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昭和四十五年法律第六十号
家内労働法

施行日:

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第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、工賃の最低額、安全及び衛生その他家内労働者に関する必要な事項を定めて、家内労働者の労働条件の向上を図り、もつて家内労働者の生活の安定に資することを目的とする。

2 この法律で定める家内労働者の労働条件の基準は最低のものであるから、委託者及び家内労働者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

(定義)

第二条 この法律で「委託」とは、次に掲げる行為をいう。

他人に物品を提供して、その物品を部品、附属品若しくは原材料とする物品の製造又はその物品の加工、改造、修理、浄洗、選別、包装若しくは解体(以下「加工等」という。)を委託すること。

他人に物品を売り渡して、その者がその物品を部品、附属品若しくは原材料とする物品を製造した場合又はその物品の加工等をした場合にその製造又は加工等に係る物品を買い受けることを約すること。

2 この法律で「家内労働者」とは、物品の製造、加工等若しくは販売又はこれらの請負を業とする者その他これらの行為に類似する行為を業とする者であつて厚生労働省令で定めるものから、主として労働の対償を得るために、その業務の目的物たる物品(物品の半製品、部品、附属品又は原材料を含む。)について委託を受けて、物品の製造又は加工等に従事する者であつて、その業務について同居の親族以外の者を使用しないことを常態とするものをいう。

3 この法律で「委託者」とは、物品の製造、加工等若しくは販売又はこれらの請負を業とする者その他前項の厚生労働省令で定める者であつて、その業務の目的物たる物品(物品の半製品、部品、附属品又は原材料を含む。)について家内労働者に委託をするものをいう。

4 この法律で「補助者」とは、家内労働者の同居の親族であつて、当該家内労働者の従事する業務を補助する者をいう。

5 この法律で「工賃」とは、次に掲げるものをいう。

第一項第一号に掲げる行為に係る委託をする場合において物品の製造又は加工等の対償として委託者が家内労働者に支払うもの

第一項第二号に掲げる行為に係る委託をする場合において同号の物品の買受けについて委託者が家内労働者に支払うものの価額と同号の物品の売渡しについて家内労働者が委託者に支払うものの価額との差額

6 この法律で「労働者」とは、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)をいう。

第二章 委託

(家内労働手帳)

第三条 委託者は、委託をするにあたつては、家内労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、家内労働手帳を交付しなければならない。

2 委託者は、委託をするつど委託をした業務の内容、工賃の単価、工賃の支払期日その他厚生労働省令で定める事項を、製造又は加工等に係る物品を受領するつど受領した物品の数量その他厚生労働省令で定める事項を、工賃を支払うつど支払つた工賃の額その他厚生労働省令で定める事項を、それぞれ家内労働手帳に記入しなければならない。

3 前二項に規定するもののほか、家内労働手帳に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

(就業時間)

第四条 委託者又は家内労働者は、当該家内労働者が業務に従事する場所の周辺地域において同一又は類似の業務に従事する労働者の通常の労働時間をこえて当該家内労働者及び補助者が業務に従事することとなるような委託をし、又は委託を受けることがないように努めなければならない。

2 都道府県労働局長は、必要があると認めるときは、都道府県労働局に置かれる政令で定める審議会の意見を聴いて、一定の地域内において一定の業務に従事する家内労働者及びこれに委託をする委託者に対して、厚生労働省令で定めるところにより、当該家内労働者及び補助者が業務に従事する時間の適正化を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。

(委託の打切りの予告)

第五条 六月をこえて継続的に同一の家内労働者に委託をしている委託者は、当該家内労働者に引き続いて継続的に委託をすることを打ち切ろうとするときは、遅滞なく、その旨を当該家内労働者に予告するように努めなければならない。

第三章 工賃及び最低工賃

(工賃の支払)

第六条 工賃は、厚生労働省令で定める場合を除き、家内労働者に、通貨でその全額を支払わなければならない。

2 工賃は、厚生労働省令で定める場合を除き、委託者が家内労働者の製造又は加工等に係る物品についての検査(以下「検査」という。)をするかどうかを問わず、委託者が家内労働者から当該物品を受領した日から起算して一月以内に支払わなければならない。 ただし、毎月一定期日を工賃締切日として定める場合は、この限りでない。 この場合においては、委託者が検査をするかどうかを問わず、当該工賃締切日までに受領した当該物品に係る工賃を、その日から一月以内に支払わなければならない。

(工賃の支払場所等)

第七条 委託者は、家内労働者から申出のあつた場合その他特別の事情がある場合を除き、工賃の支払及び物品の受渡しを家内労働者が業務に従事する場所において行なうように努めなければならない。

(最低工賃)

第八条 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、一定の地域内において一定の業務に従事する工賃の低廉な家内労働者の労働条件の改善を図るため必要があると認めるときは、労働政策審議会又は都道府県労働局に置かれる政令で定める審議会(以下「審議会」と総称する。)の調査審議を求め、その意見を聴いて、当該業務に従事する家内労働者及びこれに委託をする委託者に適用される最低工賃を決定することができる。

2 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前項の審議会の意見の提出があつた場合において、その意見により難いと認めるときは、理由を付して、審議会に再審議を求めなければならない。

(審議会の意見に関する異議の申出)

第九条 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前条第一項の審議会の意見の提出があつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その意見の要旨を公示しなければならない。

2 前条第一項の審議会の意見に係る家内労働者又は委託者は、前項の規定による公示の日の翌日から起算して十五日以内に、厚生労働大臣又は都道府県労働局長に、異議を申し出ることができる。

3 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前項の規定による申出があつたときは、その申出について、審議会に意見を求めなければならない。

4 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、第一項の規定による公示の日の翌日から起算して十五日を経過する日までの間は、前条第一項の規定による決定をすることができない。 第二項の規定による申出があつた場合において、前項の審議会の意見が提出されるまでの間についても、同様とする。

5 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前条第一項の規定による決定をする場合において、第二項の規定による申出があつたときは、第三項の審議会の意見に基づき、当該最低工賃において、一定の範囲の業務について、その適用を一定の期間を限つて猶予し、又は最低工賃額(最低工賃において定める工賃の額をいう。以下同じ。)について別段の定めをすることができる。

6 前条第二項の規定は、第三項の審議会の意見の提出があつた場合について準用する。

(最低工賃の改正等)

第十条 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、最低工賃について必要があると認めるときは、その決定の例により、その改正又は廃止の決定をすることができる。

(最低工賃の決定等に関する関係家内労働者又は関係委託者の意見の聴取等)

第十一条 審議会は、最低工賃の決定又はその改正若しくは廃止の決定について調査審議を行なう場合には、厚生労働省令で定めるところにより、関係家内労働者及び関係委託者の意見をきくものとする。

2 家内労働者又は委託者の全部又は一部を代表する者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣又は都道府県労働局長に対し、当該家内労働者若しくは委託者に適用される最低工賃の決定又は当該家内労働者若しくは委託者に現に適用されている最低工賃の改正若しくは廃止の決定をするよう申し出ることができる。

3 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前項の規定による申出があつた場合において必要があると認めるときは、その申出について審議会に意見を求めるものとする。

(公示及び発効)

第十二条 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、最低工賃に関する決定をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、決定した事項を公示しなければならない。

2 最低工賃の決定及びその改正の決定は、前項の規定による公示の日から起算して三十日を経過した日(公示の日から起算して三十日を経過した日後の日であつて当該決定において別に定める日があるときは、その日)から、最低工賃の廃止の決定は、同項の規定による公示の日(公示の日後の日であつて当該決定において別に定める日があるときは、その日)から、その効力を生ずる。

(最低工賃額等)

第十三条 最低工賃は、当該最低工賃に係る一定の地域と同一の地域内において同一又は類似の業務に従事する労働者に適用される最低賃金(最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)の規定による最低賃金をいう。以下同じ。)(当該同一の地域内において同一又は類似の業務に従事する労働者に適用される最低賃金が決定されていない場合には、当該労働者の賃金(労働基準法第十一条に規定する賃金をいう。))との均衡を考慮して定められなければならない。

2 最低工賃額は、家内労働者の製造又は加工等に係る物品の一定の単位によつて定めるものとする。

(最低工賃の効力)

第十四条 委託者は、最低工賃の適用を受ける家内労働者に対し、その最低工賃額以上の工賃を支払わなければならない。

(最低工賃に関する職権等)

第十五条 第八条第一項及び第十条に規定する厚生労働大臣又は都道府県労働局長の職権は、二以上の都道府県労働局の管轄区域にわたる事案及び一の都道府県労働局の管轄区域内のみに係る事案であつて厚生労働大臣が全国的に関連があると認めて指定するものについては、厚生労働大臣が行い、一の都道府県労働局の管轄区域内のみに係る事案(厚生労働大臣の職権に属する事案を除く。)については、当該都道府県労働局長が行う。

2 厚生労働大臣は、都道府県労働局長が決定した最低工賃が著しく不適当となつたと認めるときは、労働政策審議会の調査審議を求め、その意見を聴いて、当該最低工賃の改正又は廃止の決定をすべきことを都道府県労働局長に命ずることができる。

3 第八条第二項の規定は、前項の労働政策審議会の意見の提出があつた場合について準用する。

(工賃及び最低工賃に関する規定の効力)

第十六条 第六条又は第十四条の規定に違反する工賃の支払を定める委託に関する契約は、その部分については無効とする。 この場合において、無効となつた部分は、これらの規定に定める基準による。

第四章 安全及び衛生

(安全及び衛生に関する措置)

第十七条 委託者は、委託に係る業務に関し、機械、器具その他の設備又は原材料その他の物品を家内労働者に譲渡し、貸与し、又は提供するときは、これらによる危害を防止するため、厚生労働省令で定めるところにより、必要な措置を講じなければならない。

2 家内労働者は、機械、器具その他の設備若しくは原材料その他の物品又はガス、蒸気、粉じん等による危害を防止するため、厚生労働省令で定めるところにより、必要な措置を講じなければならない。

3 補助者は、前項に規定する危害を防止するため、厚生労働省令で定める事項を守らなければならない。

(安全及び衛生に関する行政措置)

第十八条 都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、委託者又は家内労働者が前条第一項又は第二項の措置を講じない場合には、委託者又は家内労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、委託をし、若しくは委託を受けることを禁止し、又は機械、器具その他の設備若しくは原材料その他の物品の全部若しくは一部の使用の停止その他必要な措置を執ることを命ずることができる。

第五章 家内労働に関する審議機関

第十九条及び第二十条 削除

(専門部会等)

第二十一条 審議会は、最低工賃の決定又はその改正の決定について調査審議を求められたときは、専門部会を置かなければならない。

2 前項の専門部会は、政令で定めるところにより、関係家内労働者を代表する委員、関係委託者を代表する委員及び公益を代表する委員各同数をもつて組織する。

第二十二条 削除

(関係家内労働者及び関係委託者等の意見聴取)

第二十三条 審議会は、この法律に別段の定めがある場合のほか、審議に際し必要と認める場合には、関係家内労働者、関係委託者その他の関係者の意見を聴くものとする。

(政令への委任)

第二十四条 この法律に規定するもののほか、審議会に関し必要な事項は、政令で定める。

第六章 雑則

(援助)

第二十五条 国又は地方公共団体は、家内労働者及び委託者に対し、資料の提供、技術の指導、施設に関する便宜の供与その他この法律の目的を達成するために必要な援助を行なうように努めなければならない。

(届出)

第二十六条 委託者は、厚生労働省令で定めるところにより、委託に係る家内労働者の数及び業務の内容その他必要な事項を都道府県労働局長に届け出なければならない。

(帳簿の備付け)

第二十七条 委託者は、厚生労働省令で定めるところにより、委託に係る家内労働者の氏名、当該家内労働者に支払う工賃の額その他の事項を記入した帳簿をその営業所に備え付けて置かなければならない。

(報告等)

第二十八条 厚生労働大臣、都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、委託者又は家内労働者に対し、工賃に関する事項その他必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。

(労働基準監督署長及び労働基準監督官)

第二十九条 労働基準監督署長及び労働基準監督官は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律の施行に関する事務をつかさどる。

(労働基準監督官の権限)

第三十条 労働基準監督官は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、委託者の営業所又は家内労働者が業務に従事する場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査し、若しくは関係者に質問し、又は試験のため必要な最少限度の分量に限り、家内労働者及び補助者に危害を与える物若しくはその疑いのある物であつて厚生労働省令で定めるものを収去することができる。

2 前項の規定による立入検査等をする労働基準監督官は、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査等の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第三十一条 労働基準監督官は、この法律の規定に違反する罪について、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による司法警察員の職務を行なう。

(申告)

第三十二条 委託者に、この法律又はこの法律に基づく命令に違反する事実がある場合には、家内労働者又は補助者は、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告することができる。

2 委託者は、前項の規定による申告をしたことを理由として、家内労働者に対して工賃の引下げその他不利益な取扱いをしてはならない。

3 委託者が家内労働者に対して前項の規定に違反する取扱いをした場合には、都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官は、厚生労働省令で定めるところにより、当該委託者に対し、その取扱いの是正を命ずることができる。

第七章 罰則

第三十三条 第十八条の規定による委託をすることを禁止する命令に違反した者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。

第三十四条 第十四条の規定に違反した者は、一万円以下の罰金に処する。

第三十五条 次の各号の一に該当する者は、五千円以下の罰金に処する。

第三条第一項、第六条又は第十七条の規定に違反した者

第三条第二項の規定による記入をせず、又は虚偽の記入をした者

第十八条の規定による命令(委託をすることを禁止する命令を除く。)又は第三十二条第三項の規定による命令に違反した者

第二十六条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

第二十七条の規定による帳簿の備付けをせず、又は同条の帳簿に虚偽の記入をした者

第二十八条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者

第三十条第一項の規定による立入り、検査若しくは収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

(両罰規定)

第三十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

附則

(施行期日)
第一条 この法律の施行期日は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において、各規定につき、政令で定める。

(工賃の支払に関する経過措置)
第二条 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、厚生労働省令で定めるところにより、一定の地域内において一定の業務に従事する家内労働者に委託をする委託者のうち、第六条の規定による工賃の支払をすることが著しく困難であると認められる者であつて厚生労働省令で定めるものの全部又は一部を代表する者から申請があつた場合には、審議会の意見を聴いて、当該申請に係る委託者につき、当分の間、工賃の支払に関し守るべき事項について、別段の定めをすることができる。 この場合においては、当該委託者は、同条の規定にかかわらず、当該別段の定めにより工賃を支払うことができる。 第十五条第一項の規定は、前項に規定する厚生労働大臣又は都道府県労働局長の職権について準用する。 第一項の申請があつた場合における当該申請に係る委託者については、次に掲げる日までの間は、第六条の規定は、適用しない。

第三条 前条第一項の別段の定めに係る委託者に関する第十六条の規定の適用については、同条中「第六条」とあるのは「附則第二条第一項の別段の定め」と、「これらの規定」とあるのは「当該別段の定め又は同条の規定」とする。

附則(平成一〇年九月三〇日法律第一一二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十一年四月一日から施行する。

附則(平成一一年七月一六日法律第八七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附則(平成一一年七月一六日法律第一〇二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(別に定める経過措置)
第三十条 第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。

附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(平成一三年四月二五日法律第三五号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年十月一日から施行する。 ただし、第一条及び第六条の規定並びに次条(第二項後段を除く。)及び附則第六条の規定、附則第十一条の規定(社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)別表第一第二十号の十三の改正規定を除く。)並びに附則第十二条の規定は、同年六月三十日から施行する。

(政令への委任)
第五条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

(罰則に関する経過措置)
第六条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定。以下同じ。)の施行前にした行為並びに附則第二条第三項及び第四条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則(令和四年六月一七日法律第六八号)

この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

第五百九条の規定 公布の日