第一条 保険会社は、毎事業年度(四月一日から翌年三月三十一日までとする。以下同じ。)末において、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げる額を、自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号。以下「法」という。)第二十八条の三第一項の主務省令で定める準備金として積み立てるものとする。
一 義務積立金
責任保険の事業から生じた収支差額のうち保険期間の始期の属する日から当該事業年度の末日までの期間が四年を超えない責任保険の契約に係るものの額として、当該契約に係るイ及びロの額の合計額からハの額を減じて得た額を基礎とし、保険業法(平成七年法律第百五号)第四条第二項第四号に掲げる書類(以下「算出方法書」という。)に記載された方法に従って計算した額
イ 各事業年度において共同プール事務により配分された額から徴収された額を減じて得た額
ロ 各事業年度において発生した予定利息(保険期間が一年を超える責任保険の保険料の算定上当該保険期間内に発生することを予定した資産運用益をいう。)の額
ハ 当該事業年度末において積み立てるべき支払備金の額
二 調整準備金
責任保険の事業から生じた収支差額のうち保険期間の始期の属する日から当該事業年度の末日までの期間が四年を超える責任保険の契約に係るものの額として、当該契約に係る前号イ及びロの額の合計額から同号ハの額を減じて得た額を基礎とし、算出方法書に記載された方法に従って計算した額
三 付加率積立金
責任保険の事業から生じた収支差額のうち前二号に規定する収支差額以外のものの額として、責任保険の事業を行うための費用に係る収支差額の額を基礎とし、算出方法書に記載された方法に従って計算した額及び責任保険の事業から生じた運用益のうち当該収支差額に係るものの額として、算出方法書に記載された方法に従って計算した額の合計額
四 運用益積立金
責任保険の事業から生じた運用益のうち前号に規定する運用益以外のものの額として、責任保険の事業に係る資産運用益の額から当該資産運用に要した費用の額、第一号ロの額及び前号に規定する運用益の額の合計額を減じて得た額を基礎とし、算出方法書に記載された方法に従って計算した額
第二条 法第二十八条の三第一項の主務省令で定める場合は、次の各号に掲げる場合とする。
一 責任保険の収支の改善又は自動車事故被害者の保護の増進に資する自動車事故防止対策、救急医療体制の整備、自動車事故被害者対策、後遺障害認定対策、医療費支払適正化対策その他の対策に要する費用を拠出するため、前条第四号に規定する運用益積立金を取り崩す場合
二 税効果会計(貸借対照表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得の計算の結果算定された資産及び負債の金額との間に差異がある場合において、当該差異に係る法人税等(法人税その他利益又は剰余に関連する金額を課税標準として課される租税をいう。以下同じ。)の金額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当期利益若しくは当期剰余又は当期純利益若しくは当期純剰余の金額と法人税等の金額を合理的に対応させるための会計処理をいう。)を適用する場合において、法人税等の税率の変更による前条第二号に規定する調整準備金、同条第三号に規定する付加率積立金及び同条第四号に規定する運用益積立金の金額に基づき算定される法人税等相当額の減額に伴い、各準備金を取り崩す場合
(組合の準備金の積立て及び取崩し)第三条 前二条の規定は、農業協同組合等に準用する。
2 前二条の規定は、消費生活協同組合等に準用する。 3 前二条の規定は、事業協同組合等に準用する。 4 前三項の規定にかかわらず、責任共済の契約によって共済責任を負う組合(以下「責任共済組合」という。)が当該共済責任の全部を他の組合に再共済する契約を締結している場合は、当該再共済の契約によって再共済責任を負う組合(以下「再共済組合」という。)が、当該再共済の契約を締結した責任共済組合に代わって当該責任共済組合に係る前三項において準用する第一条に規定する準備金を、再共済組合が当該再共済責任の全部を他の組合に再再共済する契約を締結している場合は、当該再再共済の契約によって再再共済責任を負う組合が、当該再再共済の契約を締結した再共済組合及び当該再共済組合と再共済の契約を締結した責任共済組合に代わって当該再共済組合及び当該責任共済組合に係る前三項において準用する第一条に規定する準備金を積み立てることができる。