第一章 総則
(目的)第一条 この法律は、原子力災害の特殊性にかんがみ、原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務等、原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置等並びに緊急事態応急対策の実施その他原子力災害に関する事項について特別の措置を定めることにより、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「規制法」という。)、災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)その他原子力災害の防止に関する法律と相まって、原子力災害に対する対策の強化を図り、もって原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的とする。
(定義)第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 原子力災害 原子力緊急事態により国民の生命、身体又は財産に生ずる被害をいう。
二 原子力緊急事態 原子力事業者の原子炉の運転等(原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第二条第一項に規定する原子炉の運転等をいう。以下同じ。)により放射性物質又は放射線が異常な水準で当該原子力事業者の原子力事業所外(原子力事業所の外における放射性物質の運搬(以下「事業所外運搬」という。)の場合にあっては、当該運搬に使用する容器外)へ放出された事態をいう。
三 原子力事業者 次に掲げる者(政令で定めるところにより、原子炉の運転等のための施設を長期間にわたって使用する予定がない者であると原子力規制委員会が認めて指定した者を除く。)をいう。
イ 規制法第十三条第一項の規定に基づく加工の事業の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
ロ 規制法第二十三条第一項の規定に基づく試験研究用等原子炉の設置の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含み、船舶に設置する試験研究用等原子炉についての許可を除く。)を受けた者
ハ 規制法第四十三条の三の五第一項の規定に基づく発電用原子炉の設置の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
ニ 規制法第四十三条の四第一項の規定に基づく貯蔵の事業の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
ホ 規制法第四十四条第一項の規定に基づく再処理の事業の指定(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
ヘ 規制法第五十一条の二第一項の規定に基づく廃棄の事業の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
ト 規制法第五十二条第一項の規定に基づく核燃料物質の使用の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者(規制法第五十七条第一項の規定により保安規定を定めなければならないこととされている者に限る。)
四 原子力事業所 原子力事業者が原子炉の運転等を行う工場又は事業所をいう。
五 緊急事態応急対策 第十五条第二項の規定による原子力緊急事態宣言があった時から同条第四項の規定による原子力緊急事態解除宣言があるまでの間において、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止を図るため実施すべき応急の対策をいう。
六 原子力災害予防対策 原子力災害の発生を未然に防止するため実施すべき対策をいう。
七 原子力災害事後対策 第十五条第四項の規定による原子力緊急事態解除宣言があった時以後において、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止又は原子力災害の復旧を図るため実施すべき対策(原子力事業者が原子力損害の賠償に関する法律の規定に基づき同法第二条第二項に規定する原子力損害を賠償することを除く。)をいう。
八 指定行政機関 災害対策基本法第二条第三号に規定する指定行政機関をいう。
九 指定地方行政機関 災害対策基本法第二条第四号に規定する指定地方行政機関をいう。
十 指定公共機関 災害対策基本法第二条第五号に規定する指定公共機関をいう。
十一 指定地方公共機関 災害対策基本法第二条第六号に規定する指定地方公共機関をいう。
十二 防災計画 災害対策基本法第二条第七号に規定する防災計画及び石油コンビナート等災害防止法(昭和五十年法律第八十四号)第三十一条第一項に規定する石油コンビナート等防災計画をいう。
(原子力事業者の責務)第三条 原子力事業者は、この法律又は関係法律の規定に基づき、原子力災害の発生の防止に関し万全の措置を講ずるとともに、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止及び原子力災害の復旧に関し、誠意をもって必要な措置を講ずる責務を有する。
(国の責務)第四条 国は、この法律又は関係法律の規定に基づき、原子力災害対策本部の設置、地方公共団体への必要な指示その他緊急事態応急対策の実施のために必要な措置並びに原子力災害予防対策及び原子力災害事後対策の実施のために必要な措置を講ずること等により、原子力災害についての災害対策基本法第三条第一項の責務を遂行しなければならない。
2 指定行政機関の長(当該指定行政機関が委員会その他の合議制の機関である場合にあっては、当該指定行政機関。第十七条第七項第三号を除き、以下同じ。)及び指定地方行政機関の長は、この法律の規定による地方公共団体の原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策の実施が円滑に行われるように、その所掌事務について、当該地方公共団体に対し、勧告し、助言し、その他適切な措置をとらなければならない。 3 内閣総理大臣及び原子力規制委員会は、この法律の規定による権限を適切に行使するほか、この法律の規定による原子力事業者の原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策の実施が円滑に行われるように、当該原子力事業者に対し、指導し、助言し、その他適切な措置をとらなければならない。第四条の二 国は、大規模な自然災害及びテロリズムその他の犯罪行為による原子力災害の発生も想定し、これに伴う被害の最小化を図る観点から、警備体制の強化、原子力事業所における深層防護の徹底、被害の状況に応じた対応策の整備その他原子力災害の防止に関し万全の措置を講ずる責務を有する。
(地方公共団体の責務)第五条 地方公共団体は、この法律又は関係法律の規定に基づき、原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策の実施のために必要な措置を講ずること等により、原子力災害についての災害対策基本法第四条第一項及び第五条第一項の責務を遂行しなければならない。
(関係機関の連携協力)第六条 国、地方公共団体、原子力事業者並びに指定公共機関及び指定地方公共機関は、原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策が円滑に実施されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
第一章の二 原子力災害対策指針
第六条の二 原子力規制委員会は、災害対策基本法第二条第八号に規定する防災基本計画に適合して、原子力事業者、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体、指定公共機関及び指定地方公共機関その他の者による原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策(次項において「原子力災害対策」という。)の円滑な実施を確保するための指針(以下「原子力災害対策指針」という。)を定めなければならない。
2 原子力災害対策指針においては、次に掲げる事項について定めるものとする。一 原子力災害対策として実施すべき措置に関する基本的な事項
二 原子力災害対策の実施体制に関する事項
三 原子力災害対策を重点的に実施すべき区域の設定に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、原子力災害対策の円滑な実施の確保に関する重要事項
3 原子力規制委員会は、原子力災害対策指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。第二章 原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務等
(原子力事業者防災業務計画)第七条 原子力事業者は、その原子力事業所ごとに、内閣府令・原子力規制委員会規則で定めるところにより、当該原子力事業所における原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策その他の原子力災害の発生及び拡大を防止し、並びに原子力災害の復旧を図るために必要な業務に関し、原子力事業者防災業務計画を作成し、及び毎年原子力事業者防災業務計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。 この場合において、当該原子力事業者防災業務計画は、災害対策基本法第二条第十号に規定する地域防災計画及び石油コンビナート等災害防止法第三十一条第一項に規定する石油コンビナート等防災計画(次項において「地域防災計画等」という。)に抵触するものであってはならない。
2 原子力事業者は、前項の規定により原子力事業者防災業務計画を作成し、又は修正しようとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該原子力事業所の区域を管轄する都道府県知事(以下「所在都道府県知事」という。)、当該原子力事業所の区域を管轄する市町村長(以下「所在市町村長」という。)並びに当該原子力事業所の区域をその区域に含む市町村に隣接する市町村を包括する都道府県及びこれに準ずるものとして政令で定める要件に該当する都道府県の都道府県知事(所在都道府県知事を除く。以下「関係周辺都道府県知事」という。)に協議しなければならない。 この場合において、所在都道府県知事及び関係周辺都道府県知事は、関係周辺市町村長(その区域につき当該原子力事業所に係る原子力災害に関する地域防災計画等(災害対策基本法第二条第十号イ又はハに掲げるものを除く。)が作成されていることその他の政令で定める要件に該当する市町村の市町村長(所在市町村長を除く。)をいう。以下同じ。)の意見を聴くものとする。 3 原子力事業者は、第一項の規定により原子力事業者防災業務計画を作成し、又は修正したときは、速やかにこれを内閣総理大臣及び原子力規制委員会に届け出るとともに、その要旨を公表しなければならない。 4 内閣総理大臣及び原子力規制委員会は、原子力事業者が第一項の規定に違反していると認めるとき、又は原子力事業者防災業務計画が当該原子力事業所に係る原子力災害の発生若しくは拡大を防止するために十分でないと認めるときは、原子力事業者に対し、原子力事業者防災業務計画の作成又は修正を命ずることができる。 (原子力防災組織)第八条 原子力事業者は、その原子力事業所ごとに、原子力防災組織を設置しなければならない。
2 原子力防災組織は、前条第一項の原子力事業者防災業務計画に従い、同項に規定する原子力災害の発生又は拡大を防止するために必要な業務を行う。 3 原子力事業者は、その原子力防災組織に、原子力規制委員会規則で定めるところにより、前項に規定する業務に従事する原子力防災要員を置かなければならない。 4 原子力事業者は、その原子力防災組織の原子力防災要員を置いたときは、原子力規制委員会規則で定めるところにより、その現況について、原子力規制委員会、所在都道府県知事、所在市町村長及び関係周辺都道府県知事に届け出なければならない。 この場合において、原子力規制委員会は内閣総理大臣に、所在都道府県知事及び関係周辺都道府県知事は関係周辺市町村長に、当該届出に係る書類の写しを送付するものとする。 5 原子力規制委員会は、原子力事業者が第一項又は第三項の規定に違反していると認めるときは、当該原子力事業者に対し、原子力防災組織の設置又は原子力防災要員の配置を命ずることができる。 (原子力防災管理者)第九条 原子力事業者は、その原子力事業所ごとに、原子力防災管理者を選任し、原子力防災組織を統括させなければならない。
2 原子力防災管理者は、当該原子力事業所においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。 3 原子力事業者は、当該原子力事業所における原子力災害の発生又は拡大の防止に関する業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的地位にある者のうちから、副原子力防災管理者を選任し、原子力防災組織の統括について、原子力防災管理者を補佐させなければならない。 4 原子力事業者は、原子力防災管理者が当該原子力事業所内にいないときは、副原子力防災管理者に原子力防災組織を統括させなければならない。 5 原子力事業者は、第一項又は第三項の規定により原子力防災管理者又は副原子力防災管理者を選任したときは、原子力規制委員会規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を原子力規制委員会、所在都道府県知事、所在市町村長及び関係周辺都道府県知事に届け出なければならない。 これを解任したときも、同様とする。 この場合において、原子力規制委員会は、内閣総理大臣に当該届出に係る書類の写しを送付するものとする。 6 前条第四項後段の規定は、前項の届出について準用する。 7 原子力規制委員会は、原子力事業者が第一項若しくは第三項の規定に違反していると認めるとき、又は原子力防災管理者若しくは副原子力防災管理者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定に違反したときは、原子力事業者に対し、原子力防災管理者又は副原子力防災管理者の選任又は解任を命ずることができる。 (原子力防災管理者の通報義務等)第十条 原子力防災管理者は、原子力事業所の区域の境界付近において政令で定める基準以上の放射線量が政令で定めるところにより検出されたことその他の政令で定める事象の発生について通報を受け、又は自ら発見したときは、直ちに、内閣府令・原子力規制委員会規則(事業所外運搬に係る事象の発生の場合にあっては、内閣府令・原子力規制委員会規則・国土交通省令)及び原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、その旨を内閣総理大臣及び原子力規制委員会、所在都道府県知事、所在市町村長並びに関係周辺都道府県知事(事業所外運搬に係る事象の発生の場合にあっては、内閣総理大臣、原子力規制委員会及び国土交通大臣並びに当該事象が発生した場所を管轄する都道府県知事及び市町村長)に通報しなければならない。 この場合において、所在都道府県知事及び関係周辺都道府県知事は、関係周辺市町村長にその旨を通報するものとする。
2 前項前段の規定により通報を受けた都道府県知事又は市町村長は、政令で定めるところにより、内閣総理大臣及び原子力規制委員会(事業所外運搬に係る事象の発生の場合にあっては、内閣総理大臣、原子力規制委員会及び国土交通大臣。以下この項及び第十五条第一項第一号において同じ。)に対し、その事態の把握のため専門的知識を有する職員の派遣を要請することができる。 この場合において、内閣総理大臣及び原子力規制委員会は、適任と認める職員を派遣しなければならない。 (放射線測定設備その他の必要な資機材の整備等)第十一条 原子力事業者は、原子力規制委員会規則で定める基準に従って、その原子力事業所内に前条第一項前段の規定による通報を行うために必要な放射線測定設備を設置し、及び維持しなければならない。
2 原子力事業者は、その原子力防災組織に、当該原子力防災組織がその業務を行うために必要な放射線障害防護用器具、非常用通信機器その他の資材又は機材であって内閣府令・原子力規制委員会規則で定めるもの(以下「原子力防災資機材」という。)を備え付け、随時、これを保守点検しなければならない。 3 原子力事業者は、第一項の規定により放射線測定設備を設置し、又は前項の規定により原子力防災資機材を備え付けたときは、内閣府令・原子力規制委員会規則で定めるところにより、これらの現況について、内閣総理大臣及び原子力規制委員会、所在都道府県知事、所在市町村長並びに関係周辺都道府県知事に届け出なければならない。 4 第八条第四項後段の規定は、前項の届出について準用する。 5 原子力事業者は、第一項の規定により放射線測定設備を設置したときは、原子力規制委員会規則で定めるところにより、その性能について原子力規制委員会が行う検査を受けなければならない。 6 内閣総理大臣及び原子力規制委員会は、原子力事業者が第一項又は第二項の規定に違反していると認めるときは、当該原子力事業者に対し、放射線測定設備の設置、維持、若しくは改善又は原子力防災資機材の備え付け若しくは保守点検のために必要な措置を命ずることができる。 7 原子力事業者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、第一項の放射線測定設備により検出された放射線量の数値を記録し、及び公表しなければならない。 (緊急事態応急対策等拠点施設の指定等)第十二条 内閣総理大臣は、原子力事業所ごとに、第二十六条第二項に規定する者による緊急事態応急対策の拠点及び第二十七条第二項に規定する者による原子力災害事後対策の拠点となる施設であって当該原子力事業所の区域をその区域に含む都道府県の区域内にあることその他内閣府令で定める要件に該当するもの(以下「緊急事態応急対策等拠点施設」という。)を指定するものとする。
2 内閣総理大臣は、緊急事態応急対策等拠点施設を指定し、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、原子力規制委員会、所在都道府県知事、所在市町村長及び当該緊急事態応急対策等拠点施設の所在地を管轄する市町村長(所在市町村長を除く。)並びに当該緊急事態応急対策等拠点施設に係る原子力事業者の意見を聴かなければならない。 3 第一項の指定又は指定の変更は、官報に告示してしなければならない。 4 原子力事業者は、第一項の指定があった場合には、当該緊急事態応急対策等拠点施設において第二十六条第二項に規定する者が当該原子力事業所に係る緊急事態応急対策を講ずるに際して必要となる資料として内閣府令で定めるもの及び第二十七条第二項に規定する者が当該原子力事業所に係る原子力災害事後対策を講ずるに際して必要となる資料として内閣府令で定めるものを内閣総理大臣に提出しなければならない。 提出した資料の内容に変更があったときも、同様とする。 5 内閣総理大臣は、前項の規定により提出された資料を当該緊急事態応急対策等拠点施設に備え付けるものとする。 6 内閣総理大臣は、第一項及び第四項の内閣府令の制定又は改廃をしようとするときは、あらかじめ、原子力規制委員会の意見を聴かなければならない。 (防災訓練に関する国の計画)第十三条 第二十八条第一項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法第四十八条第一項の防災訓練(同項に規定する災害予防責任者が防災計画又は原子力事業者防災業務計画の定めるところによりそれぞれ行うものを除く。)は、内閣総理大臣が内閣府令で定めるところにより作成する計画に基づいて行うものとする。
2 前項の規定により作成する計画は、防災訓練の実施のための事項であって次に掲げるものを含むものとする。一 原子力緊急事態の想定に関すること。
二 第十条、第十五条及び第二十三条の規定の運用に関すること。
三 前二号に掲げるもののほか、原子力災害予防対策の実施を図るため必要な事項
3 内閣総理大臣は、第一項の内閣府令の制定若しくは改廃又は計画の作成をしようとするときは、あらかじめ、原子力規制委員会の意見を聴かなければならない。 (防災訓練の実施の結果の報告)第十三条の二 原子力事業者は、第二十八条第一項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法第四十八条第一項の規定により行った防災訓練(同項に規定する災害予防責任者と共同して行ったものを除く。次項において同じ。)につき、原子力規制委員会規則で定めるところにより、その実施の結果を原子力規制委員会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。 この場合において、原子力規制委員会は、内閣総理大臣に当該報告に係る書類の写しを送付するものとする。
2 原子力規制委員会は、前項の規定による報告があった場合において、当該報告に係る同項の防災訓練の実施の結果が当該報告に係る原子力事業所における原子力災害の発生又は拡大を防止するために十分でないと認めるときは、内閣総理大臣の意見を聴いて、当該報告をした原子力事業者に対し、防災訓練の方法の改善その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (他の原子力事業所への協力)第十四条 原子力事業者は、他の原子力事業者の原子力事業所に係る緊急事態応急対策が必要である場合には、原子力防災要員の派遣、原子力防災資機材の貸与その他当該緊急事態応急対策の実施に必要な協力をするよう努めなければならない。
第三章 原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置等
(原子力緊急事態宣言等)第十五条 原子力規制委員会は、次のいずれかに該当する場合において、原子力緊急事態が発生したと認めるときは、直ちに、内閣総理大臣に対し、その状況に関する必要な情報の報告を行うとともに、次項の規定による公示及び第三項の規定による指示の案を提出しなければならない。
一 第十条第一項前段の規定により内閣総理大臣及び原子力規制委員会が受けた通報に係る検出された放射線量又は政令で定める放射線測定設備及び測定方法により検出された放射線量が、異常な水準の放射線量の基準として政令で定めるもの以上である場合
二 前号に掲げるもののほか、原子力緊急事態の発生を示す事象として政令で定めるものが生じた場合
2 内閣総理大臣は、前項の規定による報告及び提出があったときは、直ちに、原子力緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示(以下「原子力緊急事態宣言」という。)をするものとする。一 緊急事態応急対策を実施すべき区域
二 原子力緊急事態の概要
三 前二号に掲げるもののほか、第一号に掲げる区域内の居住者、滞在者その他の者及び公私の団体(以下「居住者等」という。)に対し周知させるべき事項
3 内閣総理大臣は、第一項の規定による報告及び提出があったときは、直ちに、前項第一号に掲げる区域を管轄する市町村長及び都道府県知事に対し、第二十八条第二項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法第六十条第一項及び第六項の規定による避難のための立退き又は屋内への退避の指示を行うべきことその他の緊急事態応急対策に関する事項を指示するものとする。 4 内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言をした後、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに、原子力緊急事態の解除を行う旨及び次に掲げる事項の公示(以下「原子力緊急事態解除宣言」という。)をするものとする。一 原子力災害事後対策を実施すべき区域
二 前号に掲げるもののほか、同号に掲げる区域内の居住者等に対し周知させるべき事項
(原子力災害対策本部の設置)第十六条 内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言をしたときは、当該原子力緊急事態に係る緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策(以下「緊急事態応急対策等」という。)を推進するため、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十条第二項の規定にかかわらず、閣議にかけて、臨時に内閣府に原子力災害対策本部を設置するものとする。
2 内閣総理大臣は、原子力災害対策本部を置いたときは当該原子力災害対策本部の名称並びに設置の場所及び期間を、当該原子力災害対策本部が廃止されたときはその旨を、直ちに、告示しなければならない。 (原子力災害対策本部の組織)第十七条 原子力災害対策本部の長は、原子力災害対策本部長とし、内閣総理大臣(内閣総理大臣に事故があるときは、そのあらかじめ指定する国務大臣)をもって充てる。
2 原子力災害対策本部長は、原子力災害対策本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。 3 原子力災害対策本部に、原子力災害対策副本部長、原子力災害対策本部員その他の職員を置く。 4 原子力災害対策副本部長は、内閣官房長官、環境大臣及び原子力規制委員会委員長(事業所外運搬に係る事象の発生の場合にあっては、内閣官房長官、環境大臣、原子力規制委員会委員長及び国土交通大臣)をもって充てる。 5 原子力災害対策本部長は、前項に掲げる者のほか、緊急事態応急対策等を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、原子力災害対策本部員のうち、内閣官房長官及び環境大臣(事業所外運搬に係る事象の発生の場合にあっては、内閣官房長官、環境大臣及び国土交通大臣)以外の国務大臣又は環境副大臣若しくは関係府省の副大臣の中から、内閣総理大臣が指名する者を原子力災害対策副本部長に充てることができる。 6 原子力災害対策副本部長は、原子力災害対策本部長を助け、原子力災害対策本部長に事故があるときは、その職務を代理する。 原子力災害対策副本部長が二人以上置かれている場合にあっては、あらかじめ原子力災害対策本部長が定めた順序で、その職務を代理する。 7 原子力災害対策本部員は、次に掲げる者をもって充てる。一 原子力災害対策本部長及び原子力災害対策副本部長以外の全ての国務大臣
二 内閣危機管理監
三 原子力災害対策副本部長以外の副大臣、環境大臣政務官若しくは関係府省の大臣政務官又は国務大臣以外の指定行政機関の長のうちから、内閣総理大臣が任命する者
8 原子力災害対策副本部長及び原子力災害対策本部員以外の原子力災害対策本部の職員は、内閣官房若しくは指定行政機関の職員又は指定地方行政機関の長若しくはその職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。 9 原子力災害対策本部に、原子力緊急事態宣言があった時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間においては緊急事態応急対策実施区域(第十五条第二項第一号に掲げる区域(第二十条第六項の規定により当該区域が変更された場合にあっては、当該変更後の区域)をいう。以下同じ。)において、原子力緊急事態解除宣言があった時以後においては原子力災害事後対策実施区域(第十五条第四項第一号に掲げる区域(第二十条第七項の規定により当該区域が変更された場合にあっては、当該変更後の区域)をいう。以下同じ。)において当該原子力災害対策本部長の定めるところにより当該原子力災害対策本部の事務の一部を行う組織として、原子力災害現地対策本部を置く。 この場合においては、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十六条第四項の規定は、適用しない。 10 前条第二項の規定は、原子力災害現地対策本部について準用する。 11 前項において準用する前条第二項に規定する原子力災害現地対策本部の設置の場所は、当該原子力緊急事態に係る原子力事業所について第十二条第一項の規定により指定された緊急事態応急対策等拠点施設(事業所外運搬に係る原子力緊急事態が発生した場合その他特別の事情がある場合にあっては、当該原子力緊急事態が発生した場所を勘案して原子力災害対策本部長が定める施設。第二十三条第五項において同じ。)とする。 12 原子力災害現地対策本部に、原子力災害現地対策本部長及び原子力災害現地対策本部員その他の職員を置く。 13 原子力災害現地対策本部長は、原子力災害対策本部長の命を受け、原子力災害現地対策本部の事務を掌理する。 14 原子力災害現地対策本部長及び原子力災害現地対策本部員その他の職員は、原子力災害対策副本部長、原子力災害対策本部員その他の職員のうちから、原子力災害対策本部長が指名する者をもって充てる。 (原子力災害対策本部の所掌事務)第十八条 原子力災害対策本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 緊急事態応急対策等を的確かつ迅速に実施するための方針の作成に関すること。
二 緊急事態応急対策実施区域において指定行政機関の長、指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関、指定地方公共機関及び原子力事業者の原子力防災組織が防災計画、原子力災害対策指針又は原子力事業者防災業務計画に基づいて実施する緊急事態応急対策の総合調整に関すること。
三 原子力災害事後対策実施区域において指定行政機関の長、指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関、指定地方公共機関及び原子力事業者の原子力防災組織が防災計画、原子力災害対策指針又は原子力事業者防災業務計画に基づいて実施する原子力災害事後対策の総合調整に関すること。
四 この法律の規定により原子力災害対策本部長の権限に属する事務
五 前各号に掲げるもののほか、法令の規定によりその権限に属する事務
(指定行政機関の長の権限の委任)第十九条 指定行政機関の長は、原子力災害対策本部が設置されたときは、緊急事態応急対策等に必要な権限の全部又は一部を当該原子力災害対策本部の職員である当該指定行政機関の職員又は当該指定地方行政機関の長若しくはその職員に委任することができる。
2 指定行政機関の長は、前項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を告示しなければならない。 (原子力災害対策本部長の権限)第二十条 原子力災害対策本部長は、前条の規定により権限を委任された職員の当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域及び原子力災害事後対策実施区域における権限の行使について調整をすることができる。
2 原子力災害対策本部長は、当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域及び原子力災害事後対策実施区域における緊急事態応急対策等を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、関係指定行政機関の長及び関係指定地方行政機関の長並びに前条の規定により権限を委任された当該指定行政機関の職員及び当該指定地方行政機関の職員、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関並びに原子力事業者に対し、必要な指示をすることができる。 3 前項に規定する原子力災害対策本部長の指示は、原子力規制委員会がその所掌に属する事務に関して専ら技術的及び専門的な知見に基づいて原子力施設の安全の確保のために行うべき判断の内容に係る事項については、対象としない。 4 原子力災害対策本部長は、当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域における緊急事態応急対策を的確かつ迅速に実施するため、自衛隊の支援を求める必要があると認めるときは、防衛大臣に対し、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八条に規定する部隊等の派遣を要請することができる。 5 原子力災害対策本部長は、当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域及び原子力災害事後対策実施区域における緊急事態応急対策等を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関、原子力事業者並びにその他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の表明その他必要な協力を求めることができる。 6 原子力災害対策本部長は、原子力緊急事態の推移に応じ、当該原子力災害対策本部に係る原子力緊急事態宣言において公示された第十五条第二項第一号及び第三号に掲げる事項について、公示することにより変更することができる。 7 原子力災害対策本部長は、原子力災害事後対策の実施状況に応じ、当該原子力災害対策本部に係る原子力緊急事態解除宣言において公示された第十五条第四項各号に掲げる事項について、公示することにより変更することができる。 8 原子力災害対策本部長は、前各項の規定による権限の全部又は一部を原子力災害対策副本部長に委任することができる。 9 原子力災害対策本部長は、第一項、第二項及び第五項の規定による権限(第二項の規定による関係指定行政機関の長に対する指示を除く。)の一部を原子力災害現地対策本部長に委任することができる。 10 原子力災害対策本部長は、前二項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を告示しなければならない。 (原子力災害対策本部の廃止)第二十一条 原子力災害対策本部は、その設置期間が満了した時に、廃止されるものとする。
(都道府県災害対策本部及び市町村災害対策本部の必要的設置)第二十二条 原子力緊急事態宣言があったときは、当該原子力緊急事態宣言に係る緊急事態応急対策実施区域を管轄する都道府県知事及び市町村長は、当該原子力緊急事態に関し災害対策基本法第二十三条第一項に規定する都道府県災害対策本部又は同法第二十三条の二第一項に規定する市町村災害対策本部を設置するものとする。
2 当該原子力緊急事態に関し、原子力緊急事態解除宣言があったときは、前項の規定により設置された都道府県災害対策本部及び市町村災害対策本部のうち、当該原子力緊急事態解除宣言に係る原子力災害事後対策実施区域を管轄する都道府県知事又は市町村長により設置されたものは、引き続き、設置されるものとする。 (原子力災害合同対策協議会)第二十三条 原子力緊急事態宣言があったときは、原子力災害現地対策本部並びに当該原子力緊急事態宣言に係る緊急事態応急対策実施区域を管轄する都道府県及び市町村の都道府県災害対策本部及び市町村災害対策本部は、当該原子力緊急事態に関する情報を交換し、それぞれが実施する緊急事態応急対策について相互に協力するため、原子力災害合同対策協議会を組織するものとする。
2 当該原子力緊急事態に関し、原子力緊急事態解除宣言があった時以後において、前項の規定により組織された原子力災害合同対策協議会は、原子力災害現地対策本部並びに前条第二項の規定により存続する都道府県災害対策本部及び市町村災害対策本部がそれぞれ実施する原子力災害事後対策について相互に協力するための組織としてなお存続するものとする。 3 原子力災害合同対策協議会は、次に掲げる者をもって構成する。一 原子力災害現地対策本部長及び原子力災害現地対策本部員その他の職員
二 都道府県災害対策本部長又は当該都道府県災害対策本部の都道府県災害対策副本部長、都道府県災害対策本部員その他の職員で当該都道府県災害対策本部長から委任を受けた者
三 市町村災害対策本部長又は当該市町村災害対策本部の市町村災害対策副本部長、市町村災害対策本部員その他の職員で当該市町村災害対策本部長から委任を受けた者
4 原子力災害合同対策協議会は、必要と認めるときは、協議して、前項に掲げるもののほか、指定公共機関、原子力事業者その他の原子力緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策の実施に責任を有する者を加えることができる。 5 原子力災害合同対策協議会の設置の場所は、緊急事態応急対策等拠点施設とする。 (災害対策基本法の適用除外)第二十四条 原子力緊急事態宣言があった時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間においては、当該原子力緊急事態宣言に係る原子力緊急事態については、災害対策基本法第二章第三節及び第百七条の規定は、適用しない。
第四章 緊急事態応急対策の実施等
(原子力事業者の応急措置)第二十五条 原子力防災管理者は、その原子力事業所において第十条第一項の政令で定める事象が発生したときは、直ちに、原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、当該原子力事業所の原子力防災組織に原子力災害の発生又は拡大の防止のために必要な応急措置を行わせなければならない。
2 前項の場合において、原子力事業者は、同項の規定による措置の概要について、原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、内閣総理大臣及び原子力規制委員会、所在都道府県知事、所在市町村長並びに関係周辺都道府県知事(事業所外運搬に係る事象の発生の場合にあっては、内閣総理大臣、原子力規制委員会及び国土交通大臣並びに当該事象が発生した場所を管轄する都道府県知事及び市町村長)に報告しなければならない。 この場合において、所在都道府県知事及び関係周辺都道府県知事は、関係周辺市町村長に当該報告の内容を通知するものとする。 (緊急事態応急対策及びその実施責任)第二十六条 緊急事態応急対策は、次の事項について行うものとする。
一 原子力緊急事態宣言その他原子力災害に関する情報の伝達及び避難の勧告又は指示に関する事項
二 放射線量の測定その他原子力災害に関する情報の収集に関する事項
三 被災者の救難、救助その他保護に関する事項
四 施設及び設備の整備及び点検並びに応急の復旧に関する事項
五 犯罪の予防、交通の規制その他当該原子力災害を受けた地域における社会秩序の維持に関する事項
六 緊急輸送の確保に関する事項
七 食糧、医薬品その他の物資の確保、居住者等の被ばく放射線量の測定、放射性物質による汚染の除去その他の応急措置の実施に関する事項
八 前各号に掲げるもののほか、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止を図るための措置に関する事項
2 原子力緊急事態宣言があった時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間においては、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関、原子力事業者その他法令の規定により緊急事態応急対策の実施の責任を有する者は、法令、防災計画、原子力災害対策指針又は原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、緊急事態応急対策を実施しなければならない。 3 原子力事業者は、法令、防災計画、原子力災害対策指針又は原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに地方公共団体の長その他の執行機関の実施する緊急事態応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため、原子力防災要員の派遣、原子力防災資機材の貸与その他必要な措置を講じなければならない。第五章 原子力災害事後対策
(原子力災害事後対策及びその実施責任)第二十七条 原子力災害事後対策は、次の事項について行うものとする。
一 原子力災害事後対策実施区域における放射性物質の濃度若しくは密度又は放射線量に関する調査
二 居住者等に対する健康診断及び心身の健康に関する相談の実施その他医療に関する措置
三 放射性物質による汚染の有無又はその状況が明らかになっていないことに起因する商品の販売等の不振を防止するための、原子力災害事後対策実施区域における放射性物質の発散の状況に関する広報
四 前三号に掲げるもののほか、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止又は原子力災害の復旧を図るための措置に関する事項
2 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関、原子力事業者その他法令の規定により原子力災害事後対策に責任を有する者は、法令、防災計画、原子力災害対策指針又は原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、原子力災害事後対策を実施しなければならない。 3 原子力事業者は、法令、防災計画、原子力災害対策指針又は原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに地方公共団体の長その他の執行機関の実施する原子力災害事後対策が的確かつ円滑に行われるようにするため、原子力防災要員の派遣、原子力防災資機材の貸与その他必要な措置を講じなければならない。 (市町村長の避難の指示等)第二十七条の二 前条第一項第一号に掲げる調査により、当該調査を実施した原子力災害事後対策実施区域において放射性物質による環境の汚染が著しいと認められた場合において、当該汚染による原子力災害が発生し、又は発生するおそれがあり、かつ、人の生命又は身体を当該原子力災害から保護し、その他当該原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、当該原子力災害事後対策実施区域内の必要と認める地域の必要と認める居住者、滞在者その他の者に対し、避難のための立退き又は屋内への退避を指示することができる。
2 前項の規定により避難のための立退き又は屋内への退避を指示する場合において、必要があると認めるときは、市町村長は、その立退き先又は退避先として第二十八条第一項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法第四十九条の四第一項の指定緊急避難場所その他の避難場所を指示することができる。 3 前条第一項第一号に掲げる調査により、当該調査を実施した原子力災害事後対策実施区域において放射性物質による環境の汚染が著しいと認められた場合であって、当該汚染による原子力災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、避難のための立退きを行うことによりかえって人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがあり、かつ、事態に照らし緊急を要すると認めるときは、市町村長は、当該原子力災害事後対策実施区域内の必要と認める地域の必要と認める居住者、滞在者その他の者に対し、屋内での待避その他の緊急に安全を確保するための措置(以下「緊急安全確保措置」という。)を指示することができる。 4 市町村長は、第一項の規定により避難のための立退き若しくは屋内への退避を指示し、若しくは立退き先若しくは退避先を指示し、又は前項の規定により緊急安全確保措置を指示したときは、速やかに、その旨を原子力災害対策本部長及び都道府県知事に報告しなければならない。 5 市町村長は、避難の必要がなくなったときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。 前項の規定は、この場合について準用する。 (警察官等の避難の指示)第二十七条の三 前条第一項又は第三項の場合において、市町村長による避難のための立退き若しくは屋内への退避若しくは緊急安全確保措置の指示を待ついとまがないと認めるとき、又は市町村長から要求があったときは、警察官又は海上保安官は、当該原子力災害事後対策実施区域内の必要と認める地域の必要と認める居住者、滞在者その他の者に対し、避難のための立退き若しくは屋内への退避又は緊急安全確保措置を指示することができる。
2 前条第二項の規定は、警察官又は海上保安官が前項の規定により避難のための立退き又は屋内への退避を指示する場合について準用する。 3 警察官又は海上保安官は、第一項の規定により避難のための立退き若しくは屋内への退避又は緊急安全確保措置を指示したときは、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。 4 前条第四項及び第五項の規定は、前項の通知を受けた市町村長について準用する。 (指定行政機関の長等による助言)第二十七条の四 市町村長は、第二十七条の二第一項の規定により避難のための立退き若しくは屋内への退避を指示し、又は同条第三項の規定により緊急安全確保措置を指示しようとする場合において、必要があると認めるときは、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事に対し、当該指示に関する事項について、助言を求めることができる。 この場合において、助言を求められた指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事は、その所掌事務に関し、必要な助言をするものとする。
(避難の指示のための通信設備の優先利用等)第二十七条の五 災害対策基本法第五十七条の規定は、市町村長が第二十七条の二第一項の規定により避難のための立退き若しくは屋内への退避を指示し、又は同条第三項の規定により緊急安全確保措置を指示する場合について準用する。
(市町村長の警戒区域設定権等)第二十七条の六 第二十七条第一項第一号に掲げる調査により、当該調査を実施した原子力災害事後対策実施区域において放射性物質による環境の汚染が著しいと認められた場合において、当該汚染による原子力災害が発生し、又は発生するおそれがあり、かつ、人の生命又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、当該原子力災害事後対策実施区域内に警戒区域を設定し、原子力災害事後対策に従事する者以外の者に対して当該警戒区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該警戒区域からの退去を命ずることができる。
2 前項の場合において、市町村長若しくはその委任を受けて同項に規定する市町村長の職権を行う市町村の職員による同項に規定する措置を待ついとまがないと認めるとき、又はこれらの者から要求があったときは、警察官又は海上保安官は、同項に規定する市町村長の職権を行うことができる。 この場合において、同項に規定する市町村長の職権を行ったときは、警察官又は海上保安官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。 3 第二十七条の四の規定は、第一項の規定により警戒区域を設定しようとする場合について準用する。第六章 雑則
(災害対策基本法の規定の読替え適用等)第二十八条 原子力災害についての災害対策基本法の次の表の上欄に掲げる規定(石油コンビナート等災害防止法第三十二条第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
2 原子力緊急事態宣言があった時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間における災害対策基本法の次の表の上欄に掲げる規定(石油コンビナート等災害防止法第三十二条第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 3 原子力緊急事態宣言があった時以後における災害対策基本法の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 4 原子力災害については、災害対策基本法第八十七条及び第八十八条第二項の規定は、適用しない。 5 原子力緊急事態宣言があった時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間においては、当該原子力緊急事態宣言に係る原子力緊急事態に関しては、災害対策基本法第五十条、第五十四条、第五十九条及び第六十六条の規定は、適用しない。 6 緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策を実施する地方公共団体の長は、第二項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法第二十九条第一項若しくは第二項又は第三十条第一項の規定によるもののほか、指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長に対し、放射線による人体の障害の予防、診断及び治療に関する助言その他の緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策を実施するために必要な援助を求めることができる。 (原子力災害に関する研究の推進等)第二十九条 国は、原子力の安全の確保、原子力災害の発生の防止及び放射線障害の防止に関する科学的な研究及び開発を推進するとともに、その成果の普及に努めなければならない。
(原子力防災専門官)第三十条 内閣府に、原子力防災専門官を置く。
2 原子力防災専門官は、その担当すべき原子力事業所として内閣総理大臣が指定した原子力事業所について、第七条第一項に規定する原子力事業者防災業務計画の作成その他原子力事業者が実施する原子力災害予防対策に関する指導及び助言を行うほか、第十条第一項前段の規定による通報があった場合には、その状況の把握のため必要な情報の収集、地方公共団体が行う情報の収集及び応急措置に関する助言その他原子力災害の発生又は拡大の防止の円滑な実施に必要な業務を行うものとする。 (報告の徴収)第三十一条 内閣総理大臣、原子力規制委員会、国土交通大臣、所在都道府県知事、所在市町村長又は関係周辺都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、原子力事業者に対し、政令で定めるところにより、その業務に関し報告をさせることができる。
(立入検査)第三十二条 内閣総理大臣、原子力規制委員会、国土交通大臣、所在都道府県知事、所在市町村長又は関係周辺都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、原子力事業所に立ち入り、当該原子力事業所に係る原子力事業者の施設、帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により職員が原子力事業所に立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (手数料)第三十三条 第十一条第五項の規定による検査を受けようとする者は、政令で定めるところにより、手数料を納めなければならない。
(特別区についてのこの法律の適用)第三十四条 この法律の適用については、特別区は、市とみなす。
(政令への委任)第三十五条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
(国に対する適用除外)第三十六条 第三十三条及び次章の規定は、国に適用しない。
第七章 罰則
第三十七条 第七条第四項、第八条第五項、第九条第七項、第十一条第六項又は第十三条の二第二項の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第三十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第七条第三項、第八条第四項前段、第九条第五項又は第十一条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十条第一項前段の規定に違反して通報しなかった者
三 第十一条第七項の規定に違反して放射線量の測定結果を記録せず、又は虚偽の記録をした者
四 第十二条第四項の規定に違反して資料を提出しなかった者
五 第十三条の二第一項又は第三十一条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
六 第三十二条第一項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第三十九条 第二十七条の六第一項の規定による市町村長又は同条第二項の規定による警察官若しくは海上保安官の禁止若しくは制限又は退去命令に従わなかった者は、十万円以下の罰金又は拘留に処する。
第四十条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第三十七条又は第三十八条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則(平成一一年七月一六日法律第八七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(手数料に関する経過措置)
第百六十二条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則(平成一一年七月一六日法律第一〇二号)
(施行期日)
第一条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(別に定める経過措置)
第三十条 第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)
(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成一六年一二月三日法律第一五五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、附則第十条から第十二条まで、第十四条から第十七条まで、第十八条第一項及び第三項並びに第十九条から第三十二条までの規定は、平成十七年十月一日から施行する。
附則(平成一八年一二月二二日法律第一一八号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則(平成二四年六月二七日法律第四一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、附則第六条の規定は、原子力規制委員会設置法(平成二十四年法律第四十七号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日から施行する。
(調整規定)
第七条 この法律の施行の日が原子力規制委員会設置法の施行の日前である場合には、附則第五条のうち次の表の上欄に掲げる原子力災害対策特別措置法の改正規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 前項の場合において、前条中「第二十八条第一項の表第四十条第三項」とあるのは、「第二十八条第一項の表第四十条第二項第二号の項中「原子力緊急事態宣言」の下に「(原子力災害対策特別措置法第十五条第二項の規定による原子力緊急事態宣言をいう。以下同じ。)」を加え、同表第四十条第三項」とする。 第一項の場合において、原子力規制委員会設置法附則第五十四条のうち次の表の上欄に掲げる原子力災害対策特別措置法の改正規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 第一項の場合において、原子力規制委員会設置法附則第一条第二号中「同表第四十九条の項及び第五十一条の項の改正規定(第四十九条の項に係る部分に限る。)」とあるのは、「同表第四十九条の項の改正規定」とする。
(政令への委任)
第八条 この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二四年六月二七日法律第四七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(原子力災害対策特別措置法の一部改正に伴う経過措置)
第五十六条 この法律の施行の際現に附則第五十四条の規定による改正前の原子力災害対策特別措置法第十六条第一項の規定により設置されている原子力災害対策本部は、附則第五十四条の規定による改正後の原子力災害対策特別措置法第十六条第一項の規定により設置された原子力災害対策本部とみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第八十六条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第八十七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二五年六月二一日法律第五四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(政令への委任)
第二十二条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二六年一一月二一日法律第一一四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
附則(平成二九年四月一四日法律第一五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成三〇年六月二七日法律第六六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(令和三年五月一〇日法律第三〇号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(原子力災害対策特別措置法の一部改正に伴う経過措置)
第十五条 この法律の施行の際現に前条の規定による改正前の原子力災害対策特別措置法第二十八条第二項の規定により読み替えて適用される旧災害対策基本法第六十条第一項、第三項若しくは第六項又は第六十一条第一項の規定によりされている避難のための立退き若しくは屋内への退避の指示又は屋内での待避等の安全確保措置の指示については、なお従前の例による。
附則(令和四年六月一七日法律第六八号)
この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一 第五百九条の規定 公布の日
附則(令和五年六月一六日法律第五八号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。