第一章 総則
(趣旨)第一条 この省令は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「法」という。)第二十三条の二の五第二項第四号(法第二十三条の二の十七第五項において準用する場合を含む。以下同じ。)及び第八十条第二項の農林水産省令で定める基準を定めるものとする。
(定義)第二条 この省令において「医療機器」又は「体外診断用医薬品」とは、それぞれ専ら動物のために使用されることが目的とされている医療機器又は体外診断用医薬品をいう。
2 この省令において「製品」とは、製造所の製造工程を経た物(製造の中間工程で造られたものであって、以後の製造工程を経ることによって製品となるもの(以下「中間製品」という。)を含む。以下同じ。)をいう。 3 この省令において「製造管理及び品質管理に係る業務」とは、医療機器又は体外診断用医薬品の製造販売をするに当たり必要な製品の品質を確保するために行う、医療機器又は体外診断用医薬品の市場への出荷の管理、医療機器又は体外診断用医薬品の製造業者、法第二十三条の二の四第一項に規定する医療機器等外国製造業者(以下「医療機器等外国製造業者」という。)その他の製造に関係する業務(試験検査等の業務を含む。)を行う者(以下「製造業者等」という。)に対する管理監督、品質等に関する情報及び品質不良等の処理、回収処理その他製品の製造及び品質の管理に必要な業務をいう。 4 この省令において「構成部品等」とは、部品(製造所の製造工程において使用されるものに限る。)、組立部品(製造所外で組み立てることによって製品となるものをいう。)、原料又は材料、資材(製品の容器、被包、添付文書並びに容器及び被包に貼り付けるラベルをいう。)、包装等であって製品の一部を構成するもの及び製品に組み込まれているソフトウェア(医療機器プログラム(法第二条第十三項に規定する医療機器プログラムをいう。以下同じ。)を除く。)をいう。 5 この省令において「製造用物質」とは、中間製品又は構成部品等に対し製造所の製造工程において使用される物(製品の一部となるものを除く。)をいう。 6 この省令において「滅菌医療機器」とは、製造工程において滅菌される医療機器をいう。 7 この省令において「市場への出荷」とは、製造販売業者がその製造(他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を除く。以下「製造等」という。)をし、又は輸入した医療機器又は体外診断用医薬品を製造販売するために出荷することをいう。 8 この省令において「ロット」とは、一連の製造工程により均質性を有するように製造された製品、構成部品等又は製造用物質(以下「製品等」という。)の一群をいう。 9 この省令において、「管理単位」とは、同一性が確認された資材の一群をいう。 (適用の範囲)第三条 医療機器又は体外診断用医薬品の製造販売業者は、第二章又は第四章の規定に基づき、製品の製造管理及び品質管理を行わなければならない。
2 法第二十三条の二の五第一項に規定する医療機器若しくは体外診断用医薬品の製造販売業者又は法第二十三条の二の十七第四項に規定する選任外国製造医療機器等製造販売業者は、第三章又は第五章の規定に基づき、製造業者等に製造所における製品の製造管理及び品質管理を行わせなければならない。 3 医療機器又は体外診断用医薬品に係る製品の製造業者等は、第三章又は第五章の規定に基づき、製造所における製品の製造管理及び品質管理を行わなければならない。 4 法第八十条第二項の輸出用の医療機器又は体外診断用医薬品に係る製品の製造業者は、第三章又は第五章の規定に基づき、輸出用の医療機器又は体外診断用医薬品の製造所における製品の製造管理及び品質管理を行わなければならない。第二章 医療機器の製造販売業者における製造管理及び品質管理
(医療機器等総括製造販売責任者の業務)第四条 医療機器の製造販売業者は、次に掲げる業務を法第二十三条の二の十四第二項に規定する医療機器等総括製造販売責任者(以下「医療機器等総括製造販売責任者」という。)に行わせなければならない。
一 動物用医療機器及び動物用体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理に係る業務を行う体制の基準に関する省令(平成二十六年農林水産省令第五十九号。以下「製造管理等体制省令」という。)第三条第三項に規定する製造管理及び品質管理に係る業務の責任者(以下この章において「医療機器品質保証責任者」という。)を監督すること。
二 第十一条第二項第二号に規定するほか、医療機器品質保証責任者からの報告等に基づき、所要の措置を決定し、その実施を製造管理等体制省令第三条第二項に規定する品質保証部門(以下この章において「品質保証部門」という。)その他製造管理及び品質管理に係る業務に関係する部門又はこれらの責任者に指示すること。
三 医療機器品質保証責任者の意見を尊重すること。
四 品質保証部門と動物用医薬品、動物用医薬部外品、動物用医療機器及び動物用再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(平成十七年農林水産省令第二十号。以下「製造販売後安全管理基準省令」という。)第四条第一項に規定する安全管理統括部門(高度管理医療機器以外の医療機器にあっては、製造販売後安全管理基準省令第二条第九項に規定する医療機器安全管理責任者。以下この章において「安全管理統括部門」という。)その他の製造管理及び品質管理に係る業務に関係する部門との密接な連携を図らせること。
(品質標準書)第五条 医療機器の製造販売業者は、医療機器の品目ごとに、製造販売承認事項その他品質に係る必要な事項を記載した文書(以下「品質標準書」という。)を作成しなければならない。
(品質管理業務手順書)第六条 医療機器の製造販売業者は、製造管理及び品質管理に係る業務を適正かつ円滑に実施するため、次に掲げる手順に関する文書(以下この章において「品質管理業務手順書」という。)を作成しなければならない。
一 市場への出荷の管理に関する手順
二 適正な製造管理及び品質管理の確保に関する手順
三 品質等に関する情報及び品質不良等の処理に関する手順
四 回収処理に関する手順
五 自己点検に関する手順
六 医療機器の貯蔵等の管理に関する手順
七 文書及び記録の管理に関する手順
八 品質保証部門と安全管理統括部門その他の製造管理及び品質管理に係る業務に関係する部門又はその責任者との相互の連携に関する手順
九 修理業者からの通知の処理に関する手順
十 販売業者又は貸与業者における品質の確保の方法に関する手順
十一 中古品の販売業者又は貸与業者からの通知の処理に関する手順
十二 その他製造管理及び品質管理に係る業務を適正かつ円滑に実施するために必要な手順
2 医療機器の製造販売業者は、医療機器等総括製造販売責任者がその業務を行う事務所に品質標準書及び品質管理業務手順書(以下この章において「品質管理業務手順書等」という。)を備え付けるとともに、製造管理及び品質管理に係る業務を行うその他の事務所にその写しを備え付けなければならない。 (製造業者等との取決め)第七条 医療機器の製造販売業者は、第三章の規定により製造業者等が行う製造管理及び品質管理の適正かつ円滑な実施を確保するため、製品の製造業者等と次に掲げる事項を取り決め、これを品質管理業務手順書等に記載しなければならない。
一 製造業者等における製造及びその他の製造に関係する業務(以下この条において「製造業務」という。)の範囲並びに当該製造業務に係る製造管理及び品質管理並びに出荷に関する手順
二 製造方法、試験検査の方法等に関する技術的条件
三 製造業務が適正かつ円滑な製造管理及び品質管理の下で行われていることについての製造販売業者による定期的な確認の方法
四 製品の運搬及び受渡し時における品質管理の方法
五 製造方法、試験検査の方法等についての変更が製品の品質に影響を及ぼすと考えられる場合の製造販売業者に対しての事前の連絡の方法及び当該事前連絡の責任者
六 製品について得た情報のうち次に掲げるものを得た場合における製造販売業者に対する速やかな連絡の方法及び当該連絡の責任者
イ 当該製品に係る製造、輸入若しくは販売の中止、回収、廃棄その他保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するために講じられた措置に関する情報
ロ 当該製品の品質等に関する情報
七 その他必要な事項
(医療機器品質保証責任者の業務)第八条 医療機器の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、次に掲げる業務を医療機器品質保証責任者に行わせなければならない。
一 製造管理及び品質管理に係る業務を統括すること。
二 製造管理及び品質管理に係る業務が適正かつ円滑に行われていることを確認すること。
三 次条第五項第三号ハ、第十条第二項第三号、第十一条第一項第四号並びに第二項第一号及び第五号、第十二条第二号並びに第十三条第二項の規定により医療機器等総括製造販売責任者に報告するもののほか、製造管理及び品質管理に係る業務の遂行のために必要があると認める事項を医療機器等総括製造販売責任者に文書により報告すること。
四 製造管理及び品質管理に係る業務の実施に当たり、必要に応じ、製造業者等、販売業者、貸与業者、修理業者、飼育動物診療施設(獣医療法(平成四年法律第四十六号)第二条第二項に規定する診療施設をいい、往診のみによって獣医師に飼育動物の診療業務を行わせる者の住所を含む。)の開設者その他関係する者に対し、文書による連絡又は指示を行うこと。
(市場への出荷の管理)第九条 医療機器の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、製造管理及び品質管理の結果が適正に評価され、市場への出荷の可否の決定が適正かつ円滑に行われていることを確保するとともに、適正に当該決定が行われるまで医療機器を市場へ出荷してはならない。
2 医療機器の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、品質保証部門のあらかじめ指定した者又は当該製品の製造業者に、製造管理及び品質管理の結果を適正に評価させ、市場への出荷の可否の決定をロットごとに行わせるとともに、これらの結果及び出荷先等市場への出荷に関する記録を作成させなければならない。 3 前項に規定する業務を行う者は、当該業務を適正かつ円滑に遂行し得る能力を有する者でなければならない。 4 医療機器の製造販売業者は、医療機器品質保証責任者以外の者が市場への出荷の可否の決定の業務を行う場合には、その者に市場への出荷の可否の決定の結果等を医療機器品質保証責任者に対して文書により適正に報告させなければならない。 5 医療機器の製造販売業者が第二項に規定する業務を製造業者に行わせる場合には、次に定めるところにより行わなければならない。一 あらかじめ、製造業者と次に掲げる事項を取り決めること。
イ 製造業者が行う市場への出荷の管理に関する手順
ロ 第二項に規定する業務を行う者を製品の製造所の中からあらかじめ指定すること。
ハ イの手順からの逸脱等があった場合には、製造業者は速やかに医療機器品質保証責任者に対して文書により報告し、医療機器品質保証責任者の指示に基づき、市場への出荷の可否の決定及び市場への出荷を行うこと。
ニ 製造業者は、市場への出荷に係る業務が適正かつ円滑に実施されていることについて、製造販売業者による定期的な確認を受けること。
二 品質保証部門のあらかじめ指定した者に、前号ニの確認及びその結果に関する記録の作成を適正に行わせること。
三 製造業者が行う市場への出荷に係る業務に関し、改善が必要な場合には、医療機器品質保証責任者に、次に掲げる業務を行わせること。
イ 当該製造業者に対して所要の措置を講ずるよう文書により指示すること。
ロ 当該製造業者に対してイの措置の実施結果の報告を求め、その報告を適正に評価し、必要に応じてその製造所の改善状況等について確認し、これらの結果に関する記録を作成すること。
ハ ロの結果を医療機器等総括製造販売責任者に対して文書により報告すること。
四 医療機器品質保証責任者以外の者に、第二号の確認及び記録の作成を行わせる場合には、その者に、その結果を医療機器品質保証責任者に対して文書により報告させること。
6 医療機器の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、市場への出荷の可否の決定の業務を行う者に対し、適正かつ円滑に市場への出荷の可否の決定を行うために必要な当該医療機器に係る品質、有効性及び安全性に関する情報を適正に提供しなければならない。 (適正な製造管理及び品質管理の確保)第十条 医療機器の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、品質保証部門のあらかじめ指定した者に、次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 製造業者等における製造管理及び品質管理が、第七条に規定する取決め及び第十九条から第三十条までの規定に基づき適正かつ円滑に実施されていることを定期的に確認し、その結果に関する記録を作成すること。
二 医療機器品質保証責任者以外の者が前号の規定による確認及び記録の作成を行う場合には、これらの結果を医療機器品質保証責任者に対して文書により報告すること。
2 医療機器の製造販売業者は、製造業者等の製造管理及び品質管理に関し、改善が必要な場合には、品質管理業務手順書等に基づき、医療機器品質保証責任者に、次に掲げる業務を行わせなければならない。一 当該製造業者等に対して所要の措置を講ずるよう文書により指示すること。
二 当該製造業者等に対して前号の措置の実施結果の報告を求め、その報告を適正に評価し、必要に応じてその製造所等の改善状況等について確認し、これらの結果に関する記録を作成すること。
三 前号の結果を医療機器等総括製造販売責任者に対して文書により報告すること。
3 医療機器の製造販売業者は、品質に影響を与えるおそれのある製造方法、試験検査の方法等の変更について製造業者等から連絡を受けたときは、品質管理業務手順書等に基づき、品質保証部門のあらかじめ指定した者に次に掲げる業務を行わせなければならない。一 製造業者等からの連絡の内容を評価し、当該変更が製品の品質に重大な影響を与えないことを確認し、必要に応じてその製造所等における製造管理及び品質管理が適正かつ円滑に実施されていることを確認し、これらの結果に関する記録を作成すること。
二 医療機器品質保証責任者以外の者が前号の規定による評価及び確認を行う場合には、これらの結果を医療機器品質保証責任者に対して文書により報告すること。
4 医療機器の製造販売業者は、前項第一号の規定による評価の結果、同項の変更が製品の品質に重大な影響を与えるおそれがある場合には、品質管理業務手順書等に基づき、医療機器品質保証責任者に速やかに当該製造業者等に対して改善等所要の措置を講ずるよう文書により指示させなければならない。 5 医療機器の製造販売業者は、適正かつ円滑な製造管理及び品質管理の実施に必要な医療機器に係る品質に関する情報を製造業者等に提供しなければならない。 (品質等に関する情報及び品質不良等の処理)第十一条 医療機器の製造販売業者は、医療機器に係る品質等に関する情報(以下この章において「品質情報」という。)を得たときは、品質管理業務手順書等に基づき、医療機器品質保証責任者に次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 当該品質情報を検討し、医療機器の品質、有効性及び安全性に与える影響並びに人又は動物の健康に与える影響を適正に評価すること。
二 当該品質情報に係る事項の原因を究明すること。
三 第一号の規定による評価及び前号の規定による究明の結果に基づき、製造管理及び品質管理に係る業務又は製造業者等における製造管理及び品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講ずること。
四 当該品質情報の内容、第一号の規定による評価の結果、第二号の規定による究明の結果及び前号の措置を記載した記録を作成し、医療機器等総括製造販売責任者に対して文書により速やかに報告すること。
五 第二号の規定による究明又は第三号の措置の実施のために、製造業者等に対し指示が必要な場合には、文書により指示を行うとともに、製造業者等に対し文書による当該指示への対応の結果の報告を求め、これを適正に評価し、必要に応じてその製造所等の改善状況について確認し、これらの結果に関する記録を作成すること。
六 当該品質情報のうち製造販売後安全管理基準省令第二条第三項に規定する安全確保措置に関する情報を安全管理統括部門に遅滞なく文書で提供すること。
2 医療機器の製造販売業者は、前項に規定する業務により、品質不良又はそのおそれが判明した場合には、品質管理業務手順書等に基づき、医療機器等総括製造販売責任者及び医療機器品質保証責任者に、次に掲げる業務を行わせなければならない。一 医療機器品質保証責任者は、品質不良又はそのおそれに係る事項を速やかに医療機器等総括製造販売責任者に対して報告し、これを記録すること。
二 医療機器等総括製造販売責任者は、前号の規定による報告を受けたときは、速やかに、危害の発生を防止するため医療機器の回収等の所要の措置を決定し、医療機器品質保証責任者及び関連する部門に指示すること。
三 医療機器品質保証責任者は、前号の規定により医療機器等総括製造販売責任者から指示を受けたときは、速やかに所要の措置を講ずること。
四 医療機器品質保証責任者は、前号の措置が適正かつ円滑に行われるよう、安全管理統括部門その他関連する部門との密接な連携を図ること。
五 医療機器品質保証責任者は、第三号の措置の実施の進捗状況及び結果について、医療機器等総括製造販売責任者に対して文書により報告すること。
(回収処理)第十二条 医療機器の製造販売業者は、医療機器の回収を行うときは、品質管理業務手順書等に基づき、医療機器品質保証責任者に次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 回収した医療機器を他の医療機器と区分して一定期間保管した後、適正に処理すること。
二 回収の内容を記載した記録を作成し、医療機器等総括製造販売責任者に対して文書により報告すること。
(自己点検)第十三条 医療機器の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、あらかじめ指定した者に次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 製造管理及び品質管理に係る業務について定期的に自己点検を行い、その結果に関する記録を作成すること。
二 医療機器品質保証責任者以外の者が前号の規定により自己点検を行う場合には、その結果を医療機器品質保証責任者に対して文書により報告すること。
2 医療機器の製造販売業者は、自己点検の結果に基づき、改善が必要な場合には、医療機器品質保証責任者に所要の措置を講じさせ、その記録を作成させるとともに、医療機器等総括製造販売責任者に対して当該措置の結果を文書により報告させなければならない。 (医療機器の貯蔵等の管理)第十四条 医療機器の製造販売業者が、その製造等をし、又は輸入した医療機器を製造販売の目的で貯蔵し、又は陳列する業務を行う場合には、次に定めるところにより行わなければならない。
一 当該業務に係る責任者を置くこと。
二 当該業務に従事する者(その責任者を含む。)は、当該業務を適正かつ円滑に遂行し得る能力を有する者であること。
三 次に掲げる事項に適合する構造設備を適正に維持管理すること。
イ 医療機器を衛生的かつ安全に保管するために必要な設備を有すること。
ロ 作業を適正かつ円滑に行うために必要な面積を有すること。
四 医療機器の出納等に関する記録を作成すること。
(修理に係る通知の処理)第十五条 医療機器の製造販売業者は、動物用医薬品等取締規則(平成十六年農林水産省令第百七号。以下「規則」という。)第百四十七条第六項(規則第百四十八条において準用する場合を含む。)の規定による通知があった場合には、品質管理業務手順書等に基づき、品質保証部門のあらかじめ指定した者に、適正な修理の方法その他の当該医療機器の品質、有効性及び安全性の保持のために必要な事項を修理業者に対して文書により指示させなければならない。
(販売業者又は貸与業者における品質の確保)第十六条 医療機器の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、製造販売しようとする医療機器に関してあらかじめ定めた販売業者又は貸与業者の営業所における品質の確保の方法を、販売業者又は貸与業者に対して文書により指示しなければならない。
(中古品の販売又は貸与に係る通知の処理)第十七条 医療機器の製造販売業者は、規則第百二十七条第一項(規則第百三十四条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知があった場合には、品質保証部門のあらかじめ指定した者に、品質管理業務手順書等に基づき、当該医療機器の品質、有効性及び安全性の保持のために必要な措置を当該販売業者又は貸与業者に対して文書により指示させなければならない。
(文書及び記録の管理)第十八条 医療機器の製造販売業者は、この章に規定する文書及び記録については、次に掲げる事項に従い管理しなければならない。
一 文書を作成し、又は改訂したときは、品質管理業務手順書に基づき、当該文書の承認、配布、保存等を行うこと。
二 品質管理業務手順書等を作成し、又は改訂したときは、当該品質管理業務手順書等にその日付を記載し、改訂に係る履歴を保存すること。
三 この章に規定する文書及び記録については、作成の日(品質管理業務手順書等については使用しなくなった日)から次に掲げる期間保存すること。
イ 特定保守管理医療機器にあっては、十五年間
ロ 特定保守管理医療機器以外の生物由来製品である医療機器にあっては、その有効期間の満了する期日から起算して三年が経過するまでの間(当該生物由来製品のうち、有効期間に代えて使用の期限を表示しているものにあっては、使用の期限から起算して三年が経過するまでの間)
ハ イ及びロ以外の医療機器にあっては、三年間(当該医療機器のうち、有効期間に一年を加算した期間が三年を超えるものにあっては、有効期間の満了する期日から起算して一年が経過するまでの間)
第三章 医療機器の製造業者等における製造管理及び品質管理
(医療機器の製造業者等の責務)第十九条 医療機器の製造業者等は、法第二十三条の二の十四第六項に規定する医療機器責任技術者又は法第六十八条の十六第二項の生物由来製品の製造を管理する者(医療機器等外国製造業者にあっては、法第二十三条の二の四第一項の規定による登録を受けた製造所の責任者又は医療機器等外国製造業者があらかじめ指定した者。以下「責任技術者」と総称する。)が業務を遂行するに当たって支障を生ずることがないようにしなければならない。
(構造設備)第二十条 医療機器の製造業者等は、その製造所において滅菌医療機器以外の医療機器を製造する場合には、当該製造所の構造設備を、次の表の上欄に掲げる設備の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない。
2 医療機器の製造業者等は、その製造所において滅菌医療機器を製造する場合には、前項に定めるもののほか、当該製造所の構造設備を、次の表の上欄に掲げる設備の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない。 3 医療機器の製造業者等は、その製造所において最終製品の保管のみを行う場合には、前二項の規定にかかわらず、当該製造所の構造設備を、次の表の上欄に掲げる設備の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない。 (製品標準書)第二十一条 医療機器(高度管理医療機器及び管理医療機器であって、別表に掲げるものに限る。以下この章において同じ。)の製造業者等は、製品(中間製品を除く。以下この条において同じ。)ごとに、製造販売承認事項、規格、基準、仕様、製造手順その他必要な事項について記載した製品標準書(その作成に代えて電磁的記録(法第九条の四第一項に規定する電磁的記録をいう。第二十二条及び第二十七条において同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下「製品標準書」という。)を当該製品の製造に係る製造所ごとに作成しなければならない。
(製造管理及び品質管理基準書)第二十二条 医療機器の製造業者等は、製造所ごとに、次条から第二十六条までに規定する業務を適切に行うため、製造工程の管理、試験検査、出荷の可否の決定、修理その他必要な事項について記載した製造管理及び品質管理基準書(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下単に「基準書」という。)を作成しなければならない。
(製造管理)第二十三条 医療機器の製造業者等は、責任技術者に、製品標準書及び基準書に基づき、次に掲げる製品の製造工程に係る業務を適切に行わせなければならない。
一 適正な方法により製品を製造すること。
二 製品標準書に規定されている規格又は基準(以下「規格基準」という。)に適合しない製品等について、これに適合する製品等と区別して管理し、かつ、廃棄、部品の交換等を行うこと。
三 構成部品等及び製造用物質について適正に保管及び出納を行うこと。
四 製造工程において、製品の品質に影響を及ぼし得る環境を適切に管理すること。
五 製品の製造に関する記録(次号に掲げるものを除く。)をロットごとに作成すること。
六 製品の表示及び包装についてロットごとにそれが適正であることを確認し、その記録を作成すること。
七 製品についてロットごとに適正な保管及び出納を行い、その記録を作成すること。
八 製品の種類に応じ、構造設備及び作業員の衛生管理を行い、その記録を作成すること。
九 構造設備の点検整備(計器の校正を含む。)を定期的に行い、その記録を作成すること。
十 滅菌医療機器に係る製品については、前各号に定めるもののほか、滅菌作業を行い、その記録を作成すること。
十一 第五号から前号までの記録により製造管理が適切に行われていることを確認すること。
十二 前号の記録を作成の日から次に掲げる期間保存すること。
イ 生物由来製品以外の医療機器に係る製品にあっては、三年間(当該記録に係る製品に関して有効期間(使用の期限を含む。以下同じ。)の記載が義務付けられている場合には、その有効期間の満了する日から起算して一年が経過するまでの間)
ロ 生物由来製品に係る製品にあっては、その有効期間の満了する日から起算して三年が経過するまでの間
(試験検査)第二十四条 医療機器の製造業者等は、責任技術者に、製品標準書及び基準書に基づき、次に掲げる製品の試験検査に係る業務を適切に管理させなければならない。
一 適正な方法により製品の試験検査を行うこと。
二 製品についてはロットごとに、資材については管理単位ごとに製造所において試験検査を行うために必要な検体を採取し、その記録を作成すること。
三 製品について、ロットごとに試験検査を行い、その記録を作成すること。 ただし、他の試験検査機関を利用して自己の責任において試験検査を行う場合であって、支障がないと認められるときは、この限りでない。
四 製品等が規格基準に適合することを試験検査の結果に基づき判定し、その記録を作成すること。
五 試験検査に関する設備及び器具の点検整備(計器の校正を含む。)を定期的に行い、その記録を作成すること。
六 第二号から前号までの記録を作成の日から次に掲げる期間保存すること。
イ 生物由来製品以外の医療機器に係る製品にあっては、三年間(当該記録に係る製品に関して有効期間の記載が義務付けられている場合には、その有効期間の満了する日から起算して一年が経過するまでの間)
ロ 生物由来製品に係る製品にあっては、その有効期間の満了する日から起算して三年が経過するまでの間
(出荷の可否の決定)第二十五条 医療機器の製造業者等は、あらかじめ指定した者に、製品標準書及び基準書に基づき、次に掲げる製品の出荷の可否の決定に係る業務を適切に行わせなければならない。
一 製造管理及び品質管理の結果を適正に評価して製品の製造所からの出荷の可否の決定を行い、その記録を作成すること。
二 前号の記録を作成の日から三年間(当該記録に係る製品に関して有効期間の記載が義務付けられている場合にはその有効期間の満了する日から起算して一年が経過するまでの間、当該記録に係る製品が生物由来製品に係る製品である場合にはその有効期間の満了する日から起算して三年が経過するまでの間)保存すること。
2 前項の業務を行う者は、当該業務を適正かつ円滑に実施し得る能力を有するものでなければならない。 3 医療機器の製造業者等は、第一項の業務を行う者が当該業務を行うに当たって支障が生ずることがないようにしなければならない。 4 医療機器の製造業者等は、第一項の決定が適正に行われるまで製造所から製品を出荷してはならない。 (修理)第二十六条 医療機器の製造業者等は、製品の修理を行う場合においては、責任技術者に、製品標準書及び基準書に基づき、前三条に掲げる業務のほか、次に掲げる業務を適切に行わせなければならない。
一 適正な方法により製品の修理を行い、その記録を作成すること。
二 前号の記録を作成の日から三年間(当該記録に係る製品が生物由来製品に係る製品である場合には、その有効期間に三年を加算した期間)保存すること。
2 医療機器の製造業者等は、前項第一号の修理に係る事項の原因を究明し、製造管理及び品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講ずるとともに、当該措置の記録を作成し、その作成の日から三年間(当該記録に係る製品が生物由来製品に係る製品である場合には、その有効期間に三年を加算した期間)保存しなければならない。 (苦情処理等の手順に関する文書)第二十七条 医療機器の製造業者等は、次条から第三十条までに規定する業務を適切に行うため、苦情処理、回収処理及び自己点検の手順に関する文書(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下「手順書」という。)を製造所ごとに作成しなければならない。
(苦情処理)第二十八条 医療機器の製造業者等は、製品の品質等に関して苦情があったときは、その苦情に係る事項が当該製造所に起因するものでないことが明らかな場合を除き、その製造所の責任技術者に、手順書に基づき、次に掲げる業務を適切に行わせなければならない。
一 苦情に係る事項の原因を究明し、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講ずること。
二 苦情の内容、原因究明の結果及び改善措置を記載した苦情処理記録を作成し、その記録を作成の日から三年間(当該記録に係る製品が生物由来製品に係る製品である場合には、その有効期間に三年を加算した期間)保存すること。
(回収処理)第二十九条 医療機器の製造業者等は、製品の品質等に関する理由により回収を行うときは、その回収に至った理由が当該製造所に起因するものでないことが明らかな場合を除き、その製造所の責任技術者に、手順書に基づき、次に掲げる業務を適切に行わせなければならない。
一 回収に至った原因を究明し、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講ずること。
二 回収した製品を区分して一定期間保管した後、適切に処理すること。
三 回収の内容、原因究明の結果及び改善措置を記載した回収処理記録を作成し、その記録を作成の日から三年間(当該記録に係る製品が生物由来製品に係る製品である場合には、その有効期間に三年を加算した期間)保存すること。
(自己点検)第三十条 医療機器の製造業者等は、あらかじめ指定した者に、手順書に基づき、次に掲げる業務を適切に行わせなければならない。
一 当該製造所における製品の製造管理及び品質管理について定期的に自己点検を行うこと。
二 自己点検の結果を責任技術者に対して文書により報告すること。
三 自己点検の結果の記録を作成し、その記録を作成の日から三年間(当該記録に係る製品が生物由来製品に係る製品である場合には、その有効期間に三年を加算した期間)保存すること。
2 責任技術者は、前項第二号の規定による報告に基づき、自己点検が適切に行われていることを確認しなければならない。 3 医療機器の製造業者等は、第一項第一号の自己点検の結果に基づき、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講ずるとともに、当該措置の記録を作成し、その記録を作成の日から三年間(当該記録に係る製品が生物由来製品に係る製品である場合には、その有効期間に三年を加算した期間)保存しなければならない。第四章 体外診断用医薬品の製造販売業者における製造管理及び品質管理
(準用)第三十一条 体外診断用医薬品の製造販売業者における製造管理及び品質管理については、第四条、第五条、第六条第一項(第九号から第十一号までを除く。)及び第二項、第七条から第十四条まで並びに第十八条(第三号イを除く。)の規定を準用する。
2 前項の場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。第五章 体外診断用医薬品の製造業者等における製造管理及び品質管理
(体外診断用医薬品の製造業者等の責務)第三十二条 体外診断用医薬品の製造業者等は、法第二十三条の二の十四十一項に規定する体外診断用医薬品製造管理者又は法第六十八条の十六第二項の生物由来製品の製造を管理する者(医療機器等外国製造業者にあっては、法第二十三条の二の四第一項の規定により登録を受けた製造所の責任者又は当該医療機器等外国製造業者があらかじめ指定した者)が業務を遂行するに当たって支障を生ずることがないようにしなければならない。
(生物学的製剤の製造業者等の責務)第三十三条 生物学的製剤(専ら動物のために使用されることが目的とされている血清、ワクチン若しくは診断液(これらを乾燥させたものを含む。)又はこれらに類似する医薬品であって疾病の診断、予防若しくは治療に使用することを目的とするものをいい、体外診断用医薬品に限る。以下この条において同じ。)の製造業者等は、生物学的製剤に係る作業を行うときは、次に掲げる事項を厳守しなければならない。
一 作業室内に除じん及び除菌をした空気を導入するとともに、作業室内の天井、壁面及び床面並びに作業室内に設置されている作業台その他の設備品の表面の清掃及び消毒をすること。
二 作業員以外の者が作業室へ出入りすることを制限すること。
三 病原微生物により汚染された物品又は機械器具は、製造所の構内において、焼却し、又は消毒すること。
四 作業員は、更衣場所においてその衣服及び履物を清潔な作業用の衣服及び履物に交換し、作業中には清潔な作業用の帽子及びマスクを着用すること。
2 生物学的製剤の製造業者等は、生物学的製剤の製造につき、次に掲げる事項を記載した細胞及び微生物の株の取扱いに関する記録を作成し、かつ、作成の日(当該細胞又は微生物を製造に使用する場合にあっては、製造に使用しなくなった日)から五年間これを保存しなければならない。一 細胞又は株の名称(種類名を含む。)及びその由来
二 受領先及び受領の年月日(分離した場合にあっては、分離年月日及び分離したときの記録)
三 継代数、継代年月日及び継代方法
四 継代中に生じた変化及びこれに対してとった処置
五 生物学的性状及び毒力並びにこれらを検査した年月日
六 保存方法
七 製造に使用したときは、その年月日並びに製造品名及び製造番号
八 その他参考となる事項
(構造設備)第三十四条 体外診断用医薬品の製造業者等は、その製造所において体外診断用医薬品を製造する場合には、当該製造所の構造設備を、次の表の上欄に掲げる設備の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない。
2 体外診断用医薬品の製造業者等は、その製造所において最終製品の保管のみを行う場合には、前項の規定にかかわらず、当該製造所の構造設備を、次の表の上欄に掲げる設備の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない。附則
この省令は、平成七年七月一日から施行する。ただし、第四条(修理に係る部分に限る。)及び第八条から第十二条までの規定は平成九年七月一日から施行する。附則(平成一三年三月二六日農林水産省令第六七号)
この省令は、書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律の施行の日(平成十三年四月一日)から施行する。附則(平成一五年七月一五日農林水産省令第七六号)
この省令は、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日(平成十五年七月三十日)から施行する。附則(平成一七年三月三〇日農林水産省令第四二号)
(施行期日)
第一条 この省令は、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律(平成十四年法律第九十六号)の施行の日(平成十七年四月一日)から施行する。
(動物用医療用具の輸入販売管理及び品質管理に関する省令の廃止)
第二条 動物用医療用具の輸入販売管理及び品質管理に関する省令(平成十一年農林水産省令第四十七号)は、廃止する。
附則(平成二六年一一月一八日農林水産省令第五八号)
(施行期日)
第一条 この省令は、薬事法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(平成二十六年十一月二十五日)から施行する。
(動物用医療機器の製造管理及び品質管理に関する省令の一部改正に関する経過措置)
第八条 この省令の施行の際現にある第八条の規定による改正前の動物用医薬品、動物用医薬部外品及び動物用医療機器の品質管理の基準に関する省令第四条から第十四条まで(これらの規定を同令第二十二条第一項において準用する場合を含む。)に規定する医療機器及び体外診断用医薬品に係る文書及び記録の管理については、平成二十七年十一月二十四日までの間は、なお従前の例による。
附則(平成二七年四月九日農林水産省令第三九号)
この省令は、公布の日から施行する。附則(令和二年七月一五日農林水産省令第五二号)
この省令は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。附則(令和三年七月三〇日農林水産省令第四五号)
(施行期日)
第一条 この省令は、改正法附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日(令和三年八月一日)から施行する。
附則(令和四年一二月八日農林水産省令第七二号)
この省令は、令和五年一月一日から施行する。附則(令和五年九月二九日農林水産省令第四八号)
この省令は、公布の日から施行する。附則(令和五年一二月二八日農林水産省令第六七号)
この省令は、公布の日から施行する。別表 (第二十一条関係)
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