第一条 この法律は、大阪湾臨海地域における近年の産業構造の変動等経済的社会的環境の変化に対処して、世界都市にふさわしい機能と住民の良好な居住環境等を備えた地域としての当該地域の整備等に関する総合的な計画を策定し、その実施を促進することにより、当該地域及びその周辺の地域における活力の向上を図り、もって東京圏への諸機能の一極集中の是正並びに世界及び我が国の経済、文化等の発展に寄与することを目的とする。
(定義)第二条 この法律において「大阪湾臨海地域」とは、大阪湾及びこれに隣接する水域を地先水面とする市町村の区域並びにその区域と接する市町村の区域のうち、前条に規定する整備等を促進すべき地域で第四条第一項の規定により指定されたものをいう。
2 この法律において「関連整備地域」とは、大阪湾臨海地域の周辺の地域のうち、大阪湾臨海地域における前条に規定する整備等と関連して必要となる整備等を促進すべき地域で第四条第一項の規定により指定されたものをいう。 3 この法律において「開発地区」とは、大阪湾臨海地域のうち次に掲げる要件を備えた地区であって、第八条第一項の整備計画に定められたものをいう。一 大阪湾臨海地域の中核として特に開発を行うことが適当と認められる地区であること。
二 中核的施設並びに公共施設及び公益的施設の整備の用に供する土地の確保が容易であること。
三 高速自動車国道、空港その他の高速輸送に係る施設の利用が容易であり、又は容易となることが確実と見込まれること。
4 この法律において「中核的施設」とは、研究施設、展示施設、会議場施設、業務施設、教養文化施設その他の施設であって、開発地区を整備する上で中核となるものをいう。 (施策における配慮)第三条 国及び地方公共団体は、この法律に規定する大阪湾臨海地域及び関連整備地域の整備等に関する施策の策定及び実施に当たっては、次に掲げる事項について配慮しなければならない。
一 適正かつ合理的な土地利用の確保、国土の保全及び災害の防止を図るよう努めること。
二 瀬戸内海の自然環境等の重要性にかんがみ、広域的な観点から総合的に環境の保全を図るよう努めること。
三 地域における創意工夫を尊重するとともに、地域住民、民間事業者等の理解と協力を得るよう努めること。
四 大阪湾臨海地域の周辺の地域における活力の向上に寄与するよう努めること。
五 大阪湾臨海地域及びその周辺の地域における有機的かつ効率的な交通網、通信網等の形成を図るとともに、世界及び我が国の各地域との経済、文化等の交流を促進するよう努めること。
(地域の指定)第四条 大阪湾臨海地域及び関連整備地域は、主務大臣が、府県知事の申請に基づき、関係行政機関の長に協議して指定するものとする。
2 府県知事は、前項の申請をしようとするときは、あらかじめ関係市町村長に協議しなければならない。 3 第一項の申請及び協議は、国土交通大臣を通じて行うものとする。 4 主務大臣は、第一項の指定をしたときは、その旨及びその区域を公示しなければならない。 5 前各項の規定は、大阪湾臨海地域及び関連整備地域の指定を変更する場合について準用する。 (基本方針の決定及び変更)第五条 主務大臣は、大阪湾臨海地域及び関連整備地域の整備等に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を決定しなければならない。
2 主務大臣は、前項の決定をしようとするときは、国土交通大臣を通じて、関係府県知事の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議しなければならない。 3 主務大臣は、基本方針を決定したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、関係府県知事に通知しなければならない。 4 前三項の規定は、基本方針を変更する場合について準用する。 (基本方針の内容)第六条 基本方針には、大阪湾臨海地域について、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 整備等の目標
二 開発地区の設定及び中核的施設の整備に関する基本的事項
三 公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する基本的事項
四 産業構造の高度化に関する基本的事項
五 環境の保全に関する基本的事項
六 国際交流、教養文化活動等の活動に関する基本的事項
七 地価の安定、災害の防止その他大阪湾臨海地域の整備に際し配慮すべき重要事項
2 基本方針には、関連整備地域について、次に掲げる事項を定めるものとする。一 整備等の目標
二 大阪湾臨海地域との有機的かつ効率的な連携に関する基本的事項
三 公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する基本的事項
四 産業構造の高度化に関する基本的事項
五 環境の保全に関する基本的事項
六 国際交流、教養文化活動等の活動に関する基本的事項
七 地価の安定、災害の防止その他関連整備地域の整備に際し配慮すべき重要事項
(整備計画の策定)第七条 関係府県知事は、基本方針に基づき、関係市町村長、財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構(平成三年十二月二十五日に財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構という名称で設立された法人をいう。以下「機構」という。)その他必要と認める学識経験のある者の意見を聴いて、当該府県の区域内の大阪湾臨海地域又は関連整備地域について大阪湾臨海地域又は関連整備地域の整備等に関する計画(以下「整備計画」という。)を作成し、国土交通大臣を通じて主務大臣に協議しその同意を求めることができる。
2 主務大臣は、整備計画に同意しようとするときは、国土交通大臣を通じて、関係行政機関の長に協議しなければならない。 3 関係府県知事は、整備計画の同意を得たときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。 4 前三項の規定は、整備計画を変更する場合について準用する。 5 大阪湾臨海地域において第二条第三項に規定する要件に該当する一団の土地を所有する者は、当該土地が所在する府県の知事に対し、当該土地が開発地区の要件に適合する旨の申出を行うことができる。 6 前項の申出を受けた府県知事は、当該申出をした者に対し、申出に係る土地の全部又は一部を開発地区として定めたときは、その旨及び申出をした者が整備計画を実施する際に配慮すべき事項を通知するものとし、申出に係る土地を開発地区として定めないこととしたときは、その旨を通知するものとする。 (整備計画の内容)第八条 大阪湾臨海地域に係る整備計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 名称及び区域
二 開発地区の名称及び区域
三 開発地区において整備すべき中核的施設の種類、規模等に関する基本的な事項
四 公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する事項
2 前項各号に掲げるもののほか、大阪湾臨海地域に係る整備計画には、次に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。一 整備等の目標
二 人口の規模及び土地の利用に関する事項
三 開発地区の区域ごとの整備の方針に関する事項
四 産業構造の高度化に関する事項
五 環境の保全に関する事項
六 国際交流、教養文化活動等の活動に関する事項
七 地価の安定、災害の防止その他大阪湾臨海地域の整備に際し配慮すべき事項
3 関連整備地域に係る整備計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。一 名称及び区域
二 大阪湾臨海地域との有機的かつ効率的な連携に関する事項
4 前項各号に掲げるもののほか、関連整備地域に係る整備計画には、次に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。一 整備等の目標
二 公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する事項
三 産業構造の高度化に関する事項
四 環境の保全に関する事項
五 国際交流、教養文化活動等の活動に関する事項
六 地価の安定、災害の防止その他関連整備地域の整備に際し配慮すべき事項
5 整備計画は、近畿圏整備計画その他法令の規定による地域振興に関する計画と調和したものでなければならない。 (協力)第九条 国、関係地方公共団体及び関係事業者は、第七条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の同意を得た整備計画(以下「同意整備計画」という。)の円滑な実施が促進されるよう相互に連携を図りつつ協力しなければならない。
(促進協議会)第十条 同意整備計画の実施の促進に関し必要な協議を行うため、促進協議会を組織する。
2 前項の協議を行うための会議は、次に掲げる者をもって構成する。一 主務大臣、関係行政機関の長、関係府県知事及び関係指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下同じ。)の長(以下この条において「主務大臣等」という。)又はその指名する職員
二 主務大臣等が協議して指名する関係市町村長その他の者
3 前項に定めるもののほか、促進協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、促進協議会が定める。 4 第一項の協議を行う場合において必要と認められるときは、機構、関係事業者その他学識経験のある者の意見を聴くものとする。 (公共施設の整備)第十一条 国及び地方公共団体は、同意整備計画を達成するために必要な公共施設の整備の促進に努めなければならない。
(地方債についての配慮)第十二条 地方公共団体が同意整備計画を達成するために行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮をするものとする。
(資金の確保等)第十三条 国は、同意整備計画の達成に資するため必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
(地方税の不均一課税に伴う措置)第十四条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条第二項の規定により、総務省令で定める地方公共団体が、大阪湾臨海地域及び関連整備地域において中核的施設その他の施設のうち総務省令で定める施設を同意整備計画に従って新設し、又は増設した者について、当該施設の用に供する家屋若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税又は当該施設の用に供する償却資産若しくは家屋若しくはその敷地である土地に対する固定資産税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が総務省令で定める場合に該当するものと認められるときは、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十四条の規定による当該地方公共団体の各年度における基準財政収入額は、同条の規定にかかわらず、当該地方公共団体の当該各年度分の減収額(固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあっては、これらの措置がなされた最初の年度以降三箇年度におけるものに限る。)のうち総務省令で定めるところにより算定した額を同条の規定による当該地方公共団体の当該各年度(これらの措置が総務省令で定める日以後において行われたときは、当該減収額について当該各年度の翌年度)における基準財政収入額となるべき額から控除した額とする。
(公共施設の整備に伴う負担)第十五条 同意整備計画の達成のために必要な公共施設の整備を行う者又は地方公共団体は、土地に関する権利を有する者が当該公共施設の整備その他同意整備計画の実施により著しく利益を受けることとなる場合においては、関係者間の協議に基づいて協定を締結することにより、その者に対し、その利益に応じた適切な負担を求めることができる。
(都市計画法等による処分についての配慮)第十六条 国の行政機関の長又は関係府県知事は、同意整備計画に基づく中核的施設その他これに相当する施設の整備のため都市計画法(昭和四十三年法律第百号)その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該施設の整備が促進されるよう適切な配慮をするものとする。
(監視区域の指定)第十七条 関係府県知事又は関係指定都市の長は、大阪湾臨海地域及び関連整備地域のうち、地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域を国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)第二十七条の六第一項の規定により監視区域として指定するよう努めるものとする。
(大都市の特例)第十八条 第四条、第五条及び第七条の規定により府県知事の権限に属するものとされている事務は、指定都市においては、当該指定都市の長が行う。
(主務大臣)第十九条 この法律における主務大臣は、国土交通大臣、総務大臣、経済産業大臣及び環境大臣とする。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
附則(平成一〇年六月二日法律第八六号)
(施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則(平成一一年七月一六日法律第八七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(大阪湾臨海地域開発整備法の一部改正に伴う経過措置)
第四十九条 施行日前に第九十一条の規定による改正前の大阪湾臨海地域開発整備法第七条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定によりされた承認又はこの法律の施行の際現にこれらの規定によりされている承認の申請は、それぞれ第九十一条の規定による改正後の大阪湾臨海地域開発整備法第七条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定によりされた同意又は協議の申出とみなす。
(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(手数料に関する経過措置)
第百六十二条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)
(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成一八年六月二日法律第五〇号)
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。附則(平成二三年六月二四日法律第七四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則(平成二三年八月三〇日法律第一〇五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(政令への委任)
第八十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。