第一条 この省令は、漁業操業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定第一条1の日本国沿岸の地先沖合の公海水域における我が国の漁船又は漁具による操業のソヴィエト社会主義共和国連邦(以下「ソ連」という。)の漁船又は漁具による操業との調整に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)第二条 この省令において「操業責任者」とは、漁船の船長若しくは船長の職務を行う者又は漁船若しくは漁具による操業を指揮する者をいう。
2 この省令において「信号旗」とは、政府間海事協議機関が採択した国際信号書に定める国際信号旗をいう。 (底びき網漁船の信号)第三条 底びき網漁業に従事している漁船の操業責任者は、ソ連の漁船と著しく近接して漁業の操業を行う場合において、次の表の上欄に掲げる操業の状態をソ連の漁船に表示するときは、昼間においては、同表下欄に掲げる信号を行わなければならない。
2 かけまわし漁法による底びき網漁業に従事している漁船の操業責任者は、ソ連の漁船と著しく近接して漁業の操業を行う場合において、かけまわし漁法を用いていることをソ連の漁船に表示するときは、昼間においては赤色の吹流しを、夜間においては黄色の全周灯一個を掲げなければならない。 3 二そうびきの底びき網漁業に従事している漁船の操業責任者は、ソ連の漁船と著しく近接して漁業の操業を行う場合において、二そうびきであることをソ連の漁船に表示するときは、昼間においては、信号旗Tを掲げなければならない。 (灯火等の基準)第四条 前条第二項に規定する灯火は、長さ二十メートル以上の漁船にあつては海上衝突予防法(昭和五十二年法律第六十二号)第二十六条第三項に規定する灯火より下方の、長さ二十メートル未満の漁船にあつては海上衝突予防法施行規則(昭和五十二年運輸省令第十九号)第十六条第一項に規定する灯火より下方の位置にあり、一秒ごとにせん光を発するものでなければならない。
2 前条第二項に規定する赤色の吹流しは、別記様式第一号に従つたものでなければならない。 (音響信号)第五条 霧、もや、降雪又は視界が制限されているその他の状態において、漁ろうに従事している漁船の操業責任者は、ソ連の漁船と著しく近接して漁業の操業を行う場合には、海上衝突予防法第三十五条第四項に規定する信号を行つた後四秒以上六秒以下の間隔をおいて次の表の上欄に掲げる操業の状態に応じ、同表下欄に掲げる信号を行わなければならない。
2 前項において、「長音」とは約三秒間継続する吹鳴をいい、「短音」とは約一秒間継続する吹鳴をいう。 (漁具の標識)第六条 操業責任者は、錨により網、はえなわその他の漁具を海中に固定して操業を行う場合は、次により標識を付けたブイを当該漁具に設置するものとする。
一 昼間においては、漁具の最西端(西とは、南から西を経て北点までのコンパスの半円をいう。次号において同じ。)のブイには上下に二枚の赤色の旗又は一枚の赤色の旗及びレーダー反射器を、最東端(東とは、北から東を経て南点までのコンパスの半円をいう。次号において同じ。)のブイには一枚の白色の旗又はレーダー反射器を付けなければならない。
二 夜間においては、最西端のブイには一個の紅灯を、最東端のブイには一個の白灯を付けなければならない。
三 漁具の方向を示すため追加のブイを設置するときは、両端のブイから七十メートル以上百メートル以下の距離の所に一個ずつ設置しなければならない。
四 長さが一海里を超える漁具には、一海里以上の長さの無標識の漁具の部分がないように、一海里を超えない間隔で追加のブイを設置しなければならない。
2 操業責任者は、網及びはえなわを海中に浮遊させて操業を行う場合は、両端に、及び二海里を超えない間隔で、昼間においては一枚の黄色の旗又はレーダー反射器を付けたブイを、夜間においては視界が良好な場合に少なくとも二海里離れた所から視認される一個の白灯を付けたブイを設置しなければならない。 3 漁船に漁具をつないでいるときは、漁船につないでいる端には、前二項の規定にかかわらず、ブイを設置することを要しない。 4 各ブイに付けた旗ざおは、ブイの表面から少なくとも二メートルの高さのものでなければならない。 5 第一項及び第二項に規定する標識旗は、別記様式第二号に従つたものでなければならない。 (操業の調整)第七条 操業責任者は、ソ連の漁船が既に漁業の操業を行つている漁場又は漁業の操業のために漁具を設置してある漁場に到着したときは、海中に設置されている漁具の位置及び範囲を確かめなければならない。
2 操業責任者は、前項に規定する漁場においては、既に行われているソ連の漁業の操業の妨害又は障害となるような形で自船を位置させ、又は漁具を設置してはならない。 (投錨又は停留の制限)第八条 漁業の操業を行つていない操業責任者は、ソ連の漁船が既に漁業の操業を行つている漁場においては、当該漁業の操業の妨害となり得る場所に投錨し、又は停留してはならない。
(見張り)第九条 操業責任者は、漁業の操業中又は漁場における錨泊若しくは停留中は、操舵場所に、周囲の状況を常時かつ実効的に監視し、及びその時の状況により必要とされる行動をとり得る適当な見張りを置かなければならない。
(漁具の引つ掛けの防止)第十条 底びき網漁業に従事している漁船及び移動漁具を使用しているその他の漁船の操業責任者は、漁具の損傷を防止するため、ソ連の漁船の漁具又はシーアンカーを引つ掛けないようにするためのすべての可能な措置をとらなければならない。
(操業中の漁船間の距離等)第十一条 底びき網漁業及びきんちやく網漁業に従事している漁船の操業責任者は、漁具の損傷を防止するため、次の規定を遵守しなければならない。
一 投網の場所と方向を選定するに当たつては、漁具をえい行し、又は投網若しくは揚網を行つているソ連の漁船の漁業の操業を妨げてはならない。
二 漁具をえい行するソ連の漁船の船首の直前において、底びき網を投網し若しくは揚網し、又はきんちやく網を投網してはならない。
2 底びき網漁業に従事している漁船の操業責任者は、底びき網漁業に従事しているソ連の漁船と自船との間の距離を、次のとおり保たなければならない。一 真向かい又はほとんど真向かいに行き会う場合は、すれ違いの時点で四百メートル以上(自船がかけまわし漁法による底びき網漁業に従事している場合には千百メートル以上)
二 互いに進路を横切る方向に進行する場合において、自船が進路を譲るときは、ソ連の漁船の船尾の後方に千百メートル以上
三 同一方向に進行する場合において、ソ連の漁船を追い越すときは、追越しの時点で四百メートル以上(自船がかけまわし漁法による底びき網漁業に従事している場合には千百メートル以上)
3 底びき網漁業に従事している漁船の操業責任者は、きんちやく網漁業に従事しているソ連の漁船と自船との間の距離を千二百メートル以上に保たなければならない。 4 きんちやく網漁業に従事している漁船の操業責任者は、投網後において、きんちやく網漁業又はデンマーク式網漁業に従事しているソ連の漁船との漁船相互間及び網相互間の距離を九百メートル以上に保たなければならない。第十二条 操業責任者は、錨による漁具の設置及び浮遊漁具の投入を行う場合は、当該漁具とソ連の漁船又はその漁具との間の距離を九百メートル以上に保たなければならない。
第十三条 第十一条第二項、第三項及び第四項並びに前条に規定する場合を除くほか、操業責任者は、漁業の操業を行つているソ連の漁船又はその漁具で錨により海中に固定されたもの若しくは海中に浮遊するものと自船との間の距離を五百メートル以上に保たなければならない。
(漁具の絡み合いの処理)第十四条 操業責任者は、自船の漁具がソ連の漁船の漁具と絡み合つた場合は、次の各号の一に該当する場合を除くほか、当該ソ連の漁船の漁具を切断し、かぎで引つ掛け、又は揚げてはならない。
一 当事者の同意があつたとき
二 人命又は急迫した危険のある船舶の救助に従事するとき
三 切断以外の方法によつては解くことができないとき
2 前項第三号の規定により、はえなわを切断した時は、操業責任者は、切断したはえなわを、できる限り速やかに、かつ、できる限り原状の通りにつなぎ合わせなければならない。第十五条 ソ連の漁船の漁具に絡み合いをもたらした漁具に係る操業責任者は、ソ連の漁船の当該漁具に生ずる損傷を最小にするために必要なすべての措置を講じなければならない。
2 操業責任者は、ソ連の漁船の漁具により自船の漁具が絡まれた場合には、双方の漁船の漁具の損傷を大きくするような行動をとつてはならない。 (停船等)第十六条 操業責任者は、ソ連の漁船又はその漁具に損傷を与えた場合には、直ちに停船しなければならない。
2 操業責任者が、ソ連の漁船による操業により漁船又は漁具に損傷を受けた場合において、ソ連の漁船の操業責任者に対して停船を求めるときは、政府間海事協議機関が採択した国際信号書に規定する次に掲げる信号その他の適切な手段により行うものとする。一 信号旗Lを掲げること。
二 サイレン、汽笛その他の音響信号によりLの信号(短音一回、長音一回、短音二回)を約七秒の間隔を置いて連続して行うこと。
三 投光器によりLの信号(短光一回、長光一回、短光二回)を約七秒の間隔を置いて連続して行うこと。
3 前項において、「長音」又は「長光」とは、約三秒間継続する吹鳴又は投光をいい、「短音」又は「短光」とは、約一秒間継続する吹鳴又は投光をいう。 (事故の確認及び報告)第十七条 操業責任者は、ソ連の漁船との間に事故が生じた場合にはソ連の当該漁船の操業責任者と共同して事故の内容を確認するものとする。
2 操業責任者は、ソ連の漁船との間に事故が生じた場合には、できる限り速やかに、別記様式第三号の事故報告書を農林水産大臣に提出しなければならない。附則
この省令は、公布の日から施行する。附則(昭和五二年七月一五日農林省令第三五号)
この省令は、公布の日から施行する。附則(昭和五三年七月五日農林省令第四九号)
第一条 この省令は、公布の日から施行する。
附則(平成七年一〇月三〇日農林水産省令第五七号)
この省令は、平成七年十一月四日から施行する。附則(平成一一年一月一一日農林水産省令第一号)
この省令は、公布の日から施行する。 この省令による改正前の土地改良法施行規則、獣医師法施行規則、家畜等の無償貸付及び譲与等に関する省令、肥料取締法施行規則、病菌害虫防除用機具貸付規則、植物防疫法施行規則、家畜改良増殖法施行規則、犬の輸出入検疫規則、農薬取締法施行規則、農産物検査法施行規則、家畜伝染病予防法施行規則、専門技術員資格試験等に関する省令、農業機械化促進法施行規則、養鶏振興法施行規則、日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定第二条の共同規制水域等におけるさばつり漁業及び沿岸漁業等の取締りに関する省令、林業種苗法施行規則、卸売市場法施行規則、漁業操業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定第一条1の日本国沿岸の地先沖合の公海水域における漁業の操業の調整に関する省令、分収林特別措置法施行規則、農林水産省関係研究交流促進法施行規則、アリモドキゾウムシの緊急防除に関する省令、牛及び豚のうち純粋種の繁殖用のもの並びに無税を適用する馬の証明書の発給に関する省令、野菜栽培用の豆の証明書の発給に関する省令、ナシ枝枯細菌病菌の緊急防除を行うために必要な措置に関する省令及びイモゾウムシの緊急防除に関する省令(以下「関係省令」という。)に規定する様式による書面は、平成十一年三月三十一日までの間は、これを使用することができる。 平成十一年三月三十一日以前に使用されたこの省令による改正前の関係省令に規定する様式による書面は、この省令による改正後の関係省令に規定する様式による書面とみなす。附則(令和二年七月八日農林水産省令第四九号)
この省令は、漁業法等の一部を改正する等の法律(以下「改正法」という。)の施行の日(令和二年十二月一日)から施行する。 この省令の施行前にした行為及び前項の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの省令の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。附則(令和二年一二月二一日農林水産省令第八三号)
(施行期日)
第一条 この省令は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 この省令の施行の際現にあるこの省令による改正前の様式(次項において「旧様式」という。)により使用されている書類は、この省令による改正後の様式によるものとみなす。 この省令の施行の際現にある旧様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
別記様式第一号
(第四条関係)[PDF]
別記様式第二号
(第六条関係)[PDF]
様式第三号
(第十七条関係)[PDF]