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昭和六十三年法律第八十三号
多極分散型国土形成促進法

施行日:

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第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、人口及び行政、経済、文化等に関する機能が過度に集中している地域からこれらの機能の分散を図り、地方の振興開発と大都市地域の秩序ある整備を推進し、並びに住宅等の供給と地域間の交流を促進することにより、人口及びこれらの機能が特定の地域に過度に集中することなくその全域にわたり適正に配置され、それぞれの地域が有機的に連携しつつその特性を生かして発展している国土(以下「多極分散型国土」という。)の形成を促進し、もつて住民が誇りと愛着を持つことのできる豊かで住みよい地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(施策における配慮)

第二条 国及び地方公共団体は、この法律に規定する多極分散型国土の形成の促進に関する施策の策定及び実施に当たつては、地域における創意工夫を尊重し、並びに適正かつ合理的な土地利用の確保、環境の保全、国土の保全及び災害の防止に配慮するとともに、民間事業者、地域住民等の理解と協力を得るよう努めなければならない。

第二章 国の行政機関等の移転等

(国の行政機関及び特殊法人の配置)

第三条 国は、内閣府、デジタル庁及び国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)その他の法律の規定により内閣の統轄又は所轄の下に行政事務をつかさどるものとして置かれる機関(次条において「行政機関」という。)の官署並びに法律により直接に設立される法人及び特別の法律により特別の設立行為をもつて設立すべきものとされる法人(総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第一項第八号の規定の適用を受けない法人及び同号の規定の適用を受ける法人であつて株式会社であるものを除き、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人を含む。以下「特殊法人」という。)の主たる事務所の新設又は移転に当たつては、多極分散型国土の形成について配慮しなければならない。

(国の行政機関等の東京都区部からの移転等)

第四条 国は、東京都の特別区の存する区域(以下「東京都区部」という。)における人口及び行政、経済、文化等に関する機能の過度の集中の是正に資するため、行政機関の官署(東京都のみ又は東京都区部若しくはその一部のみをその管轄区域とするものを除く。次項において同じ。)及び特殊法人の主たる事務所の移転に関する基本方針(以下「移転基本方針」という。)に基づき、その東京都区部からの移転に努めなければならない。

2 移転基本方針においては、行政機関の官署及び特殊法人の主たる事務所のうち移転に努めるべきものの範囲に関する事項及びその移転に際し配慮すべき事項を定めるものとする。

3 国土交通大臣は、移転基本方針の案を作成して、閣議の決定を求めなければならない。

4 前項の規定は、移転基本方針の変更について準用する。

5 内閣総理大臣及び各省大臣は、東京都区部において、その所掌に係る行政機関の庁舎(行政機関がその事務を処理するために使用する建築物をいう。以下同じ。)の新築をし、又はその所管に属する庁舎について新たな使用若しくは使用の変更をしようとする場合において、関係法令の定めるところにより、当該庁舎の新築に関する計画書を財務大臣及び国土交通大臣に送付するとき又は当該庁舎の使用に関し財務大臣に報告したときは、庁舎の新築又は使用に関する政令で定める事項を国土交通大臣に通知しなければならない。 ただし、当該庁舎を新たに使用することとなる行政機関の官署のすべてが東京都のみ又は東京都区部若しくはその一部のみをその管轄区域とするものである場合その他政令で定める場合は、この限りでない。

6 特殊法人がその主たる事務所を東京都区部において新設し、又は移転しようとするときは、政令で定めるところにより、当該特殊法人を監督する大臣は、その旨を国土交通大臣に通知しなければならない。 ただし、当該移転が主たる事務所の用に供する建築物の改築等のための一時的なものであるときは、この限りでない。

7 国土交通大臣は、前二項の規定による通知を受けた場合において、東京都区部における人口及び行政、経済、文化等に関する機能の過度の集中を是正するため必要があると認めるときは、第五項の規定による通知を受けた場合にあつては当該通知をした大臣及び財務大臣に対し、前項の規定による通知を受けた場合にあつては当該通知をした大臣に対し、それぞれ意見を述べることができる。

(民間の施設の移転の促進等)

第五条 国及び地方公共団体は、民間の工場、事務所、研究施設、教育文化施設等の施設の国土の全域にわたる適正な配置を図るため、これらの施設について、これらの施設が過度に集中している地域からその他の地域への移転又は当該地域における新設若しくは増設を促進するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

第三章 地方の振興開発

第一節 地方の振興開発に関する施策

第六条 国及び地方公共団体は、地域社会の中心となる地方都市の育成を図るため、地方都市とその周辺地域の一体的な振興及び行政、経済、文化等に関する機能の各地方都市への適正な配置に留意しつつ、地方都市における産業の高度化、経済社会の情報化等に対応した都市機能の増進に資する施策の推進に努めなければならない。

2 国及び地方公共団体は、地域の特性に即した農林漁業その他の産業の振興を図り、豊かで住みよい農山漁村の育成を図るため、これらの地域における生活環境、産業基盤等の整備の推進に努めなければならない。

3 国及び地方公共団体は、人口の著しい減少、高齢化の進展等によりその基礎条件が著しく変化した集落について、住民の生活の安定と福祉の向上を図り、及び農林地その他の国土の保全に資するため、その再編整備その他必要な施策の推進に努めなければならない。

4 国は、前三項に規定する施策を実施するために必要な財政金融上の措置その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

第二節 振興拠点地域の開発整備

(振興拠点地域基本構想の作成)

第七条 都道府県は、当該都道府県内の特定の地域について、当該地域の特性に即した産業、文化、学術、研究、交流等に関する特色ある機能を集積させるための事業の総合的かつ計画的な実施を促進することにより、当該地域をその周辺の相当程度広範囲の地域の振興の拠点として開発整備するため、当該開発整備に関する基本的な構想(以下「振興拠点地域基本構想」という。)を作成し、主務大臣に協議し、その同意を求めることができる。

2 振興拠点地域基本構想においては、次に掲げる事項について定めるものとする。

前項に規定する開発整備を行おうとする地域(以下「振興拠点地域」という。)の区域

振興拠点地域のうち、次号に規定する施設の整備を特に促進することが適当と認められる地区(以下「重点整備地区」という。)の区域

前項の特色ある機能を集積させる上で中核となる研究施設、交通施設その他の政令で定める施設(以下この節において「中核的施設」という。)であつて民間事業者が設置及び運営をするもの(以下この節において「中核的民間施設」という。)のうち当該重点整備地区において整備されるべきものの種類、位置、規模、機能及び運営に関する基本的な事項

当該重点整備地区において整備されるべき中核的民間施設以外の中核的施設の設置に関する基本的な事項

前項に規定する開発整備のために特に必要と認められる公共施設その他の施設(中核的施設であるものを除く。以下この節において「公共施設等」という。)の整備の方針に関する事項

3 前項各号に掲げるもののほか、振興拠点地域基本構想においては、次に掲げる事項について定めるよう努めるものとする。

第一項に規定する開発整備の方針に関する事項

環境の保全、地価の安定その他第一項に規定する開発整備に際し配慮すべき事項

4 振興拠点地域基本構想は、国土形成計画その他法律の規定による地域振興に関する計画との調和が保たれたものでなければならない。

5 都道府県は、振興拠点地域基本構想を作成しようとするときは、関係市町村に協議しなければならない。

(振興拠点地域基本構想の同意)

第八条 主務大臣は、前条第一項の協議に係る振興拠点地域基本構想が同条第四項に規定する計画との調和が保たれたものであり、かつ、次の各号に該当するものであると認めるときは、その同意をするものとする。

当該振興拠点地域基本構想に係る地域が次に掲げる要件に該当するものであること。
 イ 人口及び行政、経済、文化等に関する機能が過度に集中している地域及びその周辺の地域であつて政令で定めるもの以外の地域であること。
 ロ 自然的経済的社会的条件からみて一体として前条第一項に規定する開発整備を図ることが相当と認められる地域であること。
 ハ 中核的施設及び公共施設等の用に供する土地の確保が容易であり、かつ、立地条件等からみて相当程度のそれらの施設の整備が確実と見込まれる地域であること。

当該振興拠点地域基本構想に係る前条第一項に規定する開発整備が当該振興拠点地域及びその周辺の相当程度広範囲の地域に対して適切な効果を及ぼすものであること。

その他国土交通大臣が同意に当たつての基準として次条の規定により定める事項(以下「同意基準」という。)に適合するものであること。

2 主務大臣は、振興拠点地域基本構想につき前項の規定による同意をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。

3 都道府県は、振興拠点地域基本構想が第一項の規定による同意を得たときは、遅滞なく、これを公表するよう努めなければならない。

(同意基準)

第九条 同意基準においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

第七条第一項に規定する開発整備に関する基本的な事項

振興拠点地域及び重点整備地区の設定に関する基本的な事項

中核的施設の設置、中核的民間施設の運営及び公共施設等の整備の方針に関する基本的な事項

環境の保全、地価の安定その他第七条第一項に規定する開発整備に際し配慮すべき重要事項

2 国土交通大臣は、同意基準を定めるに当たつては、第七条第一項に規定する開発整備に関し地方公共団体の自主性が生かされるよう配慮しなければならない。

3 国土交通大臣は、同意基準を定めようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。

4 国土交通大臣は、同意基準を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5 前二項の規定は、同意基準の変更について準用する。

(振興拠点地域基本構想の変更)

第十条 都道府県は、第八条第一項の規定による同意を得た振興拠点地域基本構想を変更しようとするときは、主務大臣に協議し、その同意を得なければならない。

2 第七条第五項及び第八条の規定は、前項の場合について準用する。

(振興拠点地域基本構想の実施等)

第十一条 都道府県は、振興拠点地域基本構想が第八条第一項の規定による同意を得たときは、関係民間事業者の能力を活用しつつ、第七条第一項に規定する開発整備を当該同意を得た振興拠点地域基本構想(前条第一項の規定による変更の同意があつたときは、その変更後のもの。以下この節において「同意基本構想」という。)に基づいて計画的に行うよう努めなければならない。

2 主務大臣、関係行政機関の長、関係地方公共団体及び関係事業者は、同意基本構想の円滑な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。

(促進協議会)

第十二条 同意基本構想に係る第七条第一項に規定する開発整備の内容が著しく広範にわたる等の場合において、主務大臣、関係行政機関の長及び当該同意基本構想を作成した都道府県の知事(以下この条において「主務大臣等」という。)が必要があると認めるときは、同意基本構想ごとに、当該開発整備の促進に関し必要な協議を行うための協議会(以下「促進協議会」という。)を組織することができる。

2 前項の協議を行うための会議(次項において「会議」という。)は、主務大臣等又はその指名する職員をもつて構成する。

3 会議において協議が調つた事項については、主務大臣等は、その協議の結果を尊重しなければならない。

4 促進協議会の庶務は、国土交通省において処理する。 ただし、当該促進協議会が沖縄県の区域内の地域について作成された同意基本構想に係るものであるときは、国土交通省及び内閣府において、共同してこれを処理する。

5 前項に定めるもののほか、促進協議会の運営に関し必要な事項は、促進協議会が定める。

第十三条 削除

(地方税の不均一課税に伴う措置)

第十四条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条第二項の規定により、総務省令で定める地方公共団体が、重点整備地区内において中核的民間施設のうち総務省令で定めるものを同意基本構想に従つて設置した者について、当該中核的民間施設の用に供する家屋若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税又は当該中核的民間施設の用に供する家屋若しくは構築物若しくはこれらの敷地である土地に対する固定資産税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が総務省令で定める場合に該当するものと認められるときは、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十四条の規定による当該地方公共団体の各年度における基準財政収入額は、同条の規定にかかわらず、当該地方公共団体の当該各年度分の減収額(固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあつては、これらの措置がなされた最初の年度以降三箇年度におけるものに限る。)のうち総務省令で定めるところにより算定した額を同条の規定による当該地方公共団体の当該各年度(これらの措置が総務省令で定める日以後において行われたときは、当該減収額について当該各年度の翌年度)における基準財政収入額となるべき額から控除した額とする。

(資金の確保)

第十五条 国及び地方公共団体(港務局を含む。次条、第十七条及び第十八条第二項において同じ。)は、同意基本構想に定める中核的民間施設の設置に要する経費に充てるために必要な資金の確保に努めなければならない。

(公共施設の整備)

第十六条 国及び地方公共団体は、同意基本構想に定める公共施設の整備の促進に努めなければならない。

(国等の援助)

第十七条 国及び地方公共団体は、同意基本構想の達成に資するため、同意基本構想に基づき中核的民間施設の設置及び運営を行う者に対し必要な助言、指導その他の援助を行うよう努めなければならない。

(地方債の特例等)

第十八条 地方公共団体が、民間事業者に貸し付け、又は出資の目的とするために、同意基本構想に定める重点整備地区において整備されるべき中核的施設及び第七条第一項に規定する開発整備のために特に必要と認められる施設であつて、公共施設以外のものの整備を行おうとする場合においては、当該整備に要する経費(当該地方公共団体の財政状況、当該事業の性質等を勘案して総務大臣が指定する経費に限る。)であつて地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条各号に規定する経費に該当しないものは、同条第五号に規定する経費とみなす。

2 地方公共団体が、同意基本構想を達成するために行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮をするものとする。

(農地法等による処分についての配慮)

第十九条 国の行政機関の長又は都道府県知事は、重点整備地区内の土地を同意基本構想に定める中核的施設の用に供するため、農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該施設の設置の促進が図られるよう適切な配慮をするものとする。

(監視区域の指定)

第二十条 都道府県知事又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)の長は、振興拠点地域及びその周辺の地域のうち、地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによつて適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域を国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)第二十七条の六第一項の規定により監視区域として指定するよう努めるものとする。

第四章 大都市地域の秩序ある整備

第一節 大都市の機能の改善等

第二十一条 国及び地方公共団体は、人口及び行政、経済、文化等に関する機能が過度に集中している大都市について、これらの機能の適正な配置を図るための施策その他都市機能の改善に資する施策の推進に努めなければならない。

2 国及び地方公共団体は、前項に規定する施策の推進に当たつては、災害の発生を予防し、又は災害の拡大を防止するために必要な建物の不燃堅化の促進、河川、道路、公園及び緑地の整備その他の措置を講じつつ、これを行うよう努めるものとする。

第二節 業務核都市の整備

(業務核都市基本方針)

第二十二条 国土交通大臣は、東京都区部における人口及び行政、経済、文化等に関する機能の過度の集中を是正し、これらの機能の東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県及び茨城県の区域のうち、東京都区部及びこれと社会的経済的に一体である政令で定める広域をいう。以下同じ。)における適正な配置を図るため、東京圏における東京都区部以外の地域においてその周辺の相当程度広範囲の地域の中核となるべき都市の区域(以下「業務核都市」という。)について、事務所、営業所等の業務施設(以下「業務施設」という。)を集積させることによるその整備に関する基本方針(以下「業務核都市基本方針」という。)を定めなければならない。

2 業務核都市は、次に掲げる要件を備えていなければならない。

広域的な経済社会生活圏の中心であること。

行政、経済、文化等に関する機能の東京圏における適正な配置に資するものであること。

次項第四号の施設及び業務施設の用に供する土地の確保が容易であること。

3 業務核都市基本方針においては、次に掲げる事項につき、次条第一項の基本構想の指針となるべきものを定めるものとする。

第一項に規定する整備に関する基本的な事項

業務核都市の設定に関する事項

業務核都市のうち、業務施設を特に集積させることが適当と認められる地区(以下「業務施設集積地区」という。)の設定に関する事項

業務施設集積地区を整備する上で中核となる研究施設、交通施設その他の政令で定める施設(以下この節において「中核的施設」という。)の設置並びに中核的施設であつて民間事業者が設置及び運営をするもの(以下この節において「中核的民間施設」という。)の運営に関する基本的な事項

第一項に規定する整備のために特に必要と認められる公共施設その他の施設(中核的施設であるものを除く。以下この節において「公共施設等」という。)の整備の方針に関する基本的な事項

環境の保全、地価の安定その他第一項に規定する整備に際し配慮すべき重要事項

4 業務核都市基本方針は、国土形成計画、首都圏整備計画その他法律の規定による地域振興に関する計画との調和が保たれたものでなければならない。

5 国土交通大臣は、業務核都市基本方針を定めようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。

6 国土交通大臣は、業務核都市基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

7 前二項の規定は、業務核都市基本方針の変更について準用する。

(業務核都市基本構想の作成)

第二十三条 都県は、業務核都市基本方針に基づき、当該都県内の都市の区域であつて前条第二項各号に掲げる要件に該当すると認められるものについて、同条第一項に規定する整備に関する基本構想(以下「業務核都市基本構想」という。)を作成し、主務大臣に協議し、その同意を求めることができる。

2 業務核都市基本構想においては、次に掲げる事項について定めるものとする。

業務核都市の名称及び範囲

業務施設集積地区の区域

中核的民間施設の種類、位置、規模、機能及び運営に関する基本的な事項

中核的民間施設以外の中核的施設の設置に関する基本的な事項

公共施設等の整備の方針に関する事項

3 前項各号に掲げるもののほか、業務核都市基本構想においては、次に掲げる事項について定めるよう努めるものとする。

前条第一項に規定する整備の方針に関する事項

環境の保全、地価の安定その他前条第一項に規定する整備に際し配慮すべき事項

4 都県は、業務核都市基本構想を作成しようとするときは、関係市町村に協議しなければならない。

(業務核都市基本構想の同意)

第二十四条 主務大臣は、前条第一項の協議に係る業務核都市基本構想が次の各号に該当するものであると認めるときは、その同意をするものとする。

当該業務核都市基本構想に係る業務核都市が第二十二条第二項各号に掲げる要件に該当し、かつ、業務核都市基本方針に適合するものであること。

前条第二項第二号から第五号までに掲げる事項にあつては、業務核都市基本方針に適合するものであること。

当該業務核都市基本構想に係る第二十二条第一項に規定する整備が当該業務核都市及びその周辺の相当程度広範囲の地域に対して適切な効果を及ぼすものであること。

その他業務核都市基本方針に照らして適切なものであること。

2 主務大臣は、業務核都市基本構想につき前項の規定による同意をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。

3 都県は、業務核都市基本構想が第一項の規定による同意を得たときは、遅滞なく、これを公表するよう努めなければならない。

(業務核都市基本構想の変更)

第二十五条 都県は、前条第一項の規定による同意を得た業務核都市基本構想を変更しようとするときは、主務大臣に協議し、その同意を得なければならない。

2 第二十三条第四項及び前条の規定は、前項の場合について準用する。

(振興拠点地域に関する規定の準用)

第二十六条 第十一条第一項の規定は第二十二条第一項に規定する整備について、第十一条第二項の規定は第二十四条第一項の規定による同意を得た業務核都市基本構想(前条第一項の規定による変更の同意があつたときは、その変更後のもの。以下この条において「同意基本構想」という。)について、第十五条の規定は同意基本構想に定める中核的民間施設について、第十六条の規定は同意基本構想に定める公共施設について、第十七条の規定は同意基本構想に基づき中核的民間施設の設置及び運営を行う者について、第十八条第一項の規定は同意基本構想に定める中核的施設及び第二十二条第一項に規定する整備のために特に必要と認められる施設であつて、公共施設以外のものについて、第十八条第二項の規定は同意基本構想を達成するために行う事業について、第二十条の規定は業務核都市及びその周辺の地域について、それぞれ準用する。

第五章 住宅等の供給の促進

第二十七条 国及び地方公共団体は、地域の特性に応じつつ、居住環境の良好な住宅及び宅地の供給の促進に関する施策を総合的に実施するよう努めなければならない。

2 国及び地方公共団体は、著しい住宅地需要が存する大都市地域において、優良な宅地開発を促進するために必要な措置並びに宅地開発及び鉄道新線の建設を一体的に推進するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

3 国及び地方公共団体は、市街地における住宅、事務所等の供給を促進するため、道路、空地の整備等市街地の環境の整備改善に配意しつつ、民間事業者による市街地の再開発を促進すること等により土地の合理的かつ健全な高度利用が図られるよう努めなければならない。

第六章 地域間の交流の促進

(総合的な高速交通施設の体系の整備)

第二十八条 国は、全国各地域を有機的かつ効率的に連結した高速交通網の構築による全国各地域間の交流の促進を図るため、地域間の交通の利便性の向上、地域間の交通の利便性に関する地域格差の是正並びに各地域における地域間の交通に係る需要の動向及び交通施設に関する利用者の選好の動向に配慮しつつ、全国的な交通網を構成する道路、鉄道、空港等の交通施設で高速交通の用に供するものの総合的な体系の整備を促進するものとし、このために必要な調査及び計画の作成の推進、資金の確保等の財政金融上の措置その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

(情報の円滑な流通の促進を図るための措置)

第二十九条 国は、全国各地域間における情報の円滑な流通の促進を図るため、情報の流通に関する地域格差の是正と経費の低廉化に配慮しつつ、基幹的な電気通信設備の計画的な整備、地域の特性に応じた情報処理又は電気通信の高度化のための基盤の整備等を促進し、並びに高度かつ多様な情報処理及び電気通信のサービスの普及を図るために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(地域間の交流の機会の増大等)

第三十条 前二条に規定するもののほか、国及び地方公共団体は、都市と農山漁村との間等の地域間の交流の促進を図るため、経済活動、教養文化活動、スポーツ、レクリエーション等を通じた地域間の多様な交流の機会を増大させ、又は展示施設その他の施設の整備等を促進するために必要な資金の確保、助言、指導、情報の提供その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

第七章 雑則

(権限の委譲等)

第三十一条 国は、行政機能の各地域への分散を図ることにより多極分散型国土の形成に資するため、法律又はこれに基づく命令の規定により国の行政機関の長に属させられた権限を地方公共団体に委譲し、又は関係地方支分部局の長に委任すること等に努めるものとする。

(公共事業の実施についての配慮)

第三十二条 国は、公共事業の実施に関し多極分散型国土の形成が図られるよう適切な配慮をしなければならない。

(連絡調整等)

第三十三条 国土交通大臣は、必要があると認めるときは、総合的かつ計画的に実施すべき多極分散型国土の形成の促進に関する事業について、関係行政機関、関係地方公共団体及び関係事業者相互間の連絡調整を行うこと等により、その円滑な実施が図られるよう努めるものとする。

(大都市等の特例)

第三十四条 第七条、第八条及び第十条から第十二条までの規定により都道府県が処理することとされている事務は、振興拠点地域の全部が指定都市又は地方自治法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下この条において「指定都市等」という。)の区域に含まれる場合においては、当該指定都市等が処理する。

2 前項の場合においては、第七条、第八条、第十条及び第十一条の規定中都道府県に関する規定は、指定都市等に関する規定として指定都市等に適用があるものとする。

3 第一項の場合においては、第十二条第一項中「及び当該同意基本構想を作成した都道府県の知事」とあるのは、「並びに当該同意基本構想を作成した指定都市等の長及び当該指定都市等を包括する都道府県の知事」とする。

4 第二十六条において準用する第十一条及び第二十三条から第二十五条までの規定により都県が処理することとされている事務は、業務核都市の全部が指定都市の区域に含まれる場合においては、当該指定都市が処理する。

5 前項の場合においては、第二十六条において準用する第十一条及び第二十三条から第二十五条までの規定中都県に関する規定は、指定都市に関する規定として指定都市に適用があるものとする。

(主務大臣)

第三十五条 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。

振興拠点地域基本構想の協議に関する事項及び同意を得た振興拠点地域基本構想の円滑な実施の促進に関する事項については、国土交通大臣、内閣総理大臣、総務大臣、農林水産大臣及び経済産業大臣並びに当該振興拠点地域基本構想に定める第七条第二項第三号の中核的民間施設ごとに政令で定める大臣

業務核都市基本構想の協議に関する事項及び同意を得た業務核都市基本構想の円滑な実施の促進に関する事項については、国土交通大臣、総務大臣及び経済産業大臣並びに当該業務核都市基本構想に定める第二十二条第三項第四号の中核的民間施設ごとに政令で定める大臣

附則

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、第三章第二節、第四章第二節、第三十四条、第三十五条、次条、附則第三条及び附則第五条から附則第十条までの規定は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一〇年六月二日法律第八六号)

(施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一一年七月一六日法律第八七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(多極分散型国土形成促進法の一部改正に伴う経過措置)
第四十八条 施行日前に第九十条の規定による改正前の多極分散型国土形成促進法(以下この条において「旧多極分散法」という。)第八条第一項(旧多極分散法第十条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第二十四条第一項(旧多極分散法第二十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定によりされた承認又はこの法律の施行の際現に旧多極分散法第七条第一項若しくは第二十三条第一項の規定によりされている承認の申請若しくは旧多極分散法第十条第一項若しくは第二十五条第一項の規定による変更の承認のためにされている申請は、それぞれ第九十条の規定による改正後の多極分散型国土形成促進法(以下この条において「新多極分散法」という。)第八条第一項(新多極分散法第十条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第二十四条第一項(新多極分散法第二十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定によりされた同意又は新多極分散法第七条第一項若しくは第二十三条第一項の規定による協議の申出若しくは新多極分散法第十条第一項若しくは第二十五条第一項の規定による変更の協議の申出とみなす。 施行日前に旧多極分散法第八条第一項第三号の規定により定められた承認に当たっての基準は、新多極分散法第八条第一項第三号の規定により定められた同意に当たっての基準とみなす。

(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(平成一七年三月三一日法律第二一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十七年四月一日から施行する。

(その他の経過措置の政令への委任)
第八十九条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成一七年七月二九日法律第八九号)

(施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。 ただし、次項及び附則第二十七条の規定は、公布の日から施行する。

(政令への委任)
第二十七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成一八年四月二六日法律第三一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十八年五月二十九日から施行する。

附則(平成二三年八月三〇日法律第一〇五号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

(政令への委任)
第八十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附則(平成二七年九月一一日法律第六六号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。

附則(令和三年五月一九日法律第三六号)

(施行期日)
第一条 この法律は、令和三年九月一日から施行する。 ただし、附則第六十条の規定は、公布の日から施行する。

(処分等に関する経過措置)
第五十七条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条において「旧法令」という。)の規定により従前の国の機関がした認定等の処分その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条において「新法令」という。)の相当規定により相当の国の機関がした認定等の処分その他の行為とみなす。 この法律の施行の際現に旧法令の規定により従前の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定により相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。 この法律の施行前に旧法令の規定により従前の国の機関に対して申請、届出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前に従前の国の機関に対してその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、これを、新法令の相当規定により相当の国の機関に対してその手続がされていないものとみなして、新法令の規定を適用する。

(命令の効力に関する経過措置)
第五十八条 旧法令の規定により発せられた内閣府設置法第七条第三項の内閣府令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定に基づいて発せられた相当の第七条第三項のデジタル庁令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令としての効力を有するものとする。

(政令への委任)
第六十条 附則第十五条、第十六条、第五十一条及び前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。