第一章 総則
(目的)第一条 この法律は、国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動、人道的な国際救援活動及び国際的な選挙監視活動に対し適切かつ迅速な協力を行うため、国際平和協力業務実施計画及び国際平和協力業務実施要領の策定手続、国際平和協力隊の設置等について定めることにより、国際平和協力業務の実施体制を整備するとともに、これらの活動に対する物資協力のための措置等を講じ、もって我が国が国際連合を中心とした国際平和のための努力に積極的に寄与することを目的とする。
(国際連合平和維持活動等に対する協力の基本原則)第二条 政府は、この法律に基づく国際平和協力業務の実施、物資協力、これらについての国以外の者の協力等(以下「国際平和協力業務の実施等」という。)を適切に組み合わせるとともに、国際平和協力業務の実施等に携わる者の創意と知見を活用することにより、国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動、人道的な国際救援活動及び国際的な選挙監視活動に効果的に協力するものとする。
2 国際平和協力業務の実施等は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。 3 内閣総理大臣は、国際平和協力業務の実施等に当たり、国際平和協力業務実施計画に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。 4 関係行政機関の長は、前条の目的を達成するため、国際平和協力業務の実施等に関し、国際平和協力本部長に協力するものとする。 (定義)第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 国際連合平和維持活動 国際連合の総会又は安全保障理事会が行う決議に基づき、武力紛争の当事者(以下「紛争当事者」という。)間の武力紛争の再発の防止に関する合意の遵守の確保、紛争による混乱に伴う切迫した暴力の脅威からの住民の保護、武力紛争の終了後に行われる民主的な手段による統治組織の設立及び再建の援助その他紛争に対処して国際の平和及び安全を維持することを目的として、国際連合の統括の下に行われる活動であって、国際連合事務総長(以下「事務総長」という。)の要請に基づき参加する二以上の国及び国際連合によって実施されるもののうち、次に掲げるものをいう。
イ 武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意があり、かつ、当該活動が行われる地域の属する国(当該国において国際連合の総会又は安全保障理事会が行う決議に従って施政を行う機関がある場合にあっては、当該機関。以下同じ。)及び紛争当事者の当該活動が行われることについての同意がある場合に、いずれの紛争当事者にも偏ることなく実施される活動
ロ 武力紛争が終了して紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在しなくなった場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に実施される活動
ハ 武力紛争がいまだ発生していない場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に、武力紛争の発生を未然に防止することを主要な目的として、特定の立場に偏ることなく実施される活動
二 国際連携平和安全活動 国際連合の総会、安全保障理事会若しくは経済社会理事会が行う決議、別表第一に掲げる国際機関が行う要請又は当該活動が行われる地域の属する国の要請(国際連合憲章第七条1に規定する国際連合の主要機関のいずれかの支持を受けたものに限る。)に基づき、紛争当事者間の武力紛争の再発の防止に関する合意の遵守の確保、紛争による混乱に伴う切迫した暴力の脅威からの住民の保護、武力紛争の終了後に行われる民主的な手段による統治組織の設立及び再建の援助その他紛争に対処して国際の平和及び安全を維持することを目的として行われる活動であって、二以上の国の連携により実施されるもののうち、次に掲げるもの(国際連合平和維持活動として実施される活動を除く。)をいう。
イ 武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意があり、かつ、当該活動が行われる地域の属する国及び紛争当事者の当該活動が行われることについての同意がある場合に、いずれの紛争当事者にも偏ることなく実施される活動
ロ 武力紛争が終了して紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在しなくなった場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に実施される活動
ハ 武力紛争がいまだ発生していない場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に、武力紛争の発生を未然に防止することを主要な目的として、特定の立場に偏ることなく実施される活動
三 人道的な国際救援活動 国際連合の総会、安全保障理事会若しくは経済社会理事会が行う決議又は別表第二に掲げる国際機関が行う要請に基づき、国際の平和及び安全の維持を危うくするおそれのある紛争(以下単に「紛争」という。)によって被害を受け若しくは受けるおそれがある住民その他の者(以下「被災民」という。)の救援のために又は紛争によって生じた被害の復旧のために人道的精神に基づいて行われる活動であって、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意があり、かつ、当該活動が行われる地域の属する国が紛争当事者である場合においては武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意がある場合に、国際連合その他の国際機関又は国際連合加盟国その他の国(次号及び第六号において「国際連合等」という。)によって実施されるもの(国際連合平和維持活動として実施される活動及び国際連携平和安全活動として実施される活動を除く。)をいう。
四 国際的な選挙監視活動 国際連合の総会若しくは安全保障理事会が行う決議又は別表第三に掲げる国際機関が行う要請に基づき、紛争によって混乱を生じた地域において民主的な手段により統治組織を設立しその他その混乱を解消する過程で行われる選挙又は投票の公正な執行を確保するために行われる活動であって、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意があり、かつ、当該活動が行われる地域の属する国が紛争当事者である場合においては武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意がある場合に、国際連合等によって実施されるもの(国際連合平和維持活動として実施される活動及び国際連携平和安全活動として実施される活動を除く。)をいう。
五 国際平和協力業務 国際連合平和維持活動のために実施される業務で次に掲げるもの、国際連携平和安全活動のために実施される業務で次に掲げるもの、人道的な国際救援活動のために実施される業務で次のワからツまで、ナ及びラに掲げるもの並びに国際的な選挙監視活動のために実施される業務で次のチ及びナに掲げるもの(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。以下同じ。)であって、海外で行われるものをいう。
イ 武力紛争の停止の遵守状況の監視又は紛争当事者間で合意された軍隊の再配置若しくは撤退若しくは武装解除の履行の監視
ロ 緩衝地帯その他の武力紛争の発生の防止のために設けられた地域における駐留及び巡回
ハ 車両その他の運搬手段又は通行人による武器(武器の部品及び弾薬を含む。ニにおいて同じ。)の搬入又は搬出の有無の検査又は確認
ニ 放棄された武器の収集、保管又は処分
ホ 紛争当事者が行う停戦線その他これに類する境界線の設定の援助
ヘ 紛争当事者間の捕虜の交換の援助
ト 防護を必要とする住民、被災民その他の者の生命、身体及び財産に対する危害の防止及び抑止その他特定の区域の保安のための監視、駐留、巡回、検問及び警護
チ 議会の議員の選挙、住民投票その他これらに類する選挙若しくは投票の公正な執行の監視又はこれらの管理
リ 警察行政事務に関する助言若しくは指導又は警察行政事務の監視
ヌ 矯正行政事務に関する助言若しくは指導又は矯正行政事務の監視
ル リ及びヌに掲げるもののほか、立法、行政(ヲに規定する組織に係るものを除く。)又は司法に関する事務に関する助言又は指導
ヲ 国の防衛に関する組織その他のイからトまで又はワからネまでに掲げるものと同種の業務を行う組織の設立又は再建を援助するための次に掲げる業務
ワ 医療(防疫上の措置を含む。)
カ 被災民の捜索若しくは救出又は帰還の援助
ヨ 被災民に対する食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の配布
タ 被災民を収容するための施設又は設備の設置
レ 紛争によって被害を受けた施設又は設備であって被災民の生活上必要なものの復旧又は整備のための措置
ソ 紛争によって汚染その他の被害を受けた自然環境の復旧のための措置
ツ イからソまでに掲げるもののほか、輸送、保管(備蓄を含む。)、通信、建設、機械器具の据付け、検査若しくは修理又は補給(武器の提供を行う補給を除く。)
ネ 国際連合平和維持活動又は国際連携平和安全活動を統括し、又は調整する組織において行うイからツまでに掲げる業務の実施に必要な企画及び立案並びに調整又は情報の収集整理
ナ イからネまでに掲げる業務に類するものとして政令で定める業務
ラ ヲからネまでに掲げる業務又はこれらの業務に類するものとしてナの政令で定める業務を行う場合であって、国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動若しくは人道的な国際救援活動に従事する者又はこれらの活動を支援する者(以下このラ及び第二十六条第二項において「活動関係者」という。)の生命又は身体に対する不測の侵害又は危難が生じ、又は生ずるおそれがある場合に、緊急の要請に対応して行う当該活動関係者の生命及び身体の保護
六 物資協力 次に掲げる活動を行っている国際連合等に対して、その活動に必要な物品を無償又は時価よりも低い対価で譲渡することをいう。
イ 国際連合平和維持活動
ロ 国際連携平和安全活動
ハ 人道的な国際救援活動(別表第四に掲げる国際機関によって実施される場合にあっては、第三号に規定する決議若しくは要請又は合意が存在しない場合における同号に規定する活動を含むものとする。第三十条第一項及び第三項において同じ。)
ニ 国際的な選挙監視活動
七 海外 我が国以外の領域(公海を含む。)をいう。
八 派遣先国 国際平和協力業務が行われる外国(公海を除く。)をいう。
九 関係行政機関 次に掲げる機関で政令で定めるものをいう。
イ 内閣府並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に規定する機関、デジタル庁並びに国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関
ロ 内閣府設置法第四十条及び第五十六条並びに国家行政組織法第八条の三に規定する特別の機関
第二章 国際平和協力本部
(設置及び所掌事務)第四条 内閣府に、国際平和協力本部(以下「本部」という。)を置く。
2 本部は、次に掲げる事務をつかさどる。一 国際平和協力業務実施計画(以下「実施計画」という。)の案の作成に関すること。
二 国際平和協力業務実施要領(以下「実施要領」という。)の作成又は変更に関すること。
三 前号の変更を適正に行うための、派遣先国において実施される必要のある国際平和協力業務の具体的内容を把握するための調査、実施した国際平和協力業務の効果の測定及び分析並びに派遣先国における国際連合の職員その他の者との連絡に関すること。
四 国際平和協力隊(以下「協力隊」という。)の運用に関すること。
五 国際平和協力業務の実施のための関係行政機関への要請、輸送の委託及び国以外の者に対する協力の要請に関すること。
六 物資協力に関すること。
七 国際平和協力業務の実施等に関する調査(第三号に掲げるものを除く。)及び知識の普及に関すること。
八 前各号に掲げるもののほか、法令の規定により本部に属させられた事務
(組織)第五条 本部の長は、国際平和協力本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。
2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。 3 本部に、国際平和協力副本部長(次項において「副本部長」という。)を置き、内閣官房長官をもって充てる。 4 副本部長は、本部長の職務を助ける。 5 本部に、国際平和協力本部員(以下この条において「本部員」という。)を置く。 6 本部員は、内閣法(昭和二十二年法律第五号)第九条の規定によりあらかじめ指定された国務大臣、関係行政機関の長、内閣府設置法第九条第一項に規定する特命担当大臣及びデジタル大臣のうちから、内閣総理大臣が任命する。 7 本部員は、本部長に対し、本部の事務に関し意見を述べることができる。 8 本部に、政令で定めるところにより、実施計画ごとに、期間を定めて、自ら国際平和協力業務を行うとともに海外において前条第二項第三号に掲げる事務を行う組織として、協力隊を置くことができる。 9 本部に、本部の事務(協力隊の行うものを除く。)を処理させるため、事務局を置く。 10 事務局に、事務局長その他の職員を置く。 11 事務局長は、本部長の命を受け、局務を掌理する。 12 前各項に定めるもののほか、本部の組織に関し必要な事項は、政令で定める。第三章 国際平和協力業務等
第一節 国際平和協力業務
(実施計画)第六条 内閣総理大臣は、我が国として国際平和協力業務を実施することが適当であると認める場合であって、次に掲げる同意があるとき(国際連合平和維持活動又は国際連携平和安全活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号トに掲げるもの若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定めるもの又は同号ラに掲げるものを実施する場合にあっては、同条第一号イからハまで又は第二号イからハまでに規定する同意及び第一号又は第二号に掲げる同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められるときに限り、人道的な国際救援活動のために実施する国際平和協力業務であって同条第五号ラに掲げるものを実施する場合にあっては、同条第三号に規定する同意及び第三号に掲げる同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持され、並びに当該活動が行われる地域の属する国が紛争当事者であるときは、紛争当事者の当該活動及び当該業務が行われることについての同意があり、かつ、その同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められるときに限る。)は、国際平和協力業務を実施すること及び実施計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。
一 国際連合平和維持活動のために実施する国際平和協力業務については、紛争当事者及び当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意(第三条第一号ロ又はハに該当する活動にあっては、当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意(同号ハに該当する活動にあっては、当該地域において当該業務の実施に支障となる明確な反対の意思を示す者がいない場合に限る。))
二 国際連携平和安全活動のために実施する国際平和協力業務については、紛争当事者及び当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意(第三条第二号ロ又はハに該当する活動にあっては、当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意(同号ハに該当する活動にあっては、当該地域において当該業務の実施に支障となる明確な反対の意思を示す者がいない場合に限る。))
三 人道的な国際救援活動のために実施する国際平和協力業務については、当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意
四 国際的な選挙監視活動のために実施する国際平和協力業務については、当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意
2 実施計画に定める事項は、次のとおりとする。一 当該国際平和協力業務の実施に関する基本方針
二 協力隊の設置その他当該国際平和協力業務の実施に関する次に掲げる事項
イ 実施すべき国際平和協力業務の種類及び内容
ロ 派遣先国及び国際平和協力業務を行うべき期間
ハ 協力隊の規模及び構成並びに装備
ニ 海上保安庁の船舶又は航空機を用いて当該国際平和協力業務を行う場合における次に掲げる事項
ホ 自衛隊の部隊等(自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八条に規定する部隊等をいう。以下同じ。)が当該国際平和協力業務を行う場合における次に掲げる事項
ヘ 第二十一条第一項の規定に基づき海上保安庁長官又は防衛大臣に委託することができる輸送の範囲
ト 関係行政機関の協力に関する重要事項
チ その他当該国際平和協力業務の実施に関する重要事項
一 国際連合平和維持活動(第三条第一号イに該当するものに限る。)のために実施する国際平和協力業務については、同号イに規定する合意若しくは同意若しくは第一項第一号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合又は当該活動がいずれの紛争当事者にも偏ることなく実施されなくなったと認められる場合
二 国際連合平和維持活動(第三条第一号ロに該当するものに限る。)のために実施する国際平和協力業務については、同号ロに規定する同意若しくは第一項第一号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合又は紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在すると認められる場合
三 国際連合平和維持活動(第三条第一号ハに該当するものに限る。)のために実施する国際平和協力業務については、同号ハに規定する同意若しくは第一項第一号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合、当該活動が特定の立場に偏ることなく実施されなくなったと認められる場合又は武力紛争の発生を防止することが困難となった場合
四 国際連携平和安全活動(第三条第二号イに該当するものに限る。)のために実施する国際平和協力業務については、同号イに規定する合意若しくは同意若しくは第一項第二号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合又は当該活動がいずれの紛争当事者にも偏ることなく実施されなくなったと認められる場合
五 国際連携平和安全活動(第三条第二号ロに該当するものに限る。)のために実施する国際平和協力業務については、同号ロに規定する同意若しくは第一項第二号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合又は紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在すると認められる場合
六 国際連携平和安全活動(第三条第二号ハに該当するものに限る。)のために実施する国際平和協力業務については、同号ハに規定する同意若しくは第一項第二号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合、当該活動が特定の立場に偏ることなく実施されなくなったと認められる場合又は武力紛争の発生を防止することが困難となった場合
七 人道的な国際救援活動のために実施する国際平和協力業務については、第三条第三号に規定する同意若しくは合意又は第一項第三号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合
八 国際的な選挙監視活動のために実施する国際平和協力業務については、第三条第四号に規定する同意若しくは合意又は第一項第四号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合
九 国際連合平和維持活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号トに掲げるもの若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定めるもの又は同号ラに掲げるものについては、同条第一号イに規定する合意の遵守の状況その他の事情を勘案して、同号イからハまでに規定する同意又は第一項第一号に掲げる同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められなくなった場合
十 国際連携平和安全活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号トに掲げるもの若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定めるもの又は同号ラに掲げるものについては、同条第二号イに規定する合意の遵守の状況その他の事情を勘案して、同号イからハまでに規定する同意又は第一項第二号に掲げる同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められなくなった場合
十一 人道的な国際救援活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号ラに掲げるものについては、同条第三号に規定する合意がある場合におけるその遵守の状況その他の事情を勘案して、同号に規定する同意若しくは第一項第三号に掲げる同意又は当該活動が行われる地域の属する国が紛争当事者である場合における紛争当事者の当該活動若しくは当該業務が行われることについての同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められなくなった場合
14 外務大臣は、実施計画の変更をすることが必要であると認めるとき、又は適当であると認めるときは、内閣総理大臣に対し、前項の閣議の決定を求めるよう要請することができる。 (国会に対する報告)第七条 内閣総理大臣は、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に規定する事項を、遅滞なく、国会に報告しなければならない。
一 実施計画の決定又は変更があったとき 当該決定又は変更に係る実施計画の内容
二 実施計画に定める国際平和協力業務が終了したとき 当該国際平和協力業務の実施の結果
三 実施計画に定める国際平和協力業務を行う期間に係る変更があったとき 当該変更前の期間における当該国際平和協力業務の実施の状況
(実施要領)第八条 本部長は、実施計画に従い、国際平和協力業務を実施するため、次の第一号から第五号までに掲げる事項についての具体的内容及び第六号から第九号までに掲げる事項を定める実施要領を作成し、及び必要に応じこれを変更するものとする。
一 当該国際平和協力業務が行われるべき地域及び期間
二 前号に掲げる地域及び期間ごとの当該国際平和協力業務の種類及び内容
三 第一号に掲げる地域及び期間ごとの当該国際平和協力業務の実施の方法(当該国際平和協力業務に使用される装備に関する事項を含む。)
四 第一号に掲げる地域及び期間ごとの当該国際平和協力業務に従事すべき者に関する事項
五 派遣先国の関係当局及び住民との関係に関する事項
六 第六条第十三項第一号から第八号までに掲げる場合において国際平和協力業務に従事する者が行うべき国際平和協力業務の中断に関する事項
七 第六条第十三項第九号から第十一号までに掲げる場合において第三条第五号トに掲げる業務若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定める業務又は同号ラに掲げる業務に従事する者が行うべき当該業務の中断に関する事項
八 危険を回避するための国際平和協力業務の一時休止その他の協力隊の隊員の安全を確保するための措置に関する事項
九 その他本部長が当該国際平和協力業務の実施のために必要と認める事項
2 実施要領の作成及び変更は、国際連合平和維持活動として実施される国際平和協力業務に関しては、前項第六号及び第七号に掲げる事項に関し本部長が必要と認める場合を除き、事務総長又は派遣先国において事務総長の権限を行使する者が行う指図に適合するように行うものとする。 3 本部長は、必要と認めるときは、その指定する協力隊の隊員に対し、実施要領の作成又は変更に関する権限の一部を委任することができる。 (国際平和協力業務等の実施)第九条 協力隊は、実施計画及び実施要領に従い、国際平和協力業務を行う。
2 協力隊の隊員は、第二条第一項の規定の趣旨にかんがみ、第四条第二項第三号に掲げる事務に従事するに当たり、国際平和協力業務が行われる現地の状況の変化に応じ、同号の事務が適切に実施される上で有益であると思われる情報及び資料の収集に積極的に努めるものとする。 3 海上保安庁長官は、実施計画に定められた第六条第五項の国際平和協力業務について本部長から要請があった場合には、実施計画及び実施要領に従い、海上保安庁の船舶又は航空機の乗組員たる海上保安庁の職員に、当該船舶又は航空機を用いて国際平和協力業務を行わせることができる。 4 防衛大臣は、実施計画に定められた第六条第六項の国際平和協力業務について本部長から要請があった場合には、実施計画及び実施要領に従い、自衛隊の部隊等に国際平和協力業務を行わせることができる。 5 前二項の規定に基づいて国際平和協力業務が実施される場合には、第三項の海上保安庁の職員又は前項の自衛隊の部隊等に所属する自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。以下同じ。)は、それぞれ、実施計画及び実施要領に従い、当該国際平和協力業務に従事するものとする。 6 協力隊は、外務大臣の指定する在外公館と密接に連絡を保つものとする。 7 外務大臣の指定する在外公館長は、外務大臣の命を受け、国際平和協力業務の実施のため必要な協力を行うものとする。 (隊員の安全の確保等)第十条 本部長は、国際平和協力業務の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、協力隊の隊員(以下「隊員」という。)の安全の確保に配慮しなければならない。
(隊員の任免)第十一条 本部長は、隊員の任免を行う。
(隊員の採用)第十二条 本部長は、第三条第五号ニ若しくはチからネまでに掲げる業務又はこれらの業務に類するものとして同号ナの政令で定める業務に係る国際平和協力業務に従事させるため、当該国際平和協力業務に従事することを志望する者のうちから、選考により、任期を定めて隊員を採用することができる。
2 本部長は、前項の規定による採用に当たり、関係行政機関若しくは地方公共団体又は民間の団体の協力を得て、広く人材の確保に努めるものとする。 (関係行政機関の職員の協力隊への派遣)第十三条 本部長は、関係行政機関の長に対し、実施計画に従い、国際平和協力業務(第三条第五号ラに掲げる業務を除く。)であって協力隊が行うものを実施するため必要な技術、能力等を有する職員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第三項各号(第十六号を除く。)に掲げる者を除く。)を協力隊に派遣するよう要請することができる。 ただし、第三条第五号イからハまで及びホからトまでに掲げる業務並びにこれらの業務に類するものとして同号ナの政令で定める業務に係る国際平和協力業務については自衛隊員以外の者の派遣を要請することはできず、同号チに掲げる業務及びこれに類するものとして同号ナの政令で定める業務に係る国際平和協力業務については自衛隊員の派遣を要請することはできない。
2 関係行政機関の長は、前項の規定による要請があったときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、同項の職員に該当する職員を期間を定めて協力隊に派遣するものとする。 3 前項の規定により派遣された職員のうち自衛隊員以外の者は、従前の官職を保有したまま、同項の期間を任期として隊員に任用されるものとする。 4 第二項の規定により派遣された自衛隊員は、同項の期間を任期として隊員に任用されるものとし、隊員の身分及び自衛隊員の身分を併せ有することとなるものとする。 5 第三項の規定により従前の官職を保有したまま隊員に任用される者又は前項の規定により隊員の身分及び自衛隊員の身分を併せ有する者は、本部長の指揮監督の下に国際平和協力業務に従事する。 6 本部長は、第二項の規定に基づき防衛大臣により派遣された隊員(以下この条において「自衛隊派遣隊員」という。)についてその派遣の必要がなくなった場合その他政令で定める場合には、当該自衛隊派遣隊員の隊員としての身分を失わせるものとする。 この場合には、当該自衛隊員は、自衛隊に復帰するものとする。 7 自衛隊派遣隊員は、自衛隊員の身分を失ったときは、同時に隊員の身分を失うものとする。 8 第四項の規定により隊員の身分及び自衛隊員の身分を併せ有することとなる者に対する給与等(第十七条に規定する国際平和協力手当以外の給与、災害補償及び退職手当並びに共済組合の制度をいう。)に関する法令の適用については、その者は、自衛隊のみに所属するものとみなす。 9 第四項から前項までに定めるもののほか、同項に規定する者の身分取扱いに関し必要な事項は、政令で定める。第十四条 海上保安庁長官は、第九条第三項の規定に基づき同項の海上保安庁の職員に国際平和協力業務を行わせるときは、当該職員を、期間を定めて協力隊に派遣するものとする。 この場合において、派遣された海上保安庁の職員は、従前の官職を保有したまま当該期間を任期として隊員に任用されるものとし、隊員として第四条第二項第三号に掲げる事務に従事する。
2 防衛大臣は、第九条第四項の規定に基づき自衛隊の部隊等に国際平和協力業務を行わせるときは、当該自衛隊の部隊等に所属する自衛隊員を、期間を定めて協力隊に派遣するものとする。 この場合において、派遣された自衛隊員は、当該期間を任期として隊員に任用され、自衛隊員の身分及び隊員の身分を併せ有することとなるものとし、隊員として第四条第二項第三号に掲げる事務に従事する。 3 前項に定めるもののほか、同項の規定により自衛隊員の身分及び隊員の身分を併せ有することとなる者の身分取扱いについては、前条第六項から第九項までの規定を準用する。 (国家公務員法の適用除外)第十五条 第十二条第一項の規定により採用される隊員については、隊員になる前に、国家公務員法第百三条第一項に規定する営利企業(以下この条において「営利企業」という。)を営むことを目的とする団体の役員、顧問若しくは評議員(以下この条において「役員等」という。)の職に就き、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等の職に就き、若しくは事業に従事し、若しくは事務を行っていた場合においても、同項及び同法第百四条の規定は、適用しない。
(研修)第十六条 隊員は、本部長の定めるところにより行われる国際平和協力業務の適切かつ効果的な実施のための研修を受けなければならない。
(国際平和協力手当)第十七条 国際平和協力業務に従事する者には、国際平和協力業務が行われる派遣先国の勤務環境及び国際平和協力業務の特質に鑑み、国際平和協力手当を支給することができる。
2 前項の国際平和協力手当に関し必要な事項は、政令で定める。 3 内閣総理大臣は、前項の政令の制定又は改廃に際しては、人事院の意見を聴かなければならない。 (服制等)第十八条 隊員の服制は、政令で定める。
2 隊員には、政令で定めるところにより、その職務遂行上必要な被服を支給し、又は貸与することができる。 (国際平和協力業務に従事する者の総数の上限)第十九条 国際平和協力業務に従事する者の総数は、二千人を超えないものとする。
(隊員の定員)第二十条 隊員の定員は、実施計画に従って行われる国際平和協力業務の実施に必要な定員で個々の協力隊ごとに政令で定めるものとする。
(輸送の委託)第二十一条 本部長は、実施計画に基づき、海上保安庁長官又は防衛大臣に対し、第三条第五号カに規定する国際平和協力業務の実施のための船舶若しくは航空機による被災民の輸送又は同号ワからソまでに規定する国際平和協力業務の実施のための船舶若しくは航空機による物品の輸送(派遣先国の国内の地域間及び一の派遣先国と隣接する他の派遣先国との間で行われる被災民の輸送又は物品の輸送を除く。)を委託することができる。
2 海上保安庁長官は、前項の規定による委託があった場合には、海上保安庁の任務遂行に支障を生じない限度において、当該委託を受け、及びこれを実施することができる。 3 防衛大臣は、第一項の規定による委託があった場合には、自衛隊の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、当該委託を受け、及びこれを実施することができる。 (関係行政機関の協力)第二十二条 本部長は、協力隊が行う国際平和協力業務を実施するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、その所管に属する物品の管理換えその他の協力を要請することができる。
2 関係行政機関の長は、前項の規定による要請があったときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、同項の協力を行うものとする。 (小型武器の保有及び貸与)第二十三条 本部は、隊員の安全保持のために必要な政令で定める種類の小型武器を保有することができる。
第二十四条 本部長は、第九条第一項の規定により協力隊が派遣先国において行う国際平和協力業務(第三条第五号チに掲げる業務及びこれに類するものとして同号ナの政令で定める業務を除く。)に隊員を従事させるに当たり、現地の治安の状況等を勘案して特に必要と認める場合には、当該隊員が派遣先国に滞在する間、前条の小型武器であって第六条第二項第二号ハ及び第四項の規定により実施計画に定める装備であるものを当該隊員に貸与することができる。
2 小型武器を管理する責任を有する者として本部の職員のうちから本部長により指定された者は、前項の規定により隊員に貸与するため、小型武器を保管することができる。 3 小型武器の貸与の基準、管理等に関し必要な事項は、政令で定める。 (武器の使用)第二十五条 前条第一項の規定により小型武器の貸与を受け、派遣先国において国際平和協力業務に従事する隊員は、自己又は自己と共に現場に所在する他の隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、当該小型武器を使用することができる。
2 第九条第五項の規定により派遣先国において国際平和協力業務に従事する海上保安官又は海上保安官補(以下この条において「海上保安官等」という。)は、自己又は自己と共に現場に所在する他の海上保安庁の職員、隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、第六条第二項第二号ニ(2)及び第四項の規定により実施計画に定める装備である第二十三条の政令で定める種類の小型武器で、当該海上保安官等が携帯するものを使用することができる。 3 第九条第五項の規定により派遣先国において国際平和協力業務に従事する自衛官は、自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員、隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、第六条第二項第二号ホ(2)及び第四項の規定により実施計画に定める装備である武器を使用することができる。 4 前二項の規定による小型武器又は武器の使用は、当該現場に上官が在るときは、その命令によらなければならない。 ただし、生命又は身体に対する侵害又は危難が切迫し、その命令を受けるいとまがないときは、この限りでない。 5 第二項又は第三項の場合において、当該現場に在る上官は、統制を欠いた小型武器又は武器の使用によりかえって生命若しくは身体に対する危険又は事態の混乱を招くこととなることを未然に防止し、当該小型武器又は武器の使用がこれらの規定及び次項の規定に従いその目的の範囲内において適正に行われることを確保する見地から必要な命令をするものとする。 6 第一項から第三項までの規定による小型武器又は武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条又は第三十七条の規定に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。 7 第九条第五項の規定により派遣先国において国際平和協力業務に従事する自衛官は、その宿営する宿営地(宿営のために使用する区域であって、囲障が設置されることにより他と区別されるものをいう。以下この項において同じ。)であって当該国際平和協力業務に係る国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動又は人道的な国際救援活動に従事する外国の軍隊の部隊の要員が共に宿営するものに対する攻撃があったときは、当該宿営地に所在する者の生命又は身体を防護するための措置をとる当該要員と共同して、第三項の規定による武器の使用をすることができる。 この場合において、同項から第五項までの規定の適用については、第三項中「現場に所在する他の自衛隊員、隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」とあるのは「その宿営する宿営地(第七項に規定する宿営地をいう。次項及び第五項において同じ。)に所在する者」と、「その事態」とあるのは「第七項に規定する外国の軍隊の部隊の要員による措置の状況をも踏まえ、その事態」と、第四項及び第五項中「現場」とあるのは「宿営地」とする。 8 海上保安庁法第二十条の規定は、第九条第五項の規定により派遣先国において国際平和協力業務に従事する海上保安官等については、適用しない。 9 自衛隊法第九十六条第三項の規定は、第九条第五項の規定により派遣先国において国際平和協力業務に従事する自衛官については、自衛隊員以外の者の犯した犯罪に関しては適用しない。 10 第一項の規定は第八条第一項第六号に規定する国際平和協力業務の中断(以下この項において「業務の中断」という。)がある場合における当該国際平和協力業務に係る隊員について、第二項及び第八項の規定は業務の中断がある場合における当該国際平和協力業務に係る海上保安官等について、第三項、第七項及び前項の規定は業務の中断がある場合における当該国際平和協力業務に係る自衛官について、第四項及び第五項の規定はこの項において準用する第二項の規定及びこの項において準用する第三項(第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による小型武器又は武器の使用について、第六項の規定はこの項において準用する第一項及び第二項の規定並びにこの項において準用する第三項(第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による小型武器又は武器の使用について、それぞれ準用する。第二十六条 前条第三項(同条第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定するもののほか、第九条第五項の規定により派遣先国において国際平和協力業務であって第三条第五号トに掲げるもの又はこれに類するものとして同号ナの政令で定めるものに従事する自衛官は、その業務を行うに際し、自己若しくは他人の生命、身体若しくは財産を防護し、又はその業務を妨害する行為を排除するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、第六条第二項第二号ホ(2)及び第四項の規定により実施計画に定める装備である武器を使用することができる。
2 前条第三項(同条第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定するもののほか、第九条第五項の規定により派遣先国において国際平和協力業務であって第三条第五号ラに掲げるものに従事する自衛官は、その業務を行うに際し、自己又はその保護しようとする活動関係者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、第六条第二項第二号ホ(2)及び第四項の規定により実施計画に定める装備である武器を使用することができる。 3 前二項の規定による武器の使用に際しては、刑法第三十六条又は第三十七条の規定に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。 4 自衛隊法第八十九条第二項の規定は、第一項又は第二項の規定により自衛官が武器を使用する場合について準用する。第二節 自衛官の国際連合への派遣
(自衛官の派遣)第二十七条 防衛大臣は、国際連合の要請に応じ、国際連合の業務であって、国際連合平和維持活動に参加する自衛隊の部隊等又は外国の軍隊の部隊により実施される業務の統括に関するものに従事させるため、内閣総理大臣の同意を得て、自衛官を派遣することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により派遣される自衛官が従事することとなる業務に係る国際連合平和維持活動が行われることについての第三条第一号イからハまでに規定する同意が当該派遣の期間を通じて安定的に維持されると認められ、かつ、当該派遣を中断する事情が生ずる見込みがないと認められる場合に限り、当該派遣について同項の同意をするものとする。 3 防衛大臣は、第一項の規定により自衛官を派遣する場合には、当該自衛官の同意を得なければならない。 (身分及び処遇)第二十八条 前条第一項の規定により派遣された自衛官の身分及び処遇については、国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律(平成七年法律第百二十二号)第三条から第十四条までの規定を準用する。
(小型武器の無償貸付け)第二十九条 防衛大臣又はその委任を受けた者は、第二十七条第一項の規定により派遣された自衛官の活動の用に供するため、国際連合から小型武器の無償貸付けを求める旨の申出があった場合において、当該活動の円滑な実施に必要であると認めるときは、当該申出に係る小型武器を国際連合に対し無償で貸し付けることができる。
第四章 物資協力
第三十条 政府は、国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動、人道的な国際救援活動又は国際的な選挙監視活動に協力するため適当と認めるときは、物資協力を行うことができる。
2 内閣総理大臣は、物資協力につき閣議の決定を求めなければならない。 3 外務大臣は、国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動、人道的な国際救援活動又は国際的な選挙監視活動に協力するため適当と認めるときは、内閣総理大臣に対し、物資協力につき閣議の決定を求めるよう要請することができる。 4 本部長は、物資協力のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、その所管に属する物品の管理換えを要請することができる。 5 関係行政機関の長は、前項の規定による要請があったときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、その所管に属する物品の管理換えを行うものとする。第五章 雑則
(民間の協力等)第三十一条 本部長は、第三章第一節の規定による措置によっては国際平和協力業務を十分に実施することができないと認めるとき、又は物資協力に関し必要があると認めるときは、関係行政機関の長の協力を得て、物品の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供について国以外の者に協力を求めることができる。
2 政府は、前項の規定により協力を求められた国以外の者に対し適正な対価を支払うとともに、その者が当該協力により損失を受けた場合には、その損失に関し、必要な財政上の措置を講ずるものとする。 (請求権の放棄)第三十二条 政府は、国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動、人道的な国際救援活動又は国際的な選挙監視活動に参加するに際して、国際連合若しくは別表第一から別表第三までに掲げる国際機関又はこれらの活動に参加する国際連合加盟国その他の国(以下この条において「活動参加国等」という。)から、これらの活動に起因する損害についての請求権を相互に放棄することを約することを求められた場合において、我が国がこれらの活動に参加する上でこれに応じることが必要と認めるときは、これらの活動に起因する損害についての活動参加国等及びその要員に対する我が国の請求権を放棄することを約することができる。
(大規模な災害に対処する合衆国軍隊等に対する物品又は役務の提供)第三十三条 防衛大臣又はその委任を受けた者は、防衛大臣が自衛隊の部隊等に第九条第四項の規定に基づき国際平和協力業務を行わせる場合又は第二十一条第一項の規定による委託に基づく輸送を実施させる場合において、これらの活動を実施する自衛隊の部隊等と共に当該活動が行われる地域に所在して、次に掲げる活動であって当該国際平和協力業務又は当該輸送に係る国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動又は人道的な国際救援活動を補完し、又は支援すると認められるものを行うアメリカ合衆国、オーストラリア、英国、フランス、カナダ、インド又はドイツの軍隊(以下この条において「合衆国軍隊等」という。)から、当該地域において講ずべき応急の措置に必要な物品の提供に係る要請があったときは、当該国際平和協力業務又は当該輸送の実施に支障を生じない限度において、当該合衆国軍隊等に対し、自衛隊に属する物品の提供を実施することができる。
一 派遣先国において発生し、又は正に発生しようとしている大規模な災害に係る救助活動、医療活動(防疫活動を含む。)その他の災害応急対策及び災害復旧のための活動
二 前号に掲げる活動を行う人員又は当該活動に必要な機材その他の物資の輸送
2 防衛大臣は、合衆国軍隊等から、前項の地域において講ずべき応急の措置に必要な役務の提供に係る要請があった場合には、当該国際平和協力業務又は当該輸送の実施に支障を生じない限度において、当該自衛隊の部隊等に、当該合衆国軍隊等に対する役務の提供を行わせることができる。 3 前二項の規定による自衛隊に属する物品の提供及び自衛隊の部隊等による役務の提供として行う業務は、補給、輸送、修理若しくは整備、医療、通信、空港若しくは港湾に関する業務、基地に関する業務、宿泊、保管又は施設の利用(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。)とする。 4 第一項に規定する物品の提供には、武器の提供は含まないものとする。 5 第一項に規定する物品の提供には、インドの軍隊に対する弾薬の提供は含まないものとする。 (政令への委任)第三十四条 この法律に特別の定めがあるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(見直し)
第三条 政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の実施状況に照らして、この法律の実施の在り方について見直しを行うものとする。
附則(平成一〇年六月一二日法律第一〇二号)
この法律は、公布の日から施行する。 ただし、第二十四条の改正規定は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。附則(平成一一年七月一六日法律第一〇二号)
(施行期日)
第一条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(別に定める経過措置)
第三十条 第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)
(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成一三年一二月一四日法律第一五七号)
この法律は、公布の日から施行する。 ただし、第二十四条の改正規定は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。附則(平成一八年一二月二二日法律第一一八号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則(平成二七年九月三〇日法律第七六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則(平成二九年六月二日法律第四二号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成三十年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成三一年四月二六日法律第一九号)
この法律は、平成三十二年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一 第二条中自衛隊法第八十四条の五第一項第三号及び第二項第四号の改正規定並びに同法第百条の十一の次に二条を加える改正規定並びに第四条の規定 日本国の自衛隊とカナダ軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とカナダ政府との間の協定の効力発生の日
二 第三条及び第五条並びに次項の規定 日本国の自衛隊とフランス共和国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の効力発生の日
前項第二号に掲げる規定の施行の日が同項第一号に掲げる規定の施行の日前である場合には、第二条のうち、自衛隊法第八十四条の五第一項第三号及び第二項第四号の改正規定中「英国」とあるのは「フランス」と、同法第百条の十一の次に二条を加える改正規定中「第百条の十一」とあるのは「第百条の十三」と、「第百条の十二」とあるのは「第百条の十四」と、「第百条の十三」とあるのは「第百条の十五」と、第三条のうち、同法第八十四条の五第一項第三号及び第二項第四号の改正規定中「カナダ」とあるのは「英国」と、同法第百条の十三の次に二条を加える改正規定中「第百条の十三」とあるのは「第百条の十一」と、「第百条の十四」とあるのは「第百条の十二」と、「第百条の十五」とあるのは「第百条の十三」と、第四条のうち国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律第三十三条第一項の改正規定中「英国」とあるのは「フランス」と、第五条のうち同項の改正規定中「カナダ」とあるのは「英国」とする。附則(令和三年四月二八日法律第二三号)
この法律は、令和四年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。 ただし、第二条及び第三条の規定は、日本国の自衛隊とインド軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とインド共和国政府との間の協定の効力発生の日から施行する。附則(令和三年五月一九日法律第三六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、令和三年九月一日から施行する。 ただし、附則第六十条の規定は、公布の日から施行する。
(処分等に関する経過措置)
第五十七条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条において「旧法令」という。)の規定により従前の国の機関がした認定等の処分その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条において「新法令」という。)の相当規定により相当の国の機関がした認定等の処分その他の行為とみなす。 この法律の施行の際現に旧法令の規定により従前の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定により相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。 この法律の施行前に旧法令の規定により従前の国の機関に対して申請、届出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前に従前の国の機関に対してその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、これを、新法令の相当規定により相当の国の機関に対してその手続がされていないものとみなして、新法令の規定を適用する。
(命令の効力に関する経過措置)
第五十八条 旧法令の規定により発せられた内閣府設置法第七条第三項の内閣府令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定に基づいて発せられた相当の第七条第三項のデジタル庁令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令としての効力を有するものとする。
(政令への委任)
第六十条 附則第十五条、第十六条、第五十一条及び前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(令和六年五月一七日法律第二四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、令和七年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
別表第一 (第三条、第三十二条関係)
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別表第二 (第三条、第三十二条関係)
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別表第三 (第三条、第三十二条関係)
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別表第四 (第三条関係)
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