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平成九年通商産業省令第五十一号
発電用火力設備に関する技術基準を定める省令

施行日:

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電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第三十九条第一項の規定に基づき、発電用火力設備に関する技術基準を定める省令(昭和四十年通商産業省令第六十号)の全部を改正する省令を次のように定める。

第一章 総則

(適用範囲)

第一条 この省令は、火力(地熱又は冷熱(液化ガスが気化する際に発生する熱をいう。)を含む。以下同じ。)を原動力として電気を発生するために施設する電気工作物(電気用品安全法(昭和三十六年法律第二百三十四号)の適用を受ける携帯発電機を除く。)及び燃料電池設備(燃料電池を除く。)について適用する。 ただし、原子力発電工作物については、この限りでない。

2 前項の電気工作物とは、一般用電気工作物及び事業用電気工作物をいう。

(定義)

第二条 この省令において使用する用語は、電気事業法施行規則(平成七年通商産業省令第七十七号)において使用する用語の例による。

2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

「可燃性ガス」とは、コンビナート等保安規則(昭和六十一年通商産業省令第八十八号。以下「コンビ規則」という。)第二条第一項第一号に規定する可燃性ガスをいう。

「毒性ガス」とは、コンビ規則第二条第一項第二号に規定する毒性ガスをいう。

「不活性ガス」とは、コンビ規則第二条第一項第三号に規定する不活性ガスをいう。

(急傾斜地の崩壊の防止)

第三条 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和四十四年法律第五十七号)第三条第一項の規定により指定された急傾斜地崩壊危険区域内に施設する電気工作物は、当該区域内の急傾斜地(同法第二条第一項に規定するものをいう。)の崩壊を助長し、又は誘発するおそれがないように施設しなければならない。

(公害の防止)

第四条 大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第二条第二項に規定するばい煙発生施設に該当する電気工作物に係るばい煙量又はばい煙濃度は、当該施設に係る同法第三条第一項若しくは第三項又は第四条第一項の排出基準に適合しなければならない。

2 大気汚染防止法第五条の二第一項に規定する特定工場等に係る前項に規定する電気工作物にあっては、前項の規定によるほか、当該特定工場等に設置されているすべての当該電気工作物において発生し、排出口から大気中に排出される指定ばい煙(同法第五条の二第一項に規定する指定ばい煙をいう。)の合計量が同法第五条の二第一項又は第三項の規定に基づいて定められた当該指定ばい煙に係る総量規制基準に適合することとならなければならない。

3 大気汚染防止法第二条第九項に規定する一般粉じん発生施設に該当する電気工作物の構造及び使用並びに管理の方法は、当該施設に係る同法第十八条の三の構造及び使用並びに管理に関する基準に適合しなければならない。

4 大気汚染防止法第二条第十四項に規定する水銀排出施設に該当する電気工作物に係る水銀濃度は、当該施設に係る同法第十八条の二十七の排出基準に適合しなければならない。

5 ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年法律第百五号)第二条第二項に規定する特定施設に該当する電気工作物に係る排出ガス(同条第三項に規定するものをいう。)又は排出水(同条第四項に規定するものをいう。)に含まれるダイオキシン類の量は、当該施設に係る同法第八条第一項又は第三項の排出基準に適合しなければならない。

6 ダイオキシン類対策特別措置法第十条第一項に規定する総量規制基準適用事業場に係る前項に規定する電気工作物にあっては、前項の規定によるほか、当該総量規制基準適用事業場に設置されているすべての当該電気工作物において発生し、排出口から大気中に排出されるダイオキシン類の合計量が同法第十条第一項又は第三項の規定に基づいて定められた当該ダイオキシン類に係る総量規制基準に適合することとならなければならない。

7 鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)第二条第二項に規定する鉱山に属する工作物(海域にあり、定置式のものに限る。以下単に「鉱山に属する工作物」という。)に設置する内燃機関(ディーゼル発電機に限る。以下同じ。)に係る窒素酸化物の排出については、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書によって修正された同条約附属書(以下「附属書」という。)六第三章第十三規則の要件を満たさなければならない。

8 鉱山に属する工作物に設置する内燃機関において使用する燃料油の基準は、附属書六第三章第十四規則及び第十八規則の要件を満たさなければならない。

(耐震性の確保)

第四条の二 電気工作物(液化ガス設備(液化ガスの貯蔵、輸送、気化等を行う設備及びこれに附属する設備をいう。以下同じ。)を除く。)は、その電気工作物が発電事業の用に供される場合にあっては、これに作用する地震力による損壊により一般送配電事業者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼすことがないように耐震性を有するものでなければならない。

第二章 ボイラー等及びその附属設備

(ボイラー等及びその附属設備の材料)

第五条 ボイラー(火気、燃焼ガスその他の高温ガス若しくは電気によって水等の熱媒体を加熱するものであって、当該加熱により当該蒸気を発生させこれを他の設備に供給するもの又は当該加熱(相変化を伴うものを除く。)により当該水等の熱媒体を大気圧力における飽和温度以上とし、これを蒸気タービン若しくはガスタービンに供給するもののうち、ガス化炉設備(石炭、石油その他の燃料を加熱し、酸素と化学反応させることによりガス化させ、発生したガスをガスタービンに供給する容器(以下「ガス化炉」という。)、そのガスを通ずることによって熱交換等を行う容器及びこれらに附属する設備のうち、液化ガス設備を除く。以下同じ。)を除く。以下同じ。)、独立過熱器(火気、燃焼ガスその他の高温ガス又は電気によって蒸気を過熱するもの(ボイラー、ガスタービン、内燃機関又は燃料電池設備に属するものを除く。)をいう。以下同じ。)又は蒸気貯蔵器(以下「ボイラー等」という。)及びその附属設備(ポンプ、圧縮機及び液化ガス設備を除く。)に属する容器及び管の耐圧部分に使用する材料は、最高使用温度において材料に及ぼす化学的影響及び物理的影響に対し、安全な化学的成分及び機械的強度を有するものでなければならない。

(ボイラー等及びその附属設備の構造)

第六条 ボイラー等及びその附属設備(液化ガス設備を除く。以下この章において同じ。)の耐圧部分の構造は、最高使用圧力又は最高使用温度において発生する最大の応力に対し安全なものでなければならない。 この場合において、耐圧部分に生ずる応力は当該部分に使用する材料の許容応力を超えてはならない。

(安全弁)

第七条 ボイラー等及びその附属設備であって過圧が生ずるおそれのあるものにあっては、その圧力を逃がすために適当な安全弁を設けなければならない。 この場合において、当該安全弁は、その作動時にボイラー等及びその附属設備に過熱が生じないように施設しなければならない。

2 安全弁(燃料としてアンモニアを使用するものに限る。)は、その作動時に当該安全弁から吹き出されるアンモニアによる危害が生じないように施設しなければならない。

(ガスの漏えい対策等)

第七条の二 ボイラー等及びその附属設備(燃料としてアンモニア又は水素を使用するものに限る。第四号において同じ。)には、当該ボイラー等及びその附属設備からアンモニア又は水素が漏えいした場合の危害を防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

ボイラー等及びその附属設備(燃料としてアンモニアを使用するものに限る。次号において同じ。)には、当該ボイラー等及びその附属設備からアンモニアが漏えいした場合に安全に、かつ、速やかに除害するための措置を講じること。

ボイラー等及びその附属設備には、その外部からアンモニアを通ずるものである旨を容易に識別することができるような措置を講じること。 この場合において、ポンプ、バルブ及び継手その他アンモニアが漏えいするおそれのある箇所には、その旨の危険標識を掲げること。

ボイラー等及びその附属設備(燃料として水素を使用するものに限る。)を設置する室は、当該ボイラー等及びその附属設備から水素が漏えいした場合に滞留しないような構造とすること。

前各号に掲げるもののほか、ボイラー等及びその附属設備に、当該ボイラー等及びその附属設備からアンモニア又は水素が漏えいした場合の危害を防止するための適切な措置を講じること。

(給水装置)

第八条 ボイラーには、その最大連続蒸発時において、熱的損傷が生ずることのないよう水を供給できる給水装置を設けなければならない。

2 設備の異常等により、循環ボイラーの水位又は貫流ボイラーの給水流量が著しく低下した際に、急速に燃料の送入を遮断してもなおボイラーに損傷を与えるような熱が残存する場合にあっては、当該ボイラーには、当該損傷が生ずることのないよう予備の給水装置を設けなければならない。

(蒸気及び給水の遮断)

第九条 ボイラーの蒸気出口(安全弁からの蒸気出口及び再熱器からの蒸気出口を除く。)は、蒸気の流出を遮断できる構造でなければならない。 ただし、他のボイラーと結合されたボイラー以外のボイラーから発生する蒸気が供給される設備の入口で蒸気の流路を遮断することができる場合における当該ボイラーの蒸気出口又は二個以上のボイラーが一体となって蒸気を発生しこれを他に供給する場合における当該ボイラー間の蒸気出口にあってはこの限りでない。

2 ボイラーの給水の入口は、給水の流路を速やかに自動で、かつ、確実に遮断できる構造でなければならない。 ただし、ボイラーごとに給水装置を設ける場合において、ボイラーに最も近い給水加熱器の出口又は給水装置の出口が、給水の流路を速やかに自動で、かつ、確実に遮断できる構造である場合における当該ボイラーの給水の入口又は二個以上のボイラーが一体となって蒸気を発生しこれを他に供給する場合における当該ボイラー間の給水の入口にあってはこの限りでない。

(ボイラーの水抜き装置)

第十条 循環ボイラーには、ボイラー水の濃縮を防止し、及び水位を調整するために、ボイラー水を抜くことができる装置を設けなければならない。

(計測装置)

第十一条 ボイラー等には、設備の損傷を防止するため運転状態を計測する装置を設けなければならない。

第三章 蒸気タービン及びその附属設備

(蒸気タービンの附属設備の材料)

第十二条 蒸気タービンの附属設備(ポンプ、圧縮機及び液化ガス設備を除く。)に属する容器及び管の耐圧部分に使用する材料は、最高使用温度において材料に及ぼす化学的影響及び物理的影響に対し、安全な化学的成分及び機械的強度を有するものでなければならない。

(蒸気タービン等の構造)

第十三条 蒸気タービンは、非常調速装置が作動したときに達する回転速度に対して構造上十分な機械的強度を有するものでなければならない。

2 蒸気タービンは、主要な軸受又は軸に発生しうる最大の振動に対して構造上十分な機械的強度を有するものでなければならない。

3 蒸気タービンの軸受は、運転中の荷重を安定に支持できるものであって、かつ、異常な摩耗、変形及び過熱が生じないものでなければならない。

4 蒸気タービン及び発電機その他の回転体を同一の軸に結合したもの(蒸気タービン及び発電機その他の回転体を同一の軸に結合しない場合にあっては蒸気タービン)の危険速度は、調速装置により調整することができる回転速度のうち最小のものから非常調速装置が作動したときに達する回転速度までの間にあってはならない。 ただし、危険速度における振動が当該蒸気タービンの運転に支障を及ぼすことのないよう十分な対策を講じた場合は、この限りでない。

5 蒸気タービン及びその附属設備(液化ガス設備を除く。第十六条において同じ。)の耐圧部分の構造は、最高使用圧力又は最高使用温度において発生する最大の応力に対し安全なものでなければならない。 この場合において、耐圧部分に生ずる応力は当該部分に使用する材料の許容応力を超えてはならない。

(調速装置)

第十四条 誘導発電機と結合する蒸気タービン以外の蒸気タービンには、その回転速度及び出力が負荷の変動の際にも持続的に動揺することを防止するため、蒸気タービンに流入する蒸気を自動的に調整する調速装置を設けなければならない。 この場合において、調速装置は、定格負荷(定格負荷を超えて蒸気タービンの運転を行う場合にあっては、その最大の負荷)を遮断した場合に達する回転速度を非常調速装置が作動する回転速度未満にする能力を有するものでなければならない。

(警報及び非常停止装置)

第十五条 四十万キロワット以上の蒸気タービンには、運転中に支障を及ぼすおそれのある振動を検知し警報する装置を設けなければならない。

2 蒸気タービンには、運転中に生じた過回転その他の異常による危害の発生を防止するため、その異常が発生した場合に蒸気タービンに流入する蒸気を自動的かつ速やかに遮断する非常調速装置その他の非常停止装置を設けなければならない。

(過圧防止装置)

第十六条 蒸気タービン及びその附属設備であって過圧が生ずるおそれのあるものにあっては、その圧力を逃がすために適当な過圧防止装置を設けなければならない。

(計測装置)

第十七条 蒸気タービンには、設備の損傷を防止するため運転状態を計測する装置を設けなければならない。

第四章 ガスタービン及びその附属設備

(ガスタービンの附属設備の材料)

第十八条 ガスタービン(作動流体を圧縮する圧縮機及び圧縮された作動流体を燃焼等によって加熱する装置を伴うものにあっては、これを含む。以下同じ。)の附属設備(ポンプ、圧縮機及び液化ガス設備を除く。)に属する容器及び管の耐圧部分に使用する材料は、最高使用温度において材料に及ぼす化学的影響及び物理的影響に対し、安全な化学的成分及び機械的強度を有するものでなければならない。

(ガスタービン等の構造)

第十九条 ガスタービンは、非常調速装置が作動したときに達する回転速度及びガスの温度が著しく上昇した場合に燃料の流入を自動的に遮断する装置が作動したときに達するガス温度に対して構造上十分な機械的強度及び熱的強度を有するものでなければならない。

2 ガスタービンの軸受は、運転中の荷重を安定に支持できるものであって、かつ、異常な摩耗、変形及び過熱が生じないものでなければならない。

3 ガスタービン及び発電機その他の回転体を同一の軸に結合したもの(ガスタービン及び発電機その他の回転体を同一の軸に結合しない場合にあってはガスタービン)の危険速度は、調速装置により調整することができる回転速度のうち最小のものから非常調速装置が作動したときに達する回転速度までの間にあってはならない。 ただし、危険速度における振動が当該ガスタービンの運転に支障を及ぼすことのないよう十分な対策を講じた場合は、この限りでない。

4 ガスタービン及びその附属設備(液化ガス設備を除く。第二十二条第一項及び第二十二条の二において同じ。)の耐圧部分の構造は、最高使用圧力又は最高使用温度において発生する最大の応力に対し安全なものでなければならない。 この場合において、耐圧部分に生ずる応力は当該部分に使用する材料の許容応力を超えてはならない。

(調速装置)

第二十条 誘導発電機と結合するガスタービン以外のガスタービンには、その回転速度及び出力が負荷の変動の際にも持続的に動揺することを防止するため、ガスタービンに流入するエネルギーを自動的に調整する調速装置を設けなければならない。 この場合において、調速装置は、定格負荷を遮断した場合に達する回転速度を非常調速装置が作動する回転速度未満にする能力を有するものでなければならない。

(非常停止装置)

第二十一条 ガスタービンには、運転中に生じた過回転その他の異常による危害の発生を防止するため、その異常が発生した場合にガスタービンに流入するエネルギーを自動的かつ速やかに遮断する非常調速装置その他の非常停止装置を設けなければならない。

(過圧防止装置)

第二十二条 ガスタービンの附属設備であって過圧が生ずるおそれのあるものにあっては、その圧力を逃がすために適当な過圧防止装置を設けなければならない。

2 過圧防止装置(燃料としてアンモニアを使用するものに限る。)は、その作動時に当該過圧防止装置から吹き出されるアンモニアによる危害が生じないように施設しなければならない。

(ガスの漏えい対策等)

第二十二条の二 ガスタービン及びその附属設備(燃料としてアンモニア又は水素を使用するものに限る。第四号において同じ。)には、当該ガスタービン及びその附属設備からアンモニア又は水素が漏えいした場合の危害を防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

ガスタービン及びその附属設備(燃料としてアンモニアを使用するものに限る。次号において同じ。)には、当該ガスタービン及びその附属設備からアンモニアが漏えいした場合に安全に、かつ、速やかに除害するための措置を講じること。

ガスタービン及びその附属設備には、その外部からアンモニアを通ずるものである旨を容易に識別することができるような措置を講じること。 この場合において、ポンプ、バルブ及び継手その他アンモニアが漏えいするおそれのある箇所には、その旨の危険標識を掲げること。

ガスタービン及びその附属設備(燃料として水素を使用するものに限る。)を設置する室は、当該ガスタービン及びその附属設備から水素が漏えいした場合に滞留しないような構造とすること。

前各号に掲げるもののほか、ガスタービン及びその附属設備に、当該ガスタービン及びその附属設備からアンモニア又は水素が漏えいした場合の危害を防止するための適切な措置を講じること。

(計測装置)

第二十三条 ガスタービンには、設備の損傷を防止するため運転状態を計測する装置を設けなければならない。

(離隔距離)

第二十三条の二 ガスタービンに燃料としてアンモニアを供給する容器に係る容器置場は、その外面と発電所の境界線(境界線が海、河川、湖沼等に接する場合は、当該海、河川、湖沼等の外縁)との間に、アンモニアの漏えい又は火災等による危害を防止するために、保安上必要な距離を有するものでなければならない。

2 前項の容器置場は、その外面から住居の用に供する建築物、学校その他別に告示する物件との間に、アンモニアの漏えい又は火災等による危害を防止するために、別に告示する距離を有するものでなければならない。

第五章 内燃機関及びその附属設備

(内燃機関の附属設備の材料)

第二十四条 内燃機関の附属設備(ポンプ、圧縮機及び液化ガス設備を除く。)に属する容器及び管の耐圧部分に使用する材料は、最高使用温度において材料に及ぼす化学的影響及び物理的影響に対し、安全な化学的成分及び機械的強度を有するものでなければならない。

(内燃機関等の構造等)

第二十五条 内燃機関は、非常調速装置が作動したときに達する回転速度に対して構造上十分な機械的強度を有するものでなければならない。

2 内燃機関の軸受は、運転中の荷重を安定に支持できるものであって、かつ、異常な摩耗、変形及び過熱が生じないものでなければならない。

3 内燃機関及びその附属設備(液化ガス設備を除く。第二十八条第一項及び第二十八条の二において同じ。)の耐圧部分の構造は、最高使用圧力又は最高使用温度において発生する最大の応力に対し安全なものでなければならない。 この場合において、耐圧部分に生ずる応力は当該部分に使用する材料の許容応力を超えてはならない。

4 内燃機関が一般用電気工作物である場合であって、屋内その他酸素欠乏の発生のおそれのある場所に設置するときは、給排気部を適切に施設しなければならない。

(調速装置)

第二十六条 誘導発電機と結合する内燃機関以外の内燃機関には、その回転速度及び出力が負荷の変動の際にも持続的に動揺することを防止するため、内燃機関に流入する燃料を自動的に調整する調速装置を設けなければならない。 この場合において、調速装置は、定格負荷を遮断した場合に達する回転速度を非常調速装置が作動する回転速度未満にする能力を有するものでなければならない。

(非常停止装置)

第二十七条 内燃機関には、運転中に生じた過回転その他の異常による危害の発生を防止するため、その異常が発生した場合に内燃機関に流入する燃料を自動的かつ速やかに遮断する非常調速装置その他の非常停止装置を設けなければならない。

(過圧防止装置)

第二十八条 内燃機関及びその附属設備であって過圧が生ずるおそれのあるものにあっては、その圧力を逃がすために適当な過圧防止装置を設けなければならない。

2 過圧防止装置(燃料としてアンモニアを使用するものに限る。)は、その作動時に当該過圧防止装置から吹き出されるアンモニアによる危害が生じないように施設しなければならない。

(ガスの漏えい対策等)

第二十八条の二 内燃機関及びその附属設備(燃料としてアンモニア又は水素を使用するものに限る。第四号において同じ。)には、当該内燃機関及びその附属設備からアンモニア又は水素が漏えいした場合の危害を防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

内燃機関及びその附属設備(燃料としてアンモニアを使用するものに限る。次号において同じ。)には、当該内燃機関及びその附属設備からアンモニアが漏えいした場合に安全に、かつ、速やかに除害するための措置を講じること。

内燃機関及びその附属設備には、その外部からアンモニアを通ずるものである旨を容易に識別することができるような措置を講じること。 この場合において、ポンプ、バルブ及び継手その他アンモニアが漏えいするおそれのある箇所には、その旨の危険標識を掲げること。

内燃機関及びその附属設備(燃料として水素を使用するものに限る。)を設置する室は、当該内燃機関及びその附属設備から水素が漏えいした場合に滞留しないような構造とすること。

前各号に掲げるもののほか、内燃機関及びその附属設備に、当該内燃機関及びその附属設備からアンモニア又は水素が漏えいした場合の危害を防止するための適切な措置を講じること。

(計測装置)

第二十九条 内燃機関には、設備の損傷を防止するため運転状態を計測する装置を設けなければならない。

2 内燃機関が一般用電気工作物である場合には、前項の規定は適用しない。

(離隔距離)

第二十九条の二 内燃機関に燃料としてアンモニアを供給する容器に係る容器置場は、その外面と発電所の境界線(境界線が海、河川、湖沼等に接する場合は、当該海、河川、湖沼等の外縁)との間に、アンモニアの漏えい又は火災等による危害を防止するために、保安上必要な距離を有するものでなければならない。

2 前項の容器置場は、その外面から住居の用に供する建築物、学校その他別に告示する物件との間に、アンモニアの漏えい又は火災等による危害を防止するために、別に告示する距離を有するものでなければならない。

第六章 燃料電池設備

(燃料電池設備の材料)

第三十条 燃料電池設備(ポンプ、圧縮機及び液化ガス設備を除く。次条において同じ。)に属する容器及び管の耐圧部分に使用する材料は、最高使用温度において材料に及ぼす化学的影響及び物理的影響に対し、安全な化学的成分及び機械的強度を有するものでなければならない。

2 燃料電池設備が一般用電気工作物である場合には、燃焼ガスを通ずる部分の材料は、不燃性及び耐食性を有するものでなければならない。 ただし、次の各号に掲げる材料にあっては、難燃性及び耐食性を有することをもって足りる。

熱交換器の下流側の配管(難燃性を有する材料に熱的損傷が生じない温度の燃焼ガスを通ずるものに限る。)の材料

ダイヤフラム、パッキン類及びシール材その他の気密保持部材

3 燃料電池設備が一般用電気工作物である場合には、電装部近傍に充てんする保温材、断熱材その他の材料は難燃性のものでなければならない。

(燃料電池設備の構造等)

第三十一条 燃料電池設備の耐圧部分のうち最高使用圧力が〇・一メガパスカル以上の部分の構造は、最高使用圧力又は最高使用温度において発生する最大の応力に対し安全なものでなければならない。 この場合において、耐圧部分に生ずる応力は当該部分に使用する材料の許容応力を超えてはならない。

2 燃料電池設備が一般用電気工作物である場合には、筐体(排出口を除く。)及びつまみ類その他操作時に利用者の身体に接触する部品は、火傷のおそれがない温度となるようにしなければならない。

3 燃料電池設備が一般用電気工作物である場合には、排気ガスの排出による火傷を防止するため、排出口の近くの見やすい箇所に火傷のおそれがある旨を表示する等適切な措置を講じなければならない。

(安全弁等)

第三十二条 燃料電池設備(液化ガス設備を除く。次項、次条、第三十五条及び第三十六条の二第一項において同じ。)の耐圧部分には、過圧を防止するために適当な安全弁を設けなければならない。 この場合において、当該安全弁は、その作動時に安全弁から吹き出されるガスによる危害が生じないように施設しなければならない。 ただし、最高使用圧力が〇・一メガパスカル未満のものにあっては、その圧力を逃がすために適当な過圧防止装置をもってこれに代えることができる。

2 燃料電池設備が一般用電気工作物(気体燃料を使用する固体高分子型又は固体酸化物型のものであって、燃料昇圧用ポンプの最大吐出圧力が燃料電池設備の最高使用圧力以下であるものに限る。)である場合であって、耐圧部分の過圧を防止するための適切な措置が講じられているものであるときは、前項の規定は適用しない。

(ガスの漏えい対策等)

第三十三条 燃料電池設備には、当該設備から燃料ガスが漏えいした場合の危害を防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

燃料電池設備(燃料としてアンモニアを使用するものに限る。次号において同じ。)には、当該設備からアンモニアが漏えいした場合に安全に、かつ、速やかに除害するための措置を講じること。

燃料電池設備には、その外部からアンモニアを通ずるものである旨を容易に識別することができるような措置を講じること。 この場合において、ポンプ、バルブ及び継手その他アンモニアが漏えいするおそれのある箇所には、その旨の危険標識を掲げること。

燃料電池設備(燃料として水素を使用するものに限る。)を設置する室は、当該設備から水素が漏えいした場合に滞留しないような構造とすること。

前各号に掲げるもののほか、燃料電池設備に、当該燃料電池設備から燃料ガスが漏えいした場合の危害を防止するための適切な措置を講じること。

2 燃料電池設備が一般用電気工作物である場合であって、屋内その他酸素欠乏の発生のおそれのある場所に設置するときには、給排気部を適切に施設しなければならない。

(非常停止装置)

第三十四条 燃料電池設備には、運転中に生じた異常による危害の発生を防止するため、その異常が発生した場合に当該設備を自動的かつ速やかに停止する装置を設けなければならない。

2 燃料電池設備が一般用電気工作物である場合には、燃料を通ずる部分の管には、燃料の遮断のための二個以上の自動弁を直列に取り付けなければならない。 この場合において、自動弁は動力源喪失時に自動的に閉じるものでなければならない。

3 電気事業法施行規則第四十八条第二項第五号に該当する燃料電池発電設備(同号イに該当するものを除く。)に係る燃料電池設備には、前項の規定は適用しない。

(燃料ガスの置換)

第三十五条 燃料電池設備の燃料ガスを通ずる部分は、不活性ガス等で燃料ガスを安全に置換できる構造のものでなければならない。 ただし、次のいずれかに該当する燃料電池設備にあっては、この限りでない。

燃料ガスを通ずる部分の燃料ガスが安全に排除される構造である燃料電池設備又は燃料ガスを通ずる部分に密封された燃料ガスの爆発に耐えられる構造である燃料電池設備であって、出力十キロワット未満のもの

前条第三項の燃料電池設備

(空気系統設備の施設)

第三十六条 燃料電池設備の空気圧縮機及び補助燃焼器には、当該機器に異常が発生した場合にこれらを自動的に停止する装置を設けなければならない。

(離隔距離)

第三十六条の二 燃料電池設備に燃料としてアンモニアを供給する容器に係る容器置場は、その外面と発電所の境界線(境界線が海、河川、湖沼等に接する場合は、当該海、河川、湖沼等の外縁)との間に、アンモニアの漏えい又は火災等による危害を防止するために、保安上必要な距離を有するものでなければならない。

2 前項の容器置場は、その外面から住居の用に供する建築物、学校その他別に告示する物件との間に、アンモニアの漏えい又は火災等による危害を防止するために、別に告示する距離を有するものでなければならない。

第七章 液化ガス設備

(離隔距離)

第三十七条 液化ガス設備(管及びその附属設備を除く。)は、その外面と発電所の境界線(境界線が海、河川、湖沼等に接する場合は、当該海、河川、湖沼等の外縁)との間に、ガス又は液化ガスの漏えい又は火災等による危害を防止するために、保安上必要な距離を有するものでなければならない。 ただし、内包する液化ガスが不活性ガスのみである液化ガス設備については、この限りでない。

2 液化ガス設備のうち告示で定めるものは、その外面から住居の用に供する建築物、学校その他別に告示する物件との間に、ガス又は液化ガスの漏えい又は火災等による危害を防止するために、別に告示する距離を有するものでなければならない。

3 液化ガス用貯槽の相互間、ガスホルダーの相互間並びに液化ガス用貯槽及びガスホルダーの相互間は、ガス又は液化ガスの漏えい又は火災等による危害を防止するために、保安上必要な距離を有するものでなければならない。

(保安区画)

第三十八条 液化ガス用気化器を有する発電所における液化ガス設備は、ガス又は液化ガスの漏えい又は火災等による危害を防止するために、設備の種類及び規模に応じ、保安上適切な区画に区分して設置し、かつ、設備相互の間には保安上必要な距離を有するものでなければならない。

(設備の設置場所)

第三十九条 貯槽に係る防液堤の外面から防災作業のために必要となる距離の内側には、液化ガスの漏えい又は火災等の拡大を防止する上で支障のない設備以外の設備を設置してはならない。

2 導管を施設し、又は、貯槽の全部又は一部を地盤面下に埋設する場合にあっては、設備に損傷を与えるおそれのある場所又はガス若しくは液化ガスの漏洩若しくは火災等による危害を生ずるおそれがある場所において、これをしてはならない。

(液化ガス設備の材料)

第四十条 液化ガス設備(ポンプ及び圧縮機を除く。次条において同じ。)に属する容器及び管の耐圧部分に使用する材料は、最高使用温度及び最低使用温度において材料に及ぼす化学的影響及び物理的影響に対し、安全な化学的成分及び機械的強度を有し、かつ、難燃性を有するものでなければならない。

2 貯槽及びガスホルダーの支持物の材料は、供用中の荷重に対し、十分な機械的強度及び化学的強度を有するものでなければならない。

(液化ガス設備の構造)

第四十一条 液化ガス設備の耐圧部分又は貯槽、ガスホルダー及び導管に係る支持物及び基礎の構造は、供用中の荷重並びに最高使用圧力、最高使用温度又は最低使用温度において発生する最大の応力に対し安全なものでなければならない。 この場合において、それぞれの部分に生ずる応力は当該部分に使用する材料の許容応力を超えてはならない。

(安全弁等)

第四十二条 液化ガス設備に属する容器には、過圧を防止するために適当な安全弁を設けなければならない。 この場合において、当該安全弁は、その作動時に安全弁から吹き出されるガスによる危害が生じないように施設しなければならない。

2 貯槽には、負圧による破壊を防止するため、適切な措置を講じなければならない。

(ガスの漏えい対策)

第四十三条 液化ガス設備には、当該設備からガス又は液化ガスが漏えいした場合の危害を防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

液化ガス用燃料設備(燃料としてアンモニアを使用するものに限る。次号において同じ。)には、当該設備からアンモニアが漏えいした場合に安全に、かつ、速やかに除害するための措置を講じること。

液化ガス用燃料設備には、その外部からアンモニアを通ずるものである旨を容易に識別することができるような措置を講じること。 この場合において、ポンプ、バルブ及び継手その他アンモニアが漏えいするおそれのある箇所には、その旨の危険標識を掲げること。

液化ガス用燃料設備(燃料として水素を使用するものに限る。)を設置する室は、当該設備から水素が漏えいした場合に滞留しないような構造とすること。

前各号に掲げるもののほか、液化ガス設備に、当該液化ガス設備からガス又は液化ガスが漏えいした場合の危害を防止するための適切な措置を講じること。

(静電気除去)

第四十四条 液化ガスを通ずる液化ガス設備であって、当該設備に生ずる静電気により引火するおそれがある場合にあっては、当該静電気を除去する措置を講じなければならない。

(防消火設備)

第四十五条 液化ガス設備(可燃性ガス、可燃性液化ガス、酸素若しくは液化酸素又はコンビ規則第二条第一項第二十二号の特定製造事業所に該当する発電所において製造された毒性ガス若しくは毒性液化ガスを通ずるものに限る。)には、その規模に応じて適切な防消火設備を適切な箇所に設けなければならない。

(計測装置)

第四十六条 液化ガス設備には、設備の損傷を防止するため使用状態を計測する装置を設けなければならない。

(警報及び非常装置等)

第四十七条 液化ガス設備には、使用に支障を及ぼすおそれのある、ガス又は液化ガス及び制御用機器の状態を検知し警報する装置を設けなければならない。

2 液化ガス設備には、使用中に生じた異常による危害の発生を防止するため、その異常が発生した場合にガス又は液化ガスの流出及び流入を速やかに遮断する装置を適切な箇所に設けなければならない。

3 外部強制潤滑油装置を有する圧送機には、当該装置の潤滑油の圧力が異常に低下した場合に圧送機を自動的に停止できる装置を設けなければならない。

4 液化ガス用燃料設備は、停電その他の緊急時においても安全に制御できるものでなければならない。

5 液化ガス用燃料設備に係る計装回路には、適切なインターロック機構を適切な箇所に設けなければならない。

(遮断装置)

第四十八条 液化ガス設備の主要なガス又は液化ガスの出口及び入口には、ガス又は液化ガスの流出及び流入を遮断するための装置を設けなければならない。

2 液化ガス用燃料設備に設置する遮断装置には、誤操作を防止し、かつ、確実に操作することができる措置を講じなければならない。

(ガスの置換等)

第四十九条 液化ガス設備のガス又は液化ガスを通ずる部分は、不活性ガス等でガス又は液化ガスを安全に置換できる構造でなければならない。

2 毒性ガスを冷媒とする冷凍設備にあっては、冷媒ガスを廃棄する場合に安全に廃棄できる構造でなければならない。

(表示)

第五十条 貯槽及びガスホルダー又はこれらの附近には、その外部から見やすいように貯槽又はガスホルダーである旨の表示をしなければならない。

(耐熱措置)

第五十一条 貯槽(埋設された貯槽にあっては、その埋設された部分を除く。)及びその支持物は、当該設備が受ける熱に対し十分な断熱性及び耐熱性を有する構造とし、又は当該設備の規模に応じて適切な冷却装置を設けなければならない。

(防護措置)

第五十二条 液化ガス設備には、設置された状況により損傷又は腐蝕を生ずるおそれがある場合にあっては、当該設備の損傷又は腐蝕を防止することができる防護措置を講じなければならない。

2 掘削により周囲が露出することとなった導管であって、当該設備の損傷によりガスが流出し、危害を生ずるおそれがあるものにあっては、危急の場合に当該部分にガスの流入を速やかに遮断することができる措置を講じなければならない。

(気化器の加熱部)

第五十三条 液化ガス用気化器の加熱部は直火で加熱する構造のものであってはならない。

2 液化ガス用気化器であって、加熱部の温水が凍結するおそれがあるものにあっては、凍結を防止する措置を講じなければならない。

(附臭措置)

第五十四条 導管によりガス(可燃性ガス又は毒性ガスに限る。以下この条において同じ。)を輸送する場合にあっては、容易に臭気によるガスの感知ができるようにガスに附臭しなければならない。 ただし、最高使用圧力が〇・一メガパスカル以上のガス圧力により行うガス事業法施行規則(昭和四十五年通商産業省令第九十七号)第一条第二項第七号に規定する量のガス及びガスの空気中の混合容積比率が千分の一未満の場合に臭気の有無が感知できるガスにあっては、この限りでない。

第八章 ガス化炉設備

(離隔距離)

第五十五条 ガス化炉設備(管及びその附属設備を除く。以下この条及び次条において同じ。)は、その外面と発電所の境界線(境界線が海、河川、湖沼等に接する場合は、当該海、河川、湖沼等の外縁)との間に、ガスの漏えい又は火災等による危害を防止するために、保安上必要な距離を有するものでなければならない。

2 ガス化炉設備は、その外面から住居の用に供する建築物、学校その他別に告示する物件との間に、ガスの漏えい又は火災等による危害を防止するために、別に告示する距離を有するものでなければならない。

(保安区画)

第五十六条 ガス化炉設備は、ガスの漏えい又は火災等による危害を防止するために、設備の種類及び規模に応じ、保安上適切な区画に区分して設置し、かつ、設備相互の間には保安上必要な距離を有するものでなければならない。

(ガス化炉設備の材料)

第五十七条 ガス化炉設備(ポンプ及びガス圧縮機を除く。次条において同じ。)に属する容器及び管の耐圧部分に使用する材料は、最高使用温度において材料に及ぼす化学的影響及び物理的影響に対し、安全な化学的成分及び機械的強度を有するものでなければならない。

(ガス化炉設備の構造)

第五十八条 ガス化炉設備の耐圧部分の構造は、最高使用圧力又は最高使用温度において発生する最大の応力に対し安全なものでなければならない。 この場合において、耐圧部分に生ずる応力は当該部分に使用する材料の許容応力を超えてはならない。

(安全弁)

第五十九条 ガス化炉設備であって過圧が生ずるおそれのあるものにあっては、その圧力を逃がすために適当な安全弁を設けなければならない。 この場合において、当該安全弁は、その作動時に、安全弁から吹き出されるガスによる危害及びガス化炉設備の過熱が生じないように施設しなければならない。

(給水装置)

第六十条 ガス化炉設備に属する容器(水等の熱媒体を加熱して蒸気を発生させるもの又は水により熱的保護を行っているものに限る。以下この条、次条及び第六十二条において同じ。)には、ガス発生量が最大状態である時の連続運転時において、熱的損傷が生ずることのないよう水を供給できる給水装置を設けなければならない。

2 設備の異常等により、前項の給水流量が著しく低下した際に、急速に燃料の送入を遮断してもなお容器に損傷を与えるような熱が残存する場合にあっては、当該容器には、当該損傷が生ずることのないよう予備の給水装置を設けなければならない。

(蒸気及び給水の遮断)

第六十一条 ガス化炉設備に属する容器の蒸気出口(安全弁からの蒸気出口及び再熱器からの蒸気出口を除く。)は、蒸気の流出を遮断できる構造でなければならない。 ただし、他の容器若しくはボイラーと結合された容器以外の容器から発生する蒸気が供給される設備の入口で蒸気の流路を遮断することができる場合における当該容器の蒸気出口又は二個以上の容器若しくはボイラーが一体となって蒸気を発生しこれを他に供給する場合における当該容器間の蒸気出口にあってはこの限りでない。

2 ガス化炉設備に属する容器の給水の入口は、給水の流路を速やかに自動で、かつ、確実に遮断できる構造でなければならない。 ただし、容器ごとに給水装置を設ける場合において、容器に最も近い給水加熱器の出口又は給水装置の出口が、給水の流路を速やかに自動で、かつ、確実に遮断できる構造である場合における当該容器の給水の入口又は二個以上の容器若しくはボイラーが一体となって蒸気を発生しこれを他に供給する場合における当該容器間の給水の入口にあってはこの限りでない。

(ガス化炉設備の水抜き装置)

第六十二条 ガス化炉設備に属する容器には、水の濃縮を防止し、及び水位を調整するために、水を抜くことができる装置を設けなければならない。

(ガスの漏えい対策)

第六十三条 ガス化炉設備には、当該設備からガスが漏えいした場合の危害を防止するため適切な措置を講じなければならない。

(静電気除去)

第六十四条 可燃性ガスを通ずるガス化炉設備であって、当該設備に生ずる静電気により引火するおそれがある場合にあっては、当該静電気を除去する措置を講じなければならない。

(防消火設備)

第六十五条 ガス化炉設備(可燃性ガス、毒性ガス又は酸素を通ずるものに限る。)には、その規模に応じて適切な防消火設備を適切な箇所に設けなければならない。

(計測装置)

第六十六条 ガス化炉設備には、設備の損傷を防止するため運転状態を計測する装置を設けなければならない。

(警報及び非常装置)

第六十七条 ガス化炉設備には、運転に支障を及ぼすおそれのあるガスの状態を検知し警報する装置を設けなければならない。

2 ガス化炉設備には、運転中に生じた異常による危害の発生を防止するため、その異常が発生した場合にガスの流出及び流入を速やかに遮断する装置を適切な箇所に設けなければならない。

(ガスの置換)

第六十八条 ガス化炉設備のガスを通ずる部分は、不活性ガス等でガスを安全に置換できる構造でなければならない。

第八章の二 バイオマス発電設備

(バイオマス発電設備の技術基準)

第六十八条の二 バイオマス発電設備(バイオマス燃料(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるもの(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除く。))を加熱、発酵その他の処理によりガスを発生させ、当該ガスを発電の用に供するものであって、一日のガス発生能力が標準状態(温度零度及び圧力一〇一・三二五〇キロパスカルの状態をいう。)において三百立方メートル以上であり、ガスの圧力が〇・一メガパスカル未満(ゲージ圧力をいう。)のもの(第八章ガス化炉設備は除く。)をいう。以下同じ。)の技術基準については、ガス工作物の技術上の基準を定める省令(平成十二年通商産業省令第百一号)第六条(第二項、第三項、第七項及び第八項を除く。)、第九条から第十一条まで、第十三条(第四項を除く。)、第十四条(第三号イ及びロ、第四号、第九号並びに第十号を除く。)、第十五条(第一項第一号、第三号から第五号まで、第八号、第十号及び第十一号、第二項第二号及び第四号並びに第四項を除く。)、第十六条第一項、第十八条第一項、第十九条、第二十条第一項、第二十一条、第二十二条、第二十五条、第二十六条、第二十七条第一項、第三十条、第三十二条から第三十四条まで、第四十三条第二項、第四十六条から第四十八条まで、第五十一条(第一項の表(1)、第二項、第三項及び第四項第二号を除く。)、第五十三条及び第五十五条の規定を準用する。 この場合において、同省令の規定中「ガス工作物」とあるのは「電気工作物」と、「ガス事業者」とあるのは「電気工作物を設置する者」と読み替えるものとする。

2 バイオマス発電設備には、その規模に応じて適切な防消火設備を適切な箇所に設けなければならない。

第九章 可燃性の廃棄物を主な原材料として固形化した燃料の貯蔵設備

(湿度測定装置)

第六十九条 可燃性の廃棄物を主な原材料として固形化した燃料(以下「廃棄物固形化燃料」という。)の貯蔵設備であって、サイロその他非開放型の構造の貯蔵設備にあっては、外気温及び湿度の影響並びに貯蔵設備内の温度分布その他貯蔵設備の特性を考慮して当該燃料に含まれる水分を適切に維持することができるよう、湿度を連続的に測定し、かつ、記録するための装置を設置しなければならない。 ただし、発酵、化学反応その他の事象によって、廃棄物固形化燃料が異常に発熱し、又は可燃性のガスが発生するおそれがない場合は、この限りでない。

(温度測定装置)

第七十条 廃棄物固形化燃料の貯蔵設備であって、サイロその他非開放型の構造の貯蔵設備にあっては、外気温及び湿度の影響並びに貯蔵設備内の温度分布その他貯蔵設備の特性を考慮して熱を発生する機器がある場所の周辺及び異常な発熱を検知できる箇所に、温度を連続的に測定し、かつ、記録するための装置を設置しなければならない。 ただし、発酵、化学反応その他の事象によって、廃棄物固形化燃料が異常に発熱し、又は可燃性のガスが発生するおそれがない場合は、この限りでない。

(気体濃度測定装置)

第七十一条 廃棄物固形化燃料の貯蔵設備であって、サイロその他非開放型の構造の貯蔵設備にあっては、貯蔵設備内の可燃性のガスの滞留及び分布その他可燃性のガスの発生に関する貯蔵設備の特性を考慮して可燃性のガスが発生するおそれがある箇所においてこれらのガスの濃度が爆発下限界の値に達しないよう、酸素及び一酸化炭素、メタンガスその他可燃性のガスの濃度を連続的に測定し、かつ、記録するための装置を設置しなければならない。 ただし、発酵、化学反応その他の事象によって、廃棄物固形化燃料が異常に発熱し、又は可燃性のガスが発生するおそれがない場合は、この限りでない。

(燃焼防止装置)

第七十二条 廃棄物固形化燃料の貯蔵設備であって、サイロその他非開放型の構造の貯蔵設備にあっては、異常な発熱又は可燃性のガスの発生が検知された場合にこれらの抑制のために十分な量の窒素その他不活性ガスを速やかに貯蔵設備の内部に封入するための装置を設置しなければならない。 ただし、発酵、化学反応その他の事象によって、廃棄物固形化燃料が異常に発熱し、又は可燃性のガスが発生するおそれがない場合は、この限りでない。

2 前項の貯蔵設備にあって換気装置を設置する場合には、新たな酸素の供給により燃焼が促進されないように設置しなければならない。

(消火装置)

第七十三条 廃棄物固形化燃料の貯蔵設備にあっては、廃棄物固形化燃料が燃焼した場合に適切に消火するための装置を設置しなければならない。

第九章の二 スターリングエンジン及びその附属設備

(スターリングエンジン及びその附属設備の材料等)

第七十三条の二 スターリングエンジン(シリンダーの中に密封した作動流体(凝縮しない状態で使用するものに限る。)の温度変化による体積変化により運動エネルギーを発生させる設備をいう。以下同じ。)及びその附属設備に属する容器並びに管の耐圧部分に使用する材料は、最高使用圧力、最高使用温度及び最低使用温度において材料に及ぼす化学的影響及び物理的影響に対し、安全な化学的成分及び機械的強度を有するものでなければならない。

2 スターリングエンジンに使用する作動流体は、不活性ガス又は空気でなければならない。

(スターリングエンジン及びその附属設備の構造)

第七十三条の三 スターリングエンジンは、非常停止装置が作動したときに達する回転速度及び往復速度に対して構造上十分な機械的強度を有するものでなければならない。

2 スターリングエンジンの軸受は、運転中の荷重を安定に支持できるものであって、かつ、異常な摩耗、変形及び過熱が生じないものでなければならない。

3 スターリングエンジン及びその附属設備の耐圧部分の構造は、最高使用圧力、最高使用温度又は最低使用温度において発生する最大の応力に対し安全なものでなければならない。 この場合において、耐圧部分に生ずる応力は当該部分に使用する材料の許容応力を超えてはならない。

4 スターリングエンジン及び発電機その他の回転体を同一の軸に結合したもの(スターリングエンジン及び発電機その他の回転体を同一の軸に結合しない場合にあっては、スターリングエンジン)の危険速度は、調速装置により調整することができる回転速度のうち最小のものから非常停止装置が作動したときに達する回転速度までの間にあってはならない。 ただし、危険速度における振動が当該スターリングエンジンの運転に支障を及ぼすことのないよう十分な対策を講じた場合は、この限りでない。

(調速装置)

第七十三条の四 誘導発電機と結合するスターリングエンジン以外のスターリングエンジンには、定格負荷を遮断した場合に達する回転速度及び往復速度を非常停止装置が作動する回転速度未満及び往復速度未満にする能力を有する調速装置を設けなければならない。

(非常停止装置)

第七十三条の五 スターリングエンジンには、運転中に生じた過回転、過熱その他の異常による危害の発生を防止するため、その異常が発生した場合に当該スターリングエンジンを自動的かつ速やかに停止させる非常停止装置を設けなければならない。

(計測装置)

第七十三条の六 スターリングエンジン及びその附属設備には、設備の損傷を防止するため運転状態を計測する装置を設けなければならない。

第十章 溶接部

(溶接部の形状等)

第七十四条 電気事業法施行規則第七十九条第一号及び第二号に掲げる機械又は器具であって、同規則第八十条に定める圧力以上の圧力を加えられる部分について溶接をするものの溶接部(溶接金属部及び熱影響部をいう。以下「溶接部」という。)は、次によること。

不連続で特異な形状でないものであること。

溶接による割れが生ずるおそれがなく、かつ、健全な溶接部の確保に有害な溶込み不良その他の欠陥がないことを非破壊試験により確認したものであること。

適切な強度を有するものであること。

機械試験等により適切な溶接施工法等であることをあらかじめ確認したものにより溶接したものであること。

第十一章 雑則

(特種設備の安全性)

第七十五条 火力を原動力として電気を発生するために施設する電気工作物であって、第五条から前条までに規定するもの以外のものにあっては、当該設備に及ぼす化学的作用及び物理的作用に対し、安全なものでなければならない。

附則

この省令は、平成九年六月一日から施行する。 この省令の施行の際現に施設し、又は施設に着手した電気工作物については、なお従前の例による。

附則(平成一〇年三月三〇日通商産業省令第三一号)

この省令は、平成十年四月一日から施行する。

附則(平成一二年一月一四日通商産業省令第六号)

この省令は、平成十二年一月十五日から施行する。

附則(平成一二年八月二日通商産業省令第一四五号)

この省令は、公布の日から施行する。 この省令の施行の際現に施設し、又は施設に着手した電気工作物については、なお従前の例による。

附則(平成一三年三月二一日経済産業省令第二七号)

この省令は、平成十三年四月一日から施行する。

附則(平成一三年一二月一七日経済産業省令第二二三号)

この省令は、公布の日から施行する。

附則(平成一五年三月二五日経済産業省令第二七号)

この省令は、公布の日から施行する。

附則(平成一六年三月三一日経済産業省令第五〇号)

(施行期日)
第一条 この省令は、公布の日から施行する。

附則(平成一六年一一月二九日経済産業省令第一〇七号)

この省令は、公布の日から施行する。 ただし、この省令の施行の際現に設置され、又は設置のための工事に着手している可燃性の廃棄物を主な原材料として固形化した燃料の貯蔵設備については、平成十七年十一月三十日までの間は、第二条の規定による改正後の発電用火力設備に関する技術基準を定める省令第九章の規定は、適用しない。

附則(平成一七年一月六日経済産業省令第一号)

(施行期日)
第一条 この省令は、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書によって修正された同条約を改正する千九百九十七年の議定書が日本国について効力を生ずる日(以下「施行日」という。)から施行する。

(経過措置)
第二条 施行日前に、鉱山に属する工作物(海域にあり、定置式のものに限る。)に現に設置されている電気工作物(内燃機関であって、ディーゼル発電機に限る。)については、この省令による改正後の電気事業法施行規則別表第四及び別表第五並びに発電用火力設備に関する技術基準を定める省令第四条第六項の規定は、適用しない。

附則(平成一七年三月一〇日経済産業省令第一七号)

この省令は、公布の日から施行する。 ただし、この省令の施行の際現に設置され、又は設置の工事が行われている燃料電池設備であって、電気事業法第三十八条第三項に規定する事業用電気工作物に関する規定を適用する場合には、平成十八年三月三十一日までは、なお従前の例による。

附則(平成一七年五月三一日経済産業省令第六二号)

この省令は、大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行の日(平成十七年六月一日)から施行する。

附則(平成一七年七月二二日経済産業省令第七〇号)

この省令は、公布の日から施行する。 ただし、この省令の施行の際現に設置され、又は設置のための工事に着手している電気工作物については、なお従前の例による。

附則(平成一七年一二月二二日経済産業省令第一二〇号)

この省令は、平成十八年一月一日から施行する。 この省令の施行の際現に施設し、又は施設に着手した電気工作物については、なお従前の例による。

附則(平成一八年一〇月二七日経済産業省令第九四号)

この省令は、公布の日から施行する。

附則(平成一九年九月三日経済産業省令第五九号)

この省令は、公布の日から施行する。

附則(平成二三年九月三〇日経済産業省令第五二号)

この省令は、公布の日から施行する。

附則(平成二四年四月一七日経済産業省令第三五号)

この省令は、公布の日から施行する。

附則(平成二四年九月一四日経済産業省令第六八号)

この省令は、原子力規制委員会設置法の施行の日(平成二十四年九月十九日)から施行する。

附則(平成二五年五月一七日経済産業省令第二七号)

この省令は、公布の日から施行する。

附則(平成二五年七月八日経済産業省令第三六号)

この省令は、原子力規制委員会設置法附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(平成二十五年七月八日)から施行する。

附則(平成二六年一一月五日経済産業省令第五五号)

この省令は、公布の日から施行する。

附則(平成二九年三月三一日経済産業省令第三二号)

(施行期日)
第一条 この省令は、電気事業法等の一部を改正する等の法律(平成二十七年法律第四十七号)附則第一条第五号に掲げる規定の施行の日(平成二十九年四月一日)から施行する。 ただし、第二条、第五条及び第八条の規定は、大気汚染防止法の一部を改正する法律(平成二十七年法律第四十一号)の施行の日(平成三十年四月一日)から施行する。

附則(令和元年六月三日経済産業省令第一三号)

この省令は、公布の日から施行する。 この省令の施行の際現に施設し、又は施設に着手している電気工作物については、なお従前の例による。

附則(令和三年二月二六日経済産業省令第六号)

この省令は、公布の日から施行する。

附則(令和三年三月一〇日経済産業省令第一二号)

(施行期日)
第一条 この省令は、令和三年四月一日から施行する。

附則(令和四年三月三一日経済産業省令第二四号)

(施行期日)
第一条 この省令は、令和四年四月一日から施行する。

附則(令和四年一二月一四日経済産業省令第九五号)

この省令は、令和四年十二月十五日から施行する。 この省令の施行の際現に設置され、又は設置のための工事に着手している電気工作物については、なお従前の例による。

附則(令和四年一二月一四日経済産業省令第九六号)

この省令は、高圧ガス保安法等の一部を改正する法律(令和四年法律第七十四号)附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日(令和五年三月二十日)から施行する。