第一章 総則
(趣旨)第一条 補償法第二十四条に規定する補償の実施に関する審査の申立て(以下「審査の申立て」という。)及び同法第二十五条に規定する福祉事業の運営に関する措置の申立て(以下「措置の申立て」という。)については、別に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。
(災害補償審査委員会)第二条 人事院は、審査の申立て及び措置の申立ての審理を行わせるため、災害補償審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。
第三条 委員会は、審査の申立て及び措置の申立ての審理を行い、それが終了したときは、委員会の意見を付した調書を作成し、これを人事院に提出しなければならない。
第四条 委員会の委員は、五名とし、人事院の職員及び学識経験のあるその他の者のうちから総裁が任命する。
2 委員の任期は、一年とし、再任を妨げない。 3 補欠の委員の任期は、前任委員の残任期間とする。 4 委員は、非常勤とする。第五条 委員会に、委員長を置く。
2 委員長は、委員のうちから総裁が指名する。 委員長に事故のあるときは、総裁の指名する委員がその職務を代理する。 3 委員長は、審理を指揮し、その進行を図り、及び委員会の事務を掌理する。第六条 委員会の会議は、委員の過半数をもつて定足数とする。
2 会議の議決は、出席委員の多数決によるものとし、可否同数のときは、委員長の決するところによる。第七条 事務総長は、人事院の職員のうちから、委員会の書記を指名する。
2 書記は、委員長の命を受けて、審理に関する事務につき、文書の作成、発送その他の庶務的事項をつかさどる。第二章 補償の実施に関する審査の申立て
(審査の申立ての方式)第八条 審査の申立ては、補償審査申立書(以下「審査申立書」という。)正副二通を提出してしなければならない。
(代理人による審査の申立て)第九条 審査の申立ては、代理人によつてすることができる。
2 代理人は、各自、審査申立人のために、当該審査の申立てに関する一切の行為をすることができる。 ただし、審査の申立ての取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。 (代理人の資格の証明等)第十条 代理人の資格は、書面で証明しなければならない。 前条第二項ただし書に規定する特別の委任についても、同様とする。
2 代理人がその資格を失つたときは、審査申立人は、書面でその旨を人事院に届け出なければならない。 (審査申立書の記載事項)第十一条 審査申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 審査申立人の氏名、生年月日及び住所並びに災害を受けた職員との続柄又は関係
二 災害を受けた職員の氏名並びに災害発生当時に占めていた官職及び勤務していた官署又は事務所
三 補償に関する実施機関の通知の要旨及び年月日
四 審査の申立ての趣旨及び理由
五 審査の申立ての年月日
2 審査申立人が代理人によつて審査の申立てをするときは、審査申立書には、前項各号に掲げる事項のほか、その代理人の氏名及び住所を記載しなければならない。 (審査申立書の審査等)第十二条 人事院は、審査申立書が提出されたときは、審査申立人の資格、審査の申立ての趣旨及び理由その他の記載事項について審査し、その申立てが適法なものであるときは受理し、不適法であつて補正することができないものであるときは却下するものとする。
第十三条 前条に規定する審査の結果、審査の申立てが不適法であつて補正することができるものであるときは、人事院は、相当の期間を定めて、その補正を命ずるものとする。 ただし、審査の申立てが不適法であつても、それが軽微なものであつて審査の申立ての趣旨に影響のないものであるときは、人事院は、自らその補正をすることができる。
2 前項の期間内に審査申立人が補正しなかつたときは、人事院は、当該審査の申立てを却下するものとする。 (受理及び却下の通知)第十四条 人事院は、審査の申立てを受理したときは、その旨を審査申立人及び実施機関に通知し、並びに実施機関に審査申立書の副本を送付するものとし、第十二条又は前条第二項の規定により審査の申立てを却下したときは、その旨を審査申立人に通知するものとする。
(審査の併合及び分離)第十五条 人事院は、必要があると認めるときは、数個の審査の申立てを併合し、又は併合された数個の審査の申立てを分離することができる。
(委員会に対する付議)第十六条 人事院は、審査の申立てを受理したときは、速やかにこれを委員会の審理に付するものとする。
(審理の方式)第十七条 審査の申立ての審理は、書面による。 ただし、審査申立人の申立てがあつたときは、委員会は、審査申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。
2 前項ただし書の規定による意見の陳述は、非公開で行うものとする。 (証拠書類等の提出)第十八条 審査申立人及び実施機関は、証拠書類その他の物件を委員会に提出することができる。 ただし、委員会が証拠書類その他の物件を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
(委員会の審理に関する権限)第十九条 委員会は、審理に関し必要があるときは、補償法第二十六条及び第二十七条に定める人事院の権限を行うことができる。
(調書)第二十条 第三条の規定により委員会の作成する調書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 件名
二 審理を終了した年月日
三 審理の内容の概要
四 委員会の意見
五 審理を行つた委員の氏名
(手続の承継)第二十一条 審査申立人が死亡したときは、相続人は、審査申立人の地位を承継する。
2 前項の場合には、相続人は、書面でその旨を人事院に届け出なければならない。 この場合には、届出書には、相続を証する書面を添付しなければならない。 3 第一項の場合において、前項の規定による届出がされるまでの間において、死亡者にあててされた通知その他の行為が相続人に到達したときは、相続人に対する通知その他の行為としての効力を有する。 4 第一項の場合において、相続人が二人以上あるときは、その一人に対する通知その他の行為は、全員に対してされたものとみなす。 (審査の申立ての取下げ)第二十二条 審査申立人は、判定があるまでは、いつでも審査の申立てを取り下げることができる。
2 審査の申立ての取下げは、書面でしなければならない。 (審査の打ち切り)第二十三条 審査の申立てが人事院に係属中に、審査申立人が死亡し、第二十一条の規定による手続の承継が行われなかつた場合又は審査の申立ての事由の消滅等により事案の審査を継続する必要がなくなつた場合には、人事院は、その事案の審査を打ち切り、審査の申立てを却下することができる。
(判定)第二十四条 審査の申立てが理由がないときは、人事院は、判定で、当該審査の申立てを棄却する。
2 審査の申立てが理由があるときは、人事院は、判定で、当該審査の申立てに係る補償の実施を変更し、又は命ずる。 3 前二項の判定は、委員会の提出した調書に基づいて行うものとする。 (判定の方式)第二十五条 判定は、書面で行い、かつ、審査の申立ての要旨及び判定の理由を付するものとする。
2 判定は、指令で行う。 (判定の通知)第二十六条 判定の通知は、判定書の正本を審査申立人及び実施機関に送付して行う。
(証拠書類等の返還)第二十七条 人事院が判定を行つたときは、委員会は、補償法第二十六条の規定により提出させた文書その他の物件及び第十八条の規定により提出された証拠書類その他の物件を速やかにその提出人に返還しなければならない。
第三章 福祉事業の運営に関する措置の申立て
(措置の申立ての方式)第二十八条 措置の申立ては、福祉事業措置申立書(以下「措置申立書」という。)正副二通を提出してしなければならない。
(措置申立書の記載事項)第二十九条 措置申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 措置申立人の氏名、生年月日及び住所並びに公務上の災害又は通勤による災害を受けた職員との続柄又は関係
二 公務上の災害又は通勤による災害を受けた職員の氏名並びに災害発生当時に占めていた官職及び勤務していた官署又は事務所
三 福祉事業に関する実施機関の通知の要旨及び年月日
四 措置の申立ての趣旨及び理由
五 措置の申立ての年月日
(質問、報告等)第三十条 委員会は、審理のため必要があると認めるときは、措置申立人若しくはその他の関係人に対して、質問し、報告を求め、若しくは証拠書類その他の物件の提出を求め、又は公務上の災害若しくは通勤による災害を受けた職員に医師の診断を受けることを求めることができる。
第三十一条 委員会は、審理のため必要があると認めるときは、実地調査を行うことができる。
第三十二条 委員会は、必要があると認めるときは、調査員に、第三十条に規定する質問をさせ、又は前条の調査を行わせることができる。
(判定)第三十三条 措置の申立てが理由がないときは、人事院は、判定で、当該措置の申立てを棄却する。
2 措置の申立てが理由があるときは、人事院は、判定で、実施機関に対し、当該措置の申立てに係る福祉事業の運営について適切な措置をとることを指示する。 3 前二項の判定は、委員会の提出した調書に基づいて行うものとする。 (証拠書類等の返還)第三十四条 人事院が判定を行つたときは、委員会は、第三十条の規定及び次条において準用する第十八条の規定により提出された証拠書類その他の物件を速やかにその提出人に返還しなければならない。
(審査の申立ての規定の準用)第三十五条 第九条、第十条、第十一条第二項、第十二条から第十八条まで、第二十条から第二十三条まで、第二十五条及び第二十六条の規定は、措置の申立てについて準用する。