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昭和四十八年法律第七十二号
都市緑地法

施行日:

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第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、都市における緑地の保全及び緑化の推進に関し必要な事項を定めることにより、都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)その他の都市における自然的環境の整備を目的とする法律と相まつて、良好な都市環境の形成を図り、もつて健康で文化的な都市生活の確保に寄与することを目的とする。

(国及び地方公共団体の任務等)

第二条 国及び地方公共団体は、都市における緑地が住民の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであることにかんがみ、都市における緑地の適正な保全と緑化の推進に関する措置を講じなければならない。

2 事業者は、その事業活動の実施に当たつて、都市における緑地が適正に確保されるよう必要な措置を講ずるとともに、国及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するために行なう措置に協力しなければならない。

3 都市の住民は、都市における緑地が適正に確保されるよう自ら努めるとともに、国及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するために行なう措置に協力しなければならない。

(定義)

第三条 この法律において「緑地」とは、樹林地、草地、水辺地、岩石地若しくはその状況がこれらに類する土地(農地であるものを含む。)が、単独で若しくは一体となつて、又はこれらに隣接している土地が、これらと一体となつて、良好な自然的環境を形成しているものをいう。

2 この法律において「都市計画区域」とは都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第二項に規定する都市計画区域を、「準都市計画区域」とは同項に規定する準都市計画区域をいう。

3 この法律において「首都圏近郊緑地保全区域」とは、首都圏近郊緑地保全法(昭和四十一年法律第百一号。以下「首都圏保全法」という。)第三条第一項の規定による近郊緑地保全区域をいう。

4 この法律において「近畿圏近郊緑地保全区域」とは、近畿圏の保全区域の整備に関する法律(昭和四十二年法律第百三号。以下「近畿圏保全法」という。)第五条第一項の規定による近郊緑地保全区域をいう。

第二章 緑地の保全及び緑化の推進に関する基本方針及び計画

(基本方針)

第三条の二 国土交通大臣は、都市における緑地の保全及び緑化の推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。

2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

緑地の保全及び緑化の推進の意義及び目標に関する事項

緑地の保全及び緑化の推進に関する基本的な事項

緑地の保全及び緑化の推進のために政府が実施すべき施策に関する基本的な方針

都道府県における緑地の保全及び緑化の目標の設定に関する事項その他の次条第一項に規定する広域計画の策定に関する基本的な事項

市町村における緑地の保全及び緑化の目標の設定に関する事項その他の第四条第一項に規定する基本計画の策定に関する基本的な事項

前各号に掲げるもののほか、緑地の保全及び緑化の推進に関する重要事項

3 基本方針は、国土形成計画法(昭和二十五年法律第二百五号)第六条第二項に規定する全国計画及び環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十五条第一項に規定する環境基本計画との調和が保たれたものでなければならない。

4 国土交通大臣は、基本方針を定めようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。

5 国土交通大臣は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

6 前三項の規定は、基本方針の変更について準用する。

(広域計画)

第三条の三 都道府県は、都市における緑地の適正な保全及び緑化の推進に関する措置で主として都市計画区域内において講じられるものを総合的かつ計画的に実施するため、基本方針に基づき、当該都道府県の緑地の保全及び緑化の推進に関する計画(以下「広域計画」という。)を定めることができる。

2 広域計画においては、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。

緑地の保全及び緑化の目標

緑地の配置の方針その他の緑地の保全及び緑化の推進の方針に関する事項

緑地の保全及び緑化の推進のための施策に関する事項

都道府県の設置に係る都市公園(都市公園法第二条第一項に規定する都市公園をいう。次条第二項第四号において同じ。)の整備及び管理に関する事項

町村の区域内の緑地保全地域内における第八条の規定による行為の規制又は措置の基準

特別緑地保全地区内における第十七条の規定による土地の買入れ及び買い入れた土地の管理に関する事項

3 広域計画は、環境基本法第十五条第一項に規定する環境基本計画との調和が保たれるとともに、景観法(平成十六年法律第百十号)第八条第二項第一号の景観計画区域をその区域とする都道府県にあつては同条第一項の景観計画との調和が保たれ、かつ、都市計画法第六条の二第一項の都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に適合するとともに、首都圏近郊緑地保全区域をその区域とする都県にあつては首都圏保全法第四条第一項の規定による近郊緑地保全計画に、近畿圏近郊緑地保全区域をその区域とする府県にあつては近畿圏保全法第三条第一項の規定による保全区域整備計画に、それぞれ適合したものでなければならない。

4 都道府県は、広域計画を定めるときは、あらかじめ、公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、関係市町村の意見を聴かなければならない。

5 都道府県は、広域計画に第二項第五号に掲げる事項を定める場合においては、当該事項について、あらかじめ、都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない。

6 都道府県は、広域計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるとともに、関係市町村長に通知しなければならない。

7 第三項から前項までの規定は、広域計画の変更について準用する。

(基本計画)

第四条 市町村は、都市における緑地の適正な保全及び緑化の推進に関する措置で主として都市計画区域内において講じられるものを総合的かつ計画的に実施するため、基本方針に基づき(広域計画が定められている場合にあつては、基本方針に基づくとともに、当該広域計画を勘案して)、当該市町村の緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画(以下「基本計画」という。)を定めることができる。

2 基本計画においては、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。

緑地の保全及び緑化の目標

緑地の配置の方針その他の緑地の保全及び緑化の推進の方針に関する事項

緑地の保全及び緑化の推進のための施策に関する事項

市町村の設置に係る都市公園の整備及び管理に関する事項

緑地保全地域内の緑地の保全に関する次に掲げる事項(町村にあつては、ロからニまでに掲げる事項)

第八条の規定による行為の規制又は措置の基準

緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項

第二十四条第一項の規定による管理協定(次号ニ、第八条第九項第七号及び第十四条第九項第五号において「管理協定」という。)に基づく緑地の管理に関する事項

第五十五条第一項又は第二項の規定による市民緑地契約(次号ホ、第八条第九項第八号及び第十四条第九項第六号において「市民緑地契約」という。)に基づく緑地の管理に関する事項その他緑地保全地域内の緑地の保全に関し必要な事項

特別緑地保全地区内の緑地の保全に関する次に掲げる事項

緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項

緑地の有する機能の維持増進を図るために行う事業であつて高度な技術を要するものとして国土交通省令で定めるもの(以下「機能維持増進事業」という。)の実施の方針

第十七条の規定による土地の買入れ及び買い入れた土地の管理に関する事項

管理協定に基づく緑地の管理に関する事項

市民緑地契約に基づく緑地の管理に関する事項その他特別緑地保全地区内の緑地の保全に関し必要な事項

生産緑地法(昭和四十九年法律第六十八号)第三条第一項の規定による生産緑地地区(次号において「生産緑地地区」という。)内の緑地の保全に関する事項

緑地保全地域、特別緑地保全地区及び生産緑地地区以外の区域であつて重点的に緑地の保全に配慮を加えるべき地区並びに当該地区における緑地の保全に関する事項

緑化地域における緑化の推進に関する事項

緑化地域以外の区域であつて重点的に緑化の推進に配慮を加えるべき地区及び当該地区における緑化の推進に関する事項

3 前項第六号ロに掲げる事項には、市町村又は第六十九条第一項の規定により指定された都市緑化支援機構(以下この項及び次章第二節において「都市緑化支援機構」という。)が特別緑地保全地区内の土地において行う機能維持増進事業に関する事項を定めることができる。 この場合において、都市緑化支援機構が行う機能維持増進事業に関する事項を定めるときは、あらかじめ、都市緑化支援機構の同意を得なければならない。

4 基本計画は、環境基本法第十五条第一項に規定する環境基本計画との調和が保たれるとともに、景観法第八条第二項第一号の景観計画区域をその区域とする市町村にあつては同条第一項の景観計画との調和が保たれ、かつ、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即し、都市計画法第十八条の二第一項の市町村の都市計画に関する基本的な方針に適合するとともに、首都圏近郊緑地保全区域をその区域とする市町村にあつては首都圏保全法第四条第一項の規定による近郊緑地保全計画に、近畿圏近郊緑地保全区域をその区域とする市町村にあつては近畿圏保全法第三条第一項の規定による保全区域整備計画に、それぞれ適合したものでなければならない。

5 市町村は、基本計画を定めるときは、あらかじめ、公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

6 市は、基本計画に第二項第五号イに掲げる事項を定める場合においては、当該事項について、あらかじめ、市町村都市計画審議会(当該市に市町村都市計画審議会が置かれていないときは、当該市の存する都道府県の都道府県都市計画審議会)の意見を聴かなければならない。

7 町村は、基本計画に第二項第五号ロ又は第六号イ若しくはロに掲げる事項を定める場合においては、当該事項について、あらかじめ、都道府県知事と協議してその同意を得、同項第五号ハ若しくはニ又は第六号ハからホまでに掲げる事項を定める場合においては、当該事項について、あらかじめ、都道府県知事と協議しなければならない。

8 市町村は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるとともに、都道府県知事に通知しなければならない。

9 第三項から前項までの規定は、基本計画の変更について準用する。

第三章 緑地保全地域等

第一節 緑地保全地域

(緑地保全地域に関する都市計画)

第五条 都市計画区域又は準都市計画区域内の緑地で次の各号のいずれかに該当する相当規模の土地の区域については、都市計画に緑地保全地域を定めることができる。

無秩序な市街地化の防止又は公害若しくは災害の防止のため適正に保全する必要があるもの

地域住民の健全な生活環境を確保するため適正に保全する必要があるもの

(緑地保全地域における行為の規制等の基準)

第六条 緑地保全地域に関する都市計画が定められた場合においては、都道府県(市の区域内にあつては、当該市。以下「都道府県等」という。)は、第八条の規定による行為の規制又は措置の基準を定め、これを公表しなければならない。 この場合において、当該都道府県にあつては、これを関係町村に通知しなければならない。

2 都道府県等は、前項に規定する基準を定めるときは、あらかじめ、都道府県にあつては関係町村及び都道府県都市計画審議会の意見を、市にあつては市町村都市計画審議会(当該市に市町村都市計画審議会が置かれていないときは、当該市の存する都道府県の都道府県都市計画審議会)の意見を聴かなければならない。

3 前二項の規定は、都道府県等が第三条の三第二項第五号に掲げる事項を定めた広域計画又は第四条第二項第五号イに掲げる事項を定めた基本計画を第三条の三第六項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第四条第八項(同条第九項において準用する場合を含む。)の規定により公表している場合については、適用しない。

(標識の設置等)

第七条 都道府県等は、緑地保全地域に関する都市計画が定められたときは、その区域内における標識の設置その他の適切な方法により、その区域が緑地保全地域である旨を明示しなければならない。

2 緑地保全地域内の土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り、前項の標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

3 何人も、第一項の規定により設けられた標識を設置者の承諾を得ないで移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくは損壊してはならない。

4 都道府県等は、第一項の規定による行為(緑地保全地域内における標識の設置に係るものに限る。)により損失を受けた者がある場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。

5 前項の規定による損失の補償については、都道府県知事(市の区域内にあつては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)と損失を受けた者が協議しなければならない。

6 前項の規定による協議が成立しない場合においては、都道府県知事等又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第九十四条第二項の規定による裁決を申請することができる。

(緑地保全地域における行為の届出等)

第八条 緑地保全地域(特別緑地保全地区及び第二十条第二項に規定する地区計画等緑地保全条例により制限を受ける区域を除く。以下この条及び第六章第二節において同じ。)内において、次に掲げる行為をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、都道府県知事等にその旨を届け出なければならない。

建築物その他の工作物の新築、改築又は増築

宅地の造成、土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採その他の土地の形質の変更

木竹の伐採

水面の埋立て又は干拓

前各号に掲げるもののほか、当該緑地の保全に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるもの

2 都道府県知事等は、緑地保全地域内において前項の規定により届出を要する行為をしようとする者又はした者に対して、当該緑地の保全のために必要があると認めるときは、その必要な限度において、第六条第一項に規定する基準(同条第三項に規定する場合にあつては、第三条の三第二項第五号又は第四条第二項第五号イに規定する基準。第八項において同じ。)に従い、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

3 前項の規定による処分は、第一項の規定による届出をした者に対しては、その届出があつた日から起算して三十日以内に限り、することができる。

4 都道府県知事等は、第一項の規定による届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に第二項の規定による処分をすることができない合理的な理由があるときは、その理由が存続する間、前項の期間を延長することができる。 この場合においては、同項の期間内に、第一項の規定による届出をした者に対し、その旨、延長する期間及び延長する理由を通知しなければならない。

5 第一項の規定による届出をした者は、その届出をした日から起算して三十日(前項の規定により第三項の期間が延長された場合にあつては、その延長された期間)を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。

6 都道府県知事等は、当該緑地の保全に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。

7 前各項の規定にかかわらず、国の機関又は地方公共団体(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)に規定する港務局を含む。以下この条において同じ。)が行う行為については、第一項の規定による届出をすることを要しない。 この場合において、当該国の機関又は地方公共団体は、同項の規定により届出を要する行為をするときは、あらかじめ、都道府県知事等にその旨を通知しなければならない。

8 都道府県知事等は、前項後段の通知があつた場合において、当該緑地の保全のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、当該国の機関又は地方公共団体に対し、第六条第一項に規定する基準に従い、当該緑地の保全のためとるべき措置について協議を求めることができる。

9 次に掲げる行為については、第一項、第二項、第七項後段及び前項の規定は、適用しない。

公益性が特に高いと認められる事業の実施に係る行為のうち、当該緑地の保全に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められるものとして政令で定めるもの

緑地保全地域に関する都市計画が定められた際既に着手していた行為

非常災害のため必要な応急措置として行う行為

首都圏保全法第四条第一項の規定による近郊緑地保全計画に基づいて行う行為

近畿圏保全法第八条第四項第一号の政令で定める行為に該当する行為

基本計画において定められた当該緑地保全地域内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行う行為

管理協定において定められた当該管理協定区域内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行う行為

市民緑地契約において定められた当該市民緑地内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行う行為

通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの

(原状回復命令等)

第九条 都道府県知事等は、前条第二項の規定による処分に違反した者がある場合においては、その者又はその者から当該土地、建築物その他の工作物若しくは物件についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、当該緑地の保全に対する障害を排除するため必要な限度において、その原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

2 前項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置(以下「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、都道府県知事等は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。 この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、都道府県知事等又はその命じた者若しくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ公告しなければならない。

3 前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつた場合においては、これを提示しなければならない。

(損失の補償)

第十条 都道府県等は、第八条第二項の規定による処分を受けたため損失を受けた者がある場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。 ただし、次の各号のいずれかに該当する場合における当該処分に係る行為については、この限りでない。

第八条第一項の届出に係る行為をするについて、他に、行政庁の許可その他の処分を受けるべきことを定めている法律(法律に基づく命令及び条例を含むものとし、当該許可その他の処分を受けることができないため損失を受けた者に対して、その損失を補償すべきことを定めているものを除く。)がある場合において、当該許可その他の処分の申請が却下されたとき、又は却下されるべき場合に該当するとき。

第八条第一項の届出に係る行為が、次に掲げるものであると認められるとき。
 イ 都市計画法による開発許可を受けた開発行為により確保された緑地その他これに準ずるものとして政令で定める緑地の保全に支障を及ぼす行為
 ロ イに掲げるもののほか、社会通念上緑地保全地域に関する都市計画が定められた趣旨に著しく反する行為

2 第七条第五項及び第六項の規定は、前項本文の規定による損失の補償について準用する。

(報告及び立入検査等)

第十一条 都道府県知事等は、緑地保全地域内の緑地の保全のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、第八条第二項の規定により行為を制限され、若しくは必要な措置をとるべき旨を命ぜられた者又はその者から当該土地、建築物その他の工作物若しくは物件についての権利を承継した者に対して、当該行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

2 都道府県知事等は、第八条及び第九条の規定の施行に必要な限度において、当該職員をして、緑地保全地域内の土地若しくは建物内に立ち入らせ、又は第八条第一項各号に掲げる行為の実施状況を検査させ、若しくはこれらの行為が当該緑地の保全に及ぼす影響を調査させることができる。

3 前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつた場合においては、これを提示しなければならない。

4 第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

第二節 特別緑地保全地区

(特別緑地保全地区に関する都市計画)

第十二条 都市計画区域内の緑地で次の各号のいずれかに該当する土地の区域については、都市計画に特別緑地保全地区を定めることができる。

無秩序な市街地化の防止、公害又は災害の防止等のため必要な遮断地帯、緩衝地帯又は避難地帯若しくは雨水貯留浸透地帯(雨水を一時的に貯留し又は地下に浸透させることにより浸水による被害を防止する機能を有する土地の区域をいう。)として適切な位置、規模及び形態を有するもの

神社、寺院等の建造物、遺跡等と一体となつて、又は伝承若しくは風俗慣習と結びついて当該地域において伝統的又は文化的意義を有するもの

次のいずれかに該当し、かつ、当該地域の住民の健全な生活環境を確保するため必要なもの
 イ 風致又は景観が優れていること。
 ロ 動植物の生息地又は生育地として適正に保全する必要があること。

2 首都圏近郊緑地保全区域又は近畿圏近郊緑地保全区域内の特別緑地保全地区で、それらの近郊緑地保全区域内において近郊緑地の保全のため特に必要とされるものに関する都市計画の策定に関し必要な基準は、前項の規定にかかわらず、それぞれ首都圏保全法第五条第一項及び近畿圏保全法第六条第一項に定めるところによるものとする。

(標識の設置等についての準用)

第十三条 第七条の規定は、特別緑地保全地区に関する都市計画が定められた場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「緑地保全地域である」とあるのは「特別緑地保全地区である」と、同条第二項及び第四項中「緑地保全地域」とあるのは「特別緑地保全地区」と読み替えるものとする。

(特別緑地保全地区における行為の制限)

第十四条 特別緑地保全地区内においては、次に掲げる行為は、都道府県知事等の許可を受けなければ、してはならない。 ただし、公益性が特に高いと認められる事業の実施に係る行為のうち当該緑地の保全上著しい支障を及ぼすおそれがないと認められるもので政令で定めるもの、当該特別緑地保全地区に関する都市計画が定められた際既に着手していた行為又は非常災害のため必要な応急措置として行う行為については、この限りでない。

建築物その他の工作物の新築、改築又は増築

宅地の造成、土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採その他の土地の形質の変更

木竹の伐採

水面の埋立て又は干拓

前各号に掲げるもののほか、当該緑地の保全に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるもの

2 都道府県知事等は、前項の許可の申請があつた場合において、その申請に係る行為が当該緑地の保全上支障があると認めるときは、同項の許可をしてはならない。

3 都道府県知事等は、第一項の許可の申請があつた場合において、当該緑地の保全のため必要があると認めるときは、許可に期限その他必要な条件を付することができる。

4 特別緑地保全地区内において第一項ただし書の政令で定める行為に該当する行為であつて同項各号に掲げるものをしようとする者は、あらかじめ、都道府県知事等にその旨を通知しなければならない。

5 特別緑地保全地区に関する都市計画が定められた際当該特別緑地保全地区内において既に第一項各号に掲げる行為に着手している者は、その都市計画が定められた日から起算して三十日以内に、都道府県知事等にその旨を届け出なければならない。

6 特別緑地保全地区内において非常災害のため必要な応急措置として第一項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、都道府県知事等にその旨を届け出なければならない。

7 都道府県知事等は、第四項の規定による通知又は第五項若しくは前項の規定による届出があつた場合において、当該緑地の保全のため必要があると認めるときは、通知又は届出をした者に対して、必要な助言又は勧告をすることができる。

8 国の機関又は地方公共団体(港湾法に規定する港務局を含む。以下この項において同じ。)が行う行為については、第一項の許可を受けることを要しない。 この場合において、当該国の機関又は地方公共団体は、その行為をするときは、あらかじめ、都道府県知事等に協議しなければならない。

9 次に掲げる行為については、第一項から第七項まで及び前項後段の規定は、適用しない。

首都圏保全法第四条第一項の規定による近郊緑地保全計画に基づいて行う行為

近畿圏保全法第八条第四項第一号の政令で定める行為に該当する行為

基本計画において定められた当該特別緑地保全地区内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行う行為

基本計画において定められた当該特別緑地保全地区内の土地における機能維持増進事業の実施の方針に従つて行う行為

管理協定において定められた当該管理協定区域内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行う行為

市民緑地契約において定められた当該市民緑地内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行う行為

通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの

(原状回復命令等についての準用)

第十五条 第九条の規定は、前条第一項の規定に違反した者又は同条第三項の規定により許可に付された条件に違反した者がある場合について準用する。

(損失の補償についての準用)

第十六条 第十条の規定は、第十四条第一項の許可を受けることができないため損失を受けた者がある場合について準用する。 この場合において、第十条第一項第一号及び第二号中「第八条第一項の届出」とあるのは「第十四条第一項の許可の申請」と、同号ロ中「緑地保全地域」とあるのは「特別緑地保全地区」と読み替えるものとする。

(土地の買入れ)

第十七条 都道府県等は、特別緑地保全地区内の土地で当該緑地の保全上必要があると認めるものについて、その所有者から第十四条第一項の許可を受けることができないためその土地の利用に著しい支障を来すこととなることにより当該土地を買い入れるべき旨の申出があつた場合においては、第三項又は次条第四項の規定による買入れが行われる場合を除き、これを買い入れるものとする。

2 前項の申出があつたときは、都道府県知事にあつては当該土地の買入れを希望する町村を、市長にあつては当該土地の買入れを希望する都道府県を、当該土地の買入れの相手方として定めることができる。

3 前項の場合においては、土地の買入れの相手方として定められた都道府県又は町村が、当該土地を買い入れるものとする。

4 第一項又は前項の規定による買入れをする場合における土地の価額は、時価によるものとする。

(都市緑化支援機構による特定緑地保全業務)

第十七条の二 都道府県等は、前条第一項の申出があつた場合において、当該申出に係る土地の規模若しくは形状又は管理の状況、当該都道府県等における同項の規定による買入れのために必要な事務の実施体制その他の事情を勘案して必要があると認めるときは、国土交通省令で定めるところにより、都市緑化支援機構に対し、当該土地(以下この条及び第七十条において「対象土地」という。)について、第七十条第一号から第四号までに掲げる業務(これらに附帯する業務を含む。以下「特定緑地保全業務」という。)を行うことを要請することができる。

2 前項の規定による要請を受けた都市緑化支援機構は、当該要請に係る対象土地が第七十一条第二項第一号に規定する基準に該当すると認めるときは、遅滞なく、当該要請をした都道府県等に対し、特定緑地保全業務を実施する旨を通知するものとする。

3 前項の規定による通知をした都市緑化支援機構及び同項の都道府県等は、当該通知の後速やかに、特定緑地保全業務の実施のため、次に掲げる事項をその内容に含む協定(以下「業務実施協定」という。)を締結するものとする。

都市緑化支援機構が第七十条第一号に掲げる業務として行う対象土地の買入れの時期

都市緑化支援機構が第七十条第二号に掲げる業務として行う機能維持増進事業の内容及び方法

都市緑化支援機構が第七十条第三号に掲げる業務として行う対象土地の管理の内容及び方法

都市緑化支援機構が第一号の買入れに係る対象土地を保有する期間(当該買入れの日から起算して十年を超えないものに限る。)

前号の期間内において都市緑化支援機構が第七十条第四号に掲げる業務として行う都道府県等への対象土地の譲渡の方法及び時期

都市緑化支援機構による第一号から第三号まで及び前号に規定する業務の実施に要する費用であつて都道府県等が負担すべきものの支払の方法及び時期

その他国土交通省令で定める事項

4 都市緑化支援機構は、業務実施協定の内容に従つて、前条第一項の申出をした者から対象土地を買い入れるものとする。

5 前項の規定による買入れをする場合における対象土地の価額は、時価によるものとし、当該買入れに要した費用は、第二項の都道府県等が、業務実施協定の内容に従つて負担するものとする。

6 前二項に定めるもののほか、都市緑化支援機構は、業務実施協定の内容に従つて、特定緑地保全業務を行わなければならない。

7 第五項に定めるもののほか、都道府県等は、業務実施協定の内容に従つて、第三項第六号に規定する費用を負担するものとする。

(買い入れた土地の管理)

第十八条 都道府県は、第十七条第一項若しくは第三項の規定により買い入れた土地又は業務実施協定に基づいて都市緑化支援機構から譲渡を受けた土地については、この法律の目的に適合するように、かつ、第三条の三第二項第六号に掲げる事項を定める広域計画が定められた場合にあつては、当該事項に従つて管理しなければならない。

2 前項の規定は、市町村について準用する。 この場合において、同項中「第三条の三第二項第六号に掲げる事項を定める広域計画」とあるのは、「第四条第二項第六号ハに掲げる事項を定める基本計画」と読み替えるものとする。

(報告及び立入検査等についての準用)

第十九条 第十一条の規定は、特別緑地保全地区について準用する。 この場合において、同条第一項中「第八条第二項の規定により行為を制限され、若しくは必要な措置をとるべき旨を命ぜられた」とあるのは「第十四条第一項の規定による許可を受けた」と、同条第二項中「第八条及び第九条」とあるのは「第十四条の規定及び第十五条において準用する第九条」と、「第八条第一項各号」とあるのは「第十四条第一項各号」と読み替えるものとする。

(都市計画の決定等に関する特例)

第十九条の二 市町村が第四条第二項第六号ロに掲げる事項を定めた基本計画を同条第八項(同条第九項において準用する場合を含む。)の規定により公表した場合において、当該市町村が都市計画に特別緑地保全地区内の土地を都市計画法第十一条第一項第二号に掲げる施設である緑地として定めるときについては、同法第十六条の規定及び同法第十九条第三項から第五項まで(同法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定は適用せず、同法第十九条第一項(同法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)中「とする」とあるのは、「とする。ただし、当該都市計画の案について異議がある旨の第十七条第二項の規定による意見書の提出がなかつたときは、その議を経ることを要しない」とする。

(都市計画事業の認可に関する特例)

第十九条の三 市町村は、第四条第三項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項として、国土交通省令で定めるところにより、前条の規定により都市計画に定められた緑地の整備に関する事業の施行について都市計画法第五十九条第一項又は第四項の認可に関する事項を定めることができる。

2 市町村は、基本計画に前項に規定する事項を定める場合においては、当該事項について、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者に協議をするとともに、市にあつては都道府県知事に協議をし、その同意を得なければならない。

前項に規定する事業を都市計画事業として施行する場合には都市計画法第五十九条第六項の規定により同項に規定する施設を管理する者の意見の聴取を要することとなるとき 当該施設を管理する者

前項に規定する事業を都市計画事業として施行する場合には都市計画法第五十九条第六項の規定により同項に規定する土地改良事業計画による事業を行う者の意見の聴取を要することとなるとき 当該事業を行う者

3 第一項に規定する事項が定められた基本計画が第四条第八項(同条第九項において準用する場合を含む。)の規定により公表されたときは、当該公表の日に第一項に規定する事業を実施する市町村又は都市緑化支援機構に対する都市計画法第五十九条第一項又は第四項の認可があつたものとみなす。

第三節 地区計画等の区域内における緑地の保全

(地区計画等緑地保全条例)

第二十条 市町村は、地区計画等(都市計画法第四条第九項に規定する地区計画等をいう。第三十九条第一項において同じ。)の区域(地区整備計画(同法第十二条の五第二項第一号に規定する地区整備計画をいう。以下この項及び第三十九条第一項において同じ。)、防災街区整備地区整備計画(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)第三十二条第二項第二号に規定する防災街区整備地区整備計画をいう。第三十九条第一項において同じ。)、沿道地区整備計画(幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号)第九条第二項第一号に規定する沿道地区整備計画をいう。第三十九条第一項において同じ。)若しくは集落地区整備計画(集落地域整備法(昭和六十二年法律第六十三号)第五条第三項に規定する集落地区整備計画をいう。)において、現に存する樹林地、草地等(緑地であるものに限る。次項において同じ。)で良好な居住環境を確保するため必要なものの保全に関する事項(地区整備計画にあつては、都市計画法第十二条の五第七項第四号に該当するものを除く。)が定められている区域又は歴史的風致維持向上地区整備計画(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成二十年法律第四十号)第三十一条第二項第一号に規定する歴史的風致維持向上地区整備計画をいう。第三十九条第一項において同じ。)において、現に存する樹林地、草地その他の緑地で歴史的風致(同法第一条に規定する歴史的風致をいう。第三項において同じ。)の維持及び向上を図るとともに、良好な居住環境を確保するために必要なものの保全に関する事項が定められている区域(同項において「歴史的風致維持向上地区整備計画区域」という。)に限り、特別緑地保全地区を除く。)内において、条例で、当該区域内における第十四条第一項各号に掲げる行為について、市町村長の許可を受けなければならないこととすることができる。

2 前項の規定に基づく条例(以下「地区計画等緑地保全条例」という。)には、併せて、市町村長が当該樹林地、草地等の保全のために必要があると認めるときは、許可に期限その他必要な条件を付することができる旨を定めることができる。

3 地区計画等緑地保全条例による制限は、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、良好な居住環境の確保(第一項(歴史的風致維持向上地区整備計画区域に係る部分に限る。)の規定に基づく条例による制限にあつては、歴史的風致の維持及び向上並びに良好な居住環境の確保)及び都市における緑地の適正な保全を図るため、合理的に必要と認められる限度において行うものとする。

4 地区計画等緑地保全条例には、第十四条第一項ただし書、第二項、第四項から第八項まで及び第九項(第一号、第二号、第六号及び第七号に係る部分に限る。)の規定の例により、当該条例に定める制限の適用除外、許可基準その他必要な事項を定めなければならない。

(標識の設置等についての準用)

第二十一条 第七条の規定は、地区計画等緑地保全条例が定められた場合について準用する。 この場合において、同条第一項及び第四項中「都道府県等」とあるのは「市町村」と、同条第一項中「緑地保全地域である」とあるのは「地区計画等緑地保全条例により制限を受ける区域である」と、同条第二項及び第四項中「緑地保全地域」とあるのは「地区計画等緑地保全条例により制限を受ける区域」と、同条第五項中「都道府県知事(市の区域内にあつては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)」とあるのは「市町村長」と、同条第六項中「都道府県知事等」とあるのは「市町村長」と読み替えるものとする。

(原状回復命令等)

第二十二条 地区計画等緑地保全条例には、第十五条において準用する第九条の規定及び第十九条において読み替えて準用する第十一条の規定の例により、原状回復等の命令並びに報告の徴収及び立入検査等をすることができる旨を定めることができる。

(損失の補償についての準用)

第二十三条 第十条の規定は、地区計画等緑地保全条例による許可を受けることができないため損失を受けた者がある場合について準用する。 この場合において、同条第一項本文中「都道府県等」とあるのは「市町村」と、同項第一号及び第二号中「第八条第一項の届出」とあるのは「地区計画等緑地保全条例による許可の申請」と、同号ロ中「緑地保全地域に関する都市計画」とあるのは「地区計画等緑地保全条例」と、同条第二項において準用する第七条第五項中「都道府県知事(市の区域内にあつては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)」とあるのは「市町村長」と、第十条第二項において準用する第七条第六項中「都道府県知事等」とあるのは「市町村長」と読み替えるものとする。

第四節 管理協定

(管理協定の締結等)

第二十四条 地方公共団体又は第八十一条第一項の規定により指定された緑地保全・緑化推進法人(第八十二条第一号イに掲げる業務を行うものに限る。)は、緑地保全地域又は特別緑地保全地区内の緑地の保全のため必要があると認めるときは、当該緑地保全地域又は特別緑地保全地区内の土地又は木竹の所有者又は使用及び収益を目的とする権利(臨時設備その他一時的に使用する施設のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(以下「土地の所有者等」と総称する。)と次に掲げる事項を定めた協定(以下「管理協定」という。)を締結して、当該土地の区域内の緑地の管理を行うことができる。

管理協定の目的となる土地の区域(以下「管理協定区域」という。)

管理協定区域内の緑地の管理の方法に関する事項

管理協定区域内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備が必要な場合にあつては、当該施設の整備に関する事項

管理協定の有効期間

管理協定に違反した場合の措置

2 管理協定については、管理協定区域内の土地の所有者等の全員の合意がなければならない。

3 管理協定の内容は、次の各号に掲げる基準のいずれにも適合するものでなければならない。

緑地保全地域内の緑地に係る管理協定については、基本計画との調和が保たれ、かつ、基本計画に第四条第二項第五号ハに掲げる事項が定められている場合にあつては当該事項に従つて管理を行うものであること。

特別緑地保全地区内の緑地に係る管理協定については、基本計画との調和が保たれ、かつ、基本計画に第四条第二項第六号ニに掲げる事項が定められている場合にあつては当該事項に従つて管理を行うものであること。

土地及び木竹の利用を不当に制限するものでないこと。

第一項各号に掲げる事項について国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

4 地方公共団体又は第一項の緑地保全・緑化推進法人は、管理協定に同項第三号に掲げる事項を定める場合においては、当該事項について、あらかじめ、都道府県知事等と協議し、その同意を得なければならない。 ただし、都道府県が当該都道府県の区域(市の区域を除く。)内の土地について、又は市が当該市の区域内の土地について管理協定を締結する場合は、この限りでない。

5 第一項の緑地保全・緑化推進法人が管理協定を締結するときは、あらかじめ、市町村長の認可を受けなければならない。

(管理協定の縦覧等)

第二十五条 地方公共団体又は市町村長は、それぞれ管理協定を締結しようとするとき、又は前条第五項の規定による管理協定の認可の申請があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該管理協定を当該公告の日から二週間関係人の縦覧に供さなければならない。

2 前項の規定による公告があつたときは、関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該管理協定について、地方公共団体又は市町村長に意見書を提出することができる。

(管理協定の認可)

第二十六条 市町村長は、第二十四条第五項の規定による管理協定の認可の申請が、次の各号のいずれにも該当するときは、当該管理協定を認可しなければならない。

申請手続が法令に違反しないこと。

管理協定の内容が、第二十四条第三項各号に掲げる基準のいずれにも適合するものであること。

(管理協定の公告等)

第二十七条 地方公共団体又は市町村長は、それぞれ管理協定を締結し又は前条の認可をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、当該管理協定の写しをそれぞれ当該地方公共団体又は当該市町村の事務所に備えて公衆の縦覧に供するとともに、管理協定区域である旨を当該区域内に明示しなければならない。

(管理協定の変更)

第二十八条 第二十四条第二項から第五項まで及び前三条の規定は、管理協定において定めた事項の変更について準用する。

(管理協定の効力)

第二十九条 第二十七条(前条において準用する場合を含む。)の規定による公告のあつた管理協定は、その公告のあつた後において当該管理協定区域内の土地の所有者等となつた者に対しても、その効力があるものとする。

(都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律の特例)

第三十条 第二十四条第一項の緑地保全・緑化推進法人が管理協定に基づき管理する樹木又は樹木の集団で都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律(昭和三十七年法律第百四十二号)第二条第一項の規定に基づき保存樹又は保存樹林として指定されたものについての同法の規定の適用については、同法第五条第一項中「所有者」とあるのは「所有者及び緑地保全・緑化推進法人(都市緑地法第八十一条第一項の規定により指定された緑地保全・緑化推進法人をいう。以下同じ。)」と、同法第六条第二項及び第八条中「所有者」とあるのは「緑地保全・緑化推進法人」と、同法第九条中「所有者」とあるのは「所有者又は緑地保全・緑化推進法人」とする。

第五節 雑則

(国の補助)

第三十一条 国は、都道府県等が行う第十六条において読み替えて準用する第十条第一項の規定による損失の補償及び第十七条第一項の規定による土地の買入れ又は第十七条の二第五項の規定による負担並びに都道府県又は町村が行う第十七条第三項の規定による土地の買入れに要する費用については、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その一部を補助することができる。

2 国は、地方公共団体が行う緑地保全地域内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備(基本計画又は管理協定において定められた当該施設の整備に関する事項に従つて行われるものに限る。)又は特別緑地保全地区内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備(基本計画又は管理協定において定められた当該施設の整備に関する事項に従つて行われるものに限る。)に要する費用については、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その一部を補助することができる。

第三十二条 削除

(公害等調整委員会の裁定)

第三十三条 第八条第二項若しくは第十四条第一項又は地区計画等緑地保全条例(第二十条第一項の許可に係る部分に限る。)の規定による処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に裁定の申請をすることができる。 この場合においては、審査請求をすることができない。

2 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十二条の規定は、前項に規定する処分につき、処分をした行政庁が誤つて審査請求又は再調査の請求をすることができる旨を教示した場合に準用する。

第四章 緑化地域等

第一節 緑化地域

(緑化地域に関する都市計画)

第三十四条 都市計画区域内の都市計画法第八条第一項第一号に規定する用途地域が定められた土地の区域のうち、良好な都市環境の形成に必要な緑地が不足し、建築物の敷地内において緑化を推進する必要がある区域については、都市計画に、緑化地域を定めることができる。

2 緑化地域に関する都市計画には、都市計画法第八条第三項第一号及び第三号に掲げる事項のほか、建築物の緑化施設(植栽、花壇その他の緑化のための施設及び敷地内の保全された樹木並びにこれらに附属して設けられる園路、土留その他の施設(当該建築物の空地、屋上その他の屋外に設けられるものに限る。)をいう。以下この章において同じ。)の面積の敷地面積に対する割合(以下「緑化率」という。)の最低限度を定めるものとする。

3 前項の都市計画において定める建築物の緑化率の最低限度は、十分の二・五を超えてはならない。

(緑化率)

第三十五条 緑化地域内においては、敷地面積が政令で定める規模以上の建築物の新築又は増築(当該緑化地域に関する都市計画が定められた際既に着手していた行為及び政令で定める範囲内の増築を除く。以下この節において同じ。)をしようとする者は、当該建築物の緑化率を、緑化地域に関する都市計画において定められた建築物の緑化率の最低限度以上としなければならない。 当該新築又は増築をした建築物の維持保全をする者についても、同様とする。

2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。

その敷地の周囲に広い緑地を有する建築物であつて、良好な都市環境の形成に支障を及ぼすおそれがないと認めて市町村長が許可したもの

学校その他の建築物であつて、その用途によつてやむを得ないと認めて市町村長が許可したもの

その敷地の全部又は一部が崖地である建築物その他の建築物であつて、その敷地の状況によつてやむを得ないと認めて市町村長が許可したもの

3 市町村長は、前項各号に規定する許可の申請があつた場合において、良好な都市環境を形成するため必要があると認めるときは、許可に必要な条件を付することができる。

4 建築物の敷地が、第一項の規定による建築物の緑化率に関する制限が異なる区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の緑化率は、同項の規定にかかわらず、各区域の建築物の緑化率の最低限度(建築物の緑化率に関する制限が定められていない区域にあつては、零)にその敷地の当該区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以上でなければならない。

(一の敷地とみなすことによる緑化率規制の特例)

第三十六条 建築基準法第八十六条第一項から第四項まで(これらの規定を同法第八十六条の二第八項において準用する場合を含む。)の規定により一の敷地とみなされる一団地又は一定の一団の土地の区域内の建築物については、当該一団地又は区域を当該建築物の一の敷地とみなして前条の規定を適用する。

(違反建築物に対する措置)

第三十七条 市町村長は、第三十五条(第三項を除く。)の規定又は同項の規定により許可に付された条件に違反している事実があると認めるときは、当該建築物の新築若しくは増築又は維持保全をする者に対して、相当の期限を定めて、その違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

2 国又は地方公共団体(港湾法に規定する港務局を含む。以下この項において同じ。)の建築物については、前項の規定は、適用しない。 この場合において、市町村長は、国又は地方公共団体の建築物が第三十五条(第三項を除く。)の規定又は同条第三項の規定により許可に付された条件に違反している事実があると認めるときは、その旨を当該建築物を管理する機関の長に通知し、前項に規定する措置をとるべき旨を要請しなければならない。

(報告及び立入検査)

第三十八条 市町村長は、前条の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、建築物の新築若しくは増築又は維持保全をする者に対し、建築物の緑化率の最低限度に関する基準への適合若しくは緑化施設の管理に関する事項に関し報告させ、又はその職員に、建築物若しくはその敷地若しくはそれらの工事現場に立ち入り、建築物、緑化施設、書類その他の物件を検査させることができる。

2 第十一条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

第二節 地区計画等の区域内における緑化率規制

第三十九条 市町村は、地区計画等の区域(地区整備計画、特定建築物地区整備計画(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第三十二条第二項第一号に規定する特定建築物地区整備計画をいう。)、防災街区整備地区整備計画、歴史的風致維持向上地区整備計画又は沿道地区整備計画において建築物の緑化率の最低限度が定められている区域に限る。)内において、当該地区計画等の内容として定められた建築物の緑化率の最低限度を、条例で、建築物の新築又は増築及び当該新築又は増築をした建築物の維持保全に関する制限として定めることができる。

2 前項の規定に基づく条例(以下「地区計画等緑化率条例」という。以下同じ。)による制限は、建築物の利用上の必要性、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、緑化の推進による良好な都市環境の形成を図るため、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い、行うものとする。

3 地区計画等緑化率条例には、第三十七条及び前条の規定の例により、違反是正のための措置並びに報告の徴収及び立入検査をすることができる旨を定めることができる。

第三節 雑則

(緑化施設の面積の算出方法)

第四十条 建築物の緑化率の算定の基礎となる緑化施設の面積は、国土交通省令で定めるところにより算出するものとする。

(建築基準関係規定)

第四十一条 第三十五条、第三十六条及び第三十九条第一項の規定は、建築基準法第六条第一項に規定する建築基準関係規定(以下単に「建築基準関係規定」という。)とみなす。

(制限の特例)

第四十二条 第三十五条及び第三十九条第一項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。

建築基準法第三条第一項各号に掲げる建築物

建築基準法第八十五条第一項又は第二項に規定する応急仮設建築物であつて、その建築物の工事を完了した後三月以内であるもの又は同条第三項の許可を受けたもの

建築基準法第八十五条第二項に規定する工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物

建築基準法第八十五条第六項又は第七項の許可を受けた建築物

(緑化施設の工事の認定)

第四十三条 第三十五条又は地区計画等緑化率条例の規定による規制の対象となる建築物の新築又は増築をしようとする者は、気温その他のやむを得ない理由により建築基準法第六条第一項の規定による工事の完了の日までに緑化施設に関する工事(植栽工事に係るものに限る。以下この条において同じ。)を完了することができない場合においては、国土交通省令で定めるところにより、市町村長に申し出て、その旨の認定を受けることができる。

2 建築基準法第七条第四項に規定する検査実施者又は同法第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、前項の認定を受けた者に対し、その検査に係る建築物及びその敷地が、緑化施設に関する工事が完了していないことを除き、建築基準関係規定に適合していることを認めた場合においては、同法第七条第五項又は第七条の二第五項の規定にかかわらず、これらの規定による検査済証を交付しなければならない。

3 前項の規定による検査済証の交付を受けた者は、第一項のやむを得ない理由がなくなつた後速やかに緑化施設に関する工事を完了しなければならない。

4 第三十七条及び第三十八条の規定は、前項の規定の違反について準用する。

(緑化施設の管理)

第四十四条 市町村は、条例で、第三十五条又は地区計画等緑化率条例の規定により設けられた緑化施設の管理の方法の基準を定めることができる。

第五章 緑地協定

(緑地協定の締結等)

第四十五条 都市計画区域又は準都市計画区域内における相当規模の一団の土地又は道路、河川等に隣接する相当の区間にわたる土地(これらの土地のうち、公共施設の用に供する土地その他の政令で定める土地を除く。)の所有者及び建築物その他の工作物の所有を目的とする地上権又は賃借権(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。以下「借地権等」という。)を有する者(土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)第九十八条第一項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)第八十三条において準用する場合を含む。以下この項、第四十九条第一項及び第二項並びに第五十一条第一項、第二項及び第五項において同じ。)の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地の所有者及び借地権等を有する者。以下「土地所有者等」と総称する。)は、地域の良好な環境を確保するため、その全員の合意により、当該土地の区域における緑地の保全又は緑化に関する協定(以下「緑地協定」という。)を締結することができる。 ただし、当該土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)の区域内に借地権等の目的となつている土地がある場合においては、当該借地権等の目的となつている土地の所有者以外の土地所有者等の全員の合意があれば足りる。

2 緑地協定においては、次に掲げる事項を定めなければならない。

緑地協定の目的となる土地の区域(以下「緑地協定区域」という。)

次に掲げる緑地の保全又は緑化に関する事項のうち必要なもの

保全又は植栽する樹木等の種類

樹木等を保全又は植栽する場所

保全又は設置する垣又はさくの構造

保全又は植栽する樹木等の管理に関する事項

その他緑地の保全又は緑化に関する事項

緑地協定の有効期間

緑地協定に違反した場合の措置

3 緑地協定においては、前項各号に掲げるもののほか、都市計画区域又は準都市計画区域内の土地のうち、緑地協定区域に隣接した土地であつて、緑地協定区域の一部とすることにより地域の良好な環境の確保に資するものとして緑地協定区域の土地となることを当該緑地協定区域内の土地所有者等が希望するもの(以下「緑地協定区域隣接地」という。)を定めることができる。

4 第一項の規定による緑地協定は、市町村長の認可を受けなければならない。

(認可の申請に係る緑地協定の縦覧等)

第四十六条 市町村長は、前条第四項の規定による緑地協定の認可の申請があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該緑地協定を当該公告の日から二週間関係人の縦覧に供さなければならない。

2 前項の規定による公告があつたときは、関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該緑地協定について、市町村長に意見書を提出することができる。

(緑地協定の認可)

第四十七条 市町村長は、第四十五条第四項の規定による緑地協定の認可の申請が、次の各号に該当するときは、当該緑地協定を認可しなければならない。

申請手続が法令に違反しないこと。

土地の利用を不当に制限するものでないこと。

第四十五条第二項各号に掲げる事項について国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

緑地協定において緑地協定区域隣接地を定める場合には、その区域の境界が明確に定められていることその他の緑地協定区域隣接地について国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

2 市町村長は、前項の認可をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、当該緑地協定の写しを当該市町村の事務所に備えて公衆の縦覧に供するとともに、緑地協定区域である旨を当該区域内に明示しなければならない。

(緑地協定の変更)

第四十八条 緑地協定区域内における土地所有者等(当該緑地協定の効力が及ばない者を除く。)は、緑地協定において定めた事項を変更しようとする場合においては、その全員の合意をもつてその旨を定め、市町村長の認可を受けなければならない。

2 前二条の規定は、前項の変更の認可について準用する。

第四十九条 緑地協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)で当該緑地協定の効力が及ばない者の所有するものの全部又は一部について借地権等が消滅した場合においては、その借地権等の目的となつていた土地(同項の規定により仮換地として指定された土地に対応する従前の土地にあつては、当該土地についての仮換地として指定された土地)は、当該緑地協定区域から除かれるものとする。

2 緑地協定区域内の土地で土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定されたものが、同法第八十六条第一項の換地計画又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第七十二条第一項の換地計画において当該土地に対応する従前の土地についての換地として定められず、かつ、土地区画整理法第九十一条第三項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十二条において準用する場合を含む。)の規定により当該土地に対応する従前の土地の所有者に対してその共有持分を与えるように定められた土地としても定められなかつたときは、当該土地は、土地区画整理法第百三条第四項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十三条において準用する場合を含む。)の公告があつた日が終了した時において当該緑地協定区域から除かれるものとする。

3 前二項の規定により緑地協定区域内の土地が当該緑地協定区域から除かれた場合においては、当該借地権等を有していた者又は当該仮換地として指定されていた土地に対応する従前の土地に係る土地所有者等(当該緑地協定の効力が及ばない者を除く。)は、遅滞なく、その旨を市町村長に届け出なければならない。

4 第四十七条第二項の規定は、前項の規定による届出があつた場合その他市町村長が第一項又は第二項の規定により緑地協定区域内の土地が当該緑地協定区域から除かれたことを知つた場合について準用する。

(緑地協定の効力)

第五十条 第四十七条第二項(第四十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による認可の公告のあつた緑地協定は、その公告のあつた後において当該緑地協定区域内の土地所有者等となつた者(当該緑地協定について第四十五条第一項又は第四十八条第一項の規定による合意をしなかつた者の有する土地の所有権を承継した者を除く。)に対しても、その効力があるものとする。

(緑地協定の認可の公告のあつた後緑地協定に加わる手続等)

第五十一条 緑地協定区域内の土地の所有者(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地の所有者)で当該緑地協定の効力が及ばないものは、第四十七条第二項(第四十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による認可の公告のあつた後いつでも、市町村長に対して書面でその意思を表示することによつて、当該緑地協定に加わることができる。

2 緑地協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地所有者等は、第四十七条第二項(第四十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による認可の公告のあつた後いつでも、当該土地に係る土地所有者等の全員の合意により、市町村長に対して書面でその意思を表示することによつて、緑地協定に加わることができる。 ただし、当該土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)の区域内に借地権等の目的となつている土地がある場合においては、当該借地権等の目的となつている土地の所有者以外の土地所有者等の全員の合意があれば足りる。

3 緑地協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地所有者等で前項の意思を表示したものに係る土地の区域は、その意思の表示のあつた時以後、緑地協定区域の一部となるものとする。

4 第四十七条第二項の規定は、第一項又は第二項の規定による意思の表示があつた場合について準用する。

5 緑地協定は、第一項又は第二項の規定により当該緑地協定に加わつた者がその時において所有し、又は借地権等を有していた当該緑地協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)について、前項において準用する第四十七条第二項の規定による公告のあつた後において土地所有者等となつた者(当該緑地協定について第二項の規定による合意をしなかつた者の有する土地の所有権を承継した者及び前条の規定の適用がある者を除く。)に対しても、その効力があるものとする。

(緑地協定の廃止)

第五十二条 緑地協定区域内の土地所有者等(当該緑地協定の効力が及ばない者を除く。)は、第四十五条第四項又は第四十八条第一項の認可を受けた緑地協定を廃止しようとする場合においては、その過半数の合意をもつてその旨を定め、市町村長の認可を受けなければならない。

2 市町村長は、前項の認可をしたときは、その旨を公告しなければならない。

(土地の共有者等の取扱い)

第五十三条 土地又は借地権等が数人の共有に属するときは、第四十五条第一項、第四十八条第一項、第五十一条第一項及び第二項並びに前条第一項の規定の適用については、合わせて一の所有者又は借地権等を有する者とみなす。

(緑地協定の設定の特則)

第五十四条 都市計画区域又は準都市計画区域内における相当規模の一団の土地(第四十五条第一項の政令で定める土地を除く。)で、一の所有者以外に土地所有者等が存しないものの所有者は、地域の良好な環境の確保のため必要があると認めるときは、市町村長の認可を受けて、当該土地の区域を緑地協定区域とする緑地協定を定めることができる。

2 市町村長は、前項の規定による緑地協定の認可の申請が第四十七条第一項各号に該当し、かつ、当該緑地協定が地域の良好な環境の確保のため必要であると認める場合に限り、当該緑地協定を認可するものとする。

3 第四十七条第二項の規定は、市町村長が前項の規定により認可した場合について準用する。

4 第二項の規定による認可を受けた緑地協定は、認可の日から起算して三年以内において当該緑地協定区域内の土地に二以上の土地所有者等が存することとなつた時から、第四十七条第二項の規定による認可の公告のあつた緑地協定と同一の効力を有する緑地協定となる。

第六章 市民緑地

第一節 市民緑地契約

(市民緑地契約の締結等)

第五十五条 地方公共団体又は第八十一条第一項の規定により指定された緑地保全・緑化推進法人(第八十二条第一号ロに掲げる業務を行うものに限る。)は、良好な都市環境の形成を図るため、都市計画区域又は準都市計画区域内における政令で定める規模以上の土地又は人工地盤、建築物その他の工作物(以下「土地等」という。)の所有者の申出に基づき、当該土地等の所有者と次に掲げる事項を定めた契約(以下「市民緑地契約」という。)を締結して、当該土地等に住民の利用に供する緑地又は緑化施設(植栽、花壇その他の緑化のための施設及びこれに附属して設けられる園路、土留その他の施設をいう。以下同じ。)を設置し、これらの緑地又は緑化施設(以下「市民緑地」という。)を管理することができる。

市民緑地契約の目的となる土地等の区域

次に掲げる事項のうち必要なもの
 イ 園路、広場その他の市民緑地を利用する住民の利便のため必要な施設の整備に関する事項
 ロ 市民緑地内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項
 ハ 緑化施設の整備に関する事項

市民緑地の管理の方法に関する事項

市民緑地の管理期間

市民緑地契約に違反した場合の措置

2 地方公共団体又は前項の緑地保全・緑化推進法人は、緑地保全地域、特別緑地保全地区若しくは第四条第二項第八号の地区内の緑地の保全又は緑化地域若しくは同項第十号の地区内の緑化の推進のため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、同項の規定による土地等の所有者の申出がない場合であつても、当該地区内における同項に規定する土地等の所有者と市民緑地契約を締結して、当該土地等に市民緑地を設置し、これを管理することができる。

3 市民緑地契約の内容は、基本計画との調和が保たれたものでなければならない。

4 市民緑地の管理期間は、一年以上で国土交通省令で定める期間以上でなければならない。

5 地方公共団体は、首都圏近郊緑地保全区域、近畿圏近郊緑地保全区域、緑地保全地域、特別緑地保全地区又は地区計画等緑地保全条例により制限を受ける区域内の土地について締結する市民緑地契約に第一項第二号ロに掲げる事項を定める場合においては、あらかじめ、当該市民緑地契約の対象となる土地の区域が第一号に掲げるものである場合にあつては同号に定める者に当該事項を届け出、第二号又は第三号に掲げるものである場合にあつてはそれぞれ第二号又は第三号に定める者と当該事項について協議しその同意を得なければならない。

首都圏近郊緑地保全区域(緑地保全地域及び特別緑地保全地区を除く。以下同じ。)及び近畿圏近郊緑地保全区域(緑地保全地域及び特別緑地保全地区を除く。以下同じ。)内の土地の区域 都府県知事(当該土地が地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)の区域内に存する場合にあつては、当該指定都市の長)

緑地保全地域(地区計画等緑地保全条例により制限を受ける区域を除く。第八項第二号において同じ。)及び特別緑地保全地区内の土地の区域 都道府県知事等

地区計画等緑地保全条例により制限を受ける区域内の土地の区域 市町村長

6 首都圏保全法第七条第二項の規定は首都圏近郊緑地保全区域内の土地について前項の規定による届出があつた場合について、近畿圏保全法第八条第二項の規定は近畿圏近郊緑地保全区域内の土地について前項の規定による届出があつた場合について準用する。

7 第一項の緑地保全・緑化推進法人は、首都圏近郊緑地保全区域、近畿圏近郊緑地保全区域、緑地保全地域、特別緑地保全地区又は地区計画等緑地保全条例により制限を受ける区域内の土地について締結する市民緑地契約に同項第二号ロに掲げる事項を定める場合においては、当該事項について、あらかじめ、当該市民緑地契約の対象となる土地の区域が第五項第一号に掲げるものである場合にあつては同号に定める者と協議し、同項第二号又は第三号に掲げるものである場合にあつてはそれぞれ同項第二号又は第三号に定める者と協議しその同意を得なければならない。

8 第五項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

首都圏近郊緑地保全区域又は近畿圏近郊緑地保全区域内において、都道府県又は指定都市がそれぞれ当該都道府県又は当該指定都市の区域内の土地について市民緑地契約を締結する場合

緑地保全地域又は特別緑地保全地区内において、都道府県が当該都道府県の区域(市の区域を除く。)内の土地について、又は市が当該市の区域内の土地についてそれぞれ市民緑地契約を締結する場合

地区計画等緑地保全条例により制限を受ける区域内において、市町村が当該市町村の区域内の土地について市民緑地契約を締結する場合

9 地方公共団体又は第一項の緑地保全・緑化推進法人は、市民緑地契約を締結したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、市民緑地の区域である旨を当該区域内に明示しなければならない。

(国の補助)

第五十六条 国は、市民緑地契約に基づき地方公共団体が行う市民緑地を利用する住民の利便のために必要な施設及び市民緑地内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に要する費用については、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その一部を補助することができる。

第五十七条 削除

(首都圏保全法等の特例)

第五十八条 首都圏近郊緑地保全区域内において行う行為で、市民緑地契約において定められた当該市民緑地内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行うものについては、首都圏保全法第七条第一項及び第二項の規定は、適用しない。

2 近畿圏近郊緑地保全区域内において行う行為で、市民緑地契約において定められた当該市民緑地内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行うものについては、近畿圏保全法第八条第一項及び第二項の規定は、適用しない。

(都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律の特例の準用)

第五十九条 第三十条の規定は、第五十五条第一項の緑地保全・緑化推進法人が管理する市民緑地内の樹木又は樹木の集団で都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律第二条第一項の規定に基づき保存樹又は保存樹林として指定されたものについて準用する。

第二節 市民緑地設置管理計画の認定

(市民緑地設置管理計画の認定)

第六十条 緑化地域又は第四条第二項第十号の地区内の土地等に市民緑地を設置し、これを管理しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、当該市民緑地の設置及び管理に関する計画(以下「市民緑地設置管理計画」という。)を作成し、市町村長の認定を申請することができる。

2 市民緑地設置管理計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

市民緑地を設置する土地等の区域及びその面積

市民緑地を設置するに当たり整備する次に掲げる施設の概要、規模及び配置
 イ 緑化施設
 ロ 園路、広場その他の市民緑地を利用する住民の利便のため必要な施設
 ハ 市民緑地内の緑地の保全に関連して必要とされる施設

市民緑地の管理の方法

市民緑地の管理期間

市民緑地の設置及び管理の資金計画

その他国土交通省令で定める事項

(市民緑地設置管理計画の認定基準等)

第六十一条 市町村長は、前条第一項の規定による認定の申請があつた場合において、当該申請に係る市民緑地設置管理計画が次に掲げる基準(当該市民緑地設置管理計画が町村の区域内における市民緑地の設置及び管理に係るものである場合にあつては、第八号に掲げる基準を除く。)に適合すると認めるときは、その認定をすることができる。

市民緑地を設置する土地等の区域の周辺の地域において、良好な都市環境の形成に必要な緑地が不足していること。

市民緑地を設置する土地等の区域の面積が、国土交通省令で定める規模以上であること。

市民緑地を設置するに当たり整備する緑化施設の面積の前号に規定する面積に対する割合が、国土交通省令で定める割合以上であること。

市民緑地の管理の方法が、市民緑地の管理が適切に行われるために必要なものとして国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

市民緑地の管理期間が、一年以上で国土交通省令で定める期間以上であること。

市民緑地設置管理計画の内容が、基本計画と調和が保たれ、かつ、良好な都市環境の形成に貢献するものであること。

市民緑地設置管理計画を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分であること。

市民緑地設置管理計画に記載された前条第二項第二号イ又はロに掲げる施設の整備に係る行為が、特別緑地保全地区内において行う行為であつて第十四条第一項の許可を受けなければならないものである場合には、当該施設の整備に関する事項が同条第二項の規定により当該許可をしてはならない場合に該当しないこと。

その他市民緑地の設置及び管理が適正かつ確実に実施されるものとして国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

2 前項第三号の緑化施設の面積は、国土交通省令で定めるところにより算出するものとする。

3 市町村長は、第一項の認定をしようとする場合において、その申請に係る市民緑地設置管理計画に記載された前条第二項第二号イからハまでに掲げる施設の整備に係る行為が次の各号に掲げる行為のいずれかに該当するときは、当該市民緑地設置管理計画について、あらかじめ、それぞれ当該各号に定める者に協議し、当該施設の整備に係る行為が第二号又は第三号に掲げる行為のいずれかに該当するものである場合にあつては、その同意を得なければならない。

指定都市以外の市町村の区域内の首都圏近郊緑地保全区域又は近畿圏近郊緑地保全区域内において行う行為であつて、首都圏保全法第七条第一項又は近畿圏保全法第八条第一項の規定による届出をしなければならないもの 都府県知事

町村の区域内の緑地保全地域内において行う行為であつて、第八条第一項の規定による届出をしなければならないもの 都道府県知事

町村の区域内の特別緑地保全地区内において行う行為であつて、第十四条第一項の許可を受けなければならないもの 都道府県知事

4 都道府県知事は、前項第三号に掲げる行為に係る市民緑地設置管理計画についての協議があつた場合において、当該協議に係る前条第二項第二号イ又はロに掲げる施設の整備に係る行為が、第十四条第二項の規定により同条第一項の許可をしてはならない場合に該当しないと認めるときは、前項の同意をするものとする。

5 市町村長は、第一項の認定をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨及び当該認定に係る市民緑地の区域を公告しなければならない。

(市民緑地設置管理計画の変更)

第六十二条 前条第一項の認定を受けた者(以下この節において「認定事業者」という。)は、当該認定を受けた市民緑地設置管理計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、市町村長の認定を受けなければならない。

2 前条の規定は、前項の認定について準用する。

(報告の徴収)

第六十三条 市町村長は、認定事業者に対し、第六十一条第一項の認定を受けた市民緑地設置管理計画(変更があつたときは、その変更後のもの。以下「認定計画」という。)に係る市民緑地の設置及び管理の状況について報告を求めることができる。

(改善命令)

第六十四条 市町村長は、認定事業者が認定計画に従つて市民緑地の設置及び管理を行つていないと認めるときは、当該認定事業者に対し、相当の期間を定めて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(認定の取消し)

第六十五条 市町村長は、認定事業者が前条の規定による命令に違反したときは、第六十一条第一項の認定を取り消すことができる。

(首都圏保全法等の特例)

第六十六条 認定事業者が認定計画に従つて首都圏近郊緑地保全区域内において第六十条第二項第二号イからハまでに掲げる施設を整備するため行う行為については、首都圏保全法第七条第一項及び第二項の規定は、適用しない。

2 認定事業者が認定計画に従つて近畿圏近郊緑地保全区域内において第六十条第二項第二号イからハまでに掲げる施設を整備するため行う行為については、近畿圏保全法第八条第一項及び第二項の規定は、適用しない。

3 認定事業者が認定計画に従つて緑地保全地域内において第六十条第二項第二号イからハまでに掲げる施設を整備するため行う行為については、第八条第一項及び第二項の規定は、適用しない。

4 認定事業者が認定計画に従つて特別緑地保全地区内において第六十条第二項第二号イ又はロに掲げる施設を整備するため第十四条第一項の許可を受けなければならない行為を行う場合には、当該許可があつたものとみなす。

5 認定事業者が認定計画に従つて特別緑地保全地区内において第六十条第二項第二号ハに掲げる施設を整備するため行う行為については、第十四条第一項から第七項までの規定は、適用しない。

(認定市民緑地の管理)

第六十七条 地方公共団体又は第八十一条第一項の規定により指定された緑地保全・緑化推進法人(第八十二条第一号ロに掲げる業務を行うものに限る。)は、認定事業者との契約に基づき、認定計画に従つて設置された市民緑地(次条において「認定市民緑地」という。)を管理することができる。

(都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律の特例の準用)

第六十八条 第三十条の規定は、前条の緑地保全・緑化推進法人が同条の規定に基づき管理する認定市民緑地内の樹木又は樹木の集団で都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律第二条第一項の規定に基づき保存樹又は保存樹林として指定されたものについて準用する。

第七章 都市緑化支援機構

(支援機構の指定)

第六十九条 国土交通大臣は、都市における緑地の保全及び緑化の推進を支援することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次条に規定する業務(以下「支援業務」という。)に関し次の各号のいずれにも適合すると認められるものを、その申請により、全国を通じて一に限り、都市緑化支援機構(以下「支援機構」という。)として指定することができる。

支援業務を適正かつ確実に実施することができる経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。

支援業務以外の業務を行つている場合にあつては、その業務を行うことによつて支援業務の適正かつ確実な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

前二号に掲げるもののほか、支援業務を適正かつ確実に実施することができるものとして、国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の規定による指定(以下この章において「指定」という。)を受けることができない。

この法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者

第七十九条第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者

その役員のうちに、第一号に該当する者がある者

3 国土交通大臣は、指定をしたときは、支援機構の名称、住所及び支援業務を行う事務所の所在地を公示しなければならない。

4 支援機構は、その名称、住所又は支援業務を行う事務所の所在地を変更するときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

5 国土交通大臣は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

(支援機構の業務)

第七十条 支援機構は、次に掲げる業務を行うものとする。

第十七条の二第一項の規定による都道府県等の要請に基づき、第十七条第一項の申出をした者から対象土地を買い入れること。

前号の買入れに係る対象土地の区域内において機能維持増進事業を行うこと。

前号に掲げるもののほか、同号に規定する対象土地の管理を行うこと。

第十七条の二第三項第四号の期間内において都道府県等への対象土地の譲渡を行うこと。

第八十九条第三項に規定する認定事業者に対し、第九十条に規定する緑地確保事業の実施のために必要な資金の貸付けを行うこと。

緑地の保全及び緑化の推進に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。

緑地の保全及び緑化の推進に関し必要な助言及び指導を行うこと。

緑地の保全及び緑化の推進に関する調査及び研究を行うこと。

前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

(業務規程の認可)

第七十一条 支援機構は、国土交通省令で定めるところにより、特定緑地保全業務に関する規程(以下この条及び第七十九条第二項第三号において「業務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。

2 業務規程には、次に掲げる事項を定めるものとする。

特定緑地保全業務を行うべき土地の基準に関する事項

業務実施協定の締結に関する事項

特定緑地保全業務の実施の方法に関する事項

特定緑地保全業務の適正かつ確実な実施を確保するための措置に関する事項

その他特定緑地保全業務に関し必要な事項として国土交通省令で定める事項

3 支援機構は、業務規程の変更をするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。

4 支援機構は、第一項又は前項の認可を受けたときは、遅滞なく、その業務規程を公表しなければならない。

5 国土交通大臣は、第一項又は第三項の認可をした業務規程が特定緑地保全業務を適正かつ確実に実施する上で不適当となつたと認めるときは、支援機構に対し、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

(事業計画等)

第七十二条 支援機構は、毎事業年度、国土交通省令で定めるところにより、支援業務に係る事業計画書及び収支予算書を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、国土交通大臣の認可を受けなければならない。

2 支援機構は、前項の認可を受けた事業計画書及び収支予算書を変更するときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の認可を受けなければならない。

3 支援機構は、毎事業年度、国土交通省令で定めるところにより、支援業務に係る事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に国土交通大臣に提出しなければならない。

(業務の休廃止)

第七十三条 支援機構は、国土交通大臣の許可を受けなければ、支援業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

2 国土交通大臣は、前項の許可をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

(区分経理)

第七十四条 支援機構は、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる業務ごとに経理を区分して整理しなければならない。

特定緑地保全業務

第七十条第五号に掲げる業務及びこれに附帯する業務

第七十条第六号から第八号までに掲げる業務及びこれらに附帯する業務

(帳簿の記載等)

第七十五条 支援機構は、支援業務について、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を備え、国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

(秘密保持義務等)

第七十六条 支援機構の役員若しくは職員又はこれらの者であつた者は、支援業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。

2 支援業務に従事する支援機構の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

(報告徴収及び立入検査)

第七十七条 国土交通大臣は、支援業務の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、支援機構に対し支援業務若しくは資産の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、支援機構の事務所に立ち入り、支援業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 第十一条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

(監督命令)

第七十八条 国土交通大臣は、支援業務の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、支援機構に対し、支援業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

(指定の取消し)

第七十九条 国土交通大臣は、支援機構が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すものとする。

第六十九条第二項第一号又は第三号のいずれかに該当するに至つたとき。

指定に関し不正の行為があつたとき。

2 国土交通大臣は、支援機構が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すことができる。

支援業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

第六十九条第四項、第七十二条、第七十三条第一項、第七十四条又は第七十五条の規定に違反したとき。

第七十一条第一項又は第三項の認可を受けた業務規程によらないで支援業務を行つたとき。

第七十一条第五項又は前条の規定による命令に違反したとき。

3 国土交通大臣は、前二項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

(指定を取り消した場合における経過措置)

第八十条 前条第一項又は第二項の規定により指定を取り消した場合において、国土交通大臣がその取消し後に新たに指定をしたときは、取消しに係る支援機構の特定緑地保全業務に係る財産は、新たに指定を受けた支援機構に帰属する。

2 前項に定めるもののほか、前条第一項又は第二項の規定により指定を取り消した場合における特定緑地保全業務に係る財産の管理その他所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定める。

第八章 緑地保全・緑化推進法人

(推進法人の指定)

第八十一条 市町村長は、特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人、一般社団法人若しくは一般財団法人その他の営利を目的としない法人又は都市における緑地の保全及び緑化の推進を図ることを目的とする会社であつて、次条各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、緑地保全・緑化推進法人(以下「推進法人」という。)として指定することができる。

2 市町村長は、前項の規定による指定をしたときは、推進法人の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。

3 推進法人は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更するときは、あらかじめ、その旨を市町村長に届け出なければならない。

4 市町村長は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

(推進法人の業務)

第八十二条 推進法人は、当該市町村の区域内において、次に掲げる業務を行うものとする。

次のいずれかに掲げる業務

管理協定に基づく緑地の管理を行うこと。

市民緑地の設置及び管理を行うこと。

緑地の保全及び緑化の推進に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。

緑地の保全及び緑化の推進に関し必要な助言及び指導を行うこと。

緑地の保全及び緑化の推進に関する調査及び研究を行うこと。

前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

(地方公共団体との連携)

第八十三条 推進法人は、地方公共団体との密接な連携の下に前条第一号に掲げる業務を行わなければならない。

(改善命令)

第八十四条 市町村長は、推進法人の業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、推進法人に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(指定の取消し等)

第八十五条 市町村長は、推進法人が前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。

2 市町村長は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

(情報の提供等)

第八十六条 国及び地方公共団体は、推進法人に対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供又は指導及び助言を行うものとする。

第九章 優良緑地確保計画の認定等

第一節 優良緑地確保計画の認定

(緑地確保指針の策定)

第八十七条 国土交通大臣は、都市における緑地の保全及び緑化の推進による良好な都市環境の形成を図るために緑地確保事業者(その事業において都市における緑地の整備、保全その他の管理に関する取組を行う事業者をいう。以下同じ。)が講ずべき措置に関する指針(以下この条及び次条において「緑地確保指針」という。)を定めるものとする。

2 緑地確保指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

周囲の自然環境と調和のとれた緑地又は緑化施設の整備又は設置、地域の自然的社会的条件に応じた多様な動植物の生息環境又は生育環境の確保その他の良好な都市環境の形成に関して緑地確保事業者が取り組むべき事項

その他緑地確保事業者による都市における緑地の確保に関する取組の実施に際し配慮すべき事項

3 国土交通大臣は、緑地確保指針を定め、又はこれを変更するときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。

4 国土交通大臣は、緑地確保指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

(優良緑地確保計画の認定)

第八十八条 緑地確保事業者は、国土交通省令で定めるところにより、その実施する都市における緑地の確保のための取組(以下「緑地確保事業」という。)に関する計画(以下「優良緑地確保計画」という。)を作成し、当該優良緑地確保計画が緑地確保指針に適合するものである旨の国土交通大臣の認定を申請することができる。

2 優良緑地確保計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

緑地確保事業を実施する区域の位置及び面積

緑地確保事業の内容

計画期間

緑地確保事業の実施体制

資金計画

その他国土交通省令で定める事項

3 前項第二号に掲げる事項には、都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第六十三条第三項第一号及び第二号に掲げる事項を記載することができる。

4 国土交通大臣は、第一項の認定の申請があつた場合において、当該申請に係る優良緑地確保計画が緑地確保指針に適合していると認めるときは、その認定をするものとする。

5 国土交通大臣は、第一項の認定のための審査に当たつては、国土交通省令で定めるところにより、その申請に係る優良緑地確保計画の緑地確保指針への適合性についての技術的な調査を行うものとする。

6 国土交通大臣は、第一項の認定をする場合において、その申請に係る優良緑地確保計画に記載された緑地確保事業の実施に係る行為が次の各号に掲げる行為のいずれかに該当するときは、当該優良緑地確保計画について、あらかじめ、当該各号に定める者に協議し、かつ、当該行為が第三号に掲げる行為に該当するものである場合にあつては、その同意を得なければならない。

首都圏近郊緑地保全区域又は近畿圏近郊緑地保全区域内において行う行為であつて、首都圏保全法第七条第一項又は近畿圏保全法第八条第一項の規定による届出をしなければならないもの 都府県知事(当該行為が指定都市の区域内において行われるものである場合にあつては、当該指定都市の長)

緑地保全地域内において行う行為であつて、第八条第一項の規定による届出をしなければならないもの 都道府県知事等

特別緑地保全地区内において行う行為であつて、第十四条第一項の許可を受けなければならないもの 都道府県知事等

7 都道府県知事等は、前項第三号に掲げる行為に係る優良緑地確保計画について同項の協議があつた場合において、当該協議に係る緑地確保事業の実施に係る行為が第十四条第二項の規定により同条第一項の許可をしてはならない場合に該当しないと認めるときは、前項の同意をするものとする。

8 国土交通大臣は、第一項の認定をしたときは、当該認定を受けた緑地確保事業者の氏名又は名称及び当該認定に係る優良緑地確保計画の内容を公表するものとする。

(変更の認定等)

第八十九条 前条第一項の認定を受けた緑地確保事業者は、当該認定に係る優良緑地確保計画を変更するときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、国土交通大臣の認定を受けなければならない。 ただし、国土交通省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

2 前項の変更の認定を受けようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。

3 前条第一項の認定(第一項の変更の認定を含む。以下「計画の認定」という。)を受けた緑地確保事業者(以下「認定事業者」という。)は、第一項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

4 前条第四項から第八項までの規定は、第一項の変更の認定について準用する。

(助言等)

第九十条 国は、認定事業者に対し、計画の認定を受けた優良緑地確保計画(変更があつたときは、その変更後のもの。以下「認定優良緑地確保計画」という。)に従つて行われる緑地確保事業の実施に関し必要な助言、情報の提供その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

(改善命令及び認定の取消し)

第九十一条 国土交通大臣は、認定事業者が認定優良緑地確保計画に従つて緑地確保事業を行つていないと認めるときは、当該認定事業者に対し、相当の期限を定めて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

2 国土交通大臣は、認定事業者が前項の規定による命令に違反したときは、計画の認定を取り消すことができる。

3 国土交通大臣は、前項の規定により計画の認定を取り消したときは、その旨を公表するものとする。

(定期の報告)

第九十二条 認定事業者は、毎年度、国土交通省令で定めるところにより、認定優良緑地確保計画の実施状況について国土交通大臣に報告しなければならない。

(首都圏保全法等の特例)

第九十三条 認定事業者が認定優良緑地確保計画に従つて首都圏近郊緑地保全区域内において行う行為については、首都圏保全法第七条第一項の規定は、適用しない。

2 認定事業者が認定優良緑地確保計画に従つて近畿圏近郊緑地保全区域内において行う行為については、近畿圏保全法第八条第一項の規定は、適用しない。

3 認定事業者が認定優良緑地確保計画に従つて緑地保全地域内において行う行為については、第八条第一項及び第二項の規定は、適用しない。

4 特別緑地保全地区内において第十四条第一項の許可を受けなければならない行為を認定事業者が認定優良緑地確保計画に従つて行う場合には、当該行為については、同項の許可があつたものとみなす。

(都市再生推進法人の業務の特例)

第九十四条 都市再生特別措置法第百十八条第一項の規定により指定された都市再生推進法人は、同法第百十九条各号に掲げる業務のほか、認定事業者に対し、当該認定事業者が実施する緑地確保事業に関する知識を有する者の派遣、情報の提供、相談その他の援助を行うことができる。

2 前項の場合においては、都市再生特別措置法第百二十一条第一項及び第二項中「掲げる業務」とあるのは、「掲げる業務及び都市緑地法(昭和四十八年法律第七十二号)第九十四条第一項に規定する業務」とする。

第二節 登録調査機関等

(登録調査機関による調査)

第九十五条 国土交通大臣は、その登録を受けた者(以下「登録調査機関」という。)に第八十八条第五項(第八十九条第四項において準用する場合を含む。)に規定する技術的な調査(以下「調査」という。)の全部又は一部を行わせることができる。

2 国土交通大臣は、前項の規定により登録調査機関に調査の全部又は一部を行わせるときは、当該調査の全部又は一部を行わないものとする。 この場合において、国土交通大臣は、登録調査機関が第四項の規定により通知する調査の結果を考慮して計画の認定のための審査を行わなければならない。

3 国土交通大臣が第一項の規定により登録調査機関に調査の全部又は一部を行わせることとしたときは、計画の認定を受けようとする者は、当該調査の全部又は一部については、国土交通省令で定めるところにより、登録調査機関にその実施を申請しなければならない。

4 登録調査機関は、前項の規定による申請に係る調査を行つたときは、遅滞なく、当該調査の結果を、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に通知しなければならない。

5 第三項の申請の手続その他の登録調査機関による調査の実施に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

(登録)

第九十六条 前条第一項の登録(以下「登録」という。)は、国土交通省令で定めるところにより、調査の業務を行おうとする者の申請により行う。

(欠格条項)

第九十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。

この法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から一年を経過しない者

第百十条第一項から第三項までの規定により登録を取り消され、その取消しの日から一年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条第一項の規定による通知があつた日前六十日以内に当該法人の役員であつた者で当該取消しの日から一年を経過しないものを含む。)

法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

(登録の基準等)

第九十八条 国土交通大臣は、第九十六条の規定により登録の申請をした者(第二号において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。

調査を適確に行うために必要なものとして国土交通省令で定める基準に適合していること。

緑地の整備又は管理を業とする者(以下この号において「緑地整備等業者」という。)に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
 イ 登録申請者が株式会社である場合にあつては、緑地整備等業者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。)であること。
 ロ 登録申請者が法人である場合にあつては、その役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。)にあつては、業務を執行する社員)に占める緑地整備等業者の役員又は職員(過去二年間に緑地整備等業者の役員又は職員であつた者を含む。ハにおいて同じ。)の割合が二分の一を超えていること。
 ハ 登録申請者(法人にあつては、その代表権を有する役員)が、緑地整備等業者の役員又は職員であること。

2 国土交通大臣は、登録をしたときは、遅滞なく、登録調査機関について、その氏名又は名称及び住所、調査の業務の範囲、調査の業務を行う事務所の所在地その他国土交通省令で定める事項を公示しなければならない。

(登録の更新)

第九十九条 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、効力を失う。

2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。

3 第一項の登録の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下この条において「登録の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

4 前項の場合において、第一項の登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

(調査の実施)

第百条 登録調査機関は、調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、調査を行わなければならない。

2 登録調査機関は、公正に、かつ、国土交通省令で定める基準に適合する方法により調査を行わなければならない。

(変更の届出)

第百一条 登録調査機関は、その氏名若しくは名称、住所又は調査の業務を行う事務所の所在地の変更をするときは、その二週間前までに、国土交通大臣に届け出なければならない。

2 国土交通大臣は、前項の規定による届出があつたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

(業務規程)

第百二条 登録調査機関は、調査の業務に関する規程(以下この条及び第百十条第二項第二号において「業務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。 これを変更するときも、同様とする。

2 業務規程には、調査の実施方法その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。

3 国土交通大臣は、第一項の認可をした業務規程が調査を公正かつ適確に実施する上で不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

(業務の休廃止)

第百三条 登録調査機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

2 国土交通大臣は、前項の許可をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

(財務諸表等の備付け及び閲覧等)

第百四条 登録調査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、当該事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項及び第百二十条において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事務所に備えて置かなければならない。

2 緑地確保事業者その他の利害関係人は、登録調査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録調査機関の定めた費用を支払わなければならない。

財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

前号の書面の謄本又は抄本の請求

財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものをいう。)により提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求

(帳簿の記載等)

第百五条 登録調査機関は、調査の業務について、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を備え、国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

(秘密保持義務等)

第百六条 登録調査機関の役員(法人でない登録調査機関にあつては、当該登録を受けた者。次項において同じ。)若しくは職員又はこれらの者であつた者は、調査の業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。

2 調査の業務に従事する登録調査機関の役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

(報告徴収及び立入検査)

第百七条 国土交通大臣は、調査の業務の公正かつ適確な実施を確保するために必要な限度において、登録調査機関に対し調査の業務若しくは経理の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、登録調査機関の事務所に立ち入り、調査の業務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 第十一条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

(適合命令)

第百八条 国土交通大臣は、登録調査機関が第九十八条第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該登録調査機関に対し、これらの要件に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(改善命令)

第百九条 国土交通大臣は、登録調査機関が第百条の規定に違反していると認めるとき、又は登録調査機関が行う調査が適当でないと認めるときは、当該登録調査機関に対し、調査を行うべきこと又は調査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(登録の取消し等)

第百十条 国土交通大臣は、登録調査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消さなければならない。

第九十七条第一号又は第三号のいずれかに該当するに至つたとき。

不正の手段により登録又はその更新を受けたとき。

2 国土交通大臣は、登録調査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は一年以内の期間を定めて調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

第九十五条第四項、第百一条第一項、第百三条第一項、第百四条第一項又は第百五条の規定に違反したとき。

第百二条第一項の認可を受けた業務規程によらないで調査の業務を行つたとき。

正当な理由がないのに第百四条第二項の請求を拒んだとき。

第百二条第三項、第百八条又は前条の規定による命令に違反したとき。

3 国土交通大臣は、前二項に規定する場合のほか、登録調査機関が、正当な理由がないのに、その登録を受けた日から一年を経過してもなおその登録に係る調査の業務を開始しないときは、その登録を取り消すことができる。

4 国土交通大臣は、前三項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

(国土交通大臣による調査の業務の実施)

第百十一条 国土交通大臣は、登録調査機関が第百三条第一項の許可を受けてその調査の業務の全部若しくは一部を休止した場合、前条第二項の規定により登録調査機関に対し調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じた場合又は登録調査機関が天災その他の事由により調査の業務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において、必要があると認めるときは、第九十五条第二項の規定にかかわらず、調査の業務の全部又は一部を自ら行うものとする。

2 国土交通大臣は、前項の規定により調査の業務を行うこととし、又は同項の規定により行つている調査の業務を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。

3 国土交通大臣が、第一項の規定により調査の業務を行うこととし、第百三条第一項の規定により調査の業務の廃止を許可し、又は前条第一項から第三項までの規定により登録を取り消した場合における調査の業務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。

(手数料)

第百十二条 計画の認定を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納めなければならない。 ただし、国土交通大臣が第九十五条第一項の規定により登録調査機関に調査の全部を行わせることとしたときは、この限りでない。

2 登録調査機関が行う調査を受けようとする者は、政令で定めるところにより登録調査機関が国土交通大臣の認可を受けて定める額の手数料を、当該登録調査機関に納めなければならない。

第十章 雑則

(国等の援助)

第百十三条 国及び地方公共団体は、都市における緑地の保全及び緑化の推進を図るため、関係地方公共団体、支援機構又は推進法人に対し、必要な情報の提供、助言、指導その他の援助を行うよう努めるものとする。

(経過措置)

第百十四条 この法律の規定に基づき政令又は国土交通省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ、政令又は国土交通省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第十一章 罰則

第百十五条 第九条第一項(第十五条において準用する場合を含む。)、第三十七条第一項(第四十三条第四項において準用する場合を含む。)又は第百十条第二項の規定による命令に違反したときは、その違反行為をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

2 第七十六条第一項又は第百六条第一項の規定に違反して、支援業務又は調査の業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

第百十六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第十四条第一項の規定に違反したとき。

第十四条第三項の規定により許可に付された条件に違反したとき。

第百十七条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

第七条第三項(第十三条において準用する場合を含む。)又は第八条第五項の規定に違反したとき。

第八条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

第八条第二項の規定による都道府県知事等の命令又は第八十四条の規定による市町村長の命令に違反する行為をしたとき。

第十一条第一項(第十九条において読み替えて準用する場合を含む。)又は第六十三条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

第十一条第二項(第十九条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による立入検査又は立入調査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

第三十八条第一項(第四十三条第四項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第三十八条第一項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

第七十三条第一項又は第百三条第一項の許可を受けないで、支援業務又は調査の業務の全部を廃止したとき。

第七十五条又は第百五条の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。

第七十七条第一項若しくは第百七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくはこれらの規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

第百十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して第百十五条第一項又は前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

第百十九条 地区計画等緑地保全条例、地区計画等緑化率条例又は第四十四条の規定に基づく条例には、これに違反した者に対し、三十万円以下の罰金に処する旨の規定を設けることができる。

第百二十条 第百四条第一項の規定に違反して、財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項の請求を拒んだ者は、二十万円以下の過料に処する。

附則

この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成五年一一月一二日法律第八九号)

(施行期日)
第一条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。

(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第十四条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。

(政令への委任)
第十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成六年六月二四日法律第四〇号)

この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 この法律の施行前に都市緑地保全法第二十条第三項において準用する同法第十六条第二項の規定による認可の公告のあった緑化協定についての改正後の同法第二十条第四項の規定の適用については、同項中「三年」とあるのは、「一年」とする。

附則(平成六年六月二九日法律第四九号)

この法律中、第一章の規定及び次項の規定は地方自治法の一部を改正する法律(平成六年法律第四十八号)中地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二編第十二章の改正規定の施行の日から、第二章の規定は地方自治法の一部を改正する法律中地方自治法第三編第三章の改正規定の施行の日から施行する。

附則(平成七年四月一九日法律第六八号)

この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 この法律の施行前に改正前の都市緑地保全法(以下「旧法」という。)第十六条第二項(旧法第十七条第二項及び第二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による認可の公告のあった緑化協定は、改正後の都市緑地保全法(以下「新法」という。)第十六条第二項(新法第十七条第二項及び第二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による認可の公告のあった緑地協定とみなす。 この場合において、平成六年十月二十日前に旧法第二十条第三項において準用する旧法第十六条第二項の規定による認可の公告のあった緑化協定が緑地協定としての効力を有することとなる時期については、なお従前の例による。 この法律の施行前に行われた旧法第十四条第四項、第十七条第一項又は第二十条第一項の規定による認可の申請は、新法第十四条第四項、第十七条第一項又は第二十条第一項の規定による認可の申請とみなす。

附則(平成一一年七月一六日法律第八七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(平成一三年五月二五日法律第三七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の日以後この法律による改正後の都市緑地保全法(以下この条において「新法」という。)第二条の二の規定に基づき緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画(以下この条において「基本計画」という。)が定められるまでの間においては、この法律の施行の際現にこの法律による改正前の都市緑地保全法第二条の二の規定に基づき定められている基本計画を新法第二条の二の規定に基づき定められた基本計画とみなす。

附則(平成一六年六月二日法律第六七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一六年六月一八日法律第一〇九号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に第一条の規定による改正前の都市緑地保全法(以下「都市緑地保全法」という。)第二条の二の規定に基づき定められている緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画(次項において「旧基本計画」という。)は、第一条の規定による改正後の都市緑地法(以下「都市緑地法」という。)第四条の規定に基づき定められた緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画(次項において「新基本計画」という。)とみなす。 この法律の施行の際旧基本計画に定められている都市緑地保全法第二条の二第二項第三号ニの地区は、新基本計画に定められた都市緑地法第四条第二項第三号ホの地区とみなす。

(緑地保全地区に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現に都市緑地保全法第三条の規定により定められている緑地保全地区は、都市緑地法第十二条の規定により定められた特別緑地保全地区とみなす。

(緑地管理機構に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に都市緑地保全法第二十条の六第一項の規定により指定されている緑地管理機構は、都市緑地法第六十八条第一項の規定により指定された緑地管理機構とみなす。

(罰則に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成一六年六月一八日法律第一一一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、景観法(平成十六年法律第百十号)の施行の日から施行する。 ただし、第一条中都市計画法第八条、第九条、第十二条の五及び第十三条の改正規定、第三条、第五条、第七条から第十条まで、第十二条、第十六条中都市緑地法第三十五条の改正規定、第十七条、第十八条、次条並びに附則第四条、第五条及び第七条の規定は、景観法附則ただし書に規定する日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成一六年六月一八日法律第一一二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一八年五月三一日法律第四六号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(都市緑地法の一部改正に伴う経過措置)
第八条 附則第一条第三号に掲げる規定の施行前に第六条の規定による改正前の都市緑地法第四十七条第二項の規定による認可の公告のあった緑地協定は、第六条の規定による改正後の都市緑地法第四十七条第二項の規定による認可の公告のあった緑地協定とみなす。

(罰則に関する経過措置)
第十条 この法律(附則第一条第二号及び第三号に掲げる規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第十一条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)
第十二条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新都市計画法、新建築基準法、新駐車場法及び第六条の規定による改正後の都市緑地法の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

附則(平成一八年六月二日法律第五〇号)

この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。

附則(平成二〇年五月二三日法律第四〇号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成二三年六月二二日法律第七〇号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十四年四月一日から施行する。 ただし、次条の規定は公布の日から、附則第十七条の規定は地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成二十三年法律第百五号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日から施行する。

附則(平成二三年六月二四日法律第七四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

附則(平成二三年八月三〇日法律第一〇五号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(都市緑地法の一部改正に伴う経過措置)
第六十二条 第百二十八条の規定(都市緑地法第二十条及び第三十九条の改正規定を除く。以下この条において同じ。)の施行の際現に効力を有する第百二十八条の規定による改正前の都市緑地法(以下この条及び附則第九十条において「旧都市緑地法」という。)第六条第一項の規定により都道府県が定めた緑地保全計画若しくは旧都市緑地法第六条第一項若しくは第四項、第七条第一項、第三項若しくは第四項(旧都市緑地法第十三条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第七条第五項若しくは第六項(旧都市緑地法第十条第二項及び第十三条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第八条第二項、第四項、第六項若しくは第八項、第九条第一項若しくは第二項(旧都市緑地法第十五条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第十条第一項(旧都市緑地法第十六条において準用する場合を含む。)、第十一条第一項若しくは第二項(旧都市緑地法第十九条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第十四条第一項、第三項若しくは第七項、第二十四条第四項若しくは第五十五条第五項(市民緑地契約の対象となる土地の区域が同項第二号に掲げるものである場合に限る。以下この項において同じ。)の規定により都道府県若しくは都道府県知事が行った許可その他の行為又は現に旧都市緑地法第八条第一項若しくは第七項、第十四条第一項、第四項から第六項まで若しくは第八項、第二十四条第四項若しくは第五十五条第五項の規定により都道府県知事に対して行っている許可の申請その他の行為で、第百二十八条の規定による改正後の都市緑地法(以下この条及び附則第九十条において「新都市緑地法」という。)第六条第一項、第五項若しくは第六項、第七条第一項、第三項若しくは第四項(新都市緑地法第十三条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第七条第五項若しくは第六項(新都市緑地法第十条第二項及び第十三条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第八条第一項、第二項、第四項若しくは第六項から第八項まで、第九条第一項若しくは第二項(新都市緑地法第十五条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第十条第一項(新都市緑地法第十六条において準用する場合を含む。)、第十一条第一項若しくは第二項(新都市緑地法第十九条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第十四条第一項若しくは第三項から第八項まで、第二十四条第四項又は第五十五条第五項若しくは第七項の規定により市若しくは市長が行うこととなる事務に係るものは、それぞれこれらの規定により当該市が定めた緑地保全計画若しくは当該市若しくは市長が行った許可その他の行為又は当該市長に対して行った許可の申請その他の行為とみなす。 第百二十八条の規定の施行前に都道府県知事がした旧都市緑地法第十四条第一項の許可の申請についての不許可の処分に係る土地の買入れの手続については、新都市緑地法第十七条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 第百二十八条の規定の施行前に旧都市緑地法第十四条第五項又は第六項の規定により都道府県知事に対し届出をしなければならないとされている事項のうち新都市緑地法第十四条第五項又は第六項の規定により市長に対して届出をしなければならないこととなるもので、第百二十八条の規定の施行前にその手続がされていないものについては、第百二十八条の規定の施行後は、これを、これらの規定により市長に対して届出をしなければならないとされた事項についてその手続がされていないものとみなして、これらの規定を適用する。 第百二十八条の規定の施行の際現に旧都市緑地法第五十五条第五項の規定により地方公共団体がしている協議の申出(市民緑地契約の対象となる土地の区域が同項第一号に掲げるものである場合に限る。)は、新都市緑地法第五十五条第五項の規定によりされた届出とみなす。

(罰則に関する経過措置)
第八十一条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第八十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附則(平成二三年一二月一四日法律第一二二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(平成二六年六月一三日法律第六九号)

(施行期日)
第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。

(経過措置の原則)
第五条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。

(訴訟に関する経過措置)
第六条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第九条 この法律の施行前にした行為並びに附則第五条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第十条 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附則(平成二九年五月一二日法律第二六号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(都市緑地法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 前条第二号に掲げる規定の施行の際現に工事中の特定建築物(第一条の規定による改正前の都市緑地法(以下この条において「旧都市緑地法」という。)第三十五条第六項又は第八項に規定する建築物に該当する建築物をいう。次項において同じ。)の新築、増築、修繕又は模様替については、第一条の規定による改正後の都市緑地法(以下この条において「新都市緑地法」という。)第三十五条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 特定建築物については、新都市緑地法第三十七条の規定は、前条第二号に掲げる規定の施行後(前項の特定建築物については、同項に規定する工事が完了した後)にする新築又は増築(当該新築又は増築をした特定建築物の維持保全を含む。)について適用し、同号に掲げる規定の施行前にした新築又は増築(当該新築又は増築をした特定建築物の維持保全を含む。)については、なお従前の例による。 この法律の施行の際現に旧都市緑地法第六十八条第一項の規定により指定されている緑地管理機構(旧都市緑地法第六十九条第一号イからハまでのいずれかに掲げる業務を行うものに限る。次項において「旧機構」という。)は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)において新都市緑地法第六十九条第一項の規定によりその住所地の市町村長から指定された緑地保全・緑化推進法人(次項において「新法人」という。)とみなす。 この法律の施行の際現に効力を有する旧都市緑地法第六十八条第二項若しくは第四項若しくは第七十一条の規定により都道府県知事が行った命令その他の行為又は現に旧都市緑地法第六十八条第一項若しくは第三項の規定により都道府県知事に対して行っている指定の申請その他の行為であって旧機構に係るもののうち、新都市緑地法第六十九条又は第七十二条の規定により市町村長が行うこととなる事務に係るものは、それぞれこれらの規定により新法人の住所地の市町村長が行った命令その他の行為又は当該市町村長に対して行った指定の申請その他の行為とみなす。

(罰則に関する経過措置)
第四条 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(検討)
第五条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、第一条、第二条及び第四条から第六条までの規定による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

(政令への委任)
第二十五条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成三〇年六月二七日法律第六七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(令和二年六月一〇日法律第四三号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(令和三年五月一〇日法律第三一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(政令への委任)
第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)
第四条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定について、その施行の状況等を勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

附則(令和四年五月二〇日法律第四四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(令和四年六月一七日法律第六八号)

この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

第五百九条の規定 公布の日

附則(令和五年六月一六日法律第五八号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(令和六年五月二九日法律第四〇号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、附則第三条の規定は、公布の日から施行する。

(都市緑地法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)の施行の日(以下この条において「刑法施行日」という。)の前日までの間における第一条の規定による改正後の都市緑地法第百十五条第二項の規定の適用については、同項中「拘禁刑」とあるのは、「懲役」とする。 刑法施行日以後における刑法施行日前にした行為に対する同項の規定の適用についても、同様とする。

(政令への委任)
第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)
第四条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定について、その施行の状況等を勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。