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昭和四十九年法律第七十八号
発電用施設周辺地域整備法

施行日:

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(目的)

第一条 この法律は、電気の安定供給の確保が国民生活と経済活動にとつてきわめて重要であることにかんがみ、発電用施設の周辺の地域における公共用の施設の整備その他の住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業を促進することにより、地域住民の福祉の向上を図り、もつて発電用施設の設置及び運転の円滑化に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「発電用施設」とは、原子力発電施設、水力発電施設若しくは地熱発電施設又は火力発電施設(沖縄県の区域に設置されるものに限る。)で、政令で定める者が設置する政令で定める規模以上のもの及び原子力発電に使用される核燃料物質の再処理施設その他の原子力発電と密接な関連を有する施設で、政令で定めるものをいう。

(地点の指定)

第三条 主務大臣は、発電用施設の設置が予定されている地点のうち、次の各号に該当するものを指定し、これを公示するものとする。

その地点における発電用施設の設置に関する計画が確実であると認められること。

その地点が、大都市及びその周辺の地域のうち政令で定めるもの又はそれ以外の地域で工業の集積の程度について政令で定める要件に該当するものに属さないこと。

その地点の周辺の地域において公共用の施設の整備その他の住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業を行うことがその地点における発電用施設の設置及び運転の円滑化に資するため必要であると認められること。

2 主務大臣は、前項の規定による地点の指定をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。

(公共用施設整備計画)

第四条 都道府県知事は、前条第一項の規定により指定された地点が属する市町村の区域及びこれに隣接する市町村の区域(その地点に水力発電施設の設置が予定されている場合にあつては、その地点が属する市町村の区域。以下「周辺地域」という。)について道路、港湾、漁港、都市公園、水道その他政令で定める公共用の施設(以下「公共用施設」という。)の整備に関する計画(以下「公共用施設整備計画」という。)を作成し、主務大臣に協議し、その同意を求めることができる。

2 都道府県知事は、前条第一項の規定により指定された地点の二以上が近接している場合において、当該周辺地域(前項後段に規定する場合にあつては、同項後段に規定する市町村の区域を含む。以下この条において同じ。)における公共用施設の整備を効率的に行うため必要があると認めるときは、当該周辺地域について一の公共用施設整備計画を作成することができる。

3 公共用施設整備計画は、当該周辺地域の住民の福祉の向上を図るため特に必要があると認められる公共用施設で、発電用施設又は工事用道路、荷揚げ用岸壁その他の発電用施設の関連施設(第五項において「発電用施設関連施設」という。)と併せて整備することが必要と認められるものの整備に関する事業(水源地域対策特別措置法(昭和四十八年法律第百十八号)第四条第二項に規定する整備事業及び発電用施設の設置に伴う損失の補償として行われるものを除く。)の概要及び経費の概算について定めるものとする。

4 都道府県知事は、公共用施設整備計画を作成しようとするときは、第一項に規定する市町村の長、公共用施設整備計画に基づく事業を行うこととなる者(国を除く。)及び発電用施設を設置する者の意見を聴かなければならない。

5 都道府県知事は、公共用施設整備計画を作成するため必要があると認めるときは、発電用施設を設置する者に対し、当該周辺地域における発電用施設関連施設の整備に関する計画の提出を求め、及びその計画に関し意見を述べることができる。

6 公共用施設整備計画は、他の法律の規定による地域の振興又は整備に関する計画との調和及び地域の環境の保全について適切な配慮が払われたものでなければならない。

7 主務大臣は、公共用施設整備計画が適当なものであると認められるときは、協議により、これに同意するものとする。

8 主務大臣は、前項の規定により公共用施設整備計画に同意しようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。

9 第一項及び第三項から前項までの規定は、公共用施設整備計画を変更する場合に準用する。

(事業の実施)

第五条 前条第七項の規定による同意を得た公共用施設整備計画(同条第九項において準用する同条第七項の規定による同意があつたときは、その同意後のもの。以下「同意公共用施設整備計画」という。)に基づく事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法律(これに基づく命令を含む。)の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が行うものとする。

(発電用施設を設置する者の協力)

第六条 発電用施設を設置する者は、同意公共用施設整備計画に基づく事業が円滑に実施されるように協力しなければならない。

(交付金)

第七条 国は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、地方公共団体(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第四条第一項の規定による港務局を含む。次条において同じ。)に対し、同意公共用施設整備計画に基づく事業に係る経費に充てるため、交付金を交付することができる。

(国の普通財産の譲渡)

第八条 国は、同意公共用施設整備計画に基づく事業の用に供するため必要があると認めるときは、その事業に係る経費を負担する地方公共団体に対し、普通財産を譲渡することができる。

(国の財政上及び金融上の援助)

第九条 国は、前二条に定めるもののほか、同意公共用施設整備計画を達成するため必要があると認めるときは、同意公共用施設整備計画に基づく事業を実施する者に対し、財政上及び金融上の援助を与えるものとする。

(利便性向上等事業計画)

第十条 都道府県知事は、周辺地域について住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業(公共用の施設の整備を除く。以下同じ。)で政令で定めるものに関する計画(以下「利便性向上等事業計画」という。)を作成し、主務大臣に協議し、その同意を求めることができる。

2 利便性向上等事業計画は、当該周辺地域(第四項において準用する第四条第一項後段に規定する場合にあつては、同項後段に規定する市町村の区域を含む。)の住民の福祉の向上を図るため特に必要があると認められる住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業(民間事業者が当該事業を実施する場合にあつては、当該民間事業者に対する支援措置を含む。)の概要及び経費の概算について定めるものとする。

3 主務大臣は、利便性向上等事業計画が適当なものであると認められるときは、協議により、これに同意するものとする。

4 第四条第一項後段、第二項、第四項から第六項まで、第八項及び第九項、第五条から第七条まで並びに第九条の規定は、利便性向上等事業計画に準用する。

(中小企業信用保険法の特例)

第十一条 中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)第三条第一項に規定する普通保険、同法第三条の二第一項に規定する無担保保険又は同法第三条の三第一項に規定する特別小口保険の保険関係であつて、周辺地域整備関連保証(同法第三条第一項、第三条の二第一項又は第三条の三第一項に規定する債務の保証であつて、同意利便性向上等事業計画に基づく事業を行う者として経済産業省令で定めるところにより当該利便性向上等事業計画を作成した都道府県知事の認定を受けた中小企業者が当該事業を行うのに必要な資金に係るものをいう。以下同じ。)を受けた中小企業者に係るものについての次の表の上欄に掲げる同法の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。

2 中小企業信用保険法第三条の八第一項に規定する新事業開拓保険の保険関係であつて、周辺地域整備関連保証を受けた中小企業者に係るものについての同項及び同条第二項の規定の適用については、同条第一項中「二億円」とあるのは「三億円(発電用施設周辺地域整備法第十条第三項の規定による同意を得た利便性向上等事業計画に基づく事業に必要な資金(以下「周辺地域整備事業資金」という。)以外の資金に係る債務の保証に係る保険関係については、二億円)」と、「四億円」とあるのは「六億円(周辺地域整備事業資金以外の資金に係る債務の保証に係る保険関係については、四億円)」と、同条第二項中「二億円」とあるのは「三億円(周辺地域整備事業資金以外の資金に係る債務の保証に係る保険関係については、二億円)」とする。

(主務大臣等)

第十二条 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。

第三条第一項及び附則第二項の規定による地点の指定並びに第十条第三項(同条第四項において読み替えて準用する第四条第九項において準用する場合を含む。)の規定による利便性向上等事業計画の同意に関する事項については、文部科学大臣及び経済産業大臣(水力発電施設、地熱発電施設及び火力発電施設に係る事項については、経済産業大臣)

第四条第七項(同条第九項において準用する場合を含む。)の規定による公共用施設整備計画の同意に関する事項については、文部科学大臣、経済産業大臣及び当該公共用施設整備計画に基づく事業を所管する大臣(水力発電施設、地熱発電施設及び火力発電施設に係る事項については、経済産業大臣及び当該公共用施設整備計画に基づく事業を所管する大臣)

2 この法律における主務省令は、文部科学大臣及び経済産業大臣の発する命令とする。

(政令への委任)

第十三条 この法律の実施のための手続その他必要な事項は、政令で定める。

附則

この法律は、公布の日から起算して四月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、第七条の規定は、昭和四十九年十月一日から施行する。 主務大臣は、この法律の施行の際現に発電用施設の設置の工事が行なわれている地点のうち、第三条第一項第二号に該当し、かつ、その周辺の地域において住民の福祉の向上に必要な公共用の施設を整備することが特に必要であると認められるものを指定し、これを公示するものとする。 主務大臣は、前項の規定による地点の指定をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。 附則第二項の規定により指定された地点は、第三条第一項の規定により指定された地点とみなす。

附則(平成一一年七月一六日法律第八七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(発電用施設周辺地域整備法の一部改正に伴う経過措置)
第百五条 施行日前に第三百三十八条の規定による改正前の発電用施設周辺地域整備法(以下この条において「旧発電用施設周辺地域整備法」という。)第四条第七項の規定により承認を受けた整備計画(同条第九項において準用する同条第七項の規定による承認があったときは、その承認後のもの)又はこの法律の施行の際現に旧発電用施設周辺地域整備法第四条第一項の規定によりされている承認の申請(同条第九項において準用する同条第一項の規定による承認の申請があったときは、その申請)は、それぞれ第三百三十八条の規定による改正後の発電用施設周辺地域整備法第四条第七項の規定により同意を得た整備計画又は同条第一項の規定によりされている協議の申出とみなす。

(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(平成一五年五月九日法律第三八号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十五年十月一日から施行する。

(発電用施設周辺地域整備法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 第一条の規定による改正前の発電用施設周辺地域整備法(以下この条において「旧整備法」という。)第三条第一項及び附則第二項の規定により指定された地点に係る旧整備法第二条の発電用施設(第一条の規定による改正後の発電用施設周辺地域整備法(以下この条において「新整備法」という。)第二条の発電用施設を除く。)については、当分の間、新整備法第二条の発電用施設とみなして、新整備法の規定を適用する。 旧整備法第三条第一項及び附則第二項の規定により指定された地点並びに旧整備法第四条第七項(同条第九項において準用する場合を含む。)の規定による同意を得た整備計画は、それぞれ新整備法第三条第一項の規定により指定された地点及び新整備法第四条第七項(同条第九項において準用する場合を含む。)の規定による同意を得た公共用施設整備計画とみなす。

(政令への委任)
第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成一八年四月二六日法律第三二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

附則(平成二三年八月三〇日法律第一〇五号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

(政令への委任)
第八十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附則(平成二七年五月二七日法律第二九号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、第二条(中小企業信用保険法附則に一項を加える改正規定を除く。)並びに附則第五条から第十二条まで及び第十五条から第十九条までの規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。