内であることの確認に関する事務を除く。)
銀行その他の政令で定める金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項第一号、第二号及び第五号(厚生労働省令で定める事務に限る。)に掲げる事務を受託することができる。第二節 個人型年金加入者等
(個人型年金加入者)第六十二条 次に掲げる者は、厚生労働省令で定めるところにより、連合会に申し出て、個人型年金加入者となることができる。
一 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第七条第一項第一号に規定する第一号被保険者(同法第八十九条第一項(第二号に係る部分に限る。)、第九十条第一項又は第九十条の三第一項の規定により同法の保険料を納付することを要しないものとされている者及び同法第九十条の二第一項から第三項までの規定によりその一部の額につき同法の保険料を納付することを要しないものとされている者(以下これらの者を「保険料免除者」という。)を除く。)
二 国民年金法第七条第一項第二号に規定する第二号被保険者(企業型年金加入者掛金を拠出する企業型年金加入者その他政令で定める者(第四項第六号において「企業型掛金拠出者等」という。)を除く。)
三 国民年金法第七条第一項第三号に規定する第三号被保険者
四 国民年金法附則第五条第一項の規定による被保険者(同項第一号に掲げる者を除く。)
2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の規定にかかわらず、個人型年金加入者としない。一 個人型年金の老齢給付金の受給権を有する者又はその受給権を有する者であった者
二 国民年金法又は厚生年金保険法による老齢を支給事由とする年金たる給付その他の老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるものの受給権を有する者
3 個人型年金加入者は、第一項の申出をした日に個人型年金加入者の資格を取得する。 4 個人型年金加入者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日(第一号に該当するに至ったときは、その翌日とし、第四号に該当するに至ったときは、当該保険料を納付することを要しないものとされた月の初日とし、第六号(企業型年金加入者掛金を拠出する企業型年金加入者に限る。)に該当するに至ったときは、企業型年金加入者掛金を拠出した月の初日とする。)に、個人型年金加入者の資格を喪失する。一 死亡したとき。
二 国民年金の被保険者の資格を喪失したとき(前号に掲げる場合を除く。)。
三 第六十四条第二項の規定により個人型年金運用指図者となったとき。
四 保険料免除者となったとき。
五 農業者年金の被保険者となったとき。
六 企業型掛金拠出者等となったとき。
七 個人型年金の老齢給付金の受給権を有する者となったとき。
八 第二項第二号に掲げる者となったとき。
5 個人型年金加入者の資格を取得した月にその資格を喪失した者は、その資格を取得した日に遡って、個人型年金加入者でなかったものとみなす。 (個人型年金加入者期間)第六十三条 個人型年金加入者期間を計算する場合には、月によるものとし、個人型年金加入者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。
2 個人型年金加入者の資格を喪失した後、さらにその資格を取得した者については、前後の個人型年金加入者期間を合算する。 (個人型年金運用指図者)第六十四条 第六十二条第四項各号(第一号及び第三号を除く。)のいずれかに該当するに至ったことにより個人型年金加入者の資格を喪失した者(個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)は、個人型年金運用指図者とする。
2 前項の規定によるほか、企業型年金加入者であった者(企業型年金又は個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)又は個人型年金加入者(個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)は、連合会に申し出て、個人型年金運用指図者となることができる。 3 個人型年金運用指図者は、第一項に規定する者については個人型年金加入者の資格を喪失した日に、前項の申出をした者についてはその申出をした日に、それぞれ個人型年金運用指図者の資格を取得する。 4 個人型年金運用指図者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第三号に該当するに至ったときは、当該至った日)に、個人型年金運用指図者の資格を喪失する。一 死亡したとき。
二 個人型年金に個人別管理資産がなくなったとき。
三 個人型年金加入者となったとき。
5 第六十二条第五項の規定は個人型年金運用指図者の資格について、前条の規定は個人型年金運用指図者期間を計算する場合について準用する。 (確定拠出年金運営管理機関の指定)第六十五条 個人型年金加入者等は、厚生労働省令で定めるところにより、自己に係る運営管理業務を行う確定拠出年金運営管理機関を指定し、又はその指定を変更するものとする。
(届出)第六十六条 個人型年金加入者は、厚生労働省令で定めるところにより、氏名及び住所その他の事項を連合会に届け出なければならない。
2 前項の規定は、個人型年金運用指図者について準用する。 3 連合会は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の届出があったときは、速やかに、その届出があった事項を個人型年金加入者等が指定した記録関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関(以下「個人型記録関連運営管理機関」という。)に通知しなければならない。 (個人型年金加入者等原簿等)第六十七条 連合会は、厚生労働省令で定めるところにより、個人型年金加入者等に関する原簿を備え、これに個人型年金加入者等の氏名及び住所、資格の取得及び喪失の年月日その他厚生労働省令で定める事項を記録し、これを保存しなければならない。
2 個人型記録関連運営管理機関は、厚生労働省令で定めるところにより、個人型年金加入者等に関する帳簿を備え、これに個人型年金加入者等の氏名及び住所、資格の取得及び喪失の年月日、個人別管理資産額その他厚生労働省令で定める事項を記録し、これを保存しなければならない。 3 個人型年金加入者及び個人型年金加入者であった者(死亡一時金を受けることができる者を含む。)は、連合会又は個人型記録関連運営管理機関に対し、第一項の原簿若しくは前項の帳簿の閲覧を請求し、又は当該原簿若しくは帳簿に記録された事項について照会することができる。 この場合においては、連合会及び個人型記録関連運営管理機関は、正当な理由がある場合を除き、閲覧の請求又は照会の回答を拒んではならない。第三節 掛金
(個人型年金加入者掛金)第六十八条 個人型年金加入者は、政令で定めるところにより、年一回以上、定期的に掛金を拠出する。
2 個人型年金加入者掛金の額は、個人型年金規約で定めるところにより、個人型年金加入者が決定し、又は変更する。 (中小事業主掛金)第六十八条の二 中小事業主は、その使用する第一号厚生年金被保険者(第六十二条第二項各号に該当する者を除く。以下この項において同じ。)である個人型年金加入者が前条第一項の規定により掛金を拠出する場合(第七十条第二項の規定により当該中小事業主を介して納付を行う場合に限る。)は、当該第一号厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該第一号厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合がないときは当該第一号厚生年金被保険者の過半数を代表する者の同意を得て、政令で定めるところにより、年一回以上、定期的に、掛金を拠出することができる。
2 中小事業主は、前項の規定による掛金(以下「中小事業主掛金」という。)を拠出する場合には、中小事業主掛金の拠出の対象となる者について、一定の資格を定めることができる。 この場合において、中小事業主は、同項の同意を得なければならない。 3 中小事業主が前項の資格を定める場合にあっては、当該資格は、特定の者について不当に差別的なものであってはならない。 4 中小事業主掛金の額は、個人型年金規約で定めるところにより、中小事業主が決定し、又は変更する。 5 中小事業主は、前項の規定により中小事業主掛金の額を決定し、若しくは変更したとき、又は中小事業主掛金を拠出しないこととなったときは、厚生労働省令で定めるところにより、中小事業主掛金の拠出の対象となる者に通知しなければならない。 6 中小事業主が中小事業主掛金を拠出するときは、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、その名称、住所その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣及び連合会に届け出なければならない。 7 前項の規定による届出をした中小事業主は、その届け出た事項に変更があったとき、中小事業主掛金を拠出しないこととなったときその他厚生労働省令で定めるときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を厚生労働大臣及び連合会に届け出なければならない。 (拠出限度額)第六十九条 一年間の個人型年金加入者掛金の額(中小事業主が中小事業主掛金を拠出する場合にあっては、個人型年金加入者掛金の額と中小事業主掛金の額との合計額。以下この条において同じ。)の総額は、拠出限度額(一年間に拠出することができる個人型年金加入者掛金の額の総額の上限として、個人型年金加入者の種別(第一号加入者(個人型年金加入者であって、第六十二条第一項第一号に掲げるものをいう。)、第二号加入者(個人型年金加入者であって、同項第二号に掲げるものをいう。以下同じ。)、第三号加入者(個人型年金加入者であって、同項第三号に掲げるものをいう。)又は第四号加入者(個人型年金加入者であって、同項第四号に掲げるものをいう。)の区別をいう。)、国民年金基金の掛金の額、企業型年金加入者又は確定給付企業年金の加入者の資格の有無、事業主掛金の額等を勘案して政令で定める額をいう。)を超えてはならない。
(個人型年金加入者掛金の納付)第七十条 個人型年金加入者は、個人型年金規約で定めるところにより、個人型年金加入者掛金を連合会に納付するものとする。
2 第二号加入者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の納付をその使用される厚生年金適用事業所の事業主を介して行うことができる。 3 前項の場合において、厚生年金適用事業所の事業主は、正当な理由なく、これを拒否してはならない。 4 連合会は、第一項及び第二項の納付を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、各個人型年金加入者に係る個人型年金加入者掛金の額を個人型記録関連運営管理機関に通知しなければならない。 (中小事業主掛金の納付)第七十条の二 中小事業主は、第六十八条の二第一項の規定により中小事業主掛金を拠出するときは、個人型年金規約で定めるところにより、連合会に納付するものとする。
2 前条第四項の規定は、連合会が前項の規定により中小事業主掛金の納付を受けた場合について準用する。 (個人型年金加入者掛金の源泉控除)第七十一条 第七十条第二項の規定により個人型年金加入者掛金の納付を行う厚生年金適用事業所の事業主は、第二号加入者に対して通貨をもって給与を支払う場合においては、個人型年金加入者掛金を給与から控除することができる。
2 厚生年金適用事業所の事業主は、前項の規定によって個人型年金加入者掛金を控除したときは、個人型年金加入者掛金の控除に関する計算書を作成し、その控除額を第二号加入者に通知しなければならない。第四節 個人型年金の終了
第七十二条 個人型年金は、連合会が解散するに至った日に終了する。
2 前項に定めるもののほか、個人型年金の終了に関し必要な事項は、政令で定める。第五節 企業型年金に係る規定の準用
第七十三条 前章第四節の規定は積立金のうち個人型年金加入者等の個人別管理資産の運用について、同章第五節の規定は個人型年金の給付について、第四十三条第一項から第三項まで及び第四十八条の二(資料提供等業務に係る部分に限る。以下この条において同じ。)の規定は連合会について準用する。 この場合において、第二十二条及び第四十八条の二中「事業主」とあり、並びに第二十五条第三項及び第四項、第二十九条第二項、第三十三条第三項、第三十四条、第三十七条第三項並びに第四十条中「資産管理機関」とあるのは、「連合会」と読み替えるほか、同章第四節及び第五節並びに第四十三条第一項から第三項まで及び第四十八条の二の規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
第七十三条の二 連合会移換者については、個人型年金加入者であった者とみなして、前条(個人型年金の給付に係る部分に限る。)の規定を適用する。 この場合において、同条中「同章第五節の規定」とあるのは、「同章第五節の規定(第三十三条の規定及び障害給付金に係る規定を除く。)」とする。
第六節 雑則
(連合会の業務の特例)第七十四条 連合会は、国民年金法の規定による業務のほか、第一条に規定する目的を達成するため、この法律の規定による業務を行う。
(脱退一時金相当額等又は残余財産の移換)第七十四条の二 連合会は、政令で定めるところにより、脱退一時金相当額等又は残余財産(確定給付企業年金法第八十九条第六項に規定する残余財産をいう。以下同じ。)の移換を受けることができる。
2 前項の規定により連合会が脱退一時金相当額等又は残余財産の移換を受けたときは、各個人型年金加入者等が当該確定給付企業年金の実施事業所の事業主に使用された期間その他これに準ずる期間(当該個人型年金加入者が六十歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る。)として政令で定めるものは、当該個人型年金加入者等に係る第七十三条の規定により準用する第三十三条第一項の通算加入者等期間に算入するものとする。 (脱退一時金相当額等又は残余財産の移換があった場合の運用の指図の特例)第七十四条の三 第二十五条の二の規定は、前条第一項の規定により移換される脱退一時金相当額等又は残余財産がある場合について準用する。 この場合において、第二十五条の二第三項中「納付される事業主掛金等」とあるのは、「第七十四条の二第一項の規定により移換される脱退一時金相当額等又は残余財産」と読み替えるものとする。
(確定給付企業年金の加入者となった者の個人別管理資産の移換)第七十四条の四 個人型年金に個人別管理資産がある者は、確定給付企業年金の加入者の資格を取得した場合であって、当該確定給付企業年金の規約において、あらかじめ、連合会からその個人別管理資産の移換を受けることができる旨が定められているときは、連合会にその個人別管理資産の移換を申し出ることができる。
2 連合会は、前項の規定による申出があったときは、当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等に当該申出をした者の個人別管理資産を移換するものとする。 (政令への委任)第七十四条の五 前三条に定めるもののほか、連合会への脱退一時金相当額等及び残余財産並びに確定給付企業年金の資産管理運用機関等への個人別管理資産の移換に関し必要な事項は、政令で定める。
(個人型年金規約策定委員会)第七十五条 連合会に、個人型年金規約策定委員会(以下「策定委員会」という。)を置く。
2 連合会は、個人型年金に係る規約を作成し、又は個人型年金規約を変更しようとするときは、策定委員会の議決を経なければならない。 3 この法律の規定による連合会の業務に係る次に掲げる事項は、国民年金法第百三十七条の十一第一項の規定にかかわらず、策定委員会の議決を経なければならない。一 毎事業年度の予算
二 毎事業年度の事業報告及び決算
三 その他個人型年金規約で定める事項
4 前三項に定めるもののほか、策定委員会の組織その他策定委員会に関し必要な事項は、政令で定める。 (区分経理)第七十六条 連合会は、この法律の規定により行う業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。
(国民年金基金の業務の特例)第七十七条 国民年金基金は、連合会の委託を受けて、第六十一条第一項各号に掲げる事務を行うことができる。
2 国民年金基金は、前項の規定により行う業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。 (個人型年金についての事業主の協力等)第七十八条 厚生年金適用事業所の事業主は、当該厚生年金適用事業所に使用される者が個人型年金加入者である場合には、当該個人型年金加入者に対し、必要な協力をするとともに、法令及び個人型年金規約が遵守されるよう指導等に努めなければならない。
2 前項の場合において、国は、厚生年金適用事業所の事業主に対し、必要な指導及び助言を行うことができる。 (国民年金法の適用)第七十九条 この法律の規定により連合会の業務が行われる場合には、国民年金法第百三十七条の十一第一項中「掲げる事項」とあるのは「掲げる事項(第二号から第四号までに掲げる事項にあつては、確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)の規定による連合会の業務に係るものを除く。)」と、同法第百三十七条の十二第二項中「及び国民年金基金制度」とあるのは「並びに国民年金基金制度及び確定拠出年金制度」と、同法第百三十七条の十五第二項第四号中「国民年金基金制度」とあるのは「国民年金基金制度及び確定拠出年金制度」と、同法第百三十七条の二十三中「規定」とあるのは「規定並びに確定拠出年金法の規定」と、同法第百三十八条の表第百五条(第二項(第十二条第二項を準用する部分を除く。)、第四項ただし書及び第五項を除く。)の項中「一時金」とあるのは「一時金(確定拠出年金法の規定により連合会が支給するものを除く。)」と、同法第百四十二条第一項中「規約」とあるのは「規約、確定拠出年金法第五十六条第三項に規定する個人型年金規約(次項において「個人型年金規約」という。)」と、同条第二項中「規約」とあるのは「規約又は個人型年金規約」と、同条第五項中「第一項の命令」とあるのは「第一項の命令(確定拠出年金法の規定による連合会の事業に係るものを除く。)」と、「事業」とあるのは「事業(確定拠出年金法の規定により連合会が行うものを除く。)」と、同法第百四十五条第五号中「この章」とあるのは「この章又は確定拠出年金法」とするほか、同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
2 第七十七条第一項の規定により国民年金基金の業務が行われる場合には、国民年金法第百四十五条第五号中「この章」とあるのは、「この章又は確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第七十七条第一項」とするほか、同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。第四章 個人別管理資産の移換
(企業型年金加入者となった者の個人別管理資産の移換)第八十条 次の各号に掲げる者(当該企業型年金又は個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が甲企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得した場合において、甲企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等に対し、その個人別管理資産の移換を申し出たときは、当該各号に定める者は、当該申出をした者の個人別管理資産を甲企業型年金の資産管理機関に移換するものとする。
一 乙企業型年金の企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者 乙企業型年金の資産管理機関
二 個人型年金加入者又は個人型年金運用指図者 連合会
2 前項第一号に掲げる者(企業型年金の障害給付金の受給権を有する者を除く。)が甲企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得した場合であって、乙企業型年金の企業型年金加入者の資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して六月を経過してもなお乙企業型年金に個人別管理資産があるときは、乙企業型年金の資産管理機関は、当該個人別管理資産を甲企業型年金の資産管理機関に移換するものとする。 3 第八十三条第一項の規定によりその個人別管理資産が連合会に移換された者(個人型年金に個人別管理資産がある者に限り、個人型年金加入者及び個人型年金運用指図者を除く。)が甲企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得したときは、連合会は、当該資格を取得した者の個人別管理資産を甲企業型年金の資産管理機関に移換するものとする。 4 甲企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等は、前三項の規定により当該企業型記録関連運営管理機関等に係る者の個人別管理資産が甲企業型年金の資産管理機関に移換されたときは、その旨を当該個人別管理資産が移換された者に通知しなければならない。 (企業型年金加入者となった者の個人別管理資産の移換があった場合の運用の指図の特例)第八十一条 前条第一項から第三項までの規定により移換される個人別管理資産がある場合における第二十五条の二の規定の適用については、同条第三項中「及び同日後」とあるのは「、同日後」と、「をいう」とあるのは「及び同日後に第八十条第一項から第三項までの規定により移換される個人別管理資産について運用の指図が行われていないものをいう」とする。
(個人型年金加入者となった者等の個人別管理資産の移換)第八十二条 企業型年金の企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が連合会に対し、その個人別管理資産の移換の申出をした場合であって、当該移換の申出と同時に第六十二条第一項若しくは第六十四条第二項の規定による申出をしたとき、又は個人型年金加入者若しくは個人型年金運用指図者であるときは、当該企業型年金の資産管理機関は、当該申出をした者の個人別管理資産を連合会に移換するものとする。
2 連合会は、前項の規定により個人別管理資産が連合会に移換されたときは、その旨を当該個人別管理資産が移換された者に通知しなければならない。 (個人型年金加入者となった者等の個人別管理資産の移換があった場合の運用の指図の特例)第八十二条の二 第二十五条の二の規定は、前条第一項の規定により移換される個人型年金加入者の個人別管理資産がある場合について準用する。 この場合において、第二十五条の二第三項中「納付される事業主掛金等」とあるのは、「第八十二条第一項の規定により移換される個人別管理資産」と読み替えるものとする。
(その他の者の個人別管理資産の移換)第八十三条 企業型年金の資産管理機関は、次に掲げる者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)の個人別管理資産を連合会に移換するものとする。
一 当該企業型年金の企業型年金加入者であった者であって、その個人別管理資産が当該企業型年金加入者の資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して六月以内に第五十四条の四、第五十四条の五、第八十条若しくは第八十二条又は中小企業退職金共済法第三十一条の三の規定により移換されなかったもの(当該企業型年金の企業型年金運用指図者及び次号に掲げる者を除く。)
二 当該企業型年金が終了した日において当該企業型年金の企業型年金加入者等であった者であって、その個人別管理資産が当該企業型年金が終了した日が属する月の翌月から起算して六月以内に第五十四条の四、第五十四条の五、第八十条若しくは第八十二条又は中小企業退職金共済法第三十一条の三の規定により移換されなかったもの
2 当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等は、前項の規定により当該企業型記録関連運営管理機関等に係る者の個人別管理資産が連合会に移換されたときは、その旨を当該個人別管理資産が移換された者に通知しなければならない。 3 当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等は、第一項の規定により個人別管理資産が移換された者の所在が明らかでないため前項の通知をすることができないときは、同項の通知に代えて、当該個人別管理資産が連合会に移換された旨を公告しなければならない。 (事業主への資産の返還)第八十四条 企業型年金の企業型年金加入者の資格を喪失した者について返還資産額があるときは、その者に係る第五十四条の四、第五十四条の五、第八十条、第八十二条若しくは前条又は中小企業退職金共済法第三十一条の三の規定により当該企業型年金の資産管理機関が移換すべき個人別管理資産は、当該返還資産額を控除した額に相当する資産とする。
2 企業型年金の資産管理機関は、前項に規定する場合においては、返還資産額に相当する金銭を当該返還資産額に係る事業主に返還するものとする。 (政令への委任)第八十五条 この章に定めるもののほか、個人別管理資産の移換に関し必要な事項は、政令で定める。
第五章 確定拠出年金についての税制上の措置等
(税制上の措置)第八十六条 確定拠出年金に係る掛金、積立金及び給付については、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)、相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)及び地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)並びにこれらの法律に基づく命令で定めるところにより、所得税、法人税、相続税並びに道府県民税(都民税を含む。)及び市町村民税(特別区民税を含む。)の課税について必要な措置を講ずる。
(指導及び助言)第八十七条 国は、事業主及び連合会に対し、確定拠出年金の実施に関し必要な指導及び助言を行うことができる。
第六章 確定拠出年金運営管理機関
第一節 登録
(登録)第八十八条 確定拠出年金運営管理業は、主務大臣の登録を受けた法人でなければ、営んではならない。
2 銀行その他の政令で定める金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項の登録を受けて確定拠出年金運営管理業を営むことができる。 (登録の申請)第八十九条 前条第一項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 商号、名称及び住所
二 資本金額(出資の総額及び基金の総額を含む。)
三 役員の氏名
四 営業所の名称及び所在地
五 業務の種類及び方法
六 他に事業を行っているときは、その事業の種類
七 その他主務省令で定める事項
2 前項の登録申請書には、第九十一条第一項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。 (登録の実施)第九十条 主務大臣は、第八十八条第一項の登録の申請があった場合においては、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を確定拠出年金運営管理機関登録簿に登録しなければならない。
一 前条第一項各号に掲げる事項
二 登録年月日及び登録番号
2 主務大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。 3 主務大臣は、確定拠出年金運営管理機関登録簿を一般の閲覧に供しなければならない。 (登録の拒否)第九十一条 主務大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
一 法人でない者
二 第百四条第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない法人
三 この法律、厚生年金保険法その他政令で定める法律の規定に違反し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない法人
四 他に営んでいる事業が公益に反すると認められる法人又は当該事業に係る損失の危険の管理が困難であるために確定拠出年金運営管理業の遂行に支障を生ずると認められる法人
五 その役員のうちに、第百四条第二項の規定による登録の取消しの日前三十日以内に当該取消しに係る確定拠出年金運営管理機関の役員であった者で当該取消しの日から五年を経過しないもの、禁以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者その他政令で定める者のある法人
2 主務大臣は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録申請者に通知しなければならない。 (変更の届出)第九十二条 確定拠出年金運営管理機関は、第八十九条第一項各号に掲げる事項に変更があったときは、その日から二週間以内に、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
2 主務大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、届出があった事項を確定拠出年金運営管理機関登録簿に登録しなければならない。 (廃業等の届出等)第九十三条 確定拠出年金運営管理機関が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該確定拠出年金運営管理機関の登録は、その効力を失う。 この場合において、それぞれ当該各号に定める者は、当該各号に該当するに至った日から三十日以内に、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
一 合併により消滅したとき 確定拠出年金運営管理機関であった法人を代表する役員
二 破産手続開始の決定により解散したとき 確定拠出年金運営管理機関であった法人の破産管財人
三 合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき 確定拠出年金運営管理機関であった法人の清算人
四 確定拠出年金運営管理業を廃止したとき 確定拠出年金運営管理機関であった法人を代表する役員
第二節 業務
(標識の掲示等)第九十四条 確定拠出年金運営管理機関は、主務省令で定める様式の標識について、営業所ごとに公衆の見やすい場所に掲示するとともに、その事業の規模が著しく小さい場合その他の主務省令で定める場合を除き、主務省令で定めるところにより、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送又は有線放送に該当するものを除く。次項において同じ。)により公衆の閲覧に供しなければならない。
2 確定拠出年金運営管理機関以外の者は、前項の標識又はこれに類似する標識を掲示し、又は電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供してはならない。 (名義貸しの禁止)第九十五条 確定拠出年金運営管理機関は、自己の名義をもって、他人に確定拠出年金運営管理業を営ませてはならない。
(書類の閲覧)第九十六条 確定拠出年金運営管理機関は、主務省令で定めるところにより、その業務の状況を記載した書類を営業所ごとに備え置き、加入者等の求めに応じ、これを閲覧させなければならない。
(加入者等の運用の指図に資する措置)第九十七条 確定拠出年金運営管理機関は、事業主又は連合会の委託を受けて、第二十二条第一項(第七十三条において準用する場合を含む。)の規定による資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置を行うことができる。
(業務の引継ぎ)第九十八条 確定拠出年金運営管理機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、政令で定めるところにより、委託又は再委託を受けた運営管理業務の全部又は一部を当該運営管理業務を承継する他の確定拠出年金運営管理機関に引き継がなければならない。
一 第七条第一項若しくは第二項又は第六十条第一項若しくは第三項の規定による運営管理業務の委託に係る契約(以下「運営管理契約」という。)の変更又は解除があったとき。
二 第六十五条の規定による指定の変更があったとき。
三 第九十三条の規定により登録が効力を失ったとき。
四 第百四条第二項の規定により登録が取り消されたとき。
(確定拠出年金運営管理機関の行為準則)第九十九条 確定拠出年金運営管理機関は、法令、法令に基づいてする主務大臣の処分及び運営管理契約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
2 確定拠出年金運営管理機関は、第七条第一項若しくは第六十条第一項の規定による委託又は第七条第二項若しくは第六十条第三項の規定による再委託を受けた企業型年金又は個人型年金の実施に係る業務に関し、加入者等の氏名、住所、生年月日、個人別管理資産額その他の加入者等の個人に関する情報を保管し、又は使用するに当たっては、その業務の遂行に必要な範囲内で当該個人に関する情報を保管し、及び使用しなければならない。 ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。第百条 確定拠出年金運営管理機関は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 運営管理契約を締結するに際し、その相手方に対して、加入者等の損失の全部又は一部を負担することを約すること。
二 運営管理契約を締結するに際し、その相手方に対して、加入者等又は当該相手方に特別の利益を提供することを約すること。
三 運用関連業務に関し生じた加入者等の損失の全部若しくは一部を補てんし、又は当該業務に関し生じた加入者等の利益に追加するため、当該加入者等又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者をして提供させること(自己の責めに帰すべき事故による損失の全部又は一部を補てんする場合を除く。)。
四 運営管理契約の締結について勧誘をするに際し、又はその解除を妨げるため、運営管理業務に関する事項であって、運営管理契約の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして政令で定めるものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げること。
五 自己又は加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって、特定の運用の方法を加入者等に対し提示すること。
六 加入者等に対して、提示した運用の方法のうち特定のものについて指図を行うこと、又は指図を行わないことを勧めること(当該確定拠出年金運営管理機関が金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第九項に規定する金融商品取引業者その他確定拠出年金運営管理業以外の事業を営む者として行うことを明示して行う場合を除く。)。
七 前各号に掲げるもののほか、加入者等の保護に欠け、若しくは確定拠出年金運営管理業の公正を害し、又は確定拠出年金運営管理業の信用を失墜させるおそれのあるものとして主務省令で定める行為
第三節 監督
(業務に関する帳簿書類)第百一条 確定拠出年金運営管理機関は、主務省令で定めるところにより、その業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
(報告書の提出)第百二条 確定拠出年金運営管理機関は、主務省令で定めるところにより、その業務についての報告書を主務大臣に提出しなければならない。
(報告の徴収等)第百三条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、確定拠出年金運営管理機関に対し、その業務の状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして確定拠出年金運営管理機関の営業所に立ち入って関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。
2 第五十一条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による質問及び検査について準用する。 (確定拠出年金運営管理機関に対する監督)第百四条 主務大臣は、確定拠出年金運営管理機関の業務の運営に関し、加入者等の利益を害する事実があると認めるときは、加入者等の保護のため必要な限度において、当該確定拠出年金運営管理機関に対し、業務の種類及び方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は、確定拠出年金運営管理機関が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内の期間を定めて確定拠出年金運営管理業の全部若しくは一部の停止を命じ、又は第八十八条第一項の登録を取り消すことができる。一 第九十一条第一項第三号又は第五号のいずれかに該当するに至ったとき。
二 不正の手段により第八十八条第一項の登録を受けたとき。
三 その行う確定拠出年金運営管理業に関して、この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
四 確定拠出年金運営管理業の継続が困難であると認めるとき。
(登録の抹消)第百五条 主務大臣は、第九十三条の規定により登録がその効力を失ったとき、又は前条第二項の規定により登録を取り消したときは、当該登録を抹消しなければならない。
(監督処分の公告)第百六条 主務大臣は、第百四条第二項の規定による処分をしたときは、主務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
(政令への委任)第百七条 この節に定めるもののほか、確定拠出年金運営管理機関の監督に関し必要な事項は、政令で定める。
第四節 雑則
(企業年金基金及び国民年金基金の業務の特例)第百八条 企業年金基金及び国民年金基金は、第八十八条第一項の登録を受けて、確定拠出年金運営管理機関となることができる。
2 企業年金基金及び国民年金基金は、前項の規定により行う業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。 3 第一項の規定により企業年金基金の業務が行われる場合には、確定給付企業年金法第百二十一条中「この法律」とあるのは、「この法律又は確定拠出年金法第百八条第一項」とするほか、同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。 4 第一項の規定により国民年金基金の業務が行われる場合には、国民年金法第百四十五条第五号中「この章」とあるのは、「この章又は確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第百八条第一項」とするほか、同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。第百九条 削除
第七章 雑則
(期間の計算)第百十条 この法律又はこの法律に基づく命令に規定する期間の計算については、この法律に別段の規定がある場合を除くほか、民法(明治二十九年法律第八十九号)の期間に関する規定を準用する。
(資料の提供)第百十一条 厚生労働大臣又は厚生年金保険法第二条の五第一項に規定する実施機関(厚生労働大臣を除く。)は、連合会に対して、この法律の規定による業務を行うために必要な加入者等に係る厚生年金保険又は国民年金の被保険者の資格に関する資料その他の厚生労働省令で定める資料を、提供することができるものとする。
(書類等の提出)第百十二条 確定拠出年金運営管理機関(記録関連業務を行う事業主を含む。)は、必要があると認めるときは、給付の受給権を有する者(以下「受給権者」という。)に対して、障害の状態に関する書類その他の物件の提出を求めることができる。
(届出)第百十三条 企業型年金運用指図者、個人型年金加入者、個人型年金運用指図者又は連合会移換者(当該企業型年金又は個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が死亡したときは、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の規定による死亡の届出義務者は、十日以内に、その旨を連合会(企業型年金運用指図者であって当該企業型年金に個人別管理資産があるものが死亡した場合にあっては、当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等)に届け出なければならない。
2 第六十六条第三項の規定は、連合会が前項の届出を受理した場合について準用する。 (主務大臣等)第百十四条 前章における主務大臣は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣及び内閣総理大臣とする。
2 この法律における主務省令は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣又は内閣総理大臣の発する命令とする。 3 この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。 4 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。 5 内閣総理大臣は、前章の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。 6 前項の規定により金融庁長官に委任された権限については、政令で定めるところにより、その一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。 (財務大臣への資料提出等)第百十五条 財務大臣は、その所掌に係る金融破処理制度及び金融危機管理に関し、確定拠出年金運営管理業に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
(実施規定)第百十六条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、前章の実施のための手続その他その執行について必要な細則は主務省令で、その他この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は厚生労働省令で定める。
(経過措置)第百十七条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第八章 罰則
第百十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第八十八条第一項の登録を受けないで確定拠出年金運営管理業を営んだ者
二 不正の手段により第八十八条第一項の登録を受けた者
三 第九十五条の規定に違反して、他人に確定拠出年金運営管理業を営ませた者
四 第百条第一号から第三号までの規定に違反して、これらの規定に掲げる行為をした者
第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第百条第四号の規定に違反して、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げた者
二 第百四条第二項の規定による業務の停止の命令に違反して、確定拠出年金運営管理業を営んだ者
第百二十条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第五十一条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
二 第八十九条第一項の登録申請書又は同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者
三 第百一条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類を作成した者
四 第百二条の規定による報告書を提出せず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者
五 第百三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第百二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第九十二条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第九十四条第一項の規定に違反した者
三 第九十四条第二項の規定に違反して、同条第一項の標識又はこれに類似する標識を掲示し、又は公衆の閲覧に供した者
四 第九十六条の規定に違反して、書類を備え置かず、若しくは加入者等の求めに応じて閲覧させず、又は虚偽の記載のある書類を備え置き、若しくは加入者等に閲覧させた者
五 第百四条第一項の規定による命令に違反した者
第百二十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第百十八条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第百二十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。
一 第六条第一項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第二十六条第三項(第七十三条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、通知をしない者
三 第二十六条第四項(第七十三条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、公告を怠り、又は虚偽の公告をした者
四 第四十九条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類を作成した者
五 第五十条の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
六 第五十二条第一項の規定による命令に違反した者
七 第五十八条第一項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者
八 第八十条第四項、第八十二条第二項又は第八十三条第二項の規定に違反して、通知をしない者
九 第八十三条第三項の規定に違反して、公告を怠り、又は虚偽の公告をした者
第百二十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。
一 第十六条第一項の規定に違反して、通知をしない者
二 第十六条第二項の規定に違反して、申出をせず、又は虚偽の申出をした者
三 第四十七条、第六十六条第一項、第九十三条又は第百十三条第一項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年十月一日から施行する。 ただし、附則第十五条中地方税法第三十四条第一項第四号及び第三百十四条の二第一項第四号の改正規定並びに附則第十六条の規定は、平成十四年四月一日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から国民年金法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第十八号)附則第一条第三号に定める日前までの間における第六十二条第一項及び第三項の規定の適用については、同条第一項第一号中「第九十条の三第一項」とあるのは「第九十条の二第一項」と、「されている者及び第九十条の二第一項の規定によりその半額につき同法の保険料を納付することを要しないものとされている者」とあるのは「されている者」と、同条第三項第六号中「若しくは第九十条の三第一項」とあるのは「又は第九十条の二第一項」と、「されたとき、又は第九十条の二第一項の規定によりその半額につき同法の保険料を納付することを要しないものとされたとき」とあるのは「されたとき」とする。 施行日から平成十四年三月三十一日までの間における第七十九条第一項の規定の適用については、同項中「第百五条(第二項(第十二条第二項を準用する部分を除く。)及び第五項を除く。)」とあるのは、「第百五条」とする。
(脱退一時金)
第二条の二 当分の間、次の各号のいずれにも該当する企業型年金加入者であった者又は第一号及び第三号並びに次条第一項各号(第七号を除く。)のいずれにも該当する企業型年金加入者であった者は、当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等に、脱退一時金の支給を請求することができる。 前項の請求があったときは、当該企業型年金の資産管理機関は、当該企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づき、その請求をした者に脱退一時金を支給する。 脱退一時金の額は、第一項の請求をした者の個人別管理資産額として政令で定める額とする。 脱退一時金の支給を受けたときは、その支給を受けた者の支給を受けた月の前月までの企業型年金加入者期間及び企業型年金運用指図者期間並びに個人型年金加入者期間及び個人型年金運用指図者期間は、第三十三条第二項の規定にかかわらず、同条第一項の通算加入者等期間に算入しない。 企業型年金加入者であった者が第一項の請求をした場合における第八十三条第一項第一号の規定の適用については、同号中「六月以内」とあるのは、「六月以内(当該企業型年金加入者であった者が附則第二条の二第一項の請求をした日の属する月の初日から同条第二項の裁定を受けた日の属する月の末日までの期間を除く。)」とする。
第三条 当分の間、次の各号のいずれにも該当する者は、個人型年金運用指図者にあっては個人型記録関連運営管理機関に、個人型年金運用指図者以外の者にあっては連合会に、それぞれ脱退一時金の支給を請求することができる。 前項の請求があったときは、連合会は、個人型年金運用指図者にあっては個人型記録関連運営管理機関の裁定に基づき、個人型年金運用指図者以外の者にあっては自己の裁定に基づき、その請求をした者に脱退一時金を支給する。 企業型年金加入者であった者(個人型年金運用指図者を除く。)は、第一項の請求は、第六十四条第二項の申出と同時に行うものとする。 脱退一時金の額は、第一項の請求をした者の個人別管理資産額として政令で定める額とする。 脱退一時金の支給を受けたときは、その支給を受けた者の支給を受けた月の前月までの企業型年金加入者期間及び企業型年金運用指図者期間並びに個人型年金加入者期間及び個人型年金運用指図者期間は、第三十三条第二項の規定にかかわらず、同条第一項の通算加入者等期間に算入しない。
(検討)
第四条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則(平成一三年六月六日法律第三九号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十四年一月一日から施行する。 ただし、附則第十八条及び第三十七条の規定は公布の日から、附則第三十八条の規定は平成十四年四月一日から施行する。
附則(平成一三年六月一五日法律第五〇号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第三十七条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第三十八条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成一三年六月二九日法律第九四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十四年一月一日から施行する。
附則(平成一三年七月四日法律第一〇一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。
附則(平成一四年七月三一日法律第九八号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公社法の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(確定拠出年金法の一部改正に伴う経過措置)
第三十七条 公社は、施行日において確定拠出年金法第八十八条第一項の登録を受けたものとみなす。 公社は、施行日から一月以内に、前項の規定により登録を受けたものとみなされる確定拠出年金法第二条第七項に規定する確定拠出年金運営管理業について、同法第八十九条第一項各号に掲げる事項を記載した書類その他厚生労働省令・内閣府令で定める書類を厚生労働大臣及び内閣総理大臣に提出するものとする。 内閣総理大臣は、前項の規定による権限を金融庁長官に委任する。 前項の規定により金融庁長官に委任された権限については、政令で定めるところにより、その一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
(罰則に関する経過措置)
第三十八条 施行日前にした行為並びにこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第三十九条 この法律に規定するもののほか、公社法及びこの法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(平成一六年六月二日法律第七六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、破産法(平成十六年法律第七十五号。次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
(罰則の適用等に関する経過措置)
第十二条 施行日前にした行為並びに附則第二条第一項、第三条第一項、第四条、第五条第一項、第九項、第十七項、第十九項及び第二十一項並びに第六条第一項及び第三項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 施行日前にされた破産の宣告、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定又は外国倒産処理手続の承認の決定に係る届出、通知又は報告の義務に関するこの法律による改正前の証券取引法、測量法、国際観光ホテル整備法、建築士法、投資信託及び投資法人に関する法律、電気通信事業法、電気通信役務利用放送法、水洗炭業に関する法律、不動産の鑑定評価に関する法律、外国証券業者に関する法律、積立式宅地建物販売業法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、浄化槽法、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、遊漁船業の適正化に関する法律、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、資産の流動化に関する法律、債権管理回収業に関する特別措置法、新事業創出促進法、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律、著作権等管理事業法、マンションの管理の適正化の推進に関する法律、確定給付企業年金法、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律、社債等の振替に関する法律、確定拠出年金法、使用済自動車の再資源化等に関する法律、信託業法及び特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の規定並びにこれらの規定に係る罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十四条 附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成一六年六月一一日法律第一〇四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十六年十月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
(検討)
第三条 政府は、社会保障制度に関する国会の審議を踏まえ、社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付の在り方を含め、一体的な見直しを行いつつ、これとの整合を図り、公的年金制度について必要な見直しを行うものとする。 前項の公的年金制度についての見直しを行うに当たっては、公的年金制度の一元化を展望し、体系の在り方について検討を行うものとする。
(罰則に関する経過措置)
第七十三条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第七十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成一六年六月一八日法律第一二六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、協定の効力発生の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
附則(平成一六年一二月三日法律第一五四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
(処分等の効力)
第百二十一条 この法律の施行前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
(罰則に関する経過措置)
第百二十二条 この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百二十三条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成一七年四月一日法律第二五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十七年四月一日から施行する。
附則(平成一七年一〇月二一日法律第一〇二号)
(施行期日)
第一条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。
(確定拠出年金法の一部改正に伴う経過措置)
第百十一条 この法律の施行前にされた第百十八条の規定による改正前の確定拠出年金法(以下この条において「旧法」という。)第二十五条第一項(旧法第七十三条において準用する場合を含む。)の規定による旧法第二十三条第一項第一号又は第四号(旧法第七十三条において準用する場合を含む。)に掲げる運用の方法を運用の方法とする運用の指図は、第百十八条の規定による改正後の確定拠出年金法(以下この条において「新法」という。)第二十五条第一項(新法第七十三条において準用する場合を含む。)の規定による新法第二十三条第一項第一号又は第四号(新法第七十三条において準用する場合を含む。)に掲げる運用の方法を運用の方法とする運用の指図とみなす。 この法律の施行前に、旧法第六章の規定により、旧公社に対して行い、又は旧公社が行った処分、手続その他の行為は、整備法等に別段の定めがあるものを除き、新法の相当する規定により郵便貯金銀行に対して行い、又は郵便貯金銀行が行った処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第百十七条 この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第三十八条の八(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第七十条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第二十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第八条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第三十九条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第四十二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十一条及び第七十二条(第十五号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第二条第二項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第百四条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則(平成一八年三月三一日法律第二〇号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十八年四月一日から施行する。
附則(平成一八年六月一四日法律第六六号)
この法律は、平成十八年証券取引法改正法の施行の日から施行する。附則(平成一九年七月六日法律第一〇九号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十二年四月一日までの間において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(処分、申請等に関する経過措置)
第七十三条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下同じ。)の施行前に法令の規定により社会保険庁長官、地方社会保険事務局長又は社会保険事務所長(以下「社会保険庁長官等」という。)がした裁定、承認、指定、認可その他の処分又は通知その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の相当規定に基づいて、厚生労働大臣、地方厚生局長若しくは地方厚生支局長又は機構(以下「厚生労働大臣等」という。)がした裁定、承認、指定、認可その他の処分又は通知その他の行為とみなす。 この法律の施行の際現に法令の規定により社会保険庁長官等に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の相当規定に基づいて、厚生労働大臣等に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。 この法律の施行前に法令の規定により社会保険庁長官等に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされている事項で、施行日前にその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、これを、この法律の施行後の法令の相当規定により厚生労働大臣等に対して、報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされた事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律の施行後の法令の規定を適用する。 なお従前の例によることとする法令の規定により、社会保険庁長官等がすべき裁定、承認、指定、認可その他の処分若しくは通知その他の行為又は社会保険庁長官等に対してすべき申請、届出その他の行為については、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の規定に基づく権限又は権限に係る事務の区分に応じ、それぞれ、厚生労働大臣等がすべきものとし、又は厚生労働大臣等に対してすべきものとする。
(罰則に関する経過措置)
第七十四条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第七十五条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成一九年七月六日法律第一一〇号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第二十七条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。次条において同じ。)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第二十八条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成一九年七月六日法律第一一一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
附則(平成二二年三月三一日法律第一九号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十二年四月一日から施行する。
附則(平成二三年八月一〇日法律第九三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
(確定拠出年金の連合会移換者に関する経過措置)
第四条 第四条の規定による改正後の確定拠出年金法第五十五条第二項第六号に規定する連合会移換者が、附則第一条第五号に掲げる規定の施行前に既に七十歳に達している場合における第四条の規定による改正後の確定拠出年金法第七十三条の二の規定により読み替えて適用する同法第七十三条において読み替えて準用する同法第三十四条の規定の適用については、同条中「が前条の規定により老齢給付金の支給を請求することなく七十歳に達したときは」とあるのは、「について、国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律(平成二十三年法律第九十三号)附則第一条第五号に掲げる規定が施行されたときは」とする。
(確定拠出年金法による脱退一時金に関する経過措置)
第五条 第四条の規定による改正後の確定拠出年金法附則第三条第一項の規定は、附則第一条第五号に掲げる規定の施行前に既に企業型年金加入者の資格を喪失している者(次項に規定する者を除く。)についても、適用する。 附則第一条第五号に掲げる規定の施行の際現に第四条の規定による改正後の確定拠出年金法附則第三条第一項に規定する継続個人型年金運用指図者である者であって、同項第四号、第五号及び第七号に該当するものは、附則第一条第五号に掲げる規定の施行の日から二年間は、同法第六十六条第三項に規定する個人型記録関連運営管理機関に、同法附則第三条第一項の脱退一時金の支給を請求することができる。
(政令への委任)
第六条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二三年八月三〇日法律第一〇七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十三年十月一日から施行する。
附則(平成二三年一二月一四日法律第一二二号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成二四年三月三一日法律第二四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十四年四月一日から施行する。
附則(平成二四年八月二二日法律第六二号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十九年八月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(その他の経過措置の政令への委任)
第七十一条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二四年八月二二日法律第六三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十七年十月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二四年一一月二六日法律第九八号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十七年十月一日から施行する。 ただし、第三条並びに次条及び附則第九条の規定は、公布の日から施行する。
附則(平成二五年五月三一日法律第二六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
附則(平成二五年六月二六日法律第六三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第百五十一条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百五十三条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(平成二七年五月七日法律第一七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。
附則(平成二七年五月二九日法律第三一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成三十年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
附則(平成二八年六月三日法律第六六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十九年一月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律(以下この条において「改正後の各法律」という。)の施行の状況等を勘案し、必要があると認めるときは、改正後の各法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(第二条の規定による確定拠出年金法の一部改正に伴う経過措置)
第三条 この法律の施行の日(次項及び附則第八条において「施行日」という。)前にされた第二条の規定(附則第一条第三号に掲げる改正規定を除く。)による改正前の確定拠出年金法(次項において「改正前確定拠出年金法」という。)第三十三条第一項の老齢給付金の支給の請求であって、この法律の施行の際、支給をするかどうかの処分がされていないものについての処分については、なお従前の例による。 施行日前に改正前確定拠出年金法第二条第八項に規定する企業型年金加入者又は同条第十項に規定する個人型年金加入者の資格を喪失している者に係る改正前確定拠出年金法附則第三条第一項の脱退一時金の支給については、なお従前の例による。
第四条 附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日の属する月の前月以前の月分の第二条の規定(同号に掲げる改正規定に限る。)による改正前の確定拠出年金法第三条第三項第七号に規定する事業主掛金、同項第七号の二に規定する企業型年金加入者掛金及び同法第五十五条第二項第四号に規定する個人型年金加入者掛金の納付及び給与からの控除については、なお従前の例による。
(第三条の規定による確定拠出年金法の一部改正に伴う経過措置)
第五条 附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(以下「第四号施行日」という。)前に第三条の規定による改正前の確定拠出年金法(次項及び第三項において「改正前確定拠出年金法」という。)第三条第一項の承認の申請をした者の当該申請に係る申請書に添付すべき書類については、なお従前の例による。 第四号施行日前に納付されることとされている改正前確定拠出年金法第三条第三項第七号に規定する事業主掛金、同項第七号の二に規定する企業型年金加入者掛金及び改正前確定拠出年金法第五十五条第二項第四号に規定する個人型年金加入者掛金に係る運用の方法の選定及び提示、運用の指図並びに運用の方法の除外については、なお従前の例による。 第四号施行日から起算して五年を超えない期間内において、附則第一条第四号に掲げる規定の施行の際現に改正前確定拠出年金法第二十三条第一項(改正前確定拠出年金法第七十三条において準用する場合を含む。)の規定により同項の企業型運用関連運営管理機関等(改正前確定拠出年金法第七十三条において同項の規定を準用する場合にあっては、改正前確定拠出年金法第五十五条第二項第三号の個人型年金加入者等に係る改正前確定拠出年金法第二条第七項第二号に規定する運用関連業務を行う改正前確定拠出年金法第三条第三項第四号の確定拠出年金運営管理機関。以下この項において同じ。)が提示している運用の方法の数が、第三条の規定による改正後の確定拠出年金法(以下この項及び次項において「改正後確定拠出年金法」という。)第二十三条第一項(改正後確定拠出年金法第七十三条において準用する場合を含む。)の政令で定める数を超える場合における当該企業型運用関連運営管理機関等に係る同項の規定の適用については、同項中「企業型年金加入者等による適切な運用の方法の選択に資するための上限として政令で定める数」とあるのは、「確定拠出年金法等の一部を改正する法律(平成二十八年法律第六十六号)附則第一条第四号に掲げる規定の施行の際現に同法第三条の規定による改正前の第二十三条第一項の規定により企業型年金加入者等に提示している運用の方法の数」とする。 改正後確定拠出年金法第五十四条の五の規定は、第四号施行日以後に行われる同条に規定する合併等について適用する。
(罰則に関する経過措置)
第九条 この法律(附則第一条第二号から第四号までに掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第十条 附則第三条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二八年一一月二四日法律第八四号)
この法律は、公布の日から施行する。附則(平成二八年一二月二六日法律第一一四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(令和二年六月五日法律第四〇号)
(施行期日)
第一条 この法律は、令和四年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後速やかに、この法律による改正後のそれぞれの法律の施行の状況等を勘案し、公的年金制度を長期的に持続可能な制度とする取組を更に進め、社会経済情勢の変化に対応した保障機能を一層強化し、並びに世代間及び世代内の公平性を確保する観点から、公的年金制度及びこれに関連する制度について、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十二号)第六条第二項各号に掲げる事項及び公的年金制度の所得再分配機能の強化その他必要な事項(次項及び第四項に定める事項を除く。)について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 政府は、国民が高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を行うに当たって、これに対する支援を公平に受けられるようにする等その充実を図る観点から、個人型確定拠出年金及び国民年金基金の加入の要件、個人型確定拠出年金に係る拠出限度額及び中小事業主掛金を拠出できる中小事業主の範囲等について、税制上の措置を含め全般的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 政府は、前条第八号に掲げる規定の施行後五年を目途として、当該規定による改正後の確定拠出年金法の施行の状況等を勘案し、同法の規定に基づく規制の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(確定拠出年金法による老齢給付金に関する経過措置)
第二十七条 第二十一条の規定による改正後の確定拠出年金法第三十四条(同法第七十三条において準用する場合を含む。)の規定は、施行日の前日において、七十歳に達していない者について適用する。
(確定拠出年金法による脱退一時金に関する経過措置)
第二十八条 第二十一条の規定による改正後の確定拠出年金法附則第三条の規定は、第五号施行日前に既に企業型年金加入者(確定拠出年金法第二条第八項に規定する企業型年金加入者をいう。以下同じ。)又は個人型年金加入者(確定拠出年金法第二条第十項に規定する個人型年金加入者をいう。附則第三十二条において同じ。)の資格を喪失している者についても、適用する。
(確定拠出年金の加入者の資格に関する経過措置)
第二十九条 附則第一条第七号に掲げる規定の施行の際現に企業型年金(確定拠出年金法第二条第二項に規定する企業型年金をいう。)の老齢給付金(同法第二十八条第一号の老齢給付金をいう。)の受給権を有する企業型年金加入者については、第二十二条の規定による改正後の確定拠出年金法(以下「第七号新確定拠出年金法」という。)第十一条第六号の規定は適用せず、第七号施行日以後も引き続き企業型年金加入者とする。
(企業型年金加入者であった者の個人別管理資産の企業年金連合会への移換に関する経過措置)
第三十条 第七号新確定拠出年金法第五十四条の五第一項の規定は、第七号施行日以後に第七号新確定拠出年金法第十一条の規定により企業型年金加入者の資格を喪失した者について適用する。
(第七号新確定拠出年金法による脱退一時金に関する経過措置)
第三十一条 第七号新確定拠出年金法附則第二条の二の規定は、第七号施行日前に既に企業型年金加入者の資格を喪失している者についても、適用する。
第三十二条 第七号新確定拠出年金法附則第三条の規定は、第七号施行日前に既に企業型年金加入者又は個人型年金加入者の資格を喪失している者についても、適用する。
(企業型年金加入者であった者の個人別管理資産の存続連合会への移換に関する経過措置)
第三十三条 第二十四条の規定による改正後の公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律附則第三十八条第三項の規定により読み替えて適用する第七号新確定拠出年金法第五十四条の五第一項の規定は、第七号施行日以後に第七号新確定拠出年金法第十一条の規定により企業型年金加入者の資格を喪失した者について適用する。
(罰則に関する経過措置)
第四十一条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(受給権の保護の例外に関する経過措置)
第八十条 この法律の施行の際現に担保に供されている年金である給付若しくは補償又は保険給付遅延特別加算金若しくは給付遅延特別加算金の支給を受ける権利は、施行日以後も、なお従前の例により担保に供することができる。 附則第三十六条第一項、第七十条第一項及び第七十一条第一項に規定する申込みに係る年金である給付若しくは補償又は保険給付遅延特別加算金若しくは給付遅延特別加算金の支給を受ける権利は、施行日以後も、なお従前の例により担保に供することができる。 附則第五十五条の規定による改正後の平成二十四年一元化法附則第百二十二条の規定により附則第六十九条の規定による改正後の株式会社日本政策金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律第二条第一項に規定する恩給等とみなされる給付(平成二十四年一元化法附則第四十一条第一項及び第六十五条第一項に規定する年金たる給付に限る。)を受ける権利については、第四条の規定による改正前の厚生年金保険法第四十一条第一項の規定は、なおその効力を有する。
(政令への委任)
第九十七条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(令和四年六月一七日法律第六八号)
この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一 第五百九条の規定 公布の日
附則(令和五年六月一六日法律第六三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第六条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第七条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。