第一条 この法律は、国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域における拡声機の使用について必要な規制を行うことにより、これらの地域の静穏を保持し、もつて国会の審議権の確保と良好な国際関係の維持に資することを目的とする。
(定義)第二条 この法律において「国会議事堂等周辺地域」とは、別表第一に定める国会議事堂周辺地域及び次条第一項の規定により指定された地域をいう。
2 この法律において「外国公館等周辺地域」とは、第四条第一項の規定により指定された地域をいう。 (政党事務所周辺地域の指定)第三条 総務大臣は、衆議院議長又は参議院議長のいずれかの要請があつたときは、衆議院議員又は参議院議員が所属している政党の主たる事務所及びその周辺の地域のうち、第一条の目的に照らし静穏を保持することが必要であると認める地域を、期間を定めて、政党事務所周辺地域として指定するものとする。
2 前項の衆議院議長又は参議院議長の要請は、同項に規定する政党の申出により行うものとする。 3 総務大臣は、第一項の規定により政党事務所周辺地域を指定しようとするときは、あらかじめ、国家公安委員会と協議しなければならない。 4 総務大臣は、政党事務所周辺地域を指定する場合には、その旨並びにその区域及び期間を官報で告示しなければならない。 5 総務大臣は、政党事務所周辺地域についてその指定の必要がなくなつたと認めるときは、当該指定を解除しなければならない。 6 第三項の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。 7 総務大臣は、政党事務所周辺地域の指定を解除したときは、その旨を官報で告示しなければならない。 (外国公館等周辺地域の指定)第四条 外務大臣は、外交関係に関するウィーン条約第一条(i)に規定する使節団の公館、領事関係に関するウィーン条約第一条1(j)に規定する領事機関の公館及び条約において不可侵とされる外国政府又は国際機関の事務所並びにその周辺の地域並びに別表第二に定める外国要人の所在する場所及びその周辺の地域のうち、第一条の目的に照らし静穏を保持することが必要であると認める地域を、期間を定めて、外国公館等周辺地域として指定することができる。
2 前条第三項から第七項までの規定は、外国公館等周辺地域の指定について準用する。 (拡声機の使用の制限)第五条 何人も、国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域において、当該地域の静穏を害するような方法で拡声機を使用してはならない。
2 前項の規定は、次に掲げる拡声機の使用については、適用しない。一 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の定めるところにより選挙運動又は選挙における政治活動のためにする拡声機の使用
二 災害、事故等が発生した場合において、人の生命、身体又は財産に対する危害を防止するためにする拡声機の使用
三 国又は地方公共団体の業務を行うためにする拡声機の使用
(違反に対する措置)第六条 警察官は、前条第一項の規定に違反して拡声機を使用している者があるときは、その者に対し、拡声機の使用をやめるべきことその他の当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(罰則)第七条 前条の規定による警察官の命令に違反した者は、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
(適用上の注意等)第八条 この法律の適用に当たつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。
2 この法律の規定は、法令の規定に従つて行われる請願のための集団行進について何らの影響を及ぼすものではない。附則
この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行する。附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)
(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(令和四年六月一七日法律第六八号)
この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一 第五百九条の規定 公布の日
別表第一 国会議事堂周辺地域(第二条関係)
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別表第二 外国要人(第四条関係)
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