第一条 原子力規制委員会は、原子力災害対策特別措置法(以下「法」という。)第二条第三号イからトまでに掲げる者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その者について、同号の規定による指定(以下この条において単に「指定」という。)をすることができる。
一 原子炉の運転等のための施設を一年以上使用せず、かつ、引き続き三年以上使用する予定がないとき。
二 加工設備、原子炉、使用済燃料貯蔵設備、再処理設備若しくは廃棄物管理設備の本体又は使用施設の本体の解体を終えているとき。
2 原子力規制委員会は、法第二条第三号イからトまでに掲げる者が前項各号のいずれかに該当しているかどうかを調査するため、これらの者に対し、その業務に関する報告を求めることができる。 3 指定には、条件を付することができる。 4 原子力規制委員会は、指定を受けた者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その指定を取り消すことができる。一 第一項ただし書に規定する場合に該当するに至ったとき。
二 原子炉の運転等のための施設の使用を六月以内に再開する予定があるとき。
三 前項の条件に違反したとき。
5 指定又は前項の規定による指定の取消しは、官報に告示してするものとする。 (原子力事業者防災業務計画の協議)第二条 法第七条第二項の規定による協議は、原子力事業者防災業務計画を作成し、又は修正しようとする日の六十日前までに、所在都道府県知事、所在市町村長及び関係周辺都道府県知事に原子力事業者防災業務計画の案を提出して行うものとする。
2 所在都道府県知事又は関係周辺都道府県知事は、法第七条第二項の規定による意見の聴取を行うため、相当の期限を定めて、前項の規定により提出を受けた原子力事業者防災業務計画の案の写しを関係周辺市町村長に送付するものとする。 (関係周辺都道府県知事の要件)第二条の二 法第七条第二項前段の政令で定める要件は、その区域の全部又は一部が当該原子力事業所(発電用原子炉(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第二条第五項に規定する発電用原子炉をいう。以下この条において同じ。)が設置されているものに限る。)の周囲三十キロメートルの区域内にある都道府県(当該原子力事業所に設置されている全ての発電用原子炉が同法第四十三条の三の三十四第二項の認可を受けたものであることその他の事情を勘案し、当該都道府県の当該区域において当該原子力事業所に係る原子力災害が発生するおそれがないと原子力規制委員会が認めて指定したものを除く。)であって、当該原子力事業所に係る原子力災害に関する地域防災計画等(災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第二条第十号ロ又はニに掲げるものを除く。)が作成されているものであることとする。
(関係周辺市町村長の要件)第三条 法第七条第二項後段の政令で定める要件は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。
一 当該市町村の区域につき当該原子力事業所に係る原子力災害に関する地域防災計画等(災害対策基本法第二条第十号イ又はハに掲げるものを除く。)が作成されていること。
二 前号に掲げるもののほか、当該原子力事業所の区域との距離その他の事情を勘案し、当該市町村の区域につき当該原子力事業所に係る原子力災害の発生又は拡大の防止を図ることが必要であると所在都道府県知事又は関係周辺都道府県知事が認めること。
三 前二号に掲げるもののほか、地域防災計画等(災害対策基本法第二条第十号ロ又はニに掲げるものを除く。)の的確かつ円滑な実施を推進するため当該市町村の協力が必要であると所在都道府県知事又は関係周辺都道府県知事が認めること。
(通報すべき事象)第四条 法第十条第一項の政令で定める基準は、一時間当たり五マイクロシーベルトの放射線量とする。
2 法第十条第一項の規定による放射線量の検出は、法第十一条第一項の規定により設置された放射線測定設備の一又は二以上について、それぞれ単位時間(二分以内のものに限る。)ごとのガンマ線の放射線量を測定し一時間当たりの数値に換算して得た数値が、前項の放射線量以上のものとなっているかどうかを点検することにより行うものとする。 3 前項の定めるところにより検出された放射線量が法第十一条第一項の規定により設置された放射線測定設備の全てについて第一項の放射線量を下回っている場合において、当該放射線測定設備の一又は二以上についての数値が一時間当たり一マイクロシーベルト以上であるときは、法第十条第一項の規定による放射線量の検出は、前項の規定にかかわらず、同項の定めるところにより検出された当該各放射線測定設備における放射線量と原子炉の運転等のための施設の周辺において原子力規制委員会規則で定めるところにより測定した中性子線の放射線量とを合計することにより行うものとする。 4 法第十条第一項の政令で定める事象は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。一 第一項に規定する基準以上の放射線量が第二項又は前項の定めるところにより検出されたこと。
二 当該原子力事業所における原子炉の運転等のための施設の排気筒、排水口その他これらに類する場所において、当該原子力事業所の区域の境界付近に達した場合におけるその放射能水準が第一項に規定する放射線量に相当するものとして原子力規制委員会規則で定める基準以上の放射性物質が原子力規制委員会規則で定めるところにより検出されたこと。
三 当該原子力事業所の区域内の場所のうち原子炉の運転等のための施設の内部に設定された管理区域(その内部において業務に従事する者の被ばく放射線量の管理を行うべき区域として原子力規制委員会規則で定める区域をいう。)外の場所(前号に規定する場所を除く。)において、次に掲げる放射線量又は放射性物質が原子力規制委員会規則で定めるところにより検出されたこと。 イ 一時間当たり五十マイクロシーベルト以上の放射線量
ロ 当該場所におけるその放射能水準が一時間当たり五マイクロシーベルトの放射線量に相当するものとして原子力規制委員会規則で定める基準以上の放射性物質
四 事業所外運搬に使用する容器から一メートル離れた場所において、一時間当たり百マイクロシーベルト以上の放射線量が原子力規制委員会規則・国土交通省令で定めるところにより検出されたこと。
五 前各号に掲げるもののほか、実用発電用原子炉(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第四十三条の四第一項に規定する実用発電用原子炉をいう。第六条第四項第四号において同じ。)の運転中に非常用炉心冷却装置の作動を必要とする原子炉冷却材の漏えいが発生したことその他の原子炉の運転等のための施設又は事業所外運搬に使用する容器の特性ごとに原子力緊急事態に至る可能性のある事象として原子力規制委員会規則(事業所外運搬に係る事象にあっては、原子力規制委員会規則・国土交通省令)で定めるもの
六 前各号に掲げるもののほか、第六条第四項第三号又は第四号に掲げる事象
(職員の派遣の要請手続)第五条 法第十条第二項の規定による職員の派遣の要請は、派遣を要請する事由その他必要な事項を記載した文書により行うものとする。
2 前項ただし書の場合においては、事後において速やかに文書を提出するものとする。 (原子力緊急事態)第六条 法第十五条第一項第一号の政令で定める放射線測定設備は、所在都道府県知事又は関係周辺都道府県知事がその都道府県の区域内に設置した放射線測定設備であって法第十一条第一項の放射線測定設備の性能に相当する性能を有するものとする。
2 法第十五条第一項第一号の政令で定める測定方法は、単位時間(十分以内のものに限る。)ごとのガンマ線の放射線量を測定し、一時間当たりの数値に換算することにより行うこととする。 3 法第十五条第一項第一号の政令で定める基準は、次の各号に掲げる検出された放射線量の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める放射線量とする。一 第四条第四項第一号に規定する検出された放射線量又は第一項の放射線測定設備及び前項の測定方法により検出された放射線量(これらの放射線量のいずれかが、二地点以上において又は十分間以上継続して検出された場合に限る。)
一時間当たり五マイクロシーベルト
二 第四条第四項第三号イに規定する検出された放射線量
一時間当たり五ミリシーベルト
三 第四条第四項第四号に規定する検出された放射線量
一時間当たり十ミリシーベルト
一 第四条第四項第二号に規定する場所において、当該原子力事業所の区域の境界付近に達した場合におけるその放射能水準が前項第一号に定める放射線量に相当するものとして原子力規制委員会規則で定める基準以上の放射性物質が原子力規制委員会規則で定めるところにより検出されたこと。
二 第四条第四項第三号に規定する場所において、当該場所におけるその放射能水準が一時間当たり五百マイクロシーベルトの放射線量に相当するものとして原子力規制委員会規則で定める基準以上の放射性物質が原子力規制委員会規則で定めるところにより検出されたこと。
三 原子炉の運転等のための施設の内部(原子炉の本体の内部を除く。)において、核燃料物質が臨界状態(原子核分裂の連鎖反応が継続している状態をいう。)にあること。
四 前三号に掲げるもののほか、実用発電用原子炉の運転を通常の中性子吸収材の挿入により停止することができないことその他の原子炉の運転等のための施設又は事業所外運搬に使用する容器の特性ごとに原子力緊急事態の発生を示す事象として原子力規制委員会規則(事業所外運搬に係る事象にあっては、原子力規制委員会規則・国土交通省令)で定めるもの
(原子力災害派遣の要請手続)第七条 法第二十条第四項の規定により原子力災害対策本部長が自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八条に規定する部隊等の派遣を要請しようとする場合には、次の事項を明らかにするものとする。
一 原子力災害の情況及び派遣を要請する事由
二 派遣を希望する期間
三 派遣を希望する区域及び活動内容
四 その他参考となるべき事項
2 前項の派遣の要請は、文書により行うものとする。 3 第五条第一項ただし書及び第二項の規定は、第一項の派遣の要請について準用する。 (災害対策基本法施行令の規定の読替え適用)第八条 原子力災害についての災害対策基本法施行令(昭和三十七年政令第二百八十八号)の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
2 原子力緊急事態宣言があったときから原子力緊急事態解除宣言があるまでの間における災害対策基本法施行令の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 3 原子力緊急事態宣言があった時以後における災害対策基本法施行令の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 (報告)第九条 法第三十一条の規定により内閣総理大臣、原子力規制委員会、国土交通大臣、所在都道府県知事、所在市町村長又は関係周辺都道府県知事が原子力事業者に対し報告させることができる事項は、次に掲げる事項とする。
一 原子力事業者防災業務計画の作成又は修正に関する事項
二 原子力防災組織、原子力防災要員、原子力防災管理者若しくは副原子力防災管理者、放射線測定設備又は原子力防災資機材の状況
三 放射線測定設備により検出された放射線量の数値の記録又は公表に関する事項
四 法第十条第一項前段の規定による通報に関する事項
五 原子力緊急事態の状況
六 緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策の実施に関する事項
(手数料)第十条 法第三十三条の規定により納付すべき手数料の額は、六万四千八百円(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して申請を行う場合にあっては、六万三千三百円)に放射線測定設備一式につき二万四千九百円を加算した額とする。
(命令への委任)第十一条 この政令に定めるもののほか、法第七条第三項の届出の手続は内閣府令・原子力規制委員会規則で、法第三十二条第二項の身分を示す証明書の様式は内閣府令・原子力規制委員会規則(事業所外運搬に係るものにあっては、内閣府令・原子力規制委員会規則・国土交通省令)で定める。
附則
この政令は、法の施行の日(平成十二年六月十六日)から施行する。 ただし、第一条(法第七条第二項又は第十二条第二項に係る部分に限る。)、第二条及び第三条の規定は、この政令の公布の日から施行する。附則(平成一六年三月二四日政令第五七号)
この政令は、平成十六年三月三十一日から施行する。附則(平成二四年九月一四日政令第二三五号)
(施行期日)
第一条 この政令は、原子力規制委員会設置法の施行の日(平成二十四年九月十九日)から施行する。
附則(平成二五年一月一八日政令第四号)
この政令は、公布の日から施行する。附則(平成二五年九月六日政令第二五九号)
この政令は、平成二十五年十二月一日から施行する。 この政令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。附則(平成二五年九月二六日政令第二八五号)
(施行期日)
第一条 この政令は、災害対策基本法等の一部を改正する法律附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日(平成二十五年十月一日)から施行する。 ただし、第一条(災害対策基本法施行令第三十五条第一号、第三号及び第五号並びに第四十三条第一項の改正規定を除く。)、第五条及び第九条の規定は、同法附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日(平成二十六年四月一日)から施行する。
附則(平成二六年一一月二一日政令第三六六号)
この政令は、公布の日から施行する。附則(平成二八年五月二〇日政令第二二五号)
この政令は、公布の日から施行する。附則(平成二九年七月七日政令第一八六号)
この政令は、公布の日から施行する。附則(平成三〇年九月二八日政令第二八一号)
この政令は、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(平成三十年十月一日)から施行する。附則(令和元年一二月一三日政令第一八三号)
(施行期日)
第一条 この政令は、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律(次条において「改正法」という。)の施行の日(令和元年十二月十六日)から施行する。