第一章 総則
(事業者の責務)第一条 事業者は、酸素欠乏症等を防止するため、作業方法の確立、作業環境の整備その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(定義)第二条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 酸素欠乏 空気中の酸素の濃度が十八パーセント未満である状態をいう。
二 酸素欠乏等 前号に該当する状態又は空気中の硫化水素の濃度が百万分の十を超える状態をいう。
三 酸素欠乏症 酸素欠乏の空気を吸入することにより生ずる症状が認められる状態をいう。
四 硫化水素中毒 硫化水素の濃度が百万分の十を超える空気を吸入することにより生ずる症状が認められる状態をいう。
五 酸素欠乏症等 酸素欠乏症又は硫化水素中毒をいう。
六 酸素欠乏危険作業 労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号。以下「令」という。)別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所(以下「酸素欠乏危険場所」という。)における作業をいう。
七 第一種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏危険作業のうち、第二種酸素欠乏危険作業以外の作業をいう。
八 第二種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏危険場所のうち、令別表第六第三号の三、第九号又は第十二号に掲げる酸素欠乏危険場所(同号に掲げる場所にあつては、酸素欠乏症にかかるおそれ及び硫化水素中毒にかかるおそれのある場所として厚生労働大臣が定める場所に限る。)における作業をいう。
第二章 一般的防止措置
(作業環境測定等)第三条 事業者は、令第二十一条第九号に掲げる作業場について、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素(第二種酸素欠乏危険作業に係る作業場にあつては、酸素及び硫化水素)の濃度を測定しなければならない。
2 事業者は、前項の規定による測定を行つたときは、そのつど、次の事項を記録して、これを三年間保存しなければならない。一 測定日時
二 測定方法
三 測定箇所
四 測定条件
五 測定結果
六 測定を実施した者の氏名
七 測定結果に基づいて酸素欠乏症等の防止措置を講じたときは、当該措置の概要
(測定器具)第四条 事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、前条第一項の規定による測定を行うため必要な測定器具を備え、又は容易に利用できるような措置を講じておかなければならない。
(換気)第五条 事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合は、当該作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を十八パーセント以上(第二種酸素欠乏危険作業に係る場所にあつては、空気中の酸素の濃度を十八パーセント以上、かつ、硫化水素の濃度を百万分の十以下。次項において同じ。)に保つように換気しなければならない。 ただし、爆発、酸化等を防止するため換気することができない場合又は作業の性質上換気することが著しく困難な場合は、この限りでない。
2 事業者は、酸素欠乏危険作業の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人が当該作業に従事する間(労働者が当該作業に従事するときを除く。)、当該作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を十八パーセント以上に保つように換気すること等について配慮しなければならない。 ただし、前項ただし書の場合は、この限りでない。 3 事業者は、前二項の規定により換気が行われるときは、純酸素を使用してはならない。 (保護具の使用等)第五条の二 事業者は、前条第一項ただし書の場合においては、同時に就業する労働者の人数と同数以上の空気呼吸器等(空気呼吸器、酸素呼吸器又は送気マスクをいう。以下同じ。)を備え、労働者にこれを使用させなければならない。
2 労働者は、前項の場合において、空気呼吸器等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。 3 事業者は、前条第二項の請負人に対し、同項ただし書の場合においては、空気呼吸器等を使用する必要がある旨を周知させなければならない。 (要求性能墜落制止用器具等)第六条 事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合で、労働者が酸素欠乏症等にかかつて転落するおそれのあるときは、労働者に要求性能墜落制止用器具(労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号。以下「安衛則」という。)第百三十条の五第一項に規定する要求性能墜落制止用器具をいう。)その他の命綱(以下「要求性能墜落制止用器具等」という。)を使用させなければならない。
2 事業者は、前項の場合において、要求性能墜落制止用器具等を安全に取り付けるための設備等を設けなければならない。 3 労働者は、第一項の場合において、要求性能墜落制止用器具等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。 4 事業者は、酸素欠乏危険作業の一部を請負人に請け負わせる場合で、酸素欠乏症等にかかつて転落するおそれのあるときは、当該請負人に対し、要求性能墜落制止用器具等を使用する必要がある旨を周知させなければならない。 (保護具等の点検)第七条 事業者は、第五条の二第一項の規定により空気呼吸器等を使用させ、又は前条第一項の規定により要求性能墜落制止用器具等を使用させて酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合には、その日の作業を開始する前に、当該空気呼吸器等又は当該要求性能墜落制止用器具等及び前条第二項の設備等を点検し、異常を認めたときは、直ちに補修し、又は取り替えなければならない。
(人員の点検)第八条 事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、労働者を当該作業を行う場所に入場させ、及び退場させる時に、人員を点検しなければならない。
2 事業者は、酸素欠乏危険作業の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人が当該作業を行う場所に入場し、及び退場する時に、人員を点検しなければならない。 (立入禁止)第九条 事業者は、酸素欠乏危険場所又はこれに隣接する場所で作業を行うときは、酸素欠乏危険作業に従事する者以外の者が当該酸素欠乏危険場所に立ち入ることについて、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止するとともに、表示以外の方法により禁止したときは、当該酸素欠乏危険場所が立入禁止である旨を見やすい箇所に表示しなければならない。
2 酸素欠乏危険作業に従事する者以外の者は、前項の規定により立入りを禁止された場所には、みだりに立ち入つてはならない。 3 第一項の酸素欠乏危険場所については、安衛則第五百八十五条第一項第四号の規定(酸素濃度及び硫化水素濃度に係る部分に限る。)は、適用しない。 (連絡)第十条 事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合で、近接する作業場で行われる作業による酸素欠乏等のおそれがあるときは、当該作業場との間の連絡を保たなければならない。
(作業主任者)第十一条 事業者は、酸素欠乏危険作業については、第一種酸素欠乏危険作業にあつては酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、第二種酸素欠乏危険作業にあつては酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。
2 事業者は、第一種酸素欠乏危険作業に係る酸素欠乏危険作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。一 作業に従事する労働者が酸素欠乏の空気を吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。
二 その日の作業を開始する前、作業に従事するすべての労働者が作業を行う場所を離れた後再び作業を開始する前及び労働者の身体、換気装置等に異常があつたときに、作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を測定すること。
三 測定器具、換気装置、空気呼吸器等その他労働者が酸素欠乏症にかかることを防止するための器具又は設備を点検すること。
四 空気呼吸器等の使用状況を監視すること。
3 前項の規定は、第二種酸素欠乏危険作業に係る酸素欠乏危険作業主任者について準用する。 この場合において、同項第一号中「酸素欠乏」とあるのは「酸素欠乏等」と、同項第二号中「酸素」とあるのは「酸素及び硫化水素」と、同項第三号中「酸素欠乏症」とあるのは「酸素欠乏症等」と読み替えるものとする。 (特別の教育)第十二条 事業者は、第一種酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、次の科目について特別の教育を行わなければならない。
一 酸素欠乏の発生の原因
二 酸素欠乏症の症状
三 空気呼吸器等の使用の方法
四 事故の場合の退避及び救急そ生の方法
五 前各号に掲げるもののほか、酸素欠乏症の防止に関し必要な事項
2 前項の規定は、第二種酸素欠乏危険作業に係る業務について準用する。 この場合において、同項第一号中「酸素欠乏」とあるのは「酸素欠乏等」と、同項第二号及び第五号中「酸素欠乏症」とあるのは「酸素欠乏症等」と読み替えるものとする。 3 安衛則第三十七条及び第三十八条並びに前二項に定めるもののほか、前二項の特別の教育の実施について必要な事項は、厚生労働大臣が定める。 (監視人等)第十三条 事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、常時作業の状況を監視し、異常があつたときに直ちにその旨を酸素欠乏危険作業主任者及びその他の関係者に通報する者を置く等異常を早期に把握するために必要な措置を講じなければならない。
2 事業者は、酸素欠乏危険作業の一部を請負人に請け負わせるとき(労働者が当該作業に従事するときを除く。)は、当該請負人に対し、常時作業の状況を監視し、異常があつたときに直ちにその旨を事業者及びその他の関係者に通報する者を置く等異常を早期に把握するために必要な措置を講ずること等について配慮しなければならない。 (退避)第十四条 事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合で、当該作業を行う場所において酸素欠乏等のおそれが生じたときは、直ちに作業を中止し、作業に従事する者をその場所から退避させなければならない。
2 事業者は、前項の場合において、酸素欠乏等のおそれがないことを確認するまでの間、その場所に特に指名した者以外の者が立ち入ることについて、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止するとともに、表示以外の方法により禁止したときは、当該場所が立入禁止である旨を見やすい箇所に表示しなければならない。 (避難用具等)第十五条 事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、空気呼吸器等、はしご、繊維ロープ等非常の場合に労働者を避難させ、又は救出するため必要な用具(以下「避難用具等」という。)を備えなければならない。
2 第七条の規定は、前項の避難用具等について準用する。 (救出時の空気呼吸器等の使用)第十六条 事業者は、酸素欠乏症等にかかつた作業に従事する者を酸素欠乏等の場所において救出する作業に労働者を従事させるときは、当該救出作業に従事する労働者に空気呼吸器等を使用させなければならない。
2 労働者は、前項の場合において、空気呼吸器等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。 3 事業者は、第一項の救出作業を、酸素欠乏等の場所において作業に従事する者(労働者を除く。)が行うときは、当該者に対し、空気呼吸器等を使用する必要がある旨を周知させなければならない。 (診察及び処置)第十七条 事業者は、酸素欠乏症等にかかつた労働者に、直ちに医師の診察又は処置を受けさせなければならない。
2 事業者は、酸素欠乏症等にかかるおそれのある場所における作業の一部を請負人に請け負わせる場合においては、当該請負人に対し、酸素欠乏症等にかかつたときは、直ちに医師の診察又は処置を受ける必要がある旨を周知させなければならない。第三章 特殊な作業における防止措置
(ボーリング等)第十八条 事業者は、ずい道その他坑を掘削する作業に労働者を従事させる場合で、メタン又は炭酸ガスの突出により労働者が酸素欠乏症にかかるおそれのあるときは、あらかじめ、作業を行なう場所及びその周辺について、メタン又は炭酸ガスの有無及び状態をボーリングその他適当な方法により調査し、その結果に基づいて、メタン又は炭酸ガスの処理の方法並びに掘削の時期及び順序を定め、当該定めにより作業を行なわなければならない。
(消火設備等に係る措置)第十九条 事業者は、地下室、機関室、船倉その他通風が不十分な場所に備える消火器又は消火設備で炭酸ガスを使用するものについては、次の措置を講じなければならない。
一 労働者が誤つて接触したことにより、容易に転倒し、又はハンドルが容易に作動することのないようにすること。
二 みだりに作動させることについて、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止するとともに、表示以外の方法により禁止したときは、みだりに作動させることが禁止されている旨を見やすい箇所に表示すること。
(冷蔵室等に係る措置)第二十条 事業者は、冷蔵室、冷凍室、むろその他密閉して使用する施設又は設備の内部における作業に労働者を従事させる場合は、労働者が作業に従事する間、当該施設又は設備の出入口の扉又は蓋が締まらないような措置を講じなければならない。 ただし、当該施設若しくは設備の出入口の扉若しくは蓋が内部から容易に開くことができる構造のものである場合又は当該施設若しくは設備の内部に通報装置若しくは警報装置が設けられている場合は、この限りでない。
2 事業者は、前項の作業の一部を請負人に請け負わせるときは、請負人が作業に従事する間(労働者が作業に従事するときを除く。)、同項の措置を講ずること等について配慮しなければならない。 ただし、同項ただし書の場合は、この限りでない。 (溶接に係る措置)第二十一条 事業者は、タンク、ボイラー又は反応塔の内部その他通風が不十分な場所において、アルゴン、炭酸ガス又はヘリウムを使用して行う溶接の作業に労働者を従事させるときは、次の各号のいずれかの措置を講じなければならない。
一 作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を十八パーセント以上に保つように換気すること。
二 労働者に空気呼吸器等を使用させること。
2 第七条の規定は、前項第二号の空気呼吸器等について準用する。 3 労働者は、第一項第二号の場合において、空気呼吸器等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。 4 事業者は、第一項の作業の一部を請負人に請け負わせるときは、次の各号のいずれかの措置を講じなければならない。一 請負人が作業に従事する間(労働者が作業に従事するときを除く。)、作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を十八パーセント以上に保つように換気すること等について配慮すること。
二 請負人に対し、空気呼吸器等を使用する必要がある旨を周知させること。
(ガス漏出防止措置)第二十二条 事業者は、ボイラー、タンク、反応塔、船倉等の内部で令別表第六第十一号の気体(以下「不活性気体」という。)を送給する配管があるところにおける作業に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなければならない。
一 バルブ若しくはコックを閉止し、又は閉止板を施すこと。
二 前号により閉止したバルブ若しくはコック又は施した閉止板には施錠をし、これらを開放してはならない旨を見やすい箇所に表示すること。
2 事業者は、不活性気体を送給する配管のバルブ若しくはコック又はこれらを操作するためのスイッチ、押しボタン等については、これらの誤操作による不活性気体の漏出を防止するため、配管内の不活性気体の名称及び開閉の方向を表示しなければならない。 3 事業者は、第一項の作業の一部を請負人に請け負わせるときは、請負人が作業に従事する間(労働者が作業に従事するときを除く。)、同項各号の措置を講ずること等について配慮しなければならない。 (ガス排出に係る措置)第二十二条の二 事業者は、タンク、反応塔等の容器の安全弁等から排出される不活性気体が流入するおそれがあり、かつ、通風又は換気が不十分である場所における作業に労働者を従事させるときは、当該安全弁等から排出される不活性気体を直接外部へ放出することができる設備を設ける等当該不活性気体が当該場所に滞留することを防止するための措置を講じなければならない。
(空気の稀薄化の防止)第二十三条 事業者は、その内部の空気を吸引する配管(その内部の空気を換気するためのものを除く。)に通ずるタンク、反応塔その他密閉して使用する施設又は設備の内部における作業に労働者を従事させるときは、労働者が作業に従事する間、当該施設又は設備の出入口の蓋又は扉が締まらないような措置を講じなければならない。
2 事業者は、前項の作業の一部を請負人に請け負わせるときは、請負人が作業に従事する間(労働者が作業に従事するときを除く。)、同項の措置を講ずること等について配慮しなければならない。 (ガス配管工事に係る措置)第二十三条の二 事業者は、地下室又は溝の内部その他通風が不十分な場所において、メタン、エタン、プロパン若しくはブタンを主成分とするガス又はこれらに空気を混入したガスを送給する配管を取り外し、又は取り付ける作業に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなければならない。
一 配管を取り外し、又は取り付ける箇所にこれらのガスが流入しないように当該ガスを確実に遮断すること。
二 作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を十八パーセント以上に保つように換気し、又は労働者に空気呼吸器等を使用させること。
2 第七条の規定は、前項第二号の規定により使用させる空気呼吸器等について準用する。 3 事業者は、第一項の作業の一部を請負人に請け負わせるときは、次の措置を講じなければならない。一 第一項第一号の措置を講ずること等について配慮すること。
二 請負人が作業に従事する間(労働者が作業に従事するときを除く。)、作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を十八パーセント以上に保つように換気すること等について配慮し、又は請負人に空気呼吸器等を使用する必要がある旨を周知させること。
4 労働者は、第一項第二号の場合において、空気呼吸器等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。 (圧気工法に係る措置)第二十四条 事業者は、令別表第六第一号イ若しくはロに掲げる地層が存在する箇所又はこれに隣接する箇所において圧気工法による作業を行うときは、適時、当該作業により酸素欠乏の空気が漏出するおそれのある井戸又は配管について、空気の漏出の有無、その程度及びその空気中の酸素の濃度を調査しなければならない。
2 事業者は、前項の調査の結果、酸素欠乏の空気が漏出しているときは、その旨を関係者に通知し、酸素欠乏症の発生を防止するための方法を教示し、酸素欠乏の空気が漏出している場所への立入りを禁止する等必要な措置を講じなければならない。 (地下室等に係る措置)第二十五条 事業者は、令別表第六第一号イ若しくはロに掲げる地層に接し、又は当該地層に通ずる井戸若しくは配管が設けられている地下室、ピツト等の内部における作業に労働者を従事させるときは、酸素欠乏の空気が漏出するおそれのある箇所を閉そくし、酸素欠乏の空気を直接外部へ放出することができる設備を設ける等酸素欠乏の空気が作業を行なう場所に流入することを防止するための措置を講じなければならない。
(設備の改造等の作業)第二十五条の二 事業者は、し尿、腐泥、汚水、パルプ液その他腐敗し、若しくは分解しやすい物質を入れてあり、若しくは入れたことのあるポンプ若しくは配管等又はこれらに附属する設備の改造、修理、清掃等を行う場合において、これらの設備を分解する作業に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなければならない。
一 作業の方法及び順序を決定し、あらかじめ、これらを作業に従事する労働者に周知させること。
二 硫化水素中毒の防止について必要な知識を有する者のうちから指揮者を選任し、その者に当該作業を指揮させること。
三 作業を行う設備から硫化水素を確実に排出し、かつ、当該設備に接続しているすべての配管から当該設備に硫化水素が流入しないようバルブ、コック等を確実に閉止すること。
四 前号により閉止したバルブ、コック等には、施錠をし、これらを開放してはならない旨を見やすい箇所に表示し、又は監視人を置くこと。
五 作業を行う設備の周辺における硫化水素の濃度の測定を行い、労働者が硫化水素中毒にかかるおそれがあるときは、換気その他必要な措置を講ずること。
2 事業者は、前項の作業の一部を請負人に請け負わせるとき(労働者が当該作業に従事するときを除く。)は、当該請負人に対し、同項第三号及び第四号の措置を講ずること等について配慮するとともに、同項第五号のおそれがあるときは、当該請負人に対し、換気その他必要な措置を講ずること等について配慮しなければならない。第四章 酸素欠乏危険作業主任者技能講習及び酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習
(酸素欠乏危険作業主任者技能講習の講習科目)第二十六条 酸素欠乏危険作業主任者技能講習は、学科講習及び実技講習によつて行う。
2 学科講習は、次の科目について行う。一 酸素欠乏症及び救急そ生に関する知識
二 酸素欠乏の発生の原因及び防止措置に関する知識
三 保護具に関する知識
四 関係法令
3 実技講習は、次の科目について行なう。一 救急そ生の方法
二 酸素の濃度の測定方法
(酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の講習科目)第二十七条 前条の規定は、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習について準用する。 この場合において、同条第二項第一号中「酸素欠乏症」とあるのは「酸素欠乏症、硫化水素中毒」と、同項第二号中「酸素欠乏」とあるのは「酸素欠乏及び硫化水素」と、同条第三項第二号中「酸素」とあるのは「酸素及び硫化水素」と読み替えるものとする。
(技能講習の細目)第二十八条 安衛則第八十条から第八十二条の二まで及びこの章に定めるもののほか、酸素欠乏危険作業主任者技能講習及び酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の実施について必要な事項は、厚生労働大臣が定める。
第五章 雑則
(事故等の報告)第二十九条 事業者は、労働者が酸素欠乏症等にかかつたとき、又は第二十四条第一項の調査の結果酸素欠乏の空気が漏出しているときは、遅滞なく、その旨を当該作業を行う場所を管轄する労働基準監督署長に報告しなければならない。
附則
(施行期日)
第一条 この省令は、昭和四十七年十月一日から施行する。
(廃止)
第二条 酸素欠乏症防止規則(昭和四十六年労働省令第二十六号)は、廃止する。
附則(昭和五〇年三月二二日労働省令第五号)
(施行期日)
第一条 この省令は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(昭和五〇年五月一五日労働省令第一六号)
この省令は、昭和五十年六月一日から施行する。附則(昭和五〇年八月一日労働省令第二〇号)
(施行期日)
第一条 この省令は、法の施行の日(昭和五十年八月一日)から施行する。
附則(昭和五五年一二月二日労働省令第三一号)
(施行期日)
第一条 この省令は、公布の日から施行する。
附則(昭和五七年五月二〇日労働省令第一八号)
(施行期日)
第一条 この省令は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(第一種酸素欠乏危険作業主任者技能講習に関する経過措置)
第二条 この省令の施行の日(以下「施行日」という。)前に第一条の規定による改正前の酸素欠乏症防止規則(以下「旧酸欠則」という。)及び第二条の規定による改正前の労働安全衛生規則(以下「旧安衛則」という。)の規定により行われた酸素欠乏危険作業主任者技能講習は、第一条の規定による改正後の酸素欠乏症等防止規則(以下「新酸欠則」という。)及び第二条の規定による改正後の労働安全衛生規則(以下「新安衛則」という。)の規定により行われた第一種酸素欠乏危険作業主任者技能講習とみなし、旧安衛則第八十一条の規定により交付された酸素欠乏危険作業主任者技能講習修了証は、新安衛則第八十一条の規定により交付された第一種酸素欠乏危険作業主任者技能講習修了証とみなす。
(作業主任者の選任に関する経過措置)
第三条 施行日から昭和五十八年三月三十一日までの間における新酸欠則第十一条第一項及び第二項の規定の適用については、これらの規定中「酸素欠乏危険作業については、第一種酸素欠乏危険作業にあつては」とあるのは「令第六条第二十一号に掲げる作業については、」と、「第二種酸素欠乏危険作業にあつては第二種酸素欠乏危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者」とあるのは「酸素欠乏危険作業主任者」と、「第一種酸素欠乏危険作業に係る酸素欠乏危険作業主任者」とあるのは「酸素欠乏危険作業主任者」と、「その日の作業を開始する前、作業に従事するすべての労働者が作業を行う場所を離れた後再び作業を開始する前及び労働者の身体、換気装置等に異常があつたときに、作業を行う」とあるのは「作業を行う」とする。
(特別の教育に関する経過措置)
第四条 昭和五十七年七月一日から昭和五十八年三月三十一日までの間における旧酸欠則第十二条第一項の規定の適用については、同項中「酸素欠乏危険作業」とあるのは「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(昭和五十七年政令第百二十四号)による改正前の労働安全衛生法施行令別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所における作業」とする。
(罰則に関する経過措置)
第八条 この省令の施行前にした旧酸欠則、旧安衛則及び附則第六条の規定による改正前の特定化学物質等障害予防規則の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則(昭和六一年三月一八日労働省令第八号)
この省令は、昭和六十一年四月一日から施行する。附則(平成一二年一〇月三一日労働省令第四一号)
(施行期日)
第一条 この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
附則(平成一五年一二月一九日厚生労働省令第一七五号)
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十六年三月三十一日から施行する。
(酸素欠乏危険作業主任者技能講習及び酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習に関する経過措置)
第二条 この省令の施行の日(以下「施行日」という。)前に第二条の規定による改正前の労働安全衛生規則(以下「旧安衛則」という。)及び第十一条の規定による改正前の酸素欠乏症等防止規則(以下「旧酸欠則」という。)の規定により行われた第一種酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は第二種酸素欠乏危険作業主任者技能講習は、それぞれ第二条の規定による改正後の労働安全衛生規則(以下「新安衛則」という。)及び第十一条の規定による改正後の酸素欠乏症等防止規則(以下「新酸欠則」という。)の規定により行われた酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習とみなし、旧安衛則第八十一条の規定により交付された第一種酸素欠乏危険作業主任者技能講習修了証又は第二種酸素欠乏危険作業主任者技能講習修了証は、新安衛則第八十一条の規定により交付された酸素欠乏危険作業主任者技能講習修了証又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習修了証とみなす。
附則(平成三〇年六月一九日厚生労働省令第七五号)
この省令は、平成三十一年二月一日から施行する。 次に掲げる省令の規定の適用については、平成三十一年八月一日前に製造された安全帯(要求性能墜落制止用器具(第一条の規定による改正後の労働安全衛生規則第百三十条の五第一項に規定する要求性能墜落制止用器具をいう。以下同じ。)に該当するものを除く。)又は同日において現に製造している安全帯(要求性能墜落制止用器具に該当するものを除く。)は、平成三十四年一月一日までの間、要求性能墜落制止用器具とみなす。一から四まで略
五第五条の規定による改正後の酸素欠乏症等防止規則第六条及び第七条