第一章 総則
(目的)第一条 この規則は、都道府県公安委員会及び警察署長並びに道路交通法(昭和三十五年法律第百五号。以下「法」という。)第百十四条、第百十四条の二又は第百十四条の三の規定によりこれらの者の権限に属する事務を委任された者(以下「行政庁」という。)が法の規定により行う意見の聴取及び弁明の機会の付与に関する手続に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
(定義)第二条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 当事者 法第五十一条の四第六項、第七十七条第六項、第九十条第四項(同条第七項及び第十四項において準用する場合を含む。次号において同じ。)若しくは第百四条第一項(法第百四条の二の二第六項及び第百七条の五第四項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の通知を受けた者(法第五十一条の四第七項の規定により、同条第六項の規定による通知が到達したものとみなされる者を含む。)又は法第七十五条の二十八第一項の規定による特定自動運行の許可の効力の停止若しくは法第百三条の二第一項若しくは第百四条の二の三第一項の規定による運転免許の効力の停止(第十四条第三項において「仮停止等」と総称する。)若しくは法第百七条の五第十項において準用する法第百三条の二第一項の規定による自動車及び一般原動機付自転車(法第十八条第一項に規定する一般原動機付自転車をいう。)の運転の禁止(第十四条第三項において「仮禁止」という。)を受けた者をいう。
二 代理人 当事者の委任を受け当事者のために法第百四条第一項の意見の聴取(以下「意見の聴取」という。)又は法第五十一条の四第六項、第七十五条の二十八第二項、第七十七条第六項、第九十条第四項、第百三条の二第二項(法第百七条の五第十項において準用する場合を含む。)若しくは第百四条の二の三第二項の弁明(以下「弁明」という。)に関する一切の手続をすることができる者をいう。
三 補佐人 意見の聴取又は弁明において当事者又はその代理人が意見を述べ、かつ、有利な証拠を提出することについて当事者又はその代理人を補佐する者をいう。
第二章 意見の聴取
第一節 主宰者
(主宰者)第三条 意見の聴取は、意見の聴取を主宰するについて必要な法律に関する知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができると認められる警察職員であって、行政庁が指名するものが主宰する。
(除斥事由)第四条 次の各号のいずれかに該当する者は、意見の聴取を主宰することができない。
一 当該意見の聴取の当事者
二 前号に規定する者の配偶者、四親等内の親族又は同居の親族
三 第一号に規定する者の代理人又は補佐人
四 前三号に規定する者であったことのある者
五 第一号に規定する者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人
六 関係人(法第百四条第三項の関係人をいう。第十二条第一項第四号及び第七号において同じ。)
2 前条の規定により意見の聴取を主宰する者(以下「主宰者」という。)が前項各号のいずれかに該当するに至ったときは、行政庁は、速やかに、新たな主宰者を指名しなければならない。第二節 代理人、補佐人
(代理人)第五条 行政庁は、当事者が意見の聴取の期日に代理人を出頭させようとするときは、意見の聴取の期日までに、代理人の氏名及び住所並びに当事者が代理人に対して当事者のために意見の聴取に関する一切の行為をすることを委任する旨を記載した書面を提出させるものとする。
2 行政庁は、代理人がその資格を失ったときは、当該代理人を選任した当事者に、書面でその旨を届け出させるものとする。 (補佐人)第六条 行政庁は、当事者又はその代理人が意見の聴取の期日に補佐人を出頭させようとするときは、意見の聴取の期日までに、補佐人の氏名、住所、当事者又はその代理人との関係及び補佐する事項を記載した書面を提出させるものとする。 ただし、当事者又はその代理人が第十一条第二項の規定により告知された意見の聴取の期日に次項の規定により既に許可を受けている補佐人であって、当該許可に係る事項につき補佐するものを出頭させようとするときは、この限りでない。
2 行政庁は、前項の書面の提出があった場合において、意見の聴取の期日に補佐人を出頭させる必要があると認めるときは、当該補佐人の出頭を許可するものとする。 3 行政庁は、前項の許可をしたときは、速やかに、その旨を第一項の書面を提出した当事者又はその代理人に対し通知するものとする。 4 補佐人の陳述は、当事者又はその代理人が直ちに取り消さないときは、当該当事者又はその代理人が自ら陳述したものとみなす。第三節 意見の聴取の進行
(意見の聴取の通知)第七条 道路交通法施行令(昭和三十五年政令第二百七十号。以下「令」という。)第三十九条第一項の文書には、次に掲げる事項を記載して教示するものとする。
一 意見の聴取に出頭しなかった場合の措置
二 代理人を選任することができる旨
三 意見の聴取において事案について意見を述べ、かつ、有利な証拠を提出することができる旨
(意見の聴取の期日及び場所の変更)第八条 行政庁は、当事者又はその代理人の申出により又は職権で、意見の聴取の期日又は場所を変更することができる。
2 前項の申出は、意見の聴取の期日又は場所の変更を求めるやむを得ない理由を記載した書面を行政庁に提出することにより行うものとする。 3 行政庁は、第一項の規定により意見の聴取の期日又は場所を変更したときは、速やかに、その旨を書面により当事者又はその代理人に通知するとともに、公示しなければならない。 4 前項の規定による公示は、令第三十九条第二項の掲示板に提示して行うものとする。 (冒頭手続)第九条 主宰者は、最初の意見の聴取の期日の冒頭において、行政庁の職員に、予定される処分の内容及び根拠となる法令の条項並びにその原因となる事実を意見の聴取の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。
(意見の聴取における陳述の制限等)第十条 主宰者は、意見の聴取の期日に出頭した者が意見の聴取に係る事案の範囲を超えて発言するとき、その他意見の聴取の期日における審理の適正な進行を図るためやむを得ないと認めるときは、その発言を制限することができる。
2 主宰者は、前項に規定する場合のほか、意見の聴取の期日における審理の秩序を維持するために必要があると認めるときは、秩序を乱した者に対し退場を命じ、その他意見の聴取の期日における審理の秩序を維持するため国家公安委員会が別に定める措置をとることができる。 (意見の聴取の続行)第十一条 主宰者は、意見の聴取の期日における審理の結果、なお意見の聴取を続行する必要があると認めるときは、さらに新たな期日を定めることができる。
2 前項の場合においては、意見の聴取の期日に出頭した当事者又はその代理人に対し次回の意見の聴取の期日及び場所を告知するとともに、これらの事項を公示するものとする。 3 前項の規定による公示は、令第三十九条第二項の掲示板に掲示して行うものとする。 (意見の聴取調書の作成)第十二条 主宰者は、意見の聴取の期日における審理(前条第一項の規定によりさらに新たな期日を定めた場合にあっては、それぞれの期日における審理をいう。次条第一項において同じ。)の終了後、次に掲げる事項を記載した意見の聴取調書を作成し、これに記名押印しなければならない。
一 意見の聴取の件名
二 意見の聴取の期日及び場所
三 主宰者の職名及び氏名
四 意見の聴取の期日に出頭した当事者若しくはその代理人、補佐人又は参考人(法第百四条第三項の参考人をいう。第七号において同じ。)若しくは関係人の氏名及び住所
五 当事者又はその代理人の意見の陳述の要旨
六 提出された証拠の標目
七 参考人又は関係人の陳述の要旨
八 その他参考となるべき事項
2 意見の聴取調書には、書面、図画、写真その他主宰者が適当と認めるものを添付して調書の一部とすることができる。 (意見の聴取の状況の報告)第十三条 主宰者は、意見の聴取の期日における審理の終了後速やかに、前条の規定により作成した意見の聴取調書を行政庁に提出し、意見の聴取の状況を報告しなければならない。
第三章 弁明の機会の付与
(弁明の方式)第十四条 弁明は、法の規定により弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してすることとされているとき及び行政庁が弁明書をあらかじめ定める提出期限までに提出してすることを認めたときを除き、口頭でするものとする。
2 行政庁は、当事者又はその代理人が口頭による弁明をするときは、その指名する警察職員に弁明を録取させなければならない。 3 前項の規定により弁明を録取する者(次条において「弁明録取者」という。)は、弁明の日時の冒頭において、予定される処分又は仮停止等若しくは仮禁止の内容及び根拠となる法令の条項並びにその原因となる事実を当事者又はその代理人に対し説明しなければならない。 (弁明調書)第十五条 弁明録取者は、当事者又はその代理人が口頭による弁明をしたときは、次に掲げる事項を記載した弁明調書を作成し、これに記名押印しなければならない。
一 弁明の件名
二 弁明の日時及び場所
三 弁明録取者の職名及び氏名
四 弁明の日時に出頭した当事者若しくはその代理人又は補佐人の氏名及び住所
五 当事者又はその代理人の弁明の要旨
六 提出された証拠の標目
七 その他参考となるべき事項
2 第十二条第二項の規定は、前項の弁明調書について準用する。 3 弁明録取者は、口頭による弁明の終結後速やかに、第一項の弁明調書を行政庁に提出しなければならない。 (当事者の不出頭等の場合における措置)第十六条 行政庁は、弁明の日時に当事者若しくはその代理人が出頭しない場合又は弁明書の提出期限までに弁明書が提出されない場合には、改めて弁明の機会の付与を行うことを要しない。
(準用規定)第十七条 第五条の規定は、弁明の機会の付与について準用する。 この場合において、「意見の聴取の期日」とあるのは「弁明の日時」と読み替えるものとする。
2 第六条(第一項ただし書を除く。)及び第八条第一項の規定は、口頭による弁明の機会の付与について準用する。 この場合において、「意見の聴取の期日」とあるのは「弁明の日時」と読み替えるものとする。附則
この規則は、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成五年法律第八十九号)の施行の日(平成六年十月一日)から施行する。附則(平成一二年三月三〇日国家公安委員会規則第九号)
この規則は、平成十二年四月一日から施行する。 民法の一部を改正する法律附則第三条第三項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの規則による改正規定の適用については、第二条の規定による警備員等の検定に関する規則第六条第三項第三号の改正規定及び第四条の規定による古物営業法施行規則第一条第三項第一号ハの改正規定を除き、なお従前の例による。 この規則の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。附則(平成一四年四月二六日国家公安委員会規則第一五号)
この規則は、平成十四年六月一日から施行する。附則(平成一六年一二月一〇日国家公安委員会規則第二二号)
この規則は、道路交通法の一部を改正する法律(平成十六年法律第九十号)附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日から施行する。附則(平成二一年五月一一日国家公安委員会規則第四号)
この規則は、道路交通法の一部を改正する法律(平成十九年法律第九十号)附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日(平成二十一年六月一日。以下「施行日」という。)から施行する。附則(平成二六年三月一四日国家公安委員会規則第二号)
この規則は、道路交通法の一部を改正する法律の施行の日(平成二十六年六月一日)から施行する。附則(令和四年一二月二三日国家公安委員会規則第二一号)
(施行期日)
第一条 この規則は、道路交通法の一部を改正する法律の施行の日(令和五年四月一日)から施行する。