第一条 人事交流は、その実務を経験させることを通じて効率的かつ機動的な業務遂行の手法を職員に体得させることができると認められる民間企業との間で行うものとする。
一 民間企業又はその役員若しくは役員であった者(以下この号及び次号において「民間企業等」という。)が人事交流を行おうとする日前二年以内において当該民間企業の業務に係る刑事事件に関し刑に処せられた場合又は人事交流を行おうとする日において民間企業等を被告人とする当該民間企業の業務に係る刑事事件が裁判所に係属している場合
二 民間企業等が人事交流を行おうとする日前二年以内に不利益処分(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第四号に規定する不利益処分のうち許認可等の取消しその他の民間企業の業務運営に重大な影響を及ぼす不利益処分として防衛大臣の定めるものをいう。第六条において同じ。)を受けた場合
三 交流派遣職員に対し、理由なく特別の取扱い(その者の能力、資格等に照らして特別であると認められるその者の民間企業における地位、賃金その他の処遇に関する取扱いをいう。第七条において同じ。)をした場合(当該特別の取扱いをした日から五年を経過している場合を除く。)
四 第十条第一号から第三号までに規定する事項についての合意に反した場合(当該合意に反することとなった日から五年を経過している場合を除く。)
第二条 人事交流は、特定の業種又は特定の民間企業に著しく偏ることのないように行うものとする。
(対象とする職員等)第三条 交流派遣は、行政運営における重要な役割を担うことが期待される職員を対象として行うものとする。
2 交流採用は、民間企業における実務の経験を通じて効率的かつ機動的な業務遂行の手法を体得している者を対象として行うものとする。 (特別契約関係がある場合の人事交流の制限)第四条 交流派遣をしようとする日前五年間に係る年度のうちいずれかの年度において、国の機関(防衛省本省及び防衛装備庁をいう。以下同じ。)と民間企業との間に特別契約関係(一の年度において当該国の機関と民間企業との間に締結した契約の総額が二千万円以上であり、かつ、当該契約の総額のその年度における当該民間企業の売上額又は仕入額等の総額に占める割合が二十五パーセント(資本の額又は出資の総額が三億円以上であり、かつ、常時使用する従業員の数が三百人以上の民間企業にあっては十パーセント)以上であることをいう。以下この条において同じ。)がある場合には、当該年度において当該国の機関に在職し、又は在職していた職員については、当該民間企業及びその子会社(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第三号に規定する子会社をいう。以下同じ。)への交流派遣をすることができない。
2 交流派遣職員の交流派遣の期間中に、交流派遣元機関(当該交流派遣職員が国と民間企業との間の人事交流に関する法律(以下この項及び第十条第二号において「法」という。)第二十四条第一項において準用する法第七条第一項の規定による交流派遣の際に在職していた国の機関をいう。)と当該交流派遣に係る派遣先企業との間に特別契約関係があることとなった場合には、当該交流派遣を継続することができない。 3 交流採用をしようとする日前五年間に係る年度のうちいずれかの年度において国の機関と民間企業との間に特別契約関係がある場合には、当該民間企業及びその子会社に雇用されている者については、当該国の機関に交流採用をすることができない。 (契約の締結に携わった職員等に係る人事交流の制限)第五条 交流派遣をしようとする日前五年以内に、職員として在職し、又は在職していた国の機関と民間企業との間の契約の締結又は履行に携わった期間のある職員については、当該民間企業及びその子会社への交流派遣をすることができない。
2 交流採用をしようとする日前五年以内に、交流元企業となる民間企業と国の機関との間の契約の締結又は履行に携わった期間のある者については、当該国の機関に交流採用をすることができない。 (派遣先企業の起訴等による交流派遣の制限)第六条 交流派遣の期間中に、派遣先企業又はその役員若しくは役員であった者が、当該派遣先企業の業務に係る刑事事件に関し起訴された場合又は不利益処分を受けた場合には、当該派遣先企業への交流派遣を継続することができない。
2 防衛大臣は、前項ただし書の認定を行う場合には、防衛人事審議会に付議し、その議決に基づき行わなければならない。 (職員に対する特別の取扱いによる交流派遣の制限)第七条 民間企業が、交流派遣予定職員(任命権者(自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第三十一条第一項の規定により同法第二条第五項に規定する隊員の任免について権限を有する者をいう。以下同じ。)が交流派遣をすることを予定している職員をいう。以下同じ。)に対し、理由なく特別の取扱いをしようとした場合には、当該交流派遣予定職員の当該民間企業への交流派遣をすることができない。
2 派遣先企業が、その交流派遣職員に対し、理由なく特別の取扱いをした場合には、当該派遣先企業への交流派遣を継続することができない。 (民間企業における業務内容による交流派遣の制限)第八条 交流派遣予定職員の派遣先予定企業(派遣先企業となる民間企業をいう。以下この項において同じ。)における業務内容が、国の機関(交流派遣をしようとする日前に当該交流派遣予定職員が職員として在職し、又は在職していた国の機関に限る。)に対する折衝又は当該国の機関からの情報の収集を主として行うものである場合には、当該交流派遣予定職員は、当該派遣先予定企業への交流派遣をすることができない。
2 交流派遣職員の派遣先企業における業務内容が、国の機関(交流派遣をしようとする日前に当該交流派遣職員が職員として在職していた国の機関に限る。)に対する折衝又は当該国の機関からの情報の収集を主として行うものであることとなった場合には、当該交流派遣職員の交流派遣を継続することができない。 (自衛隊の行動時に関する取決めによる交流派遣の制限)第九条 任命権者と民間企業との間で、自衛隊法第七十六条第一項の規定による防衛出動命令、同法第七十七条の規定による防衛出動待機命令、同法第七十八条第一項の規定による治安出動命令及び同法第七十九条第一項の規定による治安出動待機命令が発せられた場合における交流派遣の終了について取決めを締結することができない場合には、当該民間企業への交流派遣をすることができない。
(民間企業との合意がない場合の交流採用の制限)第十条 任命権者と民間企業との間で次に掲げる事項について合意がなされていない場合には、当該民間企業に雇用されている者の交流採用をすることができない。
一 当該民間企業は、当該交流採用に係る交流採用職員に対し、その任期中、金銭、物品その他の財産上の利益を贈与しないものとすること。
二 法第二条第四項第二号に係る交流採用にあっては、当該民間企業は、当該交流採用に係る交流採用職員について、その任期中の雇用に基づく賃金その他の給付(防衛省と民間企業との間の人事交流に関する政令(平成十二年政令第三百八十八号)第十六条に規定するものを除く。)を行わないものとすること。
三 当該民間企業は、当該交流採用に係る交流採用職員であった者の離職後交流元企業の地位に就く日から起算して二年間は、当該交流採用職員であった者を次に掲げる業務に従事させないものとすること。 イ 交流採用機関(交流採用職員であった者が在職していた国の機関をいう。以下この号において同じ。)に対する行政手続法第二条第三号に規定する申請に関する業務
ロ 交流採用機関との間の契約の締結又は履行に関する業務
ハ 交流採用機関の当該民間企業に対する法令の規定に基づく検査、捜索、差押えその他これらに類する行為に関する業務
ニ 交流採用機関に対する折衝又は交流採用機関からの情報の収集を主として行う業務
四 当該民間企業は、当該交流採用に係る交流採用職員であった者を離職後交流元企業の地位に就けるときは、その者の当該民間企業における地位、賃金その他の処遇について、当該民間企業の他の従業員との均衡を失することのないよう適切な配慮を加えるものとすること。
附則
この政令は、公布の日から施行する。附則(平成一二年六月七日政令第三〇三号)
(施行期日)
第一条 この政令は、内閣法の一部を改正する法律の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
附則(平成一八年四月二八日政令第一八二号)
この政令は、会社法(平成十七年法律第八十六号)の施行の日(平成十八年五月一日)から施行する。附則(平成一八年九月一五日政令第二九六号)
この政令は、国と民間企業との間の人事交流に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成十八年九月二十日)から施行する。附則(平成一九年一月四日政令第三号)
(施行期日)
第一条 この政令は、防衛庁設置法等の一部を改正する法律の施行の日(平成十九年一月九日)から施行する。
附則(平成一九年八月二〇日政令第二七〇号)
この政令は、防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律の施行の日(平成十九年九月一日)から施行する。附則(平成二六年五月二九日政令第一九五号)
(施行期日)
第一条 この政令は、法の施行の日(平成二十六年五月三十日)から施行する。
(処分等の効力)
第四条 この政令の施行前にこの政令による改正前のそれぞれの政令(次条において「旧政令」という。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、この政令による改正後のそれぞれの政令(以下この条及び次条において「新政令」という。)の規定に相当の規定があるものは、別段の定めがあるものを除き、新政令の相当の規定によってしたものとみなす。