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昭和四十四年法律第三十八号
都市再開発法

施行日:

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第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、市街地の計画的な再開発に関し必要な事項を定めることにより、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図り、もつて公共の福祉に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

市街地再開発事業 市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)及びこの法律(第七章を除く。)で定めるところに従つて行われる建築物及び建築敷地の整備並びに公共施設の整備に関する事業並びにこれに附帯する事業をいい、第三章の規定により行われる第一種市街地再開発事業と第四章の規定により行われる第二種市街地再開発事業とに区分する。

施行者 市街地再開発事業を施行する者をいう。

施行地区 市街地再開発事業を施行する土地の区域をいう。

公共施設 道路、公園、広場その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。

宅地 公共施設の用に供されている国、地方公共団体その他政令で定める者の所有する土地以外の土地をいう。

施設建築物 市街地再開発事業によつて建築される建築物をいう。

施設建築敷地 市街地再開発事業によつて造成される建築敷地をいう。

施設建築物の一部 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第二条第一項に規定する区分所有権の目的たる施設建築物の部分(同条第四項に規定する共用部分の共有持分を含む。)をいう。

施設建築物の一部等 施設建築物の一部及び当該施設建築物の所有を目的とする地上権の共有持分をいう。

建築施設の部分 施設建築物の一部及び当該施設建築物の存する施設建築敷地の共有持分をいう。

十一 借地権 建物の所有を目的とする地上権及び賃借権をいう。

十二 借地 借地権の目的となつている宅地をいう。

十三 借家権 建物の賃借権(一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。以下同じ。)及び配偶者居住権をいう。

(市街地再開発事業の施行)

第二条の二 次に掲げる区域内の宅地について所有権若しくは借地権を有する者又はこれらの宅地について所有権若しくは借地権を有する者の同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、当該権利の目的である宅地について、又はその宅地及び一定の区域内の宅地以外の土地について第一種市街地再開発事業を施行することができる。

高度利用地区(都市計画法第八条第一項第三号の高度利用地区をいう。以下同じ。)の区域

都市再生特別地区(都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第三十六条第一項の規定による都市再生特別地区をいう。第三条において同じ。)の区域

特定用途誘導地区(都市再生特別措置法第百九条第一項の規定による特定用途誘導地区をいい、建築物の容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。以下同じ。)の最低限度及び建築物の建築面積の最低限度が定められているものに限る。第三条において同じ。)の区域

都市計画法第十二条の四第一項第一号の地区計画、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号。以下「密集市街地整備法」という。)第三十二条第一項の規定による防災街区整備地区計画又は幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号)第九条第一項の規定による沿道地区計画の区域(次に掲げる条件の全てに該当するものに限る。第三条第一号において「特定地区計画等区域」という。)

地区整備計画(都市計画法第十二条の五第二項第一号の地区整備計画をいう。以下同じ。)、密集市街地整備法第三十二条第二項第一号に規定する特定建築物地区整備計画若しくは同項第二号に規定する防災街区整備地区整備計画又は幹線道路の沿道の整備に関する法律第九条第二項第一号の沿道地区整備計画(ロにおいて「地区整備計画等」という。)が定められている区域であること。

地区整備計画等において都市計画法第八条第三項第二号チに規定する高度利用地区について定めるべき事項(特定建築物地区整備計画において建築物の特定地区防災施設に係る間口率(密集市街地整備法第三十二条第三項に規定する建築物の特定地区防災施設に係る間口率をいう。)の最低限度及び建築物の高さの最低限度が定められている場合並びに沿道地区整備計画において建築物の沿道整備道路に係る間口率(幹線道路の沿道の整備に関する法律第九条第六項第二号に規定する建築物の沿道整備道路に係る間口率をいう。)の最低限度及び建築物の高さの最低限度が定められている場合にあつては、建築物の容積率の最低限度を除く。)が定められていること。

建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で、ロに規定する事項に関する制限が定められていること。

2 市街地再開発組合は、第一種市街地再開発事業の施行区域内の土地について第一種市街地再開発事業を施行することができる。

3 次に掲げる要件のすべてに該当する株式会社は、市街地再開発事業の施行区域内の土地について市街地再開発事業を施行することができる。

市街地再開発事業の施行を主たる目的とするものであること。

公開会社(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第五号に規定する公開会社をいう。)でないこと。

施行地区となるべき区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者が、総株主の議決権の過半数を保有していること。

前号の議決権の過半数を保有している者及び当該株式会社が所有する施行地区となるべき区域内の宅地の地積とそれらの者が有するその区域内の借地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二以上であること。 この場合において、所有権又は借地権が数人の共有に属する宅地又は借地について前段に規定する者が共有持分を有しているときは、当該宅地又は借地の地積に当該者が有する所有権又は借地権の共有持分の割合を乗じて得た面積を、当該宅地又は借地について当該者が有する宅地又は借地の地積とみなす。

4 地方公共団体は、市街地再開発事業の施行区域内の土地について市街地再開発事業を施行することができる。

5 独立行政法人都市再生機構は、国土交通大臣が次に掲げる事業を施行する必要があると認めるときは、市街地再開発事業の施行区域内の土地について当該事業を施行することができる。

一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区の計画的な整備改善を図るため当該地区の全部又は一部について行う市街地再開発事業

前号に規定するもののほか、国の施策上特に供給が必要な賃貸住宅の建設と併せてこれと関連する市街地の再開発を行うための市街地再開発事業

6 地方住宅供給公社は、国土交通大臣(市のみが設立した地方住宅供給公社にあつては、都道府県知事)が地方住宅供給公社の行う住宅の建設と併せてこれと関連する市街地の再開発を行うための市街地再開発事業を施行する必要があると認めるときは、市街地再開発事業の施行区域内の土地について当該市街地再開発事業を施行することができる。

(都市再開発方針)

第二条の三 人口の集中の特に著しい政令で定める大都市を含む都市計画区域内の市街化区域(都市計画法第七条第一項に規定する市街化区域をいう。以下同じ。)においては、都市計画に、次の各号に掲げる事項を明らかにした都市再開発の方針を定めるよう努めるものとする。

当該都市計画区域内にある計画的な再開発が必要な市街地に係る再開発の目標並びに当該市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針

前号の市街地のうち特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区及び当該地区の整備又は開発の計画の概要

2 前項の都市計画区域以外の都市計画区域内の市街化区域においては、都市計画に、当該市街化区域内にある計画的な再開発が必要な市街地のうち特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区及び当該地区の整備又は開発の計画の概要を明らかにした都市再開発の方針を定めることができる。

3 国及び地方公共団体は、前二項の都市再開発の方針に従い、第一項第二号又は前項の地区の再開発を促進するため、市街地の再開発に関する事業の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

第一章の二 第一種市街地再開発事業及び第二種市街地再開発事業に関する都市計画

(第一種市街地再開発事業の施行区域)

第三条 都市計画法第十二条第二項の規定により第一種市街地再開発事業について都市計画に定めるべき施行区域は、第七条第一項の規定による市街地再開発促進区域内の土地の区域又は次に掲げる条件に該当する土地の区域でなければならない。

当該区域が高度利用地区、都市再生特別地区、特定用途誘導地区又は特定地区計画等区域内にあること。

当該区域内にある耐火建築物(建築基準法第二条第九号の二に規定する耐火建築物をいう。以下同じ。)で次に掲げるもの以外のものの建築面積の合計が、当該区域内にある全ての建築物の建築面積の合計のおおむね三分の一以下であること又は当該区域内にある耐火建築物で次に掲げるもの以外のものの敷地面積の合計が、当該区域内の全ての宅地の面積の合計のおおむね三分の一以下であること。

地階を除く階数が二以下であるもの

政令で定める耐用年限の三分の二を経過しているもの

災害その他の理由によりロに掲げるものと同程度の機能低下を生じているもの

建築面積が、当該区域に係る高度利用地区、都市再生特別地区、特定用途誘導地区、地区計画、防災街区整備地区計画又は沿道地区計画に関する都市計画(以下「高度利用地区等に関する都市計画」という。)において定められた建築物の建築面積の最低限度の四分の三未満であるもの

容積率(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計を算定の基礎とする容積率。以下同じ。)が、当該区域に係る高度利用地区等に関する都市計画において定められた建築物の容積率の最高限度の三分の一未満であるもの

都市計画法第四条第六項に規定する都市計画施設(以下「都市計画施設」という。)である公共施設の整備に伴い除却すべきもの

当該区域内に十分な公共施設がないこと、当該区域内の土地の利用が細分されていること等により、当該区域内の土地の利用状況が著しく不健全であること。

当該区域内の土地の高度利用を図ることが、当該都市の機能の更新に貢献すること。

(第二種市街地再開発事業の施行区域)

第三条の二 都市計画法第十二条第二項の規定により第二種市街地再開発事業について都市計画に定めるべき施行区域は、次の各号に掲げる条件に該当する土地の区域でなければならない。

前条各号に掲げる条件

次のいずれかに該当する土地の区域で、その面積が〇・五ヘクタール以上のものであること。

次のいずれかに該当し、かつ、当該区域内にある建築物が密集しているため、災害の発生のおそれが著しく、又は環境が不良であること。

当該区域内に駅前広場、大規模な火災等が発生した場合における公衆の避難の用に供する公園又は広場その他の重要な公共施設で政令で定めるものを早急に整備する必要があり、かつ、当該公共施設の整備と併せて当該区域内の建築物及び建築敷地の整備を一体的に行うことが合理的であること。

(第一種市街地再開発事業又は第二種市街地再開発事業に関する都市計画に定める事項)

第四条 第一種市街地再開発事業又は第二種市街地再開発事業に関する都市計画においては、都市計画法第十二条第二項に定める事項のほか、公共施設の配置及び規模並びに建築物及び建築敷地の整備に関する計画を定めるものとする。

2 第一種市街地再開発事業又は第二種市街地再開発事業に関する都市計画は、次の各号に規定するところに従つて定めなければならない。

道路、公園、下水道その他の施設に関する都市計画が定められている場合においては、その都市計画に適合するように定めること。

当該区域が、適正な配置及び規模の道路、公園その他の公共施設を備えた良好な都市環境のものとなるように定めること。

建築物の整備に関する計画は、市街地の空間の有効な利用、建築物相互間の開放性の確保及び建築物の利用者の利便を考慮して、建築物が都市計画上当該地区にふさわしい容積、建築面積、高さ、配列及び用途構成を備えた健全な高度利用形態となるように定めること。

建築敷地の整備に関する計画は、前号の高度利用形態に適合した適正な街区が形成されるように定めること。

(住宅建設の目標の設定)

第五条 住宅不足の著しい地域における第一種市街地再開発事業又は第二種市街地再開発事業に関する都市計画においては、前条第二項の規定に抵触しない限り、当該市街地再開発事業が住宅不足の解消に寄与するよう、当該市街地再開発事業により確保されるべき住宅の戸数その他住宅建設の目標を定めることができる。

(都市計画事業として施行する市街地再開発事業)

第六条 市街地再開発事業の施行区域内においては、市街地再開発事業は、都市計画事業として施行する。

2 都市計画事業として施行する第一種市街地再開発事業については都市計画法第六十条から第七十四条までの規定を、第二種市街地再開発事業については同法第六十条から第六十四条までの規定を適用しない。

3 市街地再開発事業の施行区域内における建築物の建築の制限に関しては、都市計画法第五十三条第三項中「第六十五条第一項に規定する告示」とあるのは「都市再開発法第六十条第二項各号に掲げる公告又は第百十八条の二第一項各号(同条第六項において準用する場合を含む。)に掲げる公告」と、「当該告示」とあるのは「当該公告」とする。

4 第二種市街地再開発事業についての都市計画法第六十五条から第七十三条までの規定の適用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

第一章の三 市街地再開発促進区域

(市街地再開発促進区域に関する都市計画)

第七条 次の各号に掲げる条件に該当する土地の区域で、その区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者による市街地の計画的な再開発の実施を図ることが適切であると認められるものについては、都市計画に市街地再開発促進区域を定めることができる。

第三条各号に掲げる条件

当該土地の区域が第三条の二第二号イ又はロに該当しないこと。

2 市街地再開発促進区域に関する都市計画においては、都市計画法第十条の二第二項に定める事項のほか、公共施設の配置及び規模並びに単位整備区を定めるものとする。

3 市街地再開発促進区域に関する都市計画は、次の各号に規定するところに従つて定めなければならない。

道路、公園、下水道その他の施設に関する都市計画が定められている場合においては、その都市計画に適合するように定めること。

当該区域が、適正な配置及び規模の道路、公園その他の公共施設を備えた良好な都市環境のものとなるように定めること。

単位整備区は、その区域が市街地再開発促進区域内における建築敷地の造成及び公共施設の用に供する敷地の造成を一体として行うべき土地の区域としてふさわしいものとなるように定めること。

(第一種市街地再開発事業等の施行)

第七条の二 市街地再開発促進区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、当該区域内の宅地について、できる限り速やかに、第一種市街地再開発事業を施行する等により、高度利用地区等に関する都市計画及び当該市街地再開発促進区域に関する都市計画の目的を達成するよう努めなければならない。

2 市町村は、市街地再開発促進区域に関する都市計画に係る都市計画法第二十条第一項の告示の日から起算して五年以内に、当該市街地再開発促進区域内の宅地について同法第二十九条第一項の許可がされておらず、又は第七条の九第一項、第十一条第一項若しくは第二項若しくは第五十条の二第一項の規定による認可に係る第一種市街地再開発事業の施行地区若しくは第百二十九条の三の規定による認定を受けた第百二十九条の二第一項の再開発事業の同条第五項第一号の再開発事業区域に含まれていない単位整備区については、施行の障害となる事由がない限り、第一種市街地再開発事業を施行するものとする。

3 一の単位整備区の区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者が、国土交通省令で定めるところにより、その区域内の宅地について所有権又は借地権を有するすべての者の三分の二以上の同意(同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者のその区域内の借地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二以上となる場合に限る。)を得て、第一種市街地再開発事業を施行すべきことを市町村に対して要請したときは、当該市町村は、前項の期間内であつても、当該単位整備区について第一種市街地再開発事業を施行することができる。

4 前二項の場合において、都道府県は、当該市町村と協議の上、前二項の規定による第一種市街地再開発事業を施行することができる。 当該第一種市街地再開発事業が独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社の施行することができるものであるときは、これらの者についても、同様とする。

5 第三項の場合において、所有権又は借地権が数人の共有に属する宅地又は借地があるときは、当該宅地又は借地について所有権を有する者又は借地権を有する者の数をそれぞれ一とみなし、同意した所有権を有する者の共有持分の割合の合計又は同意した借地権を有する者の共有持分の割合の合計をそれぞれ当該宅地又は借地について同意した者の数とみなし、当該宅地又は借地の地積に同意した所有権を有する者の共有持分の割合の合計又は同意した借地権を有する者の共有持分の割合の合計を乗じて得た面積を当該宅地又は借地について同意した者が所有する宅地の地積又は同意した者の借地の地積とみなす。

(借地権の申告)

第七条の三 前条第三項の同意を得ようとする者は、あらかじめ、当該単位整備区の区域内の宅地について未登記の借地権を有する者は第三項の規定による申告を行うべき旨の公告を、当該単位整備区の区域を管轄する市町村長に申請しなければならない。

2 市町村長は、前項の申請があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、当該申請に係る公告をしなければならない。

3 前項の公告に係る単位整備区の区域内の宅地について未登記の借地権を有する者は、同項の公告があつた日から起算して三十日以内に当該市町村長に対し、国土交通省令で定めるところにより、その借地の所有者(借地権を有する者から更に借地権の設定を受けた場合にあつては、その設定者及びその借地の所有者)と連署し、又は借地権を証する書面を添えて、書面をもつてその借地権の種類及び内容を申告しなければならない。

4 未登記の借地権で前項の規定による申告のないものは、同項の申告の期間を経過した後は、前条第三項の規定の適用については、存しないものとみなす。

(建築の許可)

第七条の四 市街地再開発促進区域内においては、建築基準法第五十九条第一項第一号に該当する建築物(同項第二号又は第三号に該当する建築物を除く。)、同法第六十条の二第一項第一号に該当する建築物(同項第二号又は第三号に該当する建築物を除く。)又は同法第六十条の三第一項第一号に該当する建築物(同項第二号又は第三号に該当する建築物を除く。)の建築をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(市の区域内にあつては、当該市の長。以下この条から第七条の六まで及び第百四十一条の二第一号において「建築許可権者」という。)の許可を受けなければならない。 ただし、非常災害のため必要な応急措置として行う行為又はその他の政令で定める軽易な行為については、この限りでない。

2 建築許可権者は、前項の許可の申請があつた場合において、当該建築が第七条の六第四項の規定により買い取らない旨の通知があつた土地におけるものであるときは、その許可をしなければならない。

3 第一項の規定は、第一種市街地再開発事業に関する都市計画に係る都市計画法第二十条第一項(同法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示又は第六十条第二項第一号の公告があつた後は、当該告示又は公告に係る土地の区域内においては、適用しない。

(違反行為に対する措置)

第七条の五 建築許可権者は、前条第一項の規定に違反した者があるときは、その者に対して、その違反を是正するため必要な措置を命ずることができる。

2 前項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくて当該措置を命ずべき者を確知することができないときは、建築許可権者は、その者の負担において、当該措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。 この場合においては、相当の期限を定めて、当該措置を行うべき旨及びその期限までに当該措置を行わないときは、建築許可権者又はその命じた者若しくはその委任した者が当該措置を行う旨を、あらかじめ、公告しなければならない。

3 前項の規定により必要な措置を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

(土地の買取り)

第七条の六 都道府県又は市町村は、建築許可権者に対し、第三項の規定による土地の買取りの申出の相手方として定めるべきことを申し出ることができる。

2 建築許可権者は、前項の規定による申出に基づき、次項の規定による土地の買取りの申出の相手方を定めるときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

3 建築許可権者(前項の規定により、土地の買取りの申出の相手方として公告された者があるときは、その者)は、市街地再開発促進区域内の土地の所有者から、第七条の四第一項の許可がされないときはその土地の利用に著しい支障を来すこととなることを理由として、当該土地を買い取るべき旨の申出があつたときは、特別の事情がない限り、当該土地を時価で買い取るものとする。

4 前項の申出を受けた者は、遅滞なく、当該土地を買い取る旨又は買い取らない旨を当該土地の所有者に通知しなければならない。

5 第二項の規定により土地の買取りの申出の相手方として公告された者は、前項の規定により土地を買い取らない旨の通知をしたときは、直ちに、その旨を建築許可権者に通知しなければならない。

(買い取つた土地の処分等)

第七条の七 前条第三項の規定により土地を買い取つた者(以下この条において「土地買取者」という。)は、当該土地を第一種市街地再開発事業その他当該土地に係る都市計画に適合して事業を施行する者又は公共施設の管理者若しくは管理者となるべき者に賃貸し、又は譲渡することができる。

2 土地買取者は、前項の規定により土地を賃貸し、又は譲渡するときは、同項の趣旨を達成するため必要な条件を付けることができる。 この場合において、その条件は、当該土地を賃借りし、又は譲り受けた者に不当な義務を課するものであつてはならない。

3 土地買取者は、第一項の規定により土地を賃借りし、又は譲り受けた者が前項の条件に違反したときは、当該土地の賃貸又は譲渡に係る契約を解除することができる。

4 第一項の規定により土地を賃貸し、又は譲渡する場合のほか、土地買取者は、前条第三項の規定により買い取つた土地を当該土地に係る都市計画に適合するように管理しなければならない。

(開発行為の許可の基準の特例)

第七条の八 市街地再開発促進区域内における都市計画法第四条第十二項に規定する開発行為(第七条の四第一項の許可に係る建築物の建築又は建築基準法第五十九条第一項第二号若しくは第三号、第六十条の二第一項第二号若しくは第三号若しくは第六十条の三第一項第二号若しくは第三号に該当する建築物の建築に係るものを除く。)については、都市計画法第二十九条第一項第一号の規定は適用せず、同法第三十三条第一項中「基準(第四項及び第五項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限を含む。)」とあるのは、「基準(第二十九条第一項第一号の政令で定める規模未満の開発行為にあつては第二号から第十四号までに規定する基準、第二十九条第一項第一号の政令で定める規模以上の開発行為にあつては第二号(貯水施設に係る部分を除く。)に規定する基準を除き、第四項及び第五項の条例が定められているときは当該条例で定める制限を含む。)及び市街地再開発促進区域に関する都市計画」と読み替えて、同条の規定を適用する。

第二章 施行者

第一節 個人施行者

(施行の認可)

第七条の九 第二条の二第一項の規定により第一種市街地再開発事業を施行しようとする者は、一人で施行しようとする者にあつては規準及び事業計画を定め、数人共同して施行しようとする者にあつては規約及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、その第一種市街地再開発事業の施行について都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 前項の規定による認可の申請は、施行地区となるべき区域を管轄する市町村長を経由して行わなければならない。

3 都道府県知事は、第一項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、施行地区となるべき区域を管轄する市町村長の意見を聴かなければならない。

4 第二条の二第一項に規定する者が第一種市街地再開発事業の施行区域内において施行する第一種市街地再開発事業については、第一項の規定による認可をもつて都市計画法第五十九条第四項の規定による認可とみなす。 ただし、同法第七十九条、第八十条第一項、第八十一条第一項及び第八十九条第一項の規定の適用については、この限りでない。

(規準又は規約)

第七条の十 前条第一項の規準又は規約には、次の各号(規準にあつては、第五号から第七号までを除く。)に掲げる事項を記載しなければならない。

第一種市街地再開発事業の名称

施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称

第一種市街地再開発事業の範囲

事務所の所在地

費用の分担に関する事項

業務を代表して行う者を定めるときは、その職名、定数、任期、職務の分担及び選任の方法に関する事項

会議に関する事項

事業年度

公告の方法

その他国土交通省令で定める事項

(事業計画)

第七条の十一 事業計画においては、国土交通省令で定めるところにより、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)、設計の概要、事業施行期間及び資金計画を定めなければならない。

2 事業計画においては、国土交通省令で定めるところにより、施設建築敷地以外の建築物の敷地となるべき土地の区域(以下「個別利用区」という。)を定めることができる。

3 個別利用区の位置は、市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図る上で支障がない位置に定めなければならない。 この場合においては、第七十条の二第一項の申出が見込まれる者が所有権又は借地権を有する宅地の位置、利用状況、環境その他の事情を勘案しなければならない。

4 個別利用区の面積は、第七十条の二第一項の申出が見込まれる者に対して権利変換手続により所有権又は借地権が与えられることが見込まれる宅地の地積の合計を考慮して相当と認められる規模としなければならない。

5 第九十九条の十の規定により公共施設の管理者又は管理者となるべき者に当該公共施設の整備に関する工事の全部又は一部を行わせる場合には、事業計画において、当該管理者又は管理者となるべき者の行う工事の範囲を定めなければならない。

6 事業計画の設定について必要な技術的基準は、国土交通省令で定める。

(公共施設の管理者の同意)

第七条の十二 第七条の九第一項の規定による認可を申請しようとする者は、あらかじめ、事業計画につき、施行地区内にある公共施設の管理者、当該第一種市街地再開発事業の施行により整備される公共施設の管理者又は管理者となるべき者その他政令で定める施設の管理者又は管理者となるべき者の同意を得なければならない。

(事業計画に関する関係権利者の同意)

第七条の十三 第七条の九第一項の規定による認可を申請しようとする者は、その者以外に施行地区となるべき区域内の宅地又は建築物について権利を有する者があるときは、事業計画についてこれらの者の同意を得なければならない。 ただし、その権利をもつて認可を申請しようとする者に対抗することができない者については、この限りでない。

2 前項の場合において、宅地又は建築物について権利を有する者のうち、宅地について所有権又は借地権を有する者及び権原に基づいて存する建築物について所有権又は借家権を有する者以外の者について同意を得られないとき、又はその者を確知することができないときは、その同意を得られない理由又は確知することができない理由を記載した書面を添えて、第七条の九第一項の規定による認可を申請することができる。

(施行の認可の基準)

第七条の十四 都道府県知事は、第七条の九第一項の規定による認可の申請があつた場合において、次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、その認可をしなければならない。

申請手続が法令に違反していること。

規準若しくは規約又は事業計画の決定手続又は内容が法令に違反していること。

施行地区が、第一種市街地再開発事業の施行区域の内外にわたつており、又は第三条第二号から第四号までに掲げる条件に該当しないこと。

事業計画の内容が施行地区内の土地に係る都市計画に適合せず、又は事業施行期間が適切でないこと。

当該第一種市街地再開発事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分でないこと。

(施行の認可の公告等)

第七条の十五 都道府県知事は、第七条の九第一項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、施行者の氏名又は名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区。以下この項において同じ。)その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、第一種市街地再開発事業の施行区域内において施行する第一種市街地再開発事業については国土交通大臣及び関係市町村長に、その他の第一種市街地再開発事業については関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。

2 第二条の二第一項の規定による施行者(以下「個人施行者」という。)は、前項の公告があるまでは、施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもつて第三者に対抗することができない。

3 市町村長は、第百条第二項又は第百二十四条の二第三項の公告の日まで、政令で定めるところにより、第一項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。

(規準又は規約及び事業計画の変更)

第七条の十六 個人施行者は、規準若しくは規約又は事業計画を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 第七条の九第三項の規定は個人施行者が事業計画を変更して新たに施行地区に編入しようとする土地がある場合に、第七条の十二の規定は個人施行者が公共施設又は同条の政令で定める施設に関係のある事業計画の変更をしようとする場合に、第七条の九第二項及び前三条の規定は前項の規定による認可について準用する。 この場合において、第七条の九第三項及び第七条の十三第一項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」と、第七条の九第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区又は新たに施行地区となるべき区域」と、前条第二項中「施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもつて」とあるのは「規準若しくは規約又は事業計画の変更をもつて」と読み替えるものとする。

3 個人施行者は、施行地区の縮小又は費用の分担に関し、規準若しくは規約又は事業計画を変更しようとする場合において、第一種市街地再開発事業の施行のための借入金があるときは、その変更についてその債権者の同意を得なければならない。

(施行者の変動)

第七条の十七 個人施行者について相続、合併その他の一般承継があつた場合において、その一般承継人が施行者以外の者であるときは、その一般承継人は、施行者となる。

2 施行地区内の宅地について、個人施行者の有する所有権又は借地権の全部又は一部を施行者以外の者(前項に規定する一般承継人を除く。)が承継したときは、その者は、施行者となる。

3 施行地区内の宅地について、個人施行者の有する借地権の全部又は一部が消滅した場合(当該借地権についての一般承継に伴う混同により消滅した場合を除く。)において、その借地権の設定者が施行者以外の者であるときは、その借地権の設定者は、施行者となる。

4 一人で施行する第一種市街地再開発事業において、前三項の規定により施行者が数人となつたときは、その第一種市街地再開発事業は、第二条の二第一項の規定により数人共同して施行する第一種市街地再開発事業となるものとする。 この場合において、施行者は、遅滞なく、第七条の九第一項の規約を定め、その規約について都道府県知事の認可を受けなければならない。

5 前項の規定による認可の申請は、施行地区を管轄する市町村長を経由して行わなければならない。

6 数人共同して施行する第一種市街地再開発事業において、当該施行者について一般承継があり、又は施行地区内の宅地について当該施行者の有する所有権若しくは借地権の一般承継以外の事由による承継若しくは消滅があつたことにより施行者が一人となつたときは、その第一種市街地再開発事業は、第二条の二第一項の規定により一人で施行する第一種市街地再開発事業となるものとする。 この場合において、当該第一種市街地再開発事業について定められていた規約のうち、規準に記載すべき事項に相当する事項は、当該第一種市街地再開発事業に係る規準としての効力を有するものとし、その他の事項はその効力を失うものとする。

7 個人施行者について一般承継があり、又は施行地区内の宅地について、個人施行者の有する所有権若しくは借地権の一般承継以外の事由による承継若しくは消滅があつたことにより施行者に変動を生じたとき(第四項前段に規定する場合を除く。)は、施行者は、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、施行地区を管轄する市町村長を経由して、新たに施行者となつた者の氏名又は名称及び住所並びに施行者でなくなつた者の氏名又は名称を都道府県知事に届け出なければならない。

8 都道府県知事は、第四項後段の規定により定められた規約について認可したときは新たに施行者となつた者の氏名又は名称その他国土交通省令で定める事項を、前項の規定による届出を受理したときは新たに施行者となつた者及び施行者でなくなつた者の氏名又は名称その他国土交通省令で定める事項を、遅滞なく、公告しなければならない。

9 個人施行者は、前項の公告があるまでは、施行者の変動、第四項後段の規定により定めた規約又は第六項後段の規定による規約の一部の失効をもつて第三者に対抗することができない。

(施行者の権利義務の移転)

第七条の十八 個人施行者について一般承継があつたときは、その施行者が第一種市街地再開発事業に関して有する権利義務(その施行者が当該第一種市街地再開発事業に関し、行政庁の認可、許可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。以下この条において同じ。)は、その一般承継人に移転する。

2 前項に規定する場合を除き、施行地区内の宅地について個人施行者の有する所有権又は借地権の全部又は一部を承継した者があるときは、その施行者がその所有権又は借地権の全部又は一部について第一種市街地再開発事業に関して有する権利義務は、その承継した者に移転する。

3 第一項に規定する場合を除き、施行地区内の宅地について、個人施行者の有する借地権の全部又は一部が消滅したときは、その施行者がその借地権の全部又は一部について第一種市街地再開発事業に関して有する権利義務は、その消滅した借地権の設定者に移転する。

(審査委員)

第七条の十九 個人施行者は、都道府県知事の承認を受けて、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから、この法律及び規準又は規約で定める権限を行う審査委員三人以上を選任しなければならない。

2 前項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。

(第一種市街地再開発事業の終了)

第七条の二十 個人施行者は、第一種市街地再開発事業を終了しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その終了について都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 第七条の九第二項並びに第七条の十五第一項(図書の送付に係る部分を除く。)及び第二項の規定は、前項の規定による認可について準用する。 この場合において、第七条の九第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区」と、第七条の十五第二項中「施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもつて」とあるのは「第一種市街地再開発事業の終了をもつて」と読み替えるものとする。

第一節の二 市街地再開発組合

第一款 通則

(法人格)

第八条 市街地再開発組合(以下「組合」という。)は、法人とする。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条及び第七十八条の規定は、組合について準用する。

(定款)

第九条 組合は、定款をもつて次の各号に掲げる事項を定めなければならない。

組合の名称

施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称

第一種市街地再開発事業の範囲

事務所の所在地

参加組合員に関する事項

費用の分担に関する事項

役員の定数、任期、職務の分担並びに選挙及び選任の方法に関する事項

総会に関する事項

総代会を設けるときは、総代及び総代会に関する事項

事業年度

十一 公告の方法

十二 その他国土交通省令で定める事項

(名称の使用制限)

第十条 組合は、その名称中に市街地再開発組合という文字を用いなければならない。

組合でない者は、その名称中に市街地再開発組合という文字を用いてはならない。

第二款 設立

(認可)

第十一条 第一種市街地再開発事業の施行区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、五人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて組合を設立することができる。

前項に規定する者は、事業計画の決定に先立つて組合を設立する必要がある場合においては、同項の規定にかかわらず、五人以上共同して、定款及び事業基本方針を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて組合を設立することができる。

前項の規定により設立された組合は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて事業計画を定めるものとする。

第七条の九第二項の規定は前三項の規定による認可に、同条第三項の規定は第一項又は第二項の規定による認可について準用する。 この場合において、同条第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区となるべき区域(第十一条第三項の規定による認可の申請にあつては、施行地区)」と読み替えるものとする。

組合が施行する第一種市街地再開発事業については、第一項又は第三項の規定による認可をもつて都市計画法第五十九条第四項の規定による認可とみなす。 第七条の九第四項ただし書の規定は、この場合について準用する。

(事業計画及び事業基本方針)

第十二条 第七条の十一及び第七条の十二の規定は、前条第一項又は第三項の事業計画について準用する。

前条第二項の事業基本方針においては、国土交通省令で定めるところにより、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)及び市街地再開発事業の施行の方針を定めなければならない。

前条第三項の事業計画は、同条第二項の事業基本方針に即したものでなければならない。

(参加組合員としての参加の機会の付与)

第十三条 第五条の規定により住宅建設の目標が定められた第一種市街地再開発事業に関し第十一条第一項又は第二項の規定による認可を申請しようとする者は、あらかじめ、施行地区となるべき区域において住生活基本法(平成十八年法律第六十一号)第二条第二項に規定する公営住宅等を建設することが適当と認められる者に対して、これらの者が参加組合員として参加する機会を与えなければならない。

(宅地の所有者及び借地権者の同意)

第十四条 第十一条第一項又は第二項の規定による認可を申請しようとする者は、組合の設立について、施行地区となるべき区域内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者のそれぞれの三分の二以上の同意を得なければならない。 この場合においては、同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者のその区域内の借地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二以上でなければならない。

第七条の二第五項の規定は、前項の規定により同意を得る場合について準用する。

(借地権の申告)

第十五条 前条第一項に規定する同意を得ようとする者は、あらかじめ、施行地区となるべき区域の公告を当該区域を管轄する市町村長に申請しなければならない。

第七条の三第二項から第四項までの規定は、前項の規定による申請があつた場合について準用する。 この場合において、同条第四項中「前条第三項」とあるのは、「第十四条」と読み替えるものとする。

(事業計画の案の作成及び組合員への周知等)

第十五条の二 第十一条第二項の規定により設立された組合は、同条第三項の事業計画を定めようとするときは、あらかじめ、事業計画の案を作成し、国土交通省令で定めるところにより、説明会の開催その他組合員に当該事業計画の案を周知させるため必要な措置を講じなければならない。

前項の組合員は、同項の事業計画の案について意見がある場合においては、国土交通省令で定めるところにより、組合に意見書を提出することができる。 ただし、事業基本方針において定められた事項については、この限りでない。

組合は、前項の規定により意見書の提出があつたときは、その意見書に係る意見を勘案し、必要があると認めるときは事業計画の案に修正を加えなければならない。

組合が成立した後、最初の役員が選挙され、又は選任されるまでの間は、前三項に規定する組合の事務は、第十一条第二項の規定による認可を受けた者が行うものとする。

(事業計画の縦覧及び意見書の処理)

第十六条 都道府県知事は、第十一条第一項又は第三項の規定による認可の申請があつたときは、施行地区となるべき区域(同項の規定による認可の申請にあつては、施行地区)を管轄する市町村長に、当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供させなければならない。 ただし、当該申請に関し明らかに次条各号の一に該当する事実があり、認可すべきでないと認めるときは、この限りでない。

当該第一種市街地再開発事業に関係のある土地若しくはその土地に定着する物件について権利を有する者又は参加組合員は、前項の規定により縦覧に供された事業計画について意見があるときは、縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、都道府県知事に意見書を提出することができる。 ただし、都市計画において定められた事項については、この限りでない。

都道府県知事は、前項の規定により意見書の提出があつたときは、その内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じ、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときはその旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。

前項の規定による意見書の内容の審査については、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二章第三節(第二十九条、第三十条、第三十二条第二項、第三十八条、第四十条、第四十一条第三項及び第四十二条を除く。)の規定を準用する。 この場合において、同節中「審理員」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。

第十一条第一項又は第三項の規定による認可を申請した者が、第三項の規定により事業計画に修正を加え、その旨を都道府県知事に申告したときは、その修正に係る部分について、更にこの条に規定する手続を行うべきものとする。

(認可の基準)

第十七条 都道府県知事は、第十一条第一項から第三項までの規定による認可の申請があつた場合において、次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、その認可をしなければならない。

申請手続が法令に違反していること。

定款又は事業計画若しくは事業基本方針の決定手続又は内容が法令(事業計画の内容にあつては、前条第三項に規定する都道府県知事の命令を含む。)に違反していること。

事業計画又は事業基本方針の内容が当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画に適合せず、又は事業施行期間が適切でないこと。

当該第一種市街地再開発事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分でないこと。

(組合の成立)

第十八条 組合は、第十一条第一項又は第二項の規定による認可により成立する。

(認可の公告等)

第十九条 都道府県知事は、第十一条第一項又は第三項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、組合の名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区。以下この条において同じ。)その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、国土交通大臣及び関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。

都道府県知事は、第十一条第二項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、組合の名称、施行地区その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、関係市町村長に施行地区を表示する図書を送付しなければならない。

組合は、第十一条第一項の認可に係る第一項の公告があるまでは組合の成立又は定款若しくは事業計画をもつて、前項の公告があるまでは組合の成立又は定款若しくは事業基本方針をもつて、同条第三項の認可に係る第一項の公告があるまでは事業計画をもつて、組合員その他の第三者に対抗することができない。

市町村長は、第四十五条第六項又は第百条第二項の公告の日(第二項の図書にあつては、当該図書に係る市街地再開発事業についての第一項の図書の公衆の縦覧を開始する日)まで、政令で定めるところにより、第一項又は第二項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。

第三款 管理

(組合員)

第二十条 組合が施行する第一種市街地再開発事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、すべてその組合の組合員とする。

宅地又は借地権が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす。 ただし、当該宅地の共有者(参加組合員がある場合にあつては、参加組合員を含む。)のみが組合の組合員となつている場合は、この限りでない。

(参加組合員)

第二十一条 前条に規定する者のほか、住生活基本法第二条第二項に規定する公営住宅等を建設する者、不動産賃貸業者、商店街振興組合その他政令で定める者であつて、組合が施行する第一種市街地再開発事業に参加することを希望し、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となる。

(組合員の権利義務の移転)

第二十二条 施行地区内の宅地について組合員の有する所有権又は借地権の全部又は一部を承継した者があるときは、その組合員がその所有権又は借地権の全部又は一部について組合に対して有する権利義務は、その承継した者に移転する。

施行地区内の宅地について、組合員の有する借地権の全部又は一部が消滅したときは、その組合員がその借地権の全部又は一部について組合に対して有する権利義務は、その消滅した借地権の設定者に移転する。

(役員)

第二十三条 組合に、役員として、理事三人以上及び監事二人以上を置く。

組合に、役員として、理事長一人を置き、理事の互選によりこれを定める。

(役員の資格、選挙及び選任)

第二十四条 理事及び監事は、組合員(法人にあつては、その役員)のうちから総会で選挙する。 ただし、特別の事情があるときは、組合員以外の者のうちから総会で選任することができる。

前項本文の規定により選挙された理事若しくは監事が組合員でなくなつたとき、又はその理事若しくは監事が組合員である法人の役員である場合において、その法人が組合員でなくなつたとき、若しくはその理事若しくは監事がその法人の役員でなくなつたときは、その理事又は監事は、その地位を失う。

(役員の任期)

第二十五条 理事及び監事の任期は、五年以内とし、補欠の理事及び監事の任期は、前任者の残任期間とする。

理事又は監事は、その任期が満了しても、後任の理事又は監事が就任するまでの間は、なおその職務を行なう。

(役員の解任請求)

第二十六条 組合員は、総組合員の三分の一以上の連署をもつて、その代表者から、組合に対し、理事又は監事の解任の請求をすることができる。

前項の規定による請求があつたときは、組合は、ただちに、その請求の要旨を公表し、これを組合員の投票に付さなければならない。

理事又は監事は、前項の規定による投票において過半数の同意があつたときは、その地位を失う。

前三項に定めるもののほか、理事及び監事の解任の請求及び第二項の規定による投票に関し必要な事項は、政令で定める。

(役員の職務)

第二十七条 理事長は、組合を代表し、その業務を総理する。

理事は、定款の定めるところにより、理事長を補佐して組合の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠けたときはその職務を行う。

定款に特別の定めがある場合を除くほか、組合の業務は、理事の過半数で決する。

監事の職務は、次のとおりとする。

組合の財産の状況を監査すること。

理事長及び理事の業務の執行の状況を監査すること。

財産の状況又は業務の執行について、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、総会又は都道府県知事に報告をすること。

前号の報告をするため必要があるときは、総会を招集すること。

組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。 この場合においては、監事が組合を代表する。

理事長は、事業年度ごとに事業報告書、収支決算書及び財産目録を作成し、監事の意見書を添えて、これを通常総会に提出し、その承認を求めなければならない。

前項の監事の意見書については、これに記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして国土交通省令で定めるものをいう。)の添付をもつて、当該監事の意見書の添付に代えることができる。 この場合において、理事長は、当該監事の意見書を添付したものとみなす。

理事長は、毎事業年度、通常総会の承認を得た事業報告書、収支決算書及び財産目録を当該承認を得た日から二週間以内に、都道府県知事に提出しなければならない。

理事長は、組合員から総組合員の十分の一以上の同意を得て会計の帳簿及び書類の閲覧又は謄写の請求があつたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。

監事は、理事又は組合の職員と兼ねてはならない。

(理事長の代表権の制限)

第二十七条の二 理事長の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

(理事長の代理行為の委任)

第二十七条の三 理事長は、定款又は総会の議決によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。

(理事長の氏名等の届出及び公告)

第二十八条 組合は、理事長の氏名及び住所を、施行地区を管轄する市町村長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。

都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、遅滞なく、理事長の氏名及び住所を公告しなければならない。

組合は、前項の公告があるまでは、理事長の代表権をもつて組合員以外の第三者に対抗することができない。

(総会の組織)

第二十九条 組合の総会は、総組合員で組織する。

(総会の決議事項)

第三十条 次の各号に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。

定款の変更

事業計画の決定

事業計画又は事業基本方針の変更

借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法

経費の収支予算

予算をもつて定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約

賦課金の額及び賦課徴収の方法

権利変換計画

事業代行開始の申請

第百三十三条第一項の管理規約

十一 組合の解散

十二 その他定款で定める事項

(総会の招集)

第三十一条 理事長は、毎事業年度一回通常総会を招集しなければならない。

理事長は、必要があると認めるときは、いつでも、臨時総会を招集することができる。

組合員が総組合員の五分の一以上の同意を得て、会議の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を組合に提出して総会の招集を請求したときは、理事長は、その請求のあつた日から起算して二十日以内に臨時総会を招集しなければならない。

前項の場合において、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものをいう。以下同じ。)により議決権及び選挙権を行使することが定款で定められているときは、組合員は、同項の規定による書面の提出に代えて、当該書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該組合員は、当該書面を提出したものとみなす。

前項前段の規定による書面に記載すべき事項の電磁的方法(国土交通省令で定める方法を除く。)による提供は、組合の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該組合に到達したものとみなす。

第三項の規定による請求があつた場合において、理事長が正当な理由がないのに総会を招集しないときは、監事は、同項の期間経過後十日以内に臨時総会を招集しなければならない。

第十一条第一項又は第二項の規定による認可を受けた者は、その認可の公告があつた日から起算して三十日以内に、最初の理事及び監事を選挙し、又は選任するための総会を招集しなければならない。

総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の五日前までに、会議の日時、場所及び目的である事項を組合員に通知しなければならない。 ただし、緊急を要するときは、二日前までにこれらの事項を組合員に通知して、総会を招集することができる。

理事長は、少なくとも通常総会の会議を開く日の五日前からその会議を開く日までの間、当該通常総会の承認を求めようとする事業報告書、収支決算書及び財産目録を主たる事務所に備え付けておかなければならない。

理事長は、組合員から前項の書類の閲覧又は謄写の請求があつたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。

(総会の議事等)

第三十二条 総会は、総組合員の半数以上の出席がなければ議事を開くことができず、その議事は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

議長は、総会において選任する。

議長は、組合員として総会の議決に加わることができない。 ただし、次条の規定による議決については、この限りでない。

総会においては、前条第八項の規定によりあらかじめ通知した会議の目的である事項についてのみ議決することができる。

(特別の議決)

第三十三条 特別決議事項(第三十条第一号及び第三号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項並びに同条第九号から第十一号までに掲げる事項をいう。以下同じ。)は、総組合員の三分の二以上が出席し、出席者の議決権の三分の二以上で、かつ、施行地区内の宅地について所有権を有する出席者の議決権及び施行地区内の宅地について借地権を有する出席者の議決権のそれぞれの三分の二以上で決する。 この場合においては、その有する議決権を当該特別決議事項に同意するものとして行使した者(以下この条において「同意者」という。)が所有する施行地区内の宅地の地積と同意者の施行地区内の借地の地積との合計(第二十条第二項ただし書の場合にあつては、施行地区内の宅地の地積に同意者が有する当該宅地の所有権の共有持分の割合の合計を乗じて得た面積)が、施行地区内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二(同項ただし書の場合にあつては、施行地区内の宅地の総地積の三分の二)以上でなければならない。

(総会の部会)

第三十四条 組合は、施行地区が工区に分かれているときは、総会の議決を経て、工区ごとに総会の部会を設け、工区内の宅地及び建築物に関し、第三十条第八号及び第十号に掲げる事項についての総会の権限をその部会に行なわせることができる。

総会の部会は、その部会の設けられる工区に関係のある組合員で組織する。

第三十一条第二項から第六項まで及び第八項並びに前二条の規定は、総会の部会について準用する。

(総代会)

第三十五条 組合員の数が五十人をこえる組合は、総会に代わつてその権限を行なわせるために総代会を設けることができる。

総代会は、総代をもつて組織するものとし、総代の定数は、組合員の総数の十分の一を下らない範囲内において定款で定める。 ただし、組合員の総数が二百人をこえる組合にあつては、二十人以上であることをもつて足りる。

総代会が総会に代わつて行う権限は、次に掲げる事項以外の事項に関する総会の権限とする。

理事及び監事の選挙又は選任

特別決議事項

第三十一条第一項から第六項まで及び第八項並びに第三十二条(第三項ただし書を除く。)の規定は、総代会について準用する。

総代会が設けられた組合においては、理事長は、第三十一条第一項の規定にかかわらず、通常総会を招集することを要しない。

(総代)

第三十六条 総代は、定款で定めるところにより、組合員が組合員(法人にあつては、その役員)のうちから選挙する。

総代の任期は、五年をこえない範囲内において定款で定める。 補欠の総代の任期は、前任者の残任期間とする。

第二十四条第二項及び第二十六条の規定は、総代について準用する。

(議決権及び選挙権)

第三十七条 組合員及び総代は、定款に特別の定めがある場合を除き、各一個の議決権及び選挙権を有する。

施行地区内の宅地について所有権と借地権とをともに有する組合員は、第三十三条の規定による議決については、前項の規定にかかわらず、宅地について所有権を有する組合員として、及び宅地について借地権を有する組合員として、それぞれ議決権を有する。 施行地区内の宅地について所有権を有する組合員及び施行地区内の宅地について借地権を有する組合員が各別に総代を選挙するものと定款で定めた場合におけるその選挙に係る選挙権についても、同様とする。

組合と特定の組合員との関係について議決をする場合には、その組合員は、議決権を有しない。

組合員は書面又は代理人をもつて、総代は書面をもつて、議決権及び選挙権を行使することができる。

組合員及び総代は、定款で定めるところにより、前項の規定による書面をもつてする議決権及び選挙権の行使に代えて、電磁的方法により議決権及び選挙権を行使することができる。

前二項の規定により議決権及び選挙権を行使する者は、第三十二条第一項(第三十四条第三項及び第三十五条第四項において準用する場合を含む。)及び第三十三条(第三十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、出席者とみなす。

代理人は、同時に五人以上の組合員を代理することができない。

代理人は、代理権を証する書面を組合に提出しなければならない。

前項の場合において、電磁的方法により議決権及び選挙権を行使することが定款で定められているときは、代理人は、当該書面の提出に代えて、当該書面において証すべき事項を当該電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該代理人は、当該書面を提出したものとみなす。

(定款又は事業計画若しくは事業基本方針の変更)

第三十八条 組合は、定款又は事業計画若しくは事業基本方針を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。

第七条の九第三項、第十四条及び第十五条の規定は組合が事業計画又は事業基本方針を変更して新たに施行地区に編入しようとする土地がある場合に、第七条の十二の規定は組合が公共施設又は同条の政令で定める施設に関係のある事業計画の変更をしようとする場合に、第七条の十六第三項の規定は組合が施行地区の縮小又は費用の分担に関し定款又は事業計画若しくは事業基本方針を変更しようとする場合に、第十五条の二の規定は組合が事業基本方針の変更の認可を受けて事業計画を定めようとする場合に、第十六条の規定は事業計画の変更(政令で定める軽微な変更を除く。)の認可の申請があつた場合に、第七条の九第二項、第十七条及び第十九条の規定は前項の規定による認可について準用する。 この場合において、第七条の九第三項中「施行地区となるべき区域」とあり、第十六条第一項中「施行地区となるべき区域(同項の規定による認可の申請にあつては、施行地区)」とあるのは「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」と、第七条の九第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区又は新たに施行地区となるべき区域」と、第十九条第一項中「認可」とあるのは「認可に係る定款又は事業計画についての変更の認可」と、同条第二項中「認可」とあるのは「認可に係る定款又は事業基本方針についての変更の認可」と、同条第三項中「組合の成立又は定款若しくは事業計画」とあるのは「定款又は事業計画の変更」と、「組合の成立又は定款若しくは事業基本方針」とあるのは「定款又は事業基本方針の変更」と、「あるまでは事業計画」とあるのは「あるまでは事業計画の変更」と、「組合員その他の」とあるのは「その変更について第三十八条第一項の規定による認可があつた際に従前から組合員であつた者以外の」と読み替えるものとする。

(経費の賦課徴収)

第三十九条 組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。

賦課金の額は、組合員が施行地区内に有する宅地又は借地の位置、地積等を考慮して公平に定めなければならない。

組合員は、賦課金の納付について、相殺をもつて組合に対抗することができない。

組合は、組合員が賦課金の納付を怠つたときは、定款で定めるところにより、その組合員に対して過怠金を課することができる。

(参加組合員の負担金及び分担金)

第四十条 参加組合員は、政令で定めるところにより、権利変換計画の定めるところに従い取得することとなる施設建築物の一部等の価額に相当する額の負担金及び組合の事業に要する経費に充てるための分担金を組合に納付しなければならない。

前条第三項及び第四項の規定は、前項の負担金及び分担金について準用する。

(賦課金等の滞納処分)

第四十一条 組合は、組合員が賦課金、負担金、分担金又は過怠金を滞納したときは、督促状を発して督促し、その者がその督促状において指定した期限までに納付しないときは、市町村長に対し、その徴収を申請することができる。

市町村長は、前項の規定による申請があつたときは、組合のために、地方税の滞納処分の例により滞納処分をするものとする。 この場合においては、組合は、市町村長の徴収した金額の百分の四に相当する金額を当該市町村に納付しなければならない。

市町村長が第一項の規定による申請を受けた日から起算して、三十日以内に滞納処分に着手せず、又は九十日以内にこれを終了しないときは、組合の理事長は、都道府県知事の認可を受けて、地方税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。

前二項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

(賦課金等の時効)

第四十二条 賦課金、負担金、分担金及び過怠金を徴収する権利は、これらを行使することができる時から五年間行使しないときは、時効により消滅する。

前条第一項の督促は、時効の更新の効力を有する。

(審査委員)

第四十三条 組合に、この法律及び定款で定める権限を行なわせるため、審査委員三人以上を置く。

審査委員は、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから総会で選任する。

前二項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。

(権利変換期日以後における組合員の特則)

第四十四条 権利変換期日以後においては、組合又は参加組合員が取得するものを除き、施設建築敷地の各共有持分及び第八十八条第一項の規定による地上権の各共有持分は、それぞれ一個の宅地又は地上権と、その各共有持分の割合は、それぞれ宅地の地積又は地上権の目的となつている宅地の地積と、その各共有持分の割合の合計は、それぞれ施行地区内の宅地の総地積又は地上権の目的となつている宅地の総地積とみなし、組合又は参加組合員が取得したそれらの共有持分は、存しないものとみなして、組合員に関する規定を適用する。

第三十条第十号に掲げる事項の議決に係る第三十三条の規定の適用については、施行地区内の宅地のうち第七十条の二第五項に規定する指定宅地(権利変換期日以後においては、個別利用区内の宅地。以下この項において同じ。)についてのみ所有権又は借地権を有する者は組合員でないものとみなし、同条第五項に規定する指定宅地は施行地区内の宅地及び借地に含まれないものとみなす。

第四款 解散

(解散)

第四十五条 組合は、次の各号に掲げる理由により解散する。

設立についての認可の取消し

総会の議決

事業の完成

前項第二号の議決は、権利変換期日前に限り行うことができるものとする。

組合は、第一項第二号又は第三号に掲げる理由により解散しようとする場合において、借入金があるときは、解散について債権者の同意を得なければならない。

組合は、第一項第二号又は第三号に掲げる理由により解散しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。

第七条の九第二項の規定は、前項の規定による認可について準用する。 この場合において、同条第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区」と読み替えるものとする。

都道府県知事は、組合の設立についての認可を取り消したとき、又は第四項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

組合は、前項の公告があるまでは、解散をもつて組合員以外の第三者に対抗することができない。

(清算中の組合の能力)

第四十五条の二 解散した組合は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

(清算人)

第四十六条 組合が解散したときは、理事がその清算人となる。 ただし、総会で他の者を選任したときは、この限りでない。

(裁判所による清算人の選任)

第四十六条の二 前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。

(清算人の解任)

第四十六条の三 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる。

(清算人の職務及び権限)

第四十六条の四 清算人の職務は、次のとおりとする。

現務の結了

債権の取立て及び債務の弁済

残余財産の引渡し

清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

(清算事務)

第四十七条 清算人は、就職の後遅滞なく、組合の財産の現況を調査し、財産目録を作成し、及び財産処分の方法を定め、財産目録及び財産処分の方法について総会の承認を求めなければならない。

(債権の申出の催告等)

第四十七条の二 清算人は、その就職の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。 この場合において、その期間は、二月を下ることができない。

前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。 ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。

清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。

第一項の公告は、官報に掲載してする。

(期間経過後の債権の申出)

第四十七条の三 前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、組合の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。

(残余財産の処分制限)

第四十八条 清算人は、組合の債務を弁済した後でなければ、その残余財産を処分することができない。

(裁判所による監督)

第四十八条の二 組合の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。

裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。

組合の解散及び清算を監督する裁判所は、都道府県知事に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる。

都道府県知事は、前項に規定する裁判所に対し、意見を述べることができる。

(決算報告)

第四十九条 清算人は、清算事務が終わつたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、決算報告書を作成し、これについて都道府県知事の承認を得た後、これを組合員に報告しなければならない。

(解散及び清算の監督等に関する事件の管轄)

第四十九条の二 組合の解散及び清算の監督並びに清算人に関する事件は、組合の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

(不服申立ての制限)

第四十九条の三 清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

(裁判所の選任する清算人の報酬)

第四十九条の四 裁判所は、第四十六条の二の規定により清算人を選任した場合には、組合が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 この場合においては、裁判所は、当該清算人及び監事の陳述を聴かなければならない。

(検査役の選任)

第五十条 裁判所は、組合の解散及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。

前二条の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。 この場合において、前条中「清算人及び監事」とあるのは、「組合及び検査役」と読み替えるものとする。

第一節の三 再開発会社

(施行の認可)

第五十条の二 第二条の二第三項の規定により市街地再開発事業を施行しようとする者は、規準及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 第七条の九第二項及び第三項の規定は、前項の規定による認可について準用する。

3 第二条の二第三項の規定による施行者(以下「再開発会社」という。)が施行する市街地再開発事業については、第一項の規定による認可をもつて都市計画法第五十九条第四項の規定による認可とみなす。 第七条の九第四項ただし書の規定は、この場合について準用する。

(規準)

第五十条の三 前条第一項の規準には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

市街地再開発事業の種類及び名称

施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称

市街地再開発事業の範囲

事務所の所在地

特定事業参加者(第五十条の十第一項の負担金を納付し、権利変換計画又は管理処分計画の定めるところに従い施設建築物の一部等又は建築施設の部分を取得する者をいう。以下この節において同じ。)に関する事項

費用の分担に関する事項

事業年度

公告の方法

その他国土交通省令で定める事項

2 再開発会社は、規準において前項第五号の特定事業参加者に関する事項を定めようとするときは、原則として、特定事業参加者を公募しなければならない。 ただし、施行地区となるべき区域内に宅地、借地権若しくは権原に基づき存する建築物を有する者又は当該区域内の建築物について借家権を有する者が、再開発会社が取得することとなる施設建築物の一部等又は建築施設の部分をその居住又は業務の用に供するため特に取得する必要がある場合において、これらの者を特定事業参加者として同号の特定事業参加者に関する事項を定めようとするときは、この限りでない。

3 再開発会社は、規準において第一項第五号の特定事業参加者に関する事項を定めようとするときは、施設建築物の一部等又は建築施設の部分の価額に相当する額を負担するのに必要な資力及び信用を有し、かつ、取得後の施設建築物の一部等又は建築施設の部分を当該市街地再開発事業の目的に適合して利用すると認められる者を特定事業参加者としなければならない。

(宅地の所有者及び借地権者の同意)

第五十条の四 第五十条の二第一項の規定による認可を申請しようとする者は、規準及び事業計画について、施行地区となるべき区域内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者のそれぞれの三分の二以上の同意を得なければならない。 この場合においては、同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者のその区域内の借地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二以上でなければならない。

2 第七条の二第五項の規定は、前項の規定により同意を得る場合について準用する。

(借地権の申告)

第五十条の五 前条第一項に規定する同意を得ようとする者は、あらかじめ、施行地区となるべき区域の公告を当該区域を管轄する市町村長に申請しなければならない。

2 第七条の三第二項から第四項までの規定は、前項の規定による申請があつた場合について準用する。 この場合において、同条第四項中「前条第三項」とあるのは、「第五十条の四」と読み替えるものとする。

(事業計画等)

第五十条の六 第七条の十一及び第七条の十二の規定は事業計画について、第十六条の規定は規準及び事業計画について、それぞれ準用する。 この場合において、第七条の十一第二項中「事業計画」とあるのは「第一種市街地再開発事業の事業計画」と、第七条の十二中「第七条の九第一項」とあるのは「第五十条の二第一項」と、同条及び第十六条第二項中「第一種市街地再開発事業」とあるのは「市街地再開発事業」と、同条第一項及び第五項中「第十一条第一項又は第三項」とあるのは「第五十条の二第一項」と、同条第一項ただし書中「次条各号の一」とあるのは「第五十条の七各号のいずれか」と、同条第二項中「参加組合員」とあるのは「第五十条の三第一項第五号の特定事業参加者」と読み替えるものとする。

(認可の基準)

第五十条の七 都道府県知事は、第五十条の二第一項の規定による認可の申請があつた場合において、次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、その認可をしなければならない。

申請者が第二条の二第三項各号に掲げる要件のすべてに該当する株式会社でないこと。

申請手続が法令に違反していること。

規準又は事業計画の決定手続又は内容が法令(前条において準用する第十六条第三項に規定する都道府県知事の命令を含む。)に違反していること。

事業計画の内容が当該市街地再開発事業に関する都市計画に適合せず、又は事業施行期間が適切でないこと。

当該市街地再開発事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分でないこと。

(認可の公告等)

第五十条の八 都道府県知事は、第五十条の二第一項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、再開発会社の名称、市街地再開発事業の種類及び名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区。以下この項において同じ。)その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、国土交通大臣及び関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。

2 再開発会社は、前項の公告があるまでは、施行者として、又は規準若しくは事業計画をもつて第三者に対抗することができない。

3 市町村長は、第百条第二項又は第百二十五条の二第五項の公告の日まで、政令で定めるところにより、第一項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。

(規準又は事業計画の変更)

第五十条の九 再開発会社は、規準又は事業計画を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 第七条の九第三項及び第五十条の五の規定は再開発会社が事業計画を変更して新たに施行地区に編入しようとする土地がある場合に、第七条の十二の規定は再開発会社が公共施設又は同条の政令で定める施設に関係のある事業計画の変更をしようとする場合に、第七条の十六第三項の規定は再開発会社が施行地区の縮小又は費用の分担に関し規準又は事業計画を変更しようとする場合に、第十六条の規定は規準又は事業計画の変更(政令で定める軽微な変更を除く。)の認可の申請があつた場合に、第七条の九第二項、第五十条の四及び前二条の規定は前項の規定による認可について準用する。 この場合において、第七条の九第三項及び第五十条の四第一項中「施行地区となるべき区域」とあり、並びに第十六条第一項中「施行地区となるべき区域(同項の規定による認可の申請にあつては、施行地区)」とあるのは「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」と、第七条の十二、第七条の十六第三項及び第十六条第二項中「第一種市街地再開発事業」とあるのは「市街地再開発事業」と、同条第一項ただし書中「次条各号の一」とあるのは「第五十条の九第二項において準用する第五十条の七各号のいずれか」と、同条第二項中「参加組合員」とあるのは「第五十条の三第一項第五号の特定事業参加者」と、第七条の九第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区又は新たに施行地区となるべき区域」と、第五十条の四第一項中「者及び」とあるのは「者並びに」と、第五十条の七第一号中「でないこと」とあるのは「でないこと。この場合において、同項第三号及び第四号中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」とする」と、前条第一項中「認可」とあるのは「認可に係る規準又は事業計画についての変更の認可」と、同条第二項中「施行者として、又は規準若しくは事業計画」とあるのは「規準又は事業計画の変更」と読み替えるものとする。

(特定事業参加者の負担金等)

第五十条の十 再開発会社が施行する市街地再開発事業における特定事業参加者は、政令で定めるところにより、権利変換計画又は管理処分計画の定めるところに従い取得することとなる施設建築物の一部等又は建築施設の部分の価額に相当する額の負担金を再開発会社に納付しなければならない。

2 特定事業参加者は、前項の負担金の納付について、相殺をもつて再開発会社に対抗することができない。

3 再開発会社は、特定事業参加者が負担金の納付を怠つたときは、規準で定めるところにより、特定事業参加者に対して過怠金を課することができる。

(負担金等の滞納処分)

第五十条の十一 再開発会社は、特定事業参加者が負担金又は過怠金を滞納したときは、督促状を発して督促し、その者がその督促状において指定した期限までに納付しないときは、市町村長に対し、その徴収を申請することができる。

2 第四十一条第二項から第四項までの規定は、前項の規定による徴収を申請した場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「組合」とあるのは「再開発会社」と、同条第三項中「組合の理事長」とあるのは「再開発会社の代表者」と読み替えるものとする。

3 第四十二条の規定は、再開発会社の負担金及び過怠金を徴収する権利について準用する。 この場合において、同条第二項中「前条第一項」とあるのは、「第五十条の十一第一項」と読み替えるものとする。

(再開発会社の合併若しくは分割又は事業の譲渡及び譲受)

第五十条の十二 再開発会社の合併若しくは分割又は再開発会社が施行する市街地再開発事業の全部若しくは一部の譲渡及び譲受は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 第七条の九第二項及び第三項、第五十条の七並びに第五十条の八の規定は、前項の規定による認可について準用する。 この場合において、第七条の九第二項及び第三項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区」と、第五十条の七中「次の各号のいずれにも該当しない」とあるのは「次の各号(第三号及び第四号を除く。)のいずれにも該当せず、規準及び事業計画の変更を伴わない」と、同条第一号中「でないこと」とあるのは「でないこと。この場合において、同項第三号及び第四号中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区」とする」と読み替えるものとする。

(承継)

第五十条の十三 再開発会社の合併若しくは分割(当該市街地再開発事業の全部を承継させるものに限る。)又は再開発会社の施行する市街地再開発事業の全部の譲渡があつたときは、合併後存続する会社、合併により設立された会社若しくは分割により市街地再開発事業を承継した会社又は市街地再開発事業の全部を譲り受けた者は、市街地再開発事業の施行者の地位及び従前の再開発会社が市街地再開発事業に関して有する権利義務(従前の再開発会社が当該市街地再開発事業に関し、行政庁の認可、許可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を、承継する。

(審査委員)

第五十条の十四 再開発会社は、都道府県知事の承認を受けて、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから、この法律及び規準で定める権限を行う審査委員三人以上を選任しなければならない。

2 前項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。

(市街地再開発事業の終了)

第五十条の十五 再開発会社は、市街地再開発事業を終了しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その終了について都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 第七条の九第二項並びに第五十条の八第一項(図書の送付に係る部分を除く。)及び第二項の規定は、前項の規定による認可について準用する。 この場合において、第七条の九第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区」と、第五十条の八第二項中「施行者として、又は規準若しくは事業計画をもつて」とあるのは「市街地再開発事業の終了をもつて」と読み替えるものとする。

第二節 地方公共団体

(施行規程及び事業計画の決定等)

第五十一条 地方公共団体(第二条の二第四項の規定により市街地再開発事業を施行する場合に限る。以下この節、第六十条第二項第四号、第六十九条第一項(第百十八条の二十九において準用する場合を含む。)、第百六条第三項及び第四項(これらの規定を第百十八条の二十四第二項において準用する場合を含む。)並びに第四章において同じ。)は、市街地再開発事業を施行しようとするときは、施行規程及び事業計画を定めなければならない。 この場合において、事業計画において定めた設計の概要については、国土交通省令で定めるところにより、都道府県にあつては国土交通大臣の、市町村にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 地方公共団体が施行する市街地再開発事業について事業計画が定められたときは、前項の規定による認可をもつて都市計画法第五十九条第一項又は第二項の規定による認可とみなす。 第七条の九第四項ただし書の規定は、この場合について準用する。

(施行規程)

第五十二条 施行規程は、当該地方公共団体の条例で定める。

2 施行規程には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

市街地再開発事業の種類及び名称

施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称

市街地再開発事業の範囲

事務所の所在地

特定事業参加者(第五十六条の二第一項の負担金を納付し、権利変換計画又は管理処分計画の定めるところに従い施設建築物の一部等又は建築施設の部分を取得する者をいう。以下この節において同じ。)に関する事項

費用の分担に関する事項

市街地再開発事業の施行により施行者が取得する施設建築敷地若しくはその共有持分、施設建築物の一部等若しくは建築施設の部分又は個別利用区内の宅地の管理処分の方法に関する事項

市街地再開発審査会及びその委員に関する事項(委員の報酬及び費用弁償に関する事項を除く。)

その他国土交通省令で定める事項

3 第五十条の三第二項及び第三項の規定は、施行規程において前項第五号の特定事業参加者に関する事項を定めようとする場合について準用する。

(事業計画)

第五十三条 地方公共団体は、事業計画を定めようとするときは、当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。

2 第十六条第二項から第五項までの規定は、前項の場合に準用する。 この場合において、同条第二項中「第一種市街地再開発事業」とあるのは「市街地再開発事業」と、「参加組合員」とあるのは「第五十二条第二項第五号の特定事業参加者」と、同項から同条第四項までの規定中「都道府県知事」とあるのは「地方公共団体」と、同条第三項中「加えるべきことを命じ」とあるのは「加え」と、同条第五項中「第十一条第一項又は第三項の規定による認可を申請した者」とあるのは「地方公共団体」と、「加え、その旨を都道府県知事に申告し」とあるのは「加え」と読み替えるものとする。

3 第五十一条第一項の規定による認可を申請する場合においては、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)及び設計の概要を表示する図書を提出しなければならない。

4 第七条の十一及び第七条の十二の規定は、事業計画について準用する。 この場合において、第七条の十一第二項中「事業計画」とあるのは「第一種市街地再開発事業の事業計画」と、第七条の十二中「第七条の九第一項の規定による認可を申請しようとする者は」とあるのは「地方公共団体は、事業計画を定めようとするときは」と、「第一種市街地再開発事業」とあるのは「市街地再開発事業」と、「の同意を得」とあるのは「と協議し」と読み替えるものとする。

(事業計画の公告)

第五十四条 地方公共団体は、事業計画を定めたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、市街地再開発事業の種類及び名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)その他国土交通省令で定める事項を公告しなければならない。

2 地方公共団体は、前項の公告があるまでは、事業計画をもつて第三者に対抗することができない。

(施行地区及び設計の概要を表示する図書の送付及び縦覧)

第五十五条 国土交通大臣又は都道府県知事は、第五十一条第一項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、国土交通大臣にあつては関係都道府県知事及び関係市町村長に、都道府県知事にあつては国土交通大臣及び関係市町村長に第五十三条第三項の図書の写しを送付しなければならない。

2 市町村長は、前条第一項の公告の日から第百条第二項の公告の日まで、政令で定めるところにより、前項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。

(事業計画の変更)

第五十六条 第五十一条第一項後段及び前三条の規定は、事業計画の変更(第五十三条第一項から第三項までの規定に係る場合は、政令で定める軽微な変更を除く。)について準用する。 この場合において、第五十三条第四項後段中「定め」とあるのは、「変更し」と読み替えるものとする。

(特定事業参加者の負担金)

第五十六条の二 地方公共団体が施行する市街地再開発事業における特定事業参加者は、政令で定めるところにより、権利変換計画又は管理処分計画の定めるところに従い取得することとなる施設建築物の一部等又は建築施設の部分の価額に相当する額の負担金を地方公共団体に納付しなければならない。

2 特定事業参加者は、前項の負担金の納付について、相殺をもつて地方公共団体に対抗することができない。

(負担金の滞納処分)

第五十六条の三 地方公共団体は、特定事業参加者が前条第一項の負担金を滞納したときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促することができる。

2 前項の督促をするときは、政令で定めるところにより、年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額の範囲内の延滞金を徴収することができる。

3 第一項の督促を受けた特定事業参加者がその督促状において指定した期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、地方公共団体は、国税滞納処分の例により、同項の負担金及び前項の延滞金を徴収することができる。 この場合における負担金及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

4 延滞金は、負担金に先立つものとする。

5 第四十二条の規定は、地方公共団体が第一項の負担金及び第二項の延滞金を徴収する権利について準用する。 この場合において、同条第二項中「前条第一項」とあるのは、「第五十六条の三第一項」と読み替えるものとする。

(市街地再開発審査会)

第五十七条 地方公共団体が施行する市街地再開発事業ごとに、この法律及び施行規程で定める権限を行なわせるため、その地方公共団体に、市街地再開発審査会を置く。

2 施行地区を工区に分けたときは、市街地再開発審査会は、工区ごとに置くことができる。

3 市街地再開発審査会は、五人から二十人までの範囲内において、施行規程で定める数の委員をもつて組織する。

4 市街地再開発審査会の委員は、次の各号に掲げる者のうちから、地方公共団体の長が任命する。

土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者

施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者

5 前項第一号に掲げる者のうちから任命される委員の数は、三人以上でなければならない。

第三節 独立行政法人都市再生機構等

(施行規程及び事業計画の認可等)

第五十八条 独立行政法人都市再生機構及び地方住宅供給公社(第二条の二第五項又は第六項の規定により市街地再開発事業を施行する場合に限る。以下「機構等」と総称する。)は、市街地再開発事業を施行しようとするときは、施行規程及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣(市のみが設立した地方住宅供給公社にあつては、都道府県知事)の認可を受けなければならない。 施行規程又は事業計画を変更しようとするときも、同様とする。

2 機構等が施行する市街地再開発事業については、前項前段の規定による認可をもつて都市計画法第五十九条第四項の規定による認可とみなす。 第七条の九第四項ただし書の規定は、この場合について準用する。

3 第五十条の三第二項及び第三項並びに第五十二条第二項の規定は施行規程について、第七条の十一及び第七条の十二の規定は事業計画について、第十六条(第一項ただし書を除く。)及び第十九条(第二項を除く。)の規定は施行規程及び事業計画について、それぞれ準用する。 この場合において、第七条の十一第二項中「事業計画」とあるのは「第一種市街地再開発事業の事業計画」と、第七条の十二及び第十六条第二項中「第一種市街地再開発事業」とあるのは「市街地再開発事業」と、第七条の十二中「の同意を得」とあるのは「と協議し」と、第十六条及び第十九条第一項中「都道府県知事」とあるのは「国土交通大臣(市のみが設立した地方住宅供給公社にあつては、都道府県知事)」と、第十六条第二項中「参加組合員」とあるのは「第五十八条第三項において準用する第五十二条第二項第五号の特定事業参加者」と、同条第五項中「第十一条第一項又は第三項の規定による認可を申請した者」とあるのは「機構等」と、第十九条第一項中「組合の名称」とあるのは「市街地再開発事業の種類及び名称」と、「国土交通大臣」とあるのは「関係都道府県知事(市のみが設立した地方住宅供給公社にあつては、国土交通大臣)」と、同条第三項中「組合は」とあるのは「機構等は」と、「第十一条第一項の認可に係る第一項」とあるのは「第五十八条第三項において準用する第十九条第一項」と、「組合の成立又は定款若しくは事業計画をもつて、前項の公告があるまでは組合の成立又は定款若しくは事業基本方針をもつて、同条第三項の認可に係る第一項の公告があるまでは」とあるのは「、施行規程又は」と、「、組合員その他の第三者」とあるのは「第三者」と、第五十条の三第二項中「前項第五号」とあり、及び同条第三項中「第一項第五号」とあるのは「第五十八条第三項において準用する第五十二条第二項第五号」と、第五十二条第二項第五号中「第五十六条の二第一項」とあるのは「第五十八条の二第一項」と読み替えるものとする。

4 第七条の十二、第十六条(第一項ただし書を除く。)並びに第十九条第一項及び第四項の規定は、施行規程又は事業計画の変更(第七条の十二の規定に係る場合を除き、政令で定める軽微な変更を除く。)について準用する。 この場合においては、前項後段の規定を準用する。

5 機構等は、前項において準用する第十九条第一項の公告があるまでは、施行規程又は事業計画の変更をもつて第三者に対抗することができない。

(特定事業参加者の負担金等)

第五十八条の二 機構等が施行する市街地再開発事業における特定事業参加者は、政令で定めるところにより、権利変換計画又は管理処分計画の定めるところに従い取得することとなる施設建築物の一部等又は建築施設の部分の価額に相当する額の負担金を機構等に納付しなければならない。

2 第五十六条の二第二項及び第五十六条の三の規定は、前項の規定により特定事業参加者が負担金を機構等に納付する場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「前条第一項」とあるのは「第五十八条の二第一項」と、同条第二項中「前項」とあり、同条第三項中「第一項」とあるのは「第五十八条の二第二項において準用する第五十六条の三第一項」と、同項中「前項」とあるのは「第五十八条の二第二項において準用する第五十六条の三第二項」と、同条第五項中「第一項の」とあるのは「第五十八条の二第二項において準用する第五十六条の三第一項の」と、「第二項の」とあるのは「同条第二項の」と、「同条第二項」とあるのは「第四十二条第二項」と、「第五十六条の三第一項」とあるのは「第五十八条の二第二項において準用する第五十六条の三第一項」と読み替えるものとする。

(市街地再開発審査会)

第五十九条 機構等が施行する市街地再開発事業ごとに、この法律及び施行規程で定める権限を行わせるため、機構等に市街地再開発審査会を置く。

2 第五十七条第二項から第五項までの規定は、前項の規定により置かれる市街地再開発審査会について準用する。 この場合において、同条第四項中「地方公共団体の長」とあるのは、独立行政法人都市再生機構に置かれるものについては「独立行政法人都市再生機構理事長」と、地方住宅供給公社に置かれるものについては「地方住宅供給公社理事長」と読み替えるものとする。

3 第一項の市街地再開発審査会の委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

第三章 第一種市街地再開発事業

第一節 測量、調査等

(測量及び調査のための土地の立入り等)

第六十条 施行者となろうとする者若しくは組合を設立しようとする者又は施行者は、第一種市街地再開発事業の施行の準備又は施行のため他人の占有する土地に立ち入つて測量又は調査を行う必要があるときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができる。 ただし、個人施行者若しくは再開発会社となろうとする者若しくは組合を設立しようとする者又は個人施行者、組合若しくは再開発会社にあつては、あらかじめ、都道府県知事(市の区域内にあつては、当該市の長。第六十二条第一項及び第百四十二条第一号において「立入許可権者」という。)の許可を受けた場合に限る。

2 前項の規定は、次に掲げる公告があつた日後、施行者が第一種市街地再開発事業の施行の準備又は施行のため他人の占有する建築物その他の工作物に立ち入つて測量又は調査を行う必要がある場合について準用する。

個人施行者が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、その施行についての認可の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告

組合が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、第十九条第一項の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告

再開発会社が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、その施行についての認可の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告

地方公共団体が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、事業計画の決定の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の公告

機構等が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、施行規程及び事業計画の認可の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告

3 前二項の規定により他人の占有する土地又は工作物に立ち入ろうとする者は、立ち入ろうとする日の三日前までに、その旨を当該土地又は工作物の占有者に通知しなければならない。

4 第一項の規定により建築物が存し、若しくはかき、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとするとき、又は第二項の規定により他人の占有する工作物に立ち入ろうとするときは、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地又は工作物の占有者に告げなければならない。

5 日出前及び日没後においては、土地又は工作物の占有者の承諾があつた場合を除き、前項に規定する土地又は工作物に立ち入つてはならない。

6 土地又は工作物の占有者は、正当な理由がない限り、第一項又は第二項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。

(障害物の伐除及び土地の試掘等)

第六十一条 前条第一項の規定により他人の占有する土地に立ち入つて測量又は調査を行う者は、その測量又は調査を行うに当たり、やむを得ない必要があつて、障害となる植物若しくは垣、柵等(以下「障害物」という。)を伐除しようとする場合又は当該土地に試掘若しくはボーリング若しくはこれらに伴う障害物の伐除(以下「試掘等」という。)を行おうとする場合において、当該障害物又は当該土地の所有者及び占有者の同意を得ることができないときは、当該障害物の所在地を管轄する市町村長の許可を受けて当該障害物を伐除し、又は当該土地の所在地を管轄する都道府県知事(市の区域内において施行者(第二条の二第四項の規定により第一種市街地再開発事業を施行する地方公共団体を除く。以下この項において同じ。)となろうとする者若しくは組合を設立しようとする者若しくは施行者が試掘等を行おうとし、又は第二条の二第四項の規定により第一種市街地再開発事業を施行し、若しくは施行しようとする市が試掘等を行おうとする場合にあつては、当該市の長。以下この項、次条第二項及び第百四十二条第三号において「試掘等許可権者」という。)の許可を受けて当該土地に試掘等を行うことができる。 この場合において、市町村長が許可を与えようとするときは障害物の所有者及び占有者に、試掘等許可権者が許可を与えようとするときは土地又は障害物の所有者及び占有者に、あらかじめ、意見を述べる機会を与えなければならない。

2 前項の規定により障害物を伐除しようとする者又は土地に試掘等を行なおうとする者は、伐除しようとする日又は試掘等を行なおうとする日の三日前までに、その旨を当該障害物又は当該土地若しくは障害物の所有者及び占有者に通知しなければならない。

3 第一項の規定により障害物を伐除しようとする場合(土地の試掘又はボーリングに伴う障害物の伐除をしようとする場合を除く。)において、当該障害物の所有者及び占有者がその場所にいないためその同意を得ることが困難であり、かつ、その現状を著しく損傷しないときは、施行者となろうとする者、組合を設立しようとする者若しくは施行者又はその命じた者若しくは委任した者は、前二項の規定にかかわらず、当該障害物の所在地を管轄する市町村長の許可を受けて、ただちに、当該障害物を伐除することができる。 この場合においては、当該障害物を伐除した後、遅滞なく、その旨をその所有者及び占有者に通知しなければならない。

(証明書等の携帯)

第六十二条 第六十条第一項又は第二項の規定により他人の占有する土地又は工作物に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書(個人施行者若しくは再開発会社となろうとする者若しくは組合を設立しようとする者又は個人施行者、組合若しくは再開発会社にあつては、その身分を示す証明書及び立入許可権者の許可証)を携帯しなければならない。

2 前条の規定により障害物を伐除しようとする者又は土地に試掘等を行おうとする者は、その身分を示す証明書及び市町村長又は試掘等許可権者の許可証を携帯しなければならない。

3 前二項に規定する証明書又は許可証は、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

(土地の立入り等に伴う損失の補償)

第六十三条 施行者となろうとする者若しくは組合を設立しようとする者又は施行者は、第六十条第一項若しくは第二項又は第六十一条第一項若しくは第三項の規定による行為により他人に損失を与えたときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。

2 前項の規定による損失の補償については、損失を与えた者と損失を受けた者とが協議しなければならない。

3 前項の規定による協議が成立しないときは、損失を与えた者又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第九十四条第二項の規定による裁決を申請することができる。

(測量のための標識の設置)

第六十四条 施行者となろうとする者若しくは組合を設立しようとする者又は施行者は、第一種市街地再開発事業の施行の準備又は施行に必要な測量を行うため必要があるときは、国土交通省令で定める標識を設けることができる。

2 何人も、前項の規定により設けられた標識を設置者の承諾を得ないで移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくは損壊してはならない。

(関係簿書の閲覧等)

第六十五条 施行者となろうとする者若しくは組合を設立しようとする者又は施行者は、第一種市街地再開発事業の施行の準備又は施行のため必要があるときは、施行地区となるべき区域若しくは施行地区を管轄する登記所に対し、又はその他の官公署の長に対し、無償で必要な簿書の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本若しくは登記事項証明書の交付を求めることができる。

(建築行為等の制限)

第六十六条 第六十条第二項各号に掲げる公告があつた後は、施行地区内において、第一種市街地再開発事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内において個人施行者、組合、再開発会社若しくは機構等が施行し、又は市が第二条の二第四項の規定により施行する第一種市街地再開発事業にあつては、当該市の長。以下この条、第九十八条及び第百四十一条の二第二号において「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。

2 都道府県知事等は、前項の許可の申請があつた場合において、その許可をしようとするときは、あらかじめ、施行者の意見を聴かなければならない。

3 都道府県知事等は、第一項の許可をする場合において、第一種市街地再開発事業の施行のため必要があると認めるときは、許可に期限その他必要な条件を付けることができる。 この場合において、これらの条件は、当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであつてはならない。

4 都道府県知事等は、第一項の規定に違反し、又は前項の規定により付けた条件に違反した者があるときは、これらの者又はこれらの者から当該土地、建築物その他の工作物若しくは物件についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、第一種市街地再開発事業の施行に対する障害を排除するため必要な限度において、当該土地の原状回復又は当該建築物その他の工作物若しくは物件の移転若しくは除却を命ずることができる。

5 前項の規定により土地の原状回復又は建築物その他の工作物若しくは物件の移転若しくは除却を命じようとする場合において、過失がなくてその原状回復又は移転若しくは除却を命ずべき者を確知することができないときは、都道府県知事等は、それらの者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。 この場合においては、相当の期限を定めて、これを原状回復し、又は移転し、若しくは除却すべき旨及びその期限までに原状回復し、又は移転し、若しくは除却しないときは、都道府県知事等又はその命じた者若しくは委任した者が、原状回復し、又は移転し、若しくは除却する旨を公告しなければならない。

6 前項の規定により土地を原状回復し、又は建築物その他の工作物若しくは物件を移転し、若しくは除却しようとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

7 第六十条第二項各号に掲げる公告があつた後に、施行地区内において土地の形質の変更、建築物その他の工作物の新築、改築、増築若しくは大修繕又は物件の付加増置(以下この条において「土地の形質の変更等」と総称する。)がされたときは、当該土地の形質の変更等について都道府県知事等の承認があつた場合を除き、当該土地、工作物又は物件に関する権利を有する者は、当該土地の形質の変更等が行われる前の土地、工作物又は物件の状況に基づいてのみ、次節の規定による施行者に対する権利を主張することができる。

8 前項の承認の申請があつたときは、都道府県知事等は、あらかじめ、施行者の意見を聴いて、当該土地の形質の変更等が災害の防止その他やむを得ない理由に基づき必要があると認められる場合に限り、その承認をするものとする。

9 第一項の許可があつたときは、当該許可に係る土地の形質の変更等について第七項の承認があつたものとみなす。

(第一種市街地再開発事業の施行についての周知措置)

第六十七条 第六十条第二項各号に掲げる公告があつたときは、施行者は、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、関係権利者に当該第一種市街地再開発事業の概要を周知させるため必要な措置を講ずることにより、第一種市街地再開発事業の施行についてその協力が得られるように努めなければならない。

(土地調書及び物件調書)

第六十八条 第六十条第二項各号に掲げる公告があつた後、施行者は、土地調書及び物件調書を作成しなければならない。

2 土地収用法第三十六条第二項から第六項まで及び第三十七条から第三十八条までの規定は、前項の土地調書及び物件調書について準用する。 この場合において、同法第三十七条第一項及び第二項並びに第三十七条の二中「第三十六条第一項」とあるのは「都市再開発法第六十八条第一項」と、同法第三十七条第一項及び第二項中「収用し、又は使用しようとする土地」とあるのは「施行地区内の各個の土地」と、同法第三十七条の二中「第三十五条第一項」とあるのは「同法第六十条第一項又は第二項」と、「同項の」とあるのは「これらの」と読み替えるものとする。

3 土地調書又は物件調書の記載について関係権利者のすべてに異議がないときは、前項において準用する土地収用法第三十六条の規定による立会いは、省略することができる。

(土地の使用)

第六十九条 地方公共団体又は機構等は、施行地区内の土地に存する建築物に居住する者で施設建築物に入居することとなるものを一時収容するため必要な施設その他第一種市街地再開発事業の施行のため欠くことのできない材料置場等の施設を設置するため必要な施行地区外の土地又はこれに関する所有権以外の権利を使用することができる。

2 前項の規定による使用に関しては、土地収用法の規定を適用する。

第二節 権利変換手続

第一款 手続の開始

(権利変換手続開始の登記)

第七十条 施行者は、第六十条第二項各号に掲げる公告があつたときは、遅滞なく、登記所に、施行地区内の宅地及び建築物並びにその宅地に存する既登記の借地権について、権利変換手続開始の登記を申請し、又は嘱託しなければならない。

前項の登記があつた後においては、当該登記に係る宅地若しくは建築物の所有権を有する者又は当該登記に係る借地権を有する者は、これらの権利を処分するには、国土交通省令で定めるところにより、施行者の承認を得なければならない。

施行者は、事業の遂行に重大な支障が生ずることその他正当な理由がなければ、前項の承認を拒むことができない。

第二項の承認を得ないでした処分は、施行者に対抗することができない。

権利変換期日前において第四十五条第六項、第百二十四条の二第三項又は第百二十五条の二第五項の公告があつたときは、施行者(組合にあつては、その清算人)は、遅滞なく、登記所に、権利変換手続開始の登記の抹消を申請しなければならない。

(個別利用区内の宅地への権利変換の申出等)

第七十条の二 第七条の十一第二項(第十二条第一項、第五十条の六、第五十三条第四項及び第五十八条第三項において準用する場合を含む。)の規定により事業計画において個別利用区が定められたときは、施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じて当該各号に定める公告があつた日から起算して三十日以内に、施行者に対し、国土交通省令で定めるところにより、権利変換計画において当該所有権又は借地権に対応して個別利用区内の宅地又はその借地権が与えられるように定めるべき旨の申出をすることができる。 この場合において、借地権を有する者にあつては、当該借地の所有者と共同で申出をしなければならない。

事業計画が定められた場合 第六十条第二項各号に掲げる公告(事業計画の変更の公告又は事業計画の変更の認可の公告を除く。)

事業計画の変更により新たに個別利用区が定められた場合 当該事業計画の変更の公告又は当該事業計画の変更の認可の公告

事業計画の変更により従前の施行地区外の土地が新たに施行地区に編入されたことに伴い個別利用区の面積が拡張された場合 当該事業計画の変更の公告又は当該事業計画の変更の認可の公告

前項の申出は、次に掲げる要件の全てに該当するものでなければならない。

当該申出をする者以外に、当該申出に係る宅地について借地権その他の土地を使用し、若しくは収益することができる権利(地役権を除く。以下「使用収益権」という。)を有する者又は当該宅地に存する建築物について所有権若しくは借家権を有する者があるときは、これらの者の同意が得られていること。

当該申出が、施行地区内に現に存する建築物のうち次のいずれかに該当するものを存置し、又は移転することを目的とするものであること。

  容積率及び建築面積が、それぞれ、当該施行地区に係る高度利用地区等に関する都市計画において定められた建築物の容積率の最低限度及び建築物の建築面積の最低限度を超えるものとして規準、規約、定款又は施行規程で定める数値以上である建築物

  建築基準法第三条第一項各号のいずれかに該当する建築物

  公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの

  学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、建築基準法第五十九条第一項第三号、第六十条の二第一項第三号又は第六十条の三第一項第三号の規定による許可を受けたもの

当該申出に係る宅地の地積が、当該宅地に対応して権利変換計画において前号に規定する建築物を存置し、又は移転するのに必要な面積以上の規模の宅地を与えるように定めることができるものとして規準、規約、定款又は施行規程で定める規模以上であること。

施行者は、第一項の申出があつた場合において、同項の期間の経過後遅滞なく、第一号に該当すると認めるときは当該申出に係る宅地の全部について権利変換計画において当該宅地に対応して個別利用区内の宅地が与えられるべき宅地として指定をし、第二号に該当すると認めるときは当該申出に係る宅地のうち一部について当該指定をし、他の宅地について申出に応じない旨を決定しなければならない。

権利変換計画において、第一項の申出に係る宅地の全部について当該宅地に対応して与えられるべき宅地の地積の合計が個別利用区の面積を超えないこととなるとき。

権利変換計画において、第一項の申出に係る宅地の全部について当該宅地に対応して与えられるべき宅地の地積の合計が個別利用区の面積を超えることとなるとき。

施行者は、前項の規定による指定又は決定をしたときは、速やかに、第一項の申出をした者に対し、その旨を通知しなければならない。

施行者は、第三項の規定による指定をしたときは、速やかに、当該指定をした宅地(以下「指定宅地」という。)を公告しなければならない。

施行者は、第三項の規定による決定をしたときは、速やかに、その旨を公告しなければならない。

次条第一項の規定による申出に係る宅地又は同項若しくは同条第三項の規定による申出に係る建築物が存する宅地について、第五項の規定による指定宅地の公告があつたときは、同条第一項又は第三項の規定による申出は、なかつたものとみなす。

施行者が第十一条第一項の規定により設立された組合である場合においては、最初の役員が選挙され、又は選任されるまでの間は、第一項の申出は、同条第一項の規定による認可を受けた者が受理するものとする。

(権利変換を希望しない旨の申出等)

第七十一条 個人施行者若しくは再開発会社の施行の認可の公告、第十九条第一項の規定による公告若しくは事業計画の決定若しくは認可の公告(第六項において「施行認可の公告等」という。)又は前条第六項の規定による公告があつたときは、施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)について所有権若しくは借地権を有する者又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を所有する者は、その公告があつた日から起算して三十日以内に、施行者に対し、第八十七条又は第八十八条第一項及び第二項の規定による権利の変換を希望せず、自己の有する宅地、借地権若しくは建築物に代えて金銭の給付を希望し、又は自己の有する建築物を施行地区外に移転すべき旨を申し出ることができる。

前項の宅地、借地権若しくは建築物について仮登記上の権利、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記若しくは処分の制限の登記があるとき、又は同項の未登記の借地権の存否若しくは帰属について争いがあるときは、それらの権利者又は争いの相手方の同意を得なければ、同項の規定による金銭の給付の希望を申し出ることができない。

施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について借家権を有する者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)は、第一項の期間内に施行者に対し、第八十八条第五項の規定による借家権の取得を希望しない旨を申し出ることができる。

第一項の期間経過後六月以内に第八十三条の規定による権利変換計画の縦覧の開始(個人施行者が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、次条第一項後段の規定による権利変換計画の認可。以下この項において同じ。)がされないときは、当該六月の期間経過後三十日以内に、第一項若しくは前項の規定による申出を撤回し、又は新たに第一項若しくは前項の規定による申出をすることができる。 その三十日の期間経過後更に六月を経過しても第八十三条の規定による権利変換計画の縦覧の開始がされないときも、同様とする。

事業計画を変更して従前の施行地区外の土地を新たに施行地区に編入した場合においては、前項前段中「第一項の期間経過後六月以内に第八十三条の規定による権利変換計画の縦覧の開始(個人施行者が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、次条第一項後段の規定による権利変換計画の認可。以下この項において同じ。)がされないときは、当該六月の期間経過後」とあるのは、「新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の公告又はその変更の認可の公告があつたときは、その公告があつた日から起算して」とする。

前条第三項の規定による決定があつた場合においては、同条第六項の規定による公告があつた日から起算して三十日以内に、施行認可の公告等があつた場合又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の公告若しくはその変更の認可の公告があつた場合において行つた第一項又は第三項の規定による申出を撤回することができる。

第一項又は第三項から前項までの規定による申出又は申出の撤回は、国土交通省令で定めるところにより、書面でしなければならない。

前条第八項の規定は、第一項又は第三項の規定による申出について準用する。

第二款 権利変換計画

(権利変換計画の決定及び認可)

第七十二条 施行者は、前条の規定による手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、施行地区ごとに権利変換計画を定めなければならない。 この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、都道府県(第二条の二第四項の規定により市街地再開発事業を施行する場合に限る。以下同じ。)又は機構等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)にあつては国土交通大臣の、個人施行者、組合、再開発会社、市町村(同項の規定により市街地再開発事業を施行する場合に限る。第百九条を除き、以下同じ。)又は市のみが設立した地方住宅供給公社(第二条の二第六項の規定により市街地再開発事業を施行する場合に限る。以下同じ。)にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。

第七条の十三の規定は、個人施行者が権利変換計画について認可を申請しようとする場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区」と読み替えるものとする。

第五十条の四の規定は、再開発会社が権利変換計画について認可を申請しようとする場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区」と読み替えるものとする。

第一項後段及び前二項の規定は、権利変換計画を変更する場合(政令で定める軽微な変更をする場合を除く。)に準用する。

施行地区が工区に分かれているときは、権利変換計画は、工区ごとに定めることができる。 この場合において、権利変換に関する規定中「施行地区」とあるのは、「工区」とする。

(権利変換計画の内容)

第七十三条 権利変換計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。

配置設計

施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)若しくはその借地権又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を有する者で、当該権利に対応して、施設建築敷地若しくはその共有持分又は施設建築物の一部等を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所

前号に掲げる者が施行地区内に有する同号の宅地、借地権又は建築物及びそれらの価額

第二号に掲げる者に前号に掲げる宅地、借地権又は建築物に対応して与えられることとなる施設建築敷地若しくはその共有持分又は施設建築物の一部等の明細及びそれらの価額の概算額

第三号に掲げる宅地、借地権又は建築物について先取特権、質権若しくは抵当権の登記、仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記又は処分の制限の登記(以下「担保権等の登記」と総称する。)に係る権利を有する者の氏名又は名称及び住所並びにその権利

前号に掲げる者が施設建築敷地若しくはその共有持分又は施設建築物の一部等に関する権利の上に有することとなる権利

指定宅地又はその使用収益権を有する者の氏名又は名称及び住所

前号に掲げる者が有する指定宅地又はその使用収益権及びそれらの価額

第七号に掲げる者に前号に掲げる指定宅地又はその使用収益権に対応して与えられることとなる個別利用区内の宅地又はその使用収益権の明細及びそれらの価額の概算額

第八号に掲げる指定宅地又はその使用収益権について担保権等の登記に係る権利を有する者の氏名又は名称及び住所並びにその権利

十一 前号に掲げる者が個別利用区内の宅地又はその使用収益権の上に有することとなる権利

十二 施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について賃借権を有する者(その者が更に賃借権を設定しているときは、その賃借権の設定を受けた者)又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権を有する者から賃借権の設定を受けた者で、当該賃借権に対応して、施設建築物の一部について賃借権を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所

十三 前号に掲げる者に賃借権が与えられることとなる施設建築物の一部

十四 施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権を有する者(その者が賃借権を設定している場合を除く。)で、当該配偶者居住権に対応して、施設建築物の一部について配偶者居住権を与えられることとなるものの氏名及び住所並びにその配偶者居住権の存続期間

十五 前号に掲げる者に配偶者居住権が与えられることとなる施設建築物の一部

十六 施設建築敷地の地代の概算額及び地代以外の借地条件の概要

十七 施行者が施設建築物の一部を賃貸しする場合における標準家賃の概算額及び家賃以外の借家条件の概要

十八 第七十九条第三項の規定が適用されることとなる者の氏名又は名称及び住所並びにこれらの者が施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物及びそれらの価額

十九 施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)若しくはこれに存する建築物又はこれらに関する権利を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、施設建築敷地若しくはその共有持分、施設建築物の一部等又は施設建築物の一部についての借家権を与えられないものの氏名又は名称及び住所、失われる宅地若しくは建築物又は権利並びにそれらの価額

二十 組合の参加組合員に与えられることとなる施設建築物の一部等の明細並びにその参加組合員の氏名又は名称及び住所

二十一 第五十条の三第一項第五号又は第五十二条第二項第五号(第五十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する特定事業参加者(以下単に「特定事業参加者」という。)に与えられることとなる施設建築物の一部等の明細並びにその特定事業参加者の氏名又は名称及び住所

二十二 第四号、第九号及び前二号に掲げるもののほか、施設建築敷地又はその共有持分、施設建築物の一部等及び個別利用区内の宅地の明細、それらの帰属並びにそれらの管理処分の方法

二十三 新たな公共施設の用に供する土地の帰属に関する事項

二十四 権利変換期日、土地の明渡しの予定時期、個別利用区内の宅地の整備工事の完了の予定時期及び施設建築物の建築工事の完了の予定時期

二十五 その他国土交通省令で定める事項

宅地(指定宅地を除く。)について所有権又は借地権を有する者が当該宅地の上に建築物を有する場合において、当該宅地、借地権又は建築物について担保権等の登記に係る権利があるときは、これらの宅地、借地権又は建築物は、それぞれ別個の権利者に属するものとみなして権利変換計画を定めなければならない。 ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

担保権等の登記に係る権利の消滅について関係権利者の全ての同意があつたとき。

宅地と建築物又は借地権と建築物とが同一の担保権等の登記に係る権利の目的となつており、かつ、それらの全ての権利の順位が、宅地と建築物又は借地権と建築物とにおいてそれぞれ同一であるとき。

借地権の設定に係る仮登記上の権利(指定宅地に係るものを除く。)があるときは、仮登記権利者が当該借地権を有する場合を除き、宅地の所有者が当該借地権を別個の権利者として有するものとみなして、権利変換計画を定めなければならない。

宅地又は建築物(指定宅地に存するものを除く。)に関する権利に関して争いがある場合において、その権利の存否又は帰属が確定しないときは、当該権利が存するものとして、又は当該権利が現在の名義人に属するものとして権利変換計画を定めなければならない。 ただし、借地権以外の宅地(指定宅地を除く。)を使用し、又は収益する権利の存否が確定しない場合にあつては、その宅地の所有者に対しては、当該権利が存しないものとして、その者に与える施設建築物の一部等を定めなければならない。

(権利変換計画の決定の基準)

第七十四条 権利変換計画は、災害を防止し、衛生を向上し、その他居住条件を改善するとともに、施設建築物、施設建築敷地及び個別利用区内の宅地の合理的利用を図るように定めなければならない。

権利変換計画は、関係権利者間の利害の衡平に十分の考慮を払つて定めなければならない。

(施設建築敷地)

第七十五条 権利変換計画は、一個の施設建築物の敷地は一筆の土地となるものとして定めなければならない。

権利変換計画は、施設建築敷地には施設建築物の所有を目的とする地上権が設定されるものとして定めなければならない。

第七十三条第一項第二号に掲げる者が取得することとなる施設建築物の所有を目的とする地上権の共有持分及び当該施設建築物の共用部分の共有持分の割合は、政令で定めるところにより、その者が取得することとなる施設建築物の一部の位置及び床面積を勘案して定めなければならない。

第七十六条 権利変換計画においては、施行地区内に宅地(指定宅地を除く。)を有する者に対しては、施設建築敷地の所有権が与えられるように定めなければならない。

二以上の施設建築敷地がある場合において、各宅地(指定宅地を除く。)の所有者に与えられる施設建築敷地は、個別利用区以外の土地であつて、当該第一種市街地再開発事業のうち建築敷地及び公共施設の整備に関する事業を土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業として施行したならば、当該宅地につき換地と定められるべき土地の属すべき施設建築敷地とする。

一の施設建築敷地について二人以上の宅地(指定宅地を除く。)の所有者が所有権を与えられるときは、当該施設建築敷地は、各宅地の価額に応ずる割合によりこれらの者の共有に属するものとする。

第七十一条第一項の申出をした宅地の所有者の有する宅地については、施行者をその宅地の所有者とみなして前三項の規定を適用する。

(施設建築物の一部等)

第七十七条 権利変換計画においては、第七十一条第一項の申出をした者を除き、施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)について借地権を有する者及び施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を所有する者に対しては、施設建築物の一部等が与えられるように定めなければならない。 組合の定款により施設建築物の一部等が与えられるように定められた参加組合員又は特定事業参加者に対しても、同様とする。

前項前段に規定する者に対して与えられる施設建築物の一部等は、それらの者が権利を有する施行地区内の土地又は建築物の位置、地積又は床面積、環境及び利用状況とそれらの者に与えられる施設建築物の一部の位置、床面積及び環境とを総合的に勘案して、それらの者の相互間に不均衡が生じないように、かつ、その価額と従前の価額との間に著しい差額が生じないように定めなければならない。 この場合において、二以上の施設建築敷地があるときは、その施設建築物の一部は、特別の事情がない限り、それらの者の権利に係る土地の所有者に前条第一項及び第二項の規定により与えられることと定められる施設建築敷地に建築される施設建築物の一部としなければならない。

宅地(指定宅地を除く。)の所有者である者に対しては、その者に与えられる施設建築敷地に第八十八条第一項の規定により地上権が設定されることによる損失の補償として施設建築物の一部等が与えられるように定めなければならない。

権利変換計画においては、第一項又は前項の規定により与えられるように定められる施設建築物の一部等以外の部分は、施行者に帰属するように定めなければならない。

権利変換計画においては、第七十一条第三項の申出をした者を除き、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を所有する者から当該建築物について賃借権の設定を受けている者(その者が更に賃借権を設定しているときは、その賃借権の設定を受けた者)又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権を有する者から賃借権の設定を受けている者に対しては、第一項の規定によりそれぞれ当該建築物の所有者に与えられることとなる施設建築物の一部について、賃借権が与えられるように定めなければならない。 ただし、当該建築物の所有者が同条第一項の申出をしたときは、前項の規定により施行者に帰属することとなる施設建築物の一部について、賃借権が与えられるように定めなければならない。

権利変換計画においては、第七十一条第三項の申出をした者を除き、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権の設定を受けている者(その者が賃借権を設定している場合を除く。)に対しては、第一項の規定により当該建築物の所有者に与えられることとなる施設建築物の一部について、配偶者居住権が与えられるように定めなければならない。 ただし、当該建築物の所有者が同条第一項の申出をしたときは、第四項の規定により施行者に帰属することとなる施設建築物の一部について、配偶者居住権が与えられるように定めなければならない。

前項の場合においては、権利変換計画は、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について配偶者居住権の設定を受けている者に対し与えられることとなる施設建築物の一部についての配偶者居住権の存続期間が当該土地に存する建築物の配偶者居住権の存続期間と同一の期間となるように定めなければならない。

(個別利用区内の宅地等)

第七十七条の二 権利変換計画においては、指定宅地の所有者又はその使用収益権を有する者に対しては、それぞれ個別利用区内の宅地又はその使用収益権が与えられるように定めなければならない。

個別利用区内の各宅地の地積は、第七十条の二第二項第三号に規定する面積以上でなければならない。

指定宅地の所有者に対して与えられる個別利用区内の宅地は、それらの者が所有する指定宅地の相互の位置関係、地積、環境、利用状況その他の事情と当該指定宅地に対応して与えられることとなる個別利用区内の宅地の相互の位置関係、地積、環境、利用状況その他の事情ができる限り照応し、かつ、その価額と従前の価額との間に著しい差額が生じないように定めなければならない。

権利変換計画においては、第一項の規定により与えられるように定められる宅地以外の個別利用区内の宅地は、施行者に帰属するように定めなければならない。

指定宅地の使用収益権を有する者に対して与えられる個別利用区内の宅地の使用収益権は、従前の使用収益権の目的である指定宅地の所有者に対して与えられることとなる個別利用区内の宅地の上に存するものとして定めなければならない。

(担保権等の登記に係る権利)

第七十八条 施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)若しくはその借地権又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき所有される建築物について担保権等の登記に係る権利が存するときは、権利変換計画においては、当該担保権等の登記に係る権利は、その権利の目的たる宅地、借地権又は建築物に対応して与えられるものとして定められた施設建築敷地若しくはその共有持分又は施設建築物の一部等に関する権利の上に存するものとして定めなければならない。 この場合において、借地権の設定に係る仮登記上の権利は、当該借地権に対応して与えられる権利につき、当該仮登記に基づく本登記がされるための条件が成就することを停止条件とする当該対応して与えられる権利の移転請求権として定めなければならない。

前項の場合において、関係権利者間の利害の衡平を図るため必要があるときは、施行者は、当該存するものとして定められる権利につき、これらの者の意見をきいて、必要な定めをすることができる。

指定宅地又はその使用収益権について担保権等の登記に係る権利が存するときは、権利変換計画においては、当該担保権等の登記に係る権利は、その権利の目的たる指定宅地又はその使用収益権に対応して与えられるものとして定められた個別利用区内の宅地又はその使用収益権の上に存するものとして定めなければならない。

(床面積が過小となる施設建築物の一部の処理)

第七十九条 権利変換計画を第七十四条第一項の基準に適合させるため特別な必要があるときは、第七十七条第二項又は第三項の規定によれば床面積が過小となる施設建築物の一部の床面積を増して適正なものとすることができる。 この場合においては、必要な限度において、これらの規定によれば床面積が大で余裕がある施設建築物の一部の床面積を減ずることができる。

前項の過小な床面積の基準は、政令で定める基準に従い、施行者が審査委員の過半数の同意を得、又は市街地再開発審査会の議決を経て定める。 この場合において、市街地再開発審査会の議決は、第五十七条第四項第一号(第五十九条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる委員の過半数を含む委員の過半数の賛成によつて決する。

権利変換計画においては、前項の規定により定められた床面積の基準に照らし、床面積が著しく小である施設建築物の一部又はその施設建築物の一部についての借家権が与えられることとなる者に対しては、第七十七条並びに前条第一項及び第二項の規定にかかわらず、施設建築物の一部等又は借家権が与えられないように定めることができる。

(宅地等の価額の算定基準)

第八十条 第七十三条第一項第三号、第八号、第十八号又は第十九号の価額は、第七十一条第一項又は第四項(同条第五項において読み替えて適用する場合を含む。)の規定による三十日の期間を経過した日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍類似の土地若しくは近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額とする。

第七十六条第三項の割合の基準となる宅地の価額は、当該宅地に関する所有権以外の権利が存しないものとして、前項の規定を適用して算定した相当の価額とする。

(施設建築敷地及び個別利用区内の宅地等の価額等の概算額の算定基準)

第八十一条 権利変換計画においては、第七十三条第一項第四号、第九号、第十六号又は第十七号の概算額は、政令で定めるところにより、第一種市街地再開発事業に要する費用及び前条第一項に規定する三十日の期間を経過した日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍類似の土地若しくは近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額を基準として定めなければならない。

(公共施設の用に供する土地の帰属に関する定め)

第八十二条 権利変換計画においては、第一種市街地再開発事業により従前の公共施設に代えて設置される新たな公共施設の用に供する土地は、従前の公共施設の用に供される土地の所有者が国であるときは国に、地方公共団体であるときは当該地方公共団体に帰属し、その他の新たな公共施設の用に供する土地は、当該公共施設を管理すべき者(その者が地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務(以下単に「第一号法定受託事務」という。)として当該公共施設を管理する地方公共団体であるときは、国)に帰属するように定めなければならない。

(権利変換計画の縦覧等)

第八十三条 個人施行者以外の施行者は、権利変換計画を定めようとするときは、権利変換計画を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。 この場合においては、あらかじめ、縦覧の開始の日、縦覧の場所及び縦覧の時間を公告するとともに、施行地区内の土地又は土地に定着する物件に関し権利を有する者及び参加組合員又は特定事業参加者にこれらの事項を通知しなければならない。

施行地区内の土地又は土地に定着する物件に関し権利を有する者及び参加組合員又は特定事業参加者は、縦覧期間内に、権利変換計画について施行者に意見書を提出することができる。

施行者は、前項の規定により意見書の提出があつたときは、その内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは権利変換計画に必要な修正を加え、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときはその旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。

施行者が権利変換計画に必要な修正を加えたときは、その修正に係る部分についてさらに第一項からこの項までに規定する手続を行なうべきものとする。 ただし、その修正が政令で定める軽微なものであるときは、その修正部分に係る者にその内容を通知することをもつて足りる。

第一項から前項までの規定は、権利変換計画を変更する場合(政令で定める軽微な変更をする場合を除く。)に準用する。

(審査委員及び市街地再開発審査会の関与)

第八十四条 施行者は、権利変換計画を定め、又は変更しようとするとき(政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)は、審査委員の過半数の同意を得、又は市街地再開発審査会の議決を経なければならない。 この場合においては、第七十九条第二項後段の規定を準用する。

前項の規定は、前条第二項の意見書の提出があつた場合において、その採否を決定するときに準用する。

(価額についての裁決申請等)

第八十五条 第七十三条第一項第三号、第八号、第十八号又は第十九号の価額について第八十三条第三項の規定により同条第二項の意見書を採択しない旨の通知を受けた者は、その通知を受けた日から起算して三十日以内に、収用委員会にその価額の裁決を申請することができる。

前項の規定による裁決の申請は、事業の進行を停止しない。

土地収用法第九十四条第三項から第八項まで、第百三十三条及び第百三十四条の規定は、第一項の規定による収用委員会の裁決及びその裁決に不服がある場合の訴えについて準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。

第一項の規定による収用委員会の裁決及び前項の規定による訴えに対する裁判は、権利変換計画において与えられることと定められた施設建築敷地の共有持分、施設建築物の一部等又は個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権には影響を及ぼさないものとする。

第三款 権利の変換

(権利変換の処分)

第八十六条 施行者は、権利変換計画若しくはその変更の認可を受けたとき、又は権利変換計画について第七十二条第四項の政令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、及び関係権利者に関係事項を書面で通知しなければならない。

権利変換に関する処分は、前項の通知をすることによつて行なう。

権利変換に関する処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、適用しない。

(権利変換期日等の通知)

第八十六条の二 施行者は、権利変換計画若しくはその変更(権利変換期日に係るものに限る。以下この条において同じ。)の認可を受けたとき、又は第七十二条第四項の政令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、施行地区を管轄する登記所に、権利変換期日その他国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。

(権利変換期日における権利の変換)

第八十七条 施行地区内の土地は、権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、新たに所有者となるべき者に帰属する。 この場合において、従前の土地を目的とする所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。

権利変換期日において、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を所有する者の当該建築物は、施行者に帰属し、当該建築物を目的とする所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。 ただし、第六十六条第七項の承認を受けないで新築された建築物及び施行地区外に移転すべき旨の第七十一条第一項の申出があつた建築物については、この限りでない。

第八十八条 施設建築物の敷地となるべき土地には、権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施設建築物の所有を目的とする地上権が設定されたものとみなす。 ただし、権利変換期日以後第百条第二項の規定による公告の日までの間は、権利変換計画の定めるところに従い、施行者がその地代の概算額を支払うものとする。

施設建築物の一部は、権利変換計画において、これとあわせて与えられることと定められていた地上権の共有持分を有する者が取得する。

第七十三条第四項の規定により宅地(指定宅地を除く。)に借地権が存するものとして権利変換計画が定められたときは、当該借地権を有するものとされた者が取得した施設建築物の一部等は、その取得の際、その者から当該借地権の設定者とされた者に対し、当該借地権の存しないことの確定を停止条件として移転したものとみなす。

建物の区分所有等に関する法律第一条に規定する建物の部分若しくは附属の建物で権利変換計画において施設建築物の共用部分と定められたものがあるとき、権利変換計画において定められた施設建築物の共用部分の共有持分が同法第十一条第一項若しくは第十四条第一項から第三項までの規定に適合しないとき、又は権利変換計画において定められた施設建築物の所有を目的とする地上権の共有持分の割合が同法第二十二条第二項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に適合しないときは、権利変換計画中その定めをした部分は、それぞれ同法第四条第二項、第十一条第二項若しくは第十四条第四項又は第二十二条第二項ただし書(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による規約とみなす。

施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物について借家権を有していた者(その者が更に借家権を設定していたときは、その借家権の設定を受けた者)は、権利変換計画の定めるところに従い、施設建築物の一部について借家権を取得する。

第一項の規定による地上権の設定については、地方自治法第二百三十八条の四第一項及び国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第十八条第一項の規定は、適用しない。

第八十八条の二 指定宅地の使用収益権は、権利変換期日以後は、権利変換計画の定めるところに従い、個別利用区内の宅地の上に存するものとする。

(担保権等の移行)

第八十九条 施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)若しくはその借地権又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき所有される建築物について存する担保権等の登記に係る権利は、権利変換期日以後は、権利変換計画の定めるところに従い、施設建築敷地若しくはその共有持分又は施設建築物の一部等に関する権利の上に存するものとする。

指定宅地又はその使用収益権について存する担保権等の登記に係る権利は、権利変換期日以後は、権利変換計画の定めるところに従い、個別利用区内の宅地又はその使用収益権の上に存するものとする。

(権利変換の登記)

第九十条 施行者は、権利変換期日後遅滞なく、施行地区内の土地につき、従前の土地の表題部の登記の消及び新たな土地の表題登記(不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第二条第二十号に規定する表題登記をいう。)並びに権利変換後の土地に関する権利について必要な登記を申請し、又は嘱託しなければならない。

施行者は、権利変換期日後遅滞なく、第八十七条第二項の規定により施行者に帰属した建築物については所有権の移転の登記及び所有権以外の権利の登記の消を、施行地区内のその他の建築物については権利変換手続開始の登記の消を申請し、又は嘱託しなければならない。

権利変換期日以後においては、施行地区内の土地及び第八十七条第二項の規定により施行者に帰属した建築物に関しては、前二項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。

(補償金等)

第九十一条 施行者は、施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)若しくはこれに存する建築物又はこれらに関する権利を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、施設建築敷地若しくはその共有持分、施設建築物の一部等又は施設建築物の一部についての借家権を与えられないものに対し、その補償として、権利変換期日までに、第八十条第一項の規定により算定した相当の価額に同項に規定する三十日の期間を経過した日から権利変換計画の認可の公告の日までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額に、当該権利変換計画の認可の公告の日から補償金を支払う日までの期間につき法定利率による利息相当額を付してこれを支払わなければならない。 この場合において、その修正率は、政令で定める方法によつて算定するものとする。

収用委員会は、前項の規定による補償を受けるべき者に対し第八十五条第一項の規定による裁決をする場合において、その裁決で定められた価額が前項に規定する相当の価額として施行者が支払つた額を超えるときは、次に掲げる額の合計額を支払うべき旨の裁決をあわせてしなければならない。

その差額につき第八十条第一項に規定する三十日を経過した日から権利変換計画の認可の公告の日までの前項に規定する物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額及び権利変換計画の認可の公告の日から権利変換期日までの間の同項に規定する利息相当額

前号の額につき権利変換期日後その支払いを完了する日までの日数に応じ年十四・五パーセントの割合による過怠金

土地収用法第九十四条第十項から第十二項までの規定は、前項の裁決に関し、第八十五条第三項の規定による訴えの提起がなかつた場合に準用する。

(補償金等の供託)

第九十二条 施行者は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、前条に規定する補償金(利息相当額を含む。)及び過怠金(以下「補償金等」という。)の支払に代えてこれを供託することができる。

補償金等の提供をした場合において、補償金等を受けるべき者がその受領を拒んだとき。

補償金等を受けるべき者が補償金等を受領することができないとき。

施行者が補償金等を受けるべき者を確知することができないとき。

施行者が収用委員会の裁決した補償金等の額に対して不服があるとき。

施行者が差押え又は仮差押えにより補償金等の払渡しを禁じられたとき。

前項第四号の場合において、補償金等を受けるべき者の請求があるときは、施行者は、自己の見積り金額を払い渡し、裁決による補償金等の額との差額を供託しなければならない。

施行者は、第七十三条第四項の場合においては、権利変換計画において存するものとされた権利に係る補償金等(併存し得ない二以上の権利が存するものとされた場合においては、それらの権利に対する補償金等のうち最高額のもの)の支払に代えてこれを供託しなければならない。

施行者は、先取特権、質権若しくは抵当権又は仮登記若しくは買戻しの特約の登記に係る権利の目的物について補償金等を支払うときは、これらの権利者のすべてから供託しなくてもよい旨の申出があつたときを除き、その補償金等を供託しなければならない。

前四項の規定による供託は、施行地区内の土地の所在地の供託所にしなければならない。

施行者は、第一項から第四項までの規定による供託をしたときは、遅滞なく、その旨を補償金等を取得すべき者(その供託が第三項の規定によるものであるときは、争いの当事者)に通知しなければならない。

(物上代位)

第九十三条 前条第四項の先取特権、質権又は抵当権を有する者は、同項の規定により供託された補償金等に対してその権利を行うことができる。

(差押え又は仮差押えがある場合の措置)

第九十四条 差押えに係る権利については、第九十一条第一項の規定にかかわらず、施行者は、権利変換期日までに、同項の規定により支払うべき金額を当該差押えによる配当手続を実施すべき機関に払い渡さなければならない。 ただし、強制執行若しくは担保権の実行としての競売(その例による競売を含む。以下単に「競売」という。)による代金の納付又は滞納処分による売却代金の支払があつた後においては、この限りでない。

前項の規定により配当手続を実施すべき機関が払渡しを受けた金銭は、配当に関しては、強制執行若しくは競売による代金又は滞納処分による売却代金とみなし、その払渡しを受けた時が強制競売又は競売に係る配当要求の終期の到来前であるときは、その時に配当要求の終期が到来したものとみなす。

強制競売若しくは競売に係る売却許可決定後代金の納付前又は滞納処分による売却決定後売却代金の支払前に第一項本文の規定による払渡しがあつたときは、売却許可決定又は売却決定は、その効力を失う。

差押えに係る権利について第九十一条第二項の裁決があつたときは、施行者は、その補償金等を当該差押えによる配当手続を実施すべき機関に払い渡さなければならない。

施行者は、前項の場合において、収用委員会の裁決した補償金等の額に対して不服があるときは、同項の規定による払渡しをする際、自己の見積り金額を同項に規定する配当手続を実施すべき機関に通知しなければならない。

第一項及び前二項の規定は、仮差押えの執行に係る権利に対する補償金等の払渡しに準用する。

施行者に補償金等の支払を命ずる判決が確定したときは、その補償金等の支払に関しては、第一項の規定による補償金等の例による。 この場合において、施行者が補償金等を配当手続を実施すべき機関に払い渡したときは、補償金等の支払を命ずる判決に基づく給付をしたものとみなす。

第一項、第四項又は前二項の規定による補償金等の裁判所への払渡し及びその払渡しがあつた場合における強制執行、仮差押えの執行又は競売に関しては、最高裁判所規則で民事執行法(昭和五十四年法律第四号)又は民事保全法(平成元年法律第九十一号)の特例その他必要な事項を、その補償金等の裁判所以外の配当手続を実施すべき機関への払渡し及びその払渡しがあつた場合における滞納処分に関しては、政令で国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)の特例その他必要な事項を定めることができる。

第四款 土地の明渡し

(占有の継続)

第九十五条 権利変換期日において、第八十七条の規定により失つた権利に基づき施行地区内の土地又は建築物を占有していた者及びその承継人は、第九十六条第一項の規定により施行者が通知した明渡しの期限までは、従前の用法に従い、その占有を継続することができる。 ただし、第六十六条の規定の適用を妨げない。

(個別利用区内の宅地の使用収益の停止)

第九十五条の二 権利変換期日以後個別利用区内の宅地又はその使用収益権を取得した者は、第百条第一項の規定による公告があるまでは、当該宅地について使用し、又は収益することができない。 ただし、前条の規定により当該宅地の占有を継続することができる場合は、この限りでない。

(土地の明渡し)

第九十六条 施行者は、権利変換期日後第一種市街地再開発事業に係る工事のため必要があるときは、施行地区内の土地又は当該土地に存する物件を占有している者に対し、期限を定めて、土地の明渡しを求めることができる。 ただし、第九十五条の規定により従前指定宅地であつた土地を占有している者又は当該土地に存する物件を占有している者に対しては、第百条第一項の規定による通知をするまでは、土地の明渡しを求めることができない。

前項の規定による明渡しの期限は、同項の請求をした日の翌日から起算して三十日を経過した後の日でなければならない。

第一項の規定による明渡しの請求があつた土地(従前指定宅地であつた土地を除く。)又は当該土地に存する物件を占有している者は、明渡しの期限までに、施行者に土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転しなければならない。 ただし、第九十一条第一項又は次条第三項の規定による支払がないときは、この限りでない。

第一項の規定による明渡しの請求があつた土地(従前指定宅地であつた土地に限る。)又は当該土地に存する物件を占有している者は、明渡しの期限までに、施行者に土地を引き渡し、又は物件を移転し、若しくは除却しなければならない。 ただし、次条第三項の規定による支払がないときは、この限りでない。

第九十五条の規定により建築物を占有する者が施行者に当該建築物を引き渡す場合において、当該建築物に、第六十六条第七項の承認を受けないで改築、増築若しくは大修繕が行われ、又は物件が付加増置された部分があるときは、第八十七条第二項の規定により当該建築物の所有権を失つた者は、当該部分又は物件を除却して、これを取得することができる。

第一項に規定する処分については、行政手続法第三章の規定は、適用しない。

(土地の明渡しに伴う損失補償)

第九十七条 施行者は、前条の規定による土地若しくは物件の引渡し又は物件の移転により同条第一項の土地の占有者及び物件に関し権利を有する者が通常受ける損失を補償しなければならない。

前項の規定による損失の補償額については、施行者と前条第一項の土地の占有者又は物件に関し権利を有する者とが協議しなければならない。

施行者は、前条第二項の明渡しの期限までに第一項の規定による補償額を支払わなければならない。 この場合において、その期限までに前項の協議が成立していないときは、審査委員の過半数の同意を得、又は市街地再開発審査会の議決を経て定めた金額を支払わなければならないものとし、その議決については、第七十九条第二項後段の規定を準用する。

第二項の規定による協議が成立しないときは、施行者又は損失を受けた者は、収用委員会に土地収用法第九十四条第二項の規定による補償額の裁決を申請することができる。

第八十五条第二項及び第三項、第九十一条第二項及び第三項、第九十二条並びに第九十三条の規定は、第二項の規定による損失の補償について準用する。

(土地若しくは物件の引渡し又は物件の移転の代行及び代執行)

第九十八条 第九十六条第三項の場合において次の各号の一に該当するときは、市町村長は、施行者の請求により、土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者に代わつて、土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転しなければならない。

土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者がその責めに帰することができない理由によりその義務を履行することができないとき。

施行者が過失がなくて土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者を確知することができないとき。

第九十六条第三項の場合において土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者がその義務を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても明渡しの期限までに完了する見込みがないときは、都道府県知事等は、施行者の請求により、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。

前項の場合において、都道府県知事等は、義務者及び施行者にあらかじめ通知した上で、当該代執行に要した費用に充てるため、その費用の額の範囲内で、義務者が施行者から受けるべき前条第一項の補償金を義務者に代わつて受けることができる。

施行者が前項の規定に基づき補償金の全部又は一部を都道府県知事等に支払つた場合においては、この法律の適用については、施行者が都道府県知事等に支払つた金額の限度において、前条第一項の補償金を支払つたものとみなす。

(費用の徴収)

第九十九条 市町村長は、前条第一項の規定により土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転するに要した費用を第九十六条第三項の規定により土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者から徴収するものとする。

前条第三項及び第四項の規定は、市町村長が前項の規定によつて費用を徴収する場合に準用する。

市町村長は、第一項に規定する費用を前項において準用する前条第三項の規定によつて徴収することができないとき、又は徴収することが適当でないと認めるときは、第一項に規定する者に対し、あらかじめ、納付すべき金額、納付の期限及び場所を通知して、これを納付させるものとする。

市町村長は、前項の規定によつて通知を受けた者が同項の規定によつて通知された期限を経過しても同項の規定により納付すべき金額を完納しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。

前項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに第三項の規定により納付すべき金額を納付しないときは、市町村長は、国税滞納処分の例によつて、これを徴収することができる。 この場合における徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

第四款の二 施設建築物の建築等の特例

(施行者以外の者による施設建築物の建築)

第九十九条の二 施行者は、施設建築物(権利変換計画において第七十三条第一項第二号に掲げる者(施行者を除く。)がその全部を取得するように定められたものを除く。)の建築を他の者に行わせることができる。

前項の規定により施設建築物の建築を施行者以外の者に行わせるときは、権利変換計画においてその旨及び施行者が取得する施設建築物の全部又は一部のうちその建築を行う者(以下「特定建築者」という。)に取得させるものを定めなければならない。

第一項の規定により施行者以外の者が建築を行う施設建築物(以下「特定施設建築物」という。)の全部又は一部は、権利変換計画の定めるところに従い、第八十八条第二項(第百十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、第百十条第三項及び第百十条の二第四項の規定にかかわらず、特定建築者が取得する。

(特定建築者の公募)

第九十九条の三 施行者は、国、地方公共団体、地方住宅供給公社、日本勤労者住宅協会その他政令で定める者を特定建築者とする場合を除き、国土交通省令で定めるところにより、特定建築者を公募しなければならない。

施行者は、特定建築者を公募したときは、次の各号に掲げる条件を備えた者で、その者が次条の規定により提出した特定施設建築物の建築の工期、工事概要等に関する計画(以下「建築計画」という。)及び管理処分に関する計画が事業計画及び権利変換計画に適合し、かつ、当該第一種市街地再開発事業の目的を達成する上で最も適切な計画であるものを特定建築者としなければならない。

特定施設建築物を建築するのに必要な資力及び信用を有する者であること。

第九十九条の六第二項の規定による譲渡の対価の支払能力がある者であること。

施行者(都道府県及び市町村を除く。)は、前項の規定により特定建築者を決定するときは、あらかじめ、機構等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)にあつては国土交通大臣の、個人施行者、組合、再開発会社又は市のみが設立した地方住宅供給公社にあつては都道府県知事の承認を受けなければならない。

(建築計画等の提出)

第九十九条の四 特定建築者となろうとする者は、国土交通省令で定めるところにより、施行者に建築計画及び当該特定施設建築物の管理処分に関する計画を提出しなければならない。

(特定施設建築物の建築等)

第九十九条の五 施行者は、特定施設建築物の敷地の整備を完了したときは、速やかに、その旨を特定建築者に通知しなければならない。

特定建築者は、前項の通知を受けたときは、建築計画に従つて特定施設建築物を建築しなければならない。

前項の場合においては、特定建築者は、当該特定施設建築物の敷地を使用することができる。

(特定施設建築物の敷地等の譲渡)

第九十九条の六 特定建築者は、特定施設建築物の建築工事を完了したときは、速やかに、その旨を施行者に届け出なければならない。

施行者は、前項の届出があつた場合において、特定建築者が建築計画に従い特定施設建築物の建築を完了したと認めるときは、速やかに、第九十九条の二第三項の規定により当該特定建築者が取得することとなる特定施設建築物の全部又は一部の所有を目的とする地上権又はその共有持分を譲渡しなければならない。

(建築計画の変更)

第九十九条の七 特定建築者は、建築計画に従い当該特定施設建築物を建築することができないやむを得ない事情があるときは、事業計画及び権利変換計画に適合する範囲内において、施行者の承認を受けて、建築計画を変更することができる。

(特定施設建築物が建築計画に従つて建築されない場合の措置)

第九十九条の八 施行者は、特定建築者が建築計画に従つて特定施設建築物を建築しなかつた場合においては、その者を特定建築者とする決定を取り消すことができる。

施行者は、前項の規定により同項の決定を取り消した場合においては、特定建築者及び特定施設建築物の敷地又は当該敷地にある物件を占有している者に対し、相当の期限を定めて、当該敷地の明渡しを求めることができる。

前項の規定により明渡しの請求があつた特定建築者及び特定施設建築物の敷地又は当該敷地にある物件を占有している者は、明渡しの期限までに、施行者に当該敷地を引き渡し、又は物件を移転しなければならない。

施行者は、第一項の規定により同項の決定を取り消した場合においては、新たに特定建築者を決定するときを除き、自ら当該特定施設建築物の建築を行わなければならない。

第九十九条の三第三項の規定は第一項の規定により同項の決定を取り消す場合について、第九十八条第一項及び第二項並びに第九十九条(第二項を除く。)の規定は第三項の場合について準用する。 この場合において、第九十八条第二項中「都道府県知事等」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。

(報告、勧告等)

第九十九条の九 施行者は、特定建築者に対し、特定施設建築物の建築に関し、その適切な遂行を確保するため必要な限度において、報告若しくは資料の提出を求め、又はその特定施設建築物の建築の促進を図るため必要な勧告、助言若しくは援助をすることができる。

(公共施設の管理者等による工事)

第九十九条の十 施行者は、政令で定める公共施設の整備に関する工事について特殊の技術を要する等特別の事情がある場合においては、当該工事の全部又は一部を当該公共施設の管理者又は管理者となるべき者に行わせることができる。

第五款 工事完了等に伴う措置

(工事の完了の公告等)

第百条 施行者は、個別利用区内の宅地の整備及びこれに関連する公共施設の整備に係る工事が完了したときは、速やかに、その旨を、公告するとともに、第八十七条第一項又は第八十八条の二の規定により当該宅地又はその使用収益権を取得した者に通知しなければならない。

施行者は、施設建築物の建築工事が完了したときは、速やかに、その旨を、公告するとともに、第八十八条第二項又は第五項の規定により施設建築物に関し権利を取得する者に通知しなければならない。

(施設建築物に関する登記)

第百一条 施行者は、施設建築物の建築工事が完了したときは、遅滞なく、施設建築物及び施設建築物に関する権利について必要な登記を申請し、又は嘱託しなければならない。

施設建築物に関する権利に関しては、前項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。

(借家条件の協議及び裁定)

第百二条 権利変換計画において施設建築物の一部等が与えられるように定められた者と当該施設建築物の一部について第七十七条第五項本文の規定により賃借権が与えられるように定められた者は、家賃その他の借家条件について協議しなければならない。

第百条第二項の規定による公告の日までに前項の規定による協議が成立しないときは、施行者は、当事者の一方又は双方の申立てにより、審査委員の過半数の同意を得、又は市街地再開発審査会の議決を経て、次に掲げる事項について裁定することができる。 この場合においては、第七十九条第二項後段の規定を準用する。

賃借りの目的

家賃の額、支払期日及び支払方法

敷金又は賃借権の設定の対価を支払うべきときは、その額

施行者は、前項の規定による裁定をするときは、賃借りの目的については賃借部分の構造及び賃借人の職業を、家賃の額については賃貸人の受けるべき適正な利潤を、その他の事項についてはその地方における一般の慣行を考慮して定めなければならない。

第二項の規定による裁定があつたときは、裁定の定めるところにより、当事者間に協議が成立したものとみなす。

第二項の裁定に関し必要な手続に関する事項は、国土交通省令で定める。

第二項の裁定に不服がある者は、その裁定があつた日から六十日以内に、訴えをもつてその変更を請求することができる。

前項の訴えにおいては、当事者の他の一方を被告としなければならない。

(施設建築物の一部等の価額等の確定)

第百三条 施行者は、第一種市街地再開発事業の工事が完了したときは、速やかに、当該事業に要した費用の額を確定するとともに、政令で定めるところにより、その確定した額及び第八十条第一項に規定する三十日の期間を経過した日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍類似の土地若しくは近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額を基準として、施設建築敷地若しくはその共有持分、施設建築物の一部等若しくは個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権を取得した者又は施行者の所有する施設建築物の一部について第七十七条第五項ただし書の規定により賃借権が与えられるように定められ、第八十八条第五項の規定により賃借権を取得した者ごとに、施設建築敷地若しくはその共有持分、施設建築物の一部等若しくは個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権の価額、施設建築敷地の地代の額又は施行者が賃貸しする施設建築物の一部の家賃の額を確定し、これらの者にその確定した額を通知しなければならない。

前項の規定により確定した地代の額は、当事者間に別段の合意がない限り、施設建築敷地について当事者の合意により定められた地代の額とみなす。 ただし、その額に不服がある者は、前項の通知を受けた日から六十日以内に、訴えをもつてその増減を請求することができる。

前項ただし書の訴えにおいては、当事者の他の一方を被告としなければならない。

(清算)

第百四条 前条第一項の規定により確定した施設建築敷地若しくはその共有持分、施設建築物の一部等又は個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権の価額とこれを与えられた者がこれに対応する権利として有していた施行地区内の宅地、使用収益権又は建築物の価額とに差額があるときは、施行者は、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。 同項の規定により確定した施設建築敷地の地代の額と第八十八条第一項ただし書の規定により支払つた地代の概算額とに差額があるときも、同様とする。

第九十九条の二第三項の規定により特定建築者が特定施設建築物の一部を取得する場合においては、施行者は、特定建築者が取得する部分以外の部分に係る特定施設建築物の整備に要した費用の額を政令で定めるところにより確定し、当該費用の額と第九十九条の六第二項の規定による譲渡の対価の額とに差額があるときは、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。

(清算金の供託及び物上代位)

第百五条 前条第一項に規定する宅地、使用収益権又は建築物が先取特権、質権若しくは抵当権又は仮登記若しくは買戻しの特約の登記に係る権利の目的となつていたときは、これらの権利者の全てから供託しなくてもよい旨の申出があつたときを除き、施行者は、同項の規定により交付すべき清算金の交付に代えてこれを供託しなければならない。 第九十二条第五項及び第六項の規定は、この場合について準用する。

前項の先取特権、質権又は抵当権を有していた者は、同項の規定により供託された清算金に対してその権利を行うことができる。

(清算金の徴収)

第百六条 第百四条第一項の規定により徴収すべき清算金は、政令で定めるところにより、利子を付して分割して徴収することができる。

個人施行者以外の施行者は、第百四条第一項の規定により徴収すべき清算金(前項の規定により利子を付したときは、その利子を含む。以下同じ。)を滞納する者があるときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促することができる。

前項の督促をするときは、組合にあつては定款で定めるところにより、再開発会社にあつては規準で定めるところにより、地方公共団体又は機構等にあつては政令で定めるところにより、年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額の範囲内の延滞金を徴収することができる。

第二項の督促を受けた者がその督促状において指定した期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、地方公共団体又は機構等は、国税滞納処分の例により、同項の清算金及び前項の延滞金を徴収することができる。 この場合における清算金及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

延滞金は、清算金に先だつものとする。

第四十一条の規定は、組合の徴収に係る第二項の清算金及び第三項の延滞金を督促状において指定した期限までに納付しない者がある場合について準用する。

第五十条の十一第一項及び第二項の規定は、再開発会社の徴収に係る第二項の清算金及び第三項の延滞金を督促状において指定した期限までに納付しない者がある場合について準用する。

第四十二条の規定は、施行者が第二項の清算金及び第三項の延滞金を徴収する権利について準用する。 この場合において、同条第二項中「前条第一項」とあるのは、「第百六条第二項」と読み替えるものとする。

(先取特権)

第百七条 第百四条第一項の清算金を徴収する権利を有する施行者は、その納付義務者に与えられる施設建築物の一部の上に先取特権を有する。

前項の先取特権は、第百一条第一項の規定による登記の際に清算金の予算額を登記することによつてその効力を保存する。 ただし、清算金の額がその予算額を超過するときは、その超過額については存在しない。

第一項の先取特権は、不動産工事の先取特権とみなし、前項本文の規定に従つてした登記は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百三十八条第一項前段の規定に従つてした登記とみなす。

(施行者が取得した施設建築物の一部等の管理処分)

第百八条 第一種市街地再開発事業により施行者が取得した施設建築物の一部等又は個別利用区内の宅地は、次に掲げる場合を除き、公募により賃貸し、又は譲渡しなければならない。 この場合において、施行者は、賃貸又は譲渡後の施設建築物の一部等又は個別利用区内の宅地が当該第一種市街地再開発事業の目的に適合して利用されるよう十分に配慮しなければならない。

巡査派出所、電気事業者の電気工作物その他公益上欠くことができない施設の用に供するため必要があるとき。

施行地区内に宅地、借地権若しくは権原に基づき存する建築物を有する者又は施行地区内の建築物について借家権を有する者の居住又は業務の用に供するため特に必要があるとき。

再開発会社が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、当該再開発会社の株主又は社員の居住又は業務の用に供するため特に必要があるとき。

施行地区が第二条の三第一項第二号又は第二項の地区内にある場合において、当該地区内に宅地、借地権若しくは権原に基づき存する建築物を有する者又は当該地区内の建築物について借家権を有する者であつて、当該地区内における他の市街地再開発事業又は土地区画整理法による土地区画整理事業、密集市街地整備法による防災街区整備事業若しくは都市計画事業の施行に伴い当該宅地、借地権、建築物又は借家権を失い、かつ、当該権利に対応する権利を与えられないものの居住又は業務の用に供するため特に必要があるとき。

その他国土交通省令で定める場合

施行者が地方公共団体であるときは、施行者が第一種市街地再開発事業により取得した施設建築敷地若しくはその共有持分、施設建築物の所有を目的とする地上権、施設建築物の一部等又は個別利用区内の宅地の管理処分については、当該地方公共団体の財産の管理処分に関する法令の規定は、適用しない。

(第一種市街地再開発事業の施行により設置された公共施設の管理)

第百九条 第一種市街地再開発事業の施行により設置された公共施設は、当該公共施設の整備に関する工事が完了したときは、その存する市町村の管理に属する。 ただし、法律又は規準、規約、定款若しくは施行規程に管理すべき者の定めがあるときは、それらの者の管理に属するものとする。

第五款の二 施設建築敷地内の道路等に関する特例

(施設建築敷地内の道路に関する特例)

第百九条の二 都市計画法第十二条の四第一項第一号に掲げる地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち同法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内における第一種市街地再開発事業その他政令で定める第一種市街地再開発事業については、事業計画において、施設建築敷地の上の空間又は地下に道路を設置し、又は道路が存するように定めることができる。

前項の規定により事業計画において施設建築敷地の上の空間又は地下に道路を設置し、又は道路が存するように定めた場合においては、権利変換計画は、第七十五条第一項の規定にかかわらず、一個の施設建築物の敷地のうちその上の空間又は地下に道路を設置し、又は道路が存することとなる部分(以下この項において「一個の施設建築物の敷地の道路部分」という。)については、それ以外の部分と別の筆の土地となるものとして定めなければならない。 この場合において、当該一個の施設建築物の敷地の道路部分は、特別の事情がない限り、一筆の土地となるものとして定めなければならない。

前項前段に規定する場合においては、権利変換計画は、施設建築敷地のうちその上の空間又は地下に道路を設置し、又は道路が存することとなる部分(以下「施設建築敷地の道路部分」という。)には、第七十五条第二項に定めるもののほか、当該道路の所有を目的とする民法第二百六十九条の二第一項の地上権が設定されるものとして定めなければならない。

第二項前段に規定する場合においては、第八十二条の規定にかかわらず、権利変換計画において、第一種市街地再開発事業により従前の道路に代えて設置される新たな道路に係る前項に規定する地上権は、従前の道路の用に供される土地の所有者が国であるときは国に、地方公共団体であるときは当該地方公共団体に帰属し、その他の新たな道路に係る同項に規定する地上権は、当該道路を管理すべき者(その者が第一号法定受託事務として当該道路を管理する地方公共団体であるときは、国)に帰属するように定めなければならない。

第二項前段に規定する場合においては、権利変換計画において、従前より存する道路に係る第三項に規定する地上権は、当該道路の管理者(その者が第一号法定受託事務として当該道路を管理する地方公共団体であるときは、国)に帰属するように定めなければならない。

第二項前段に規定する場合においては、権利変換計画において、第七十三条第一項各号に掲げる事項のほか、国土交通省令で定めるところにより、第三項に規定する地上権の明細及びその帰属並びにその存続期間その他の条件(民法第二百六十九条の二第一項後段の制限を加える場合にあつては、その制限を含む。)の概要を定めなければならない。

第二項から前項までの規定により権利変換計画を定めた場合においては、施設建築敷地の道路部分には、第八十八条第一項に定めるもののほか、権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、民法第二百六十九条の二の規定により道路の所有を目的とする同条第一項の地上権が設定されたものとみなす。

第八十八条第六項の規定は、前項の規定による地上権の設定について準用する。

(施設建築敷地内の都市高速鉄道に関する特例)

第百九条の三 都市計画施設の区域をその施行地区に含む第一種市街地再開発事業のうち施設建築敷地を立体的に利用する必要があるものとして政令で定めるものについては、事業計画において、施設建築敷地の上の空間又は地下(いずれも政令で定める範囲内に位置するものに限る。)に都市高速鉄道が存するように定めることができる。

前項の規定により事業計画において施設建築敷地の上の空間又は地下に都市高速鉄道が存するように定めた場合においては、権利変換計画は、第七十五条第一項の規定にかかわらず、一個の施設建築物の敷地のうちその上の空間又は地下に都市高速鉄道が存することとなる部分(以下この項において「一個の施設建築物の敷地の都市高速鉄道部分」という。)については、それ以外の部分と別の筆の土地となるものとして定めなければならない。 この場合において、当該一個の施設建築物の敷地の都市高速鉄道部分は、特別の事情がない限り、一筆の土地となるものとして定めなければならない。

前項前段に規定する場合においては、権利変換計画は、施設建築敷地のうちその上の空間又は地下に都市高速鉄道が存することとなる部分(以下「施設建築敷地の都市高速鉄道部分」という。)には、第七十五条第二項に定めるもののほか、当該都市高速鉄道の所有を目的とする民法第二百六十九条の二第一項の地上権が設定されるものとして定めなければならない。

第二項前段に規定する場合においては、権利変換計画において、従前より存する都市高速鉄道に係る前項に規定する地上権は、当該都市高速鉄道の管理者に帰属するように定めなければならない。

第二項前段に規定する場合においては、権利変換計画において、第七十三条第一項各号に掲げる事項のほか、国土交通省令で定めるところにより、第三項に規定する地上権の明細及びその帰属並びにその存続期間その他の条件(民法第二百六十九条の二第一項後段の制限を加える場合にあつては、その制限を含む。)の概要を定めなければならない。

第二項から前項までの規定により権利変換計画を定めた場合においては、施設建築敷地の都市高速鉄道部分には、第八十八条第一項に定めるもののほか、権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、民法第二百六十九条の二の規定により都市高速鉄道の所有を目的とする同条第一項の地上権が設定されたものとみなす。

第八十八条第六項の規定は、前項の規定による地上権の設定について準用する。

第六款 権利変換手続の特則

(施行地区内の権利者等の全ての同意を得た場合の特則)

第百十条 施行者は、権利変換期日に生ずべき権利の変動その他権利変換の内容につき、施行地区内の土地又は物件に関し権利を有する者及び参加組合員又は特定事業参加者の全ての同意を得たときは、第七十三条第二項から第四項まで、第七十五条から第七十七条まで、第七十七条の二第三項から第五項まで、第七十八条、第八十条、第八十一条、第百九条の二第二項後段、前条第二項後段及び第百十八条の三十二第一項の規定によらないで、権利変換計画を定めることができる。 この場合においては、第八十三条、第九十九条の三第一項、第百二条、第百三条及び第百八条第一項の規定は、適用しない。

前項の場合における権利変換計画においては、第七十一条第一項又は第三項の規定による申出をした者を除き、施行地区内に宅地(指定宅地を除く。)若しくはその借地権又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を有する者及び当該建築物について借家権を有する者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)に対しては、施設建築敷地又は施設建築物に関する権利が与えられるように定めなければならない。 参加組合員又は特定事業参加者に対しても、同様とする。

第一項の規定により権利変換計画を定めた場合においては、第八十七条から第八十九条までの規定にかかわらず、権利変換計画の定めるところにより、権利変換期日において土地及び土地に存する物件に関する権利の得喪及び変更を生じ、当該第一種市街地再開発事業により建築される施設建築物に関する権利は、権利変換計画の定めるところにより、これを取得すべき者が取得する。

前項の規定による借地権の設定については、地方自治法第二百三十八条の四第一項及び国有財産法第十八条第一項の規定は、適用しない。

第一項の場合においては、次の表の上欄に掲げる規定の同表中欄に掲げる字句は、同表下欄に掲げる字句に読み替えて、これらの規定を適用する。

(指定宅地の権利者以外の権利者等の全ての同意を得た場合の特則)

第百十条の二 施行者は、権利変換期日に生ずべき権利の変動その他権利変換の内容につき、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)又はこれに存する物件に関し権利を有する者及び参加組合員又は特定事業参加者の全ての同意を得たとき(前条第一項前段に規定する場合を除く。)は、第七十三条第二項、第三項及び第四項(指定宅地に係る部分を除く。)、第七十五条から第七十七条まで、第七十八条第一項及び第二項、第百九条の二第二項後段、第百九条の三第二項後段並びに第百十八条の三十二第一項の規定によらないで、権利変換計画を定めることができる。 この場合においては、第百二条の規定は、適用しない。

前条第二項の規定は、前項の場合における権利変換計画について準用する。

第一項の場合においては、権利変換計画は、前項において準用する前条第二項前段に規定する者に対して与えられることとなる施設建築敷地又は施設建築物に関する権利の価額の合計がそれらの者が有する従前の権利の価額の合計を著しく超えることのないように定めなければならない。

第一項の規定により権利変換計画を定めた場合においては、第八十七条第一項(指定宅地に係る部分を除く。)及び第二項、第八十八条並びに第八十九条第一項の規定にかかわらず、権利変換計画の定めるところにより、権利変換期日において土地及び土地に存する物件に関する権利の得喪及び変更を生じ、当該第一種市街地再開発事業により建築される施設建築物に関する権利は、権利変換計画の定めるところにより、これを取得すべき者が取得する。

前条第四項の規定は、前項の規定による借地権の設定について準用する。

第一項の場合においては、次の表の上欄に掲げる規定の同表中欄に掲げる字句は、同表下欄に掲げる字句に読み替えて、これらの規定を適用する。

(指定宅地の権利者の全ての同意を得た場合の特則)

第百十条の三 施行者は、権利変換期日に生ずべき権利の変動その他権利変換の内容につき、指定宅地又はこれに存する物件に関し権利を有する者の全ての同意を得たとき(第百十条第一項前段に規定する場合を除く。)は、第七十三条第四項(指定宅地に係る部分に限る。)、第七十七条の二第三項から第五項まで及び第七十八条第三項の規定によらないで、権利変換計画を定めることができる。

前項の場合においては、権利変換計画は、指定宅地について権利を有する者に対して与えられることとなる個別利用区内の宅地に関する権利の価額の合計がそれらの者が有する従前の権利の価額の合計を著しく超えることのないように定めなければならない。

第一項の規定により権利変換計画を定めた場合においては、第八十七条第一項(指定宅地に係る部分に限る。)、第八十八条の二及び第八十九条第二項の規定にかかわらず、権利変換計画の定めるところにより、権利変換期日において指定宅地に関する権利の得喪及び変更を生じる。

第一項の場合においては、第百条第一項中「第八十七条第一項又は第八十八条の二」とあるのは、「第百十条の三第三項」とする。

(施設建築敷地を一筆の土地としないこととする特則)

第百十条の四 施行者は、施行地区内の宅地の所有者の数が僅少であることその他の特別の事情がある場合において、第七十五条第一項の規定によらないで権利変換計画を定めることが適当であると認めるときは、同項の規定にかかわらず、一個の施設建築物の敷地が二筆以上の土地となるものとして権利変換計画を定めることができる。 この場合においては、第七十六条第二項及び第三項の規定は、適用しない。

前項の場合における権利変換計画においては、施行地区内に宅地(指定宅地を除く。)を有する者に対して与えられる施設建築敷地は、それらの者が有する宅地の位置、地積、環境及び利用状況とそれらの者に与えられることとなる施設建築敷地の位置、地積及び環境とを総合的に勘案して、それらの者の相互間に不均衡が生じないように、かつ、その価額と従前の価額との間に著しい差額が生じないように定めなければならない。

第一項の場合においては、第八十五条第四項中「施設建築敷地の共有持分」とあるのは、「施設建築敷地」とする。

(施設建築敷地に地上権を設定しないこととする特則)

第百十一条 施行者は、第七十五条第二項の規定により権利変換計画を定めることが適当でないと認められる特別の事情があるときは、同項の規定にかかわらず、施設建築敷地に地上権(第百九条の二第三項及び第百九条の三第三項に規定する地上権を除く。)が設定されないものとして権利変換計画を定めることができる。 この場合においては、第七十六条、第七十七条第二項後段及び第三項並びに第八十八条第一項の規定は適用せず、次の表の上欄に掲げる規定の同表中欄に掲げる字句は、同表下欄に掲げる字句に読み替えて、これらの規定を適用する。

第三節 個人施行者等の事業の代行

(事業代行開始の決定)

第百十二条 都道府県知事は、第一種市街地再開発事業について、個人施行者、組合又は再開発会社の事業の現況その他の事情により個人施行者、組合又は再開発会社の事業の継続が困難となるおそれがある場合において、第百二十四条第三項、第百二十四条の二から第百二十五条の二までの規定による監督処分によつては個人施行者、組合又は再開発会社の事業の遂行の確保を図ることができないと認めるときは、事業代行の開始を決定することができる。

(事業代行開始の公告)

第百十三条 都道府県知事は、前条の規定により事業代行の開始を決定したときは、個人施行者の氏名若しくは名称又は組合若しくは再開発会社の名称、個人施行者、組合又は再開発会社の事業が事業代行者により代行される旨、当該事業代行者の名称、事業代行開始の決定の年月日その他国土交通省令で定める事項を公告しなければならない。

(事業代行者)

第百十四条 事業代行者は、都道府県知事とする。 ただし、都道府県知事は、個人施行者、組合又は再開発会社の施行地区を管轄する市町村長と協議して、当該市町村長を事業代行者と定めることができる。

(事業代行開始の効果)

第百十五条 事業代行開始の公告があつたときは、個人施行者の事業にあつては業務の執行並びに当該業務に係る財産の管理及び処分をする権限は、組合又は再開発会社の事業にあつては組合又は再開発会社の代表、業務の執行並びに財産の管理及び処分をする権限は、事業代行終了の公告があるまでの間、事業代行者に専属する。

(法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の特例)

第百十六条 事業代行者である都道府県知事又は市町村長が統轄する地方公共団体は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、事業代行開始の公告の日後における組合の債務について保証契約をすることができる。

(事業代行終了の公告等)

第百十七条 事業代行者は、個人施行者、組合又は再開発会社の事業の継続が困難となるおそれがなくなつたとき、又は第百一条第一項の規定による登記が完了したときは、都道府県知事にあつては事業代行終了の旨を公告し、市町村長にあつてはその旨を都道府県知事に通知しなければならない。

2 都道府県知事は、前項の通知を受けたときは、事業代行終了の旨を公告しなければならない。

3 個人施行者、組合又は再開発会社は、事業代行終了の公告後遅滞なく、その財産の処分及び債務の弁済に関する計画を作成して事業代行者であつた者の承認を求めなければならない。

(先取特権)

第百十八条 事業代行者である都道府県知事又は市町村長が統轄する地方公共団体は、組合の債務について保証契約をした場合において、その保証に係る債務を弁済したときは、その求償権に関し、組合の取得すべき施設建築物の一部の上に先取特権を有する。

2 前項の先取特権は、第百一条第一項の規定による登記の際に求償債権の額を登記することによつてその効力を保存する。

3 第一項の先取特権は、不動産工事の先取特権とみなし、前項の規定に従つてした登記は、民法第三百三十八条第一項前段の規定に従つてした登記とみなす。

第四章 第二種市街地再開発事業

第一節 管理処分手続

第一款 管理処分計画

(譲受け希望の申出及び賃借り希望の申出)

第百十八条の二 次に掲げる公告があつたときは、施行地区内の宅地の所有者、その宅地について借地権を有する者又は施行地区内の土地に権原に基づき建築物を所有する者は、その公告があつた日から起算して三十日以内に、施行者に対し、その者が施行者から払渡しを受けることとなる当該宅地、借地権又は建築物の対償に代えて、建築施設の部分の譲受けを希望する旨の申出(以下「譲受け希望の申出」という。)をすることができる。

再開発会社が施行する第二種市街地再開発事業にあつては、規準及び事業計画の認可の公告

地方公共団体が施行する第二種市街地再開発事業にあつては、事業計画の決定の公告

機構等が施行する第二種市街地再開発事業にあつては、施行規程及び事業計画の認可の公告

前項の宅地若しくは建築物の所有権又は同項の借地権で既登記のものの存否又は帰属について争いがある場合においては、争いの当事者のうち当該権利の登記名義人又は当該権利に関する仮登記若しくは処分の制限の登記を有する者に限り、同項の譲受け希望の申出をすることができる。

第一項の借地権で未登記のものの存否又は帰属について争いがある場合においては、争いの当事者は、同項の譲受け希望の申出をすることができる。

前二項の規定により、争いの当事者の一方が譲受け希望の申出をしたときは、争いの他方の当事者は、譲受け希望の申出をしたものとみなす。

第一項の建築物について借家権を有する者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)は、同項の期間内に、施行者に対し、施設建築物の一部の賃借りを希望する旨の申出(以下「賃借り希望の申出」という。)をすることができる。

前五項の規定は、事業計画を変更して従前の施行地区外の土地を新たに施行地区に編入した場合について準用する。 この場合において、第一項中「施行地区」とあるのは「施行地区に編入された土地の区域」と、同項第一号中「規準及び事業計画の認可の公告」とあるのは「新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告」と、同項第二号中「事業計画の決定の公告」とあるのは「新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の公告」と、同項第三号中「施行規程及び事業計画の認可の公告」とあるのは「新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告」と読み替えるものとする。

施行者は、譲受け希望の申出をした者の建築物について借家権を有する者から賃借り希望の申出があつたときは、遅滞なく、その旨を譲受け希望の申出をした者に通知しなければならない。

譲受け希望の申出又は賃借り希望の申出は、国土交通省令で定めるところにより、書面でしなければならない。

(譲受け希望の申出に係る宅地等の処分制限)

第百十八条の三 譲受け希望の申出をした者(前条第四項の規定により譲受け希望の申出をしたものとみなされた者を含む。以下同じ。)は、その者が施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物の処分をするには、施行者の承認を得なければならない。

施行者は、事業の遂行に重大な支障が生ずることその他正当な理由がなければ、前項の承認を拒むことができない。

前二項の規定は、土地収用法第四十五条の二に規定する裁決手続開始の登記があつた後における当該登記に係る宅地については、適用しない。

(譲受け希望の申出と補償金の支払請求との調整)

第百十八条の四 土地収用法第四十六条の二第一項の規定による補償金の支払の請求に係る宅地又は借地権については、譲受け希望の申出をすることができない。

譲受け希望の申出に係る宅地又は借地権については、土地収用法第四十六条の二第一項の規定による補償金の支払の請求をすることができない。

(譲受け希望の申出等の撤回)

第百十八条の五 譲受け希望の申出をした者又は賃借り希望の申出をした者は、第百十八条の二第一項の期間(事業計画を変更して新たに編入した施行地区に係る譲受け希望の申出をした者又は賃借り希望の申出をした者にあつては、同条第六項において準用する同条第一項の期間)が経過した後においては、施行者の同意を得た場合に限り、その譲受け希望の申出又は賃借り希望の申出を撤回することができる。

施行者は、事業の遂行に重大な支障がない限り、前項の同意をしなければならない。

第百十八条の二第八項の規定は、譲受け希望の申出又は賃借り希望の申出の撤回について準用する。

第百十八条の二第二項又は第三項の規定により譲受け希望の申出がされた場合における譲受け希望の申出の撤回は、争いの当事者が共同してしなければならない。

(管理処分計画の決定及び認可)

第百十八条の六 施行者は、第百十八条の二の規定による手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、施行地区ごとに管理処分計画を定めなければならない。 この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、都道府県又は機構等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)にあつては国土交通大臣の、再開発会社、市町村又は市のみが設立した地方住宅供給公社にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。

再開発会社は、前項後段の認可を受けようとするときは、管理処分計画について、施行地区内の宅地について所有権を有する者のうち譲受け希望の申出をしたすべての者及び施行地区内の宅地について借地権を有する者のうち譲受け希望の申出をしたすべての者のそれぞれの三分の二以上の同意を得なければならない。 この場合においては、同意した者が所有する施行地区内の宅地の地積と同意した者の施行地区内の借地の地積との合計が、譲受け希望の申出をした者が有する施行地区内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二以上でなければならない。

第七条の二第五項の規定は、前項の規定により同意を得る場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「所有権を有する者」とあるのは「譲受け希望の申出をした所有権を有する者」と、「借地権を有する者」とあるのは「譲受け希望の申出をした借地権を有する者」と読み替えるものとする。

第一項後段及び前二項の規定は、管理処分計画を変更する場合(政令で定める軽微な変更をする場合を除く。)について準用する。

施行地区が工区に分かれているときは、管理処分計画は、工区ごとに定めることができる。

(管理処分計画の内容)

第百十八条の七 管理処分計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を定めなければならない。

配置設計

譲受け希望の申出をした者で建築施設の部分を譲り受けることができるものの氏名又は名称及び住所

前号に掲げる者が施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物及びその見積額並びにその者がその対償に代えて譲り受けることとなる建築施設の部分の明細及びその価額の概算額

賃借り希望の申出をした者で施設建築物の一部を賃借りすることができるものの氏名又は名称及び住所

前号に掲げる者が賃借りすることとなる施設建築物の一部

施行者が施設建築物の一部を賃貸しする場合における標準家賃の概算額及び家賃以外の借家条件の概要

特定事業参加者が譲り受けることとなる建築施設の部分の明細並びにその特定事業参加者の氏名又は名称及び住所

第三号及び前号の建築施設の部分以外の建築施設の部分の明細及びその管理処分の方法

新たな公共施設の用に供する土地の帰属に関する事項

第三号の見積額並びに同号及び第六号の概算額の算定の基準日並びに工事完了の予定時期

十一 その他国土交通省令で定める事項

前項第三号の見積額は、同項第十号の基準日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍類似の土地に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額を基準として定めなければならない。

第一項第十号の基準日は、第百十八条の二第一項各号に掲げる公告(事業計画を変更して新たに編入した施行地区については、同条第六項において準用する同条第一項各号に掲げる公告)の日(都市計画法第七十一条第一項に規定する理由があるときは、同項の規定により事業の認定の告示があつたものとみなされる日)とする。

(建築施設の部分等)

第百十八条の八 管理処分計画においては、譲受け希望の申出をした者及び特定事業参加者に対しては建築施設の部分を譲り渡すように定め、賃借り希望の申出をした者のうち、譲受け希望の申出をした者の所有する建築物について借家権を有する者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)に対してはその所有者が譲り受けることとなる施設建築物の一部を、その他の者に対しては施行者に帰属することとなる施設建築物の一部を賃借りすることができるように定めなければならない。

(建築施設の部分の価額等の概算額)

第百十八条の九 管理処分計画においては、第百十八条の七第一項第三号又は第六号の概算額は、政令で定めるところにより、第二種市街地再開発事業に要する費用及び同項第十号の基準日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額を基準として定めなければならない。

(権利変換計画に関する規定の準用)

第百十八条の十 第七十三条第二項から第四項まで、第七十四条、第七十五条第一項及び第三項、第七十七条第二項前段、第七十九条、第八十二条から第八十四条まで並びに第八十六条第一項の規定は、管理処分計画について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる規定の同表中欄に掲げる字句は、同表下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

第二款 建築施設の部分による対償の給付等

(建築施設の部分による対償の給付)

第百十八条の十一 管理処分計画において建築施設の部分を譲り受けることとなる者として定められた者(特定事業参加者を除く。以下「譲受け予定者」という。)に対しては、その者が施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物が、契約に基づき、又は収用により、施行者に取得され、又は消滅するときは、その取得又は消滅につき施行者が払い渡すべき対償に代えて、この法律で定めるところにより当該建築施設の部分が給付されるものとする。

前項の場合において、譲受け希望の申出をした者が第百十八条の三第一項の承認を受けないで施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物を処分したことにより、二以上の者に建築施設の部分を譲り渡す必要が生じたときは、当該二以上の者に対しては、これらの処分がなかつたとすれば当該譲受け希望の申出をした者に譲り渡すべき建築施設の部分について、それぞれ対償の額に応ずる共有持分が給付されるものとする。

土地収用法第百条の規定は、前二項に規定する対償に関しては、適用しない。

第一項の宅地、借地権又は建築物が、契約に基づき施行者に取得されたときは、これらの宅地、借地権又は建築物の上の先取特権、質権及び抵当権は、消滅する。

(仮登記等に係る権利の消滅について同意が得られない場合における譲受け希望の申出の撤回)

第百十八条の十二 譲受け予定者の有する宅地、借地権又は建築物について仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記又は処分の制限の登記を有する者がある場合において、当該宅地又は借地権に係るものにあつては土地収用法第四十八条第一項の権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに、当該建築物に係るものにあつては同法第四十九条第一項の明渡裁決において定められた明渡しの期限までに、これらの登記に係る権利の消滅につき、これらの者のすべての同意が得られないときは、その時において、当該譲受け予定者は、その譲受け希望の申出を撤回したものとみなす。

第百十八条の二第二項の規定により同項の仮登記又は処分の制限の登記を有する者が譲受け希望の申出をした場合における前項の規定の適用については、これらの者の同意があつたものとみなす。

第一項の場合における土地収用法第九十五条第一項、第二項及び第四項、第九十六条第一項、第九十七条、第百条、第百一条第一項及び第三項、第百一条の二、第百二条並びに第百二条の二第二項の規定の適用については、同法第九十五条第一項、第百条第一項並びに第百一条第一項及び第三項中「定められた権利取得の時期」とあり、同法第九十五条第二項及び第四項、第九十六条第一項並びに第九十七条第二項中「権利取得の時期」とあるのは「権利取得の時期として定められた日から起算して一週間を経過する日」と、同法第九十六条第一項、第九十七条第二項及び第百二条の二第二項中「明渡しの期限」とあり、同法第九十七条第一項、第百条第二項、第百一条第三項及び第百二条中「定められた明渡しの期限」とあるのは「明渡しの期限として定められた日から起算して一週間を経過する日」と、同法第百一条の二中「定められる明渡しの期限」とあるのは「明渡しの期限として定められる日から起算して一週間を経過する日」とする。

(物上代位)

第百十八条の十三 第百十八条の十一第一項の宅地、借地権又は建築物が先取特権、質権又は抵当権の目的であるときは、その先取特権、質権又は抵当権を有する者は、同項の規定による建築施設の部分の給付を受ける権利(以下「譲受け権」という。)及び第百十八条の十五第二項又は第百十八条の十九第一項の規定により供託された修正対償額等に対して、その権利を行うことができる。

第百十八条の十一第二項の規定により一の建築施設の部分が二以上の宅地、借地権又は建築物の対償に代えて給付されることとなるときは、各宅地、借地権又は建築物の上に先取特権、質権又は抵当権を有する者が前項の規定に基づき優先弁済を受けることができる範囲は、同条第二項の共有持分に応じて配分した額を限度とする。

譲受け希望の申出をした者が第百十八条の三第一項の承認を受けないで施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物の上に質権又は抵当権を設定したときは、当該質権又は抵当権を有する者が第一項の規定に基づき優先弁済を受けることができる範囲は、当該質権又は抵当権の目的である宅地、借地権又は建築物に係る額を限度とする。

(土地等の取得又は消滅の制限)

第百十八条の十四 譲受け希望の申出をした者の宅地、借地権又は建築物は、管理処分計画の認可の公告(事業計画を変更して新たに編入した施行地区に係る譲受け希望の申出をした者の宅地、借地権又は建築物にあつては、当該事業計画の変更に伴う管理処分計画又はその変更の認可の公告)の日前においては、契約に基づき、又は収用により、施行者が取得し、又は消滅させることはできない。

(譲受け希望の申出の撤回に伴う対償の支払等)

第百十八条の十五 譲受け予定者が第百十八条の五第一項の規定により譲受け希望の申出を撤回した場合において、その者の宅地、借地権又は建築物が、契約に基づき、又は収用により、施行者に取得され、又は消滅しているときは、施行者は、その宅地、借地権又は建築物の対償に当該取得又は消滅の時から当該譲受け希望の申出を撤回した日までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額に、当該譲受け希望の申出を撤回した日から当該対償に修正率を乗じて得た額を支払う時までの期間につき法定利率による利息に相当する金額を付けてこれを支払わなければならない。 この場合において、その修正率は、政令で定める方法によつて算定するものとする。

前項に規定する場合において、同項の宅地、借地権又は建築物が、契約に基づき、又は収用により、施行者に取得され、又は消滅する時に先取特権、質権又は抵当権の目的となつていたときは、施行者は、同項の規定により支払うべき対償に修正率を乗じて得た額及び利息に相当する金額(以下「修正対償額等」という。)の支払に代えてこれを供託しなければならない。 前項に規定する場合において、第百十八条の十において準用する第七十三条第四項の規定により管理処分計画において存するものとされた権利に係る修正対償額等(併存し得ない二以上の権利が存するものとされた場合においては、それらの権利に対する修正対償額等のうち最高額のもの)についても、同様とする。

第九十二条第五項及び第六項の規定は、前項の規定による供託について準用する。 この場合において、同条第六項中「第三項の」とあるのは、「第百十八条の十五第二項後段の」と読み替えるものとする。

(譲受け権の譲渡等の対抗要件)

第百十八条の十六 譲受け権の譲渡又は譲受け権を目的とする質権の設定は、民法第四百六十七条の規定に従い、国土交通省令で定めるところにより、施行者に通知しなければ、施行者その他の第三者に対抗することができない。

第三款 権利関係の確定等

(建築工事の完了の公告等)

第百十八条の十七 施行者は、施設建築物の建築工事を完了したときは、速やかに、その旨を公告するとともに、譲受け予定者及び管理処分計画において施設建築物の一部を賃借りすることができる者として定められた者(以下「賃借り予定者」という。)並びに特定事業参加者に通知しなければならない。

(建築施設の部分等の取得)

第百十八条の十八 前条の公告の日の翌日において、譲受け予定者及び特定事業参加者は管理処分計画において定められた建築施設の部分を、賃借り予定者は管理処分計画において定められた施設建築物の一部についての借家権を取得する。

(修正対償額等の供託等)

第百十八条の十九 譲受け予定者の宅地、借地権又は建築物が、契約に基づき、又は収用により、施行者に取得され、又は消滅する時に先取特権、質権又は抵当権の目的となつていた場合において、第百十八条の十七の公告の日までに、その者とその先取特権、質権又は抵当権(これらの権利を目的とする権利を含む。)を有していた者との間に、当該譲受け予定者の譲受け権に対する第百十八条の十三第一項の権利の消滅に関する合意が成立しないときは、当該譲受け予定者は、第百十八条の十七の公告の日において、その譲受け希望の申出を撤回したものとみなし、施行者は、その者の宅地、借地権又は建築物に係る修正対償額等の支払に代えてこれを供託しなければならない。 第九十二条第五項及び第六項の規定は、この場合について準用する。

前項の合意が成立したときは、当事者は、第百十八条の十七の公告の日の翌日から起算して一週間を経過する日までに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を施行者に届け出なければならない。

前項の期日までに同項の規定による届出がないときは、第一項の合意が成立しなかつたものとみなす。

(公共施設の用に供する土地の帰属等)

第百十八条の二十 施行者は、公共施設の整備に関する工事が完了したときは、速やかに、その旨を、公告しなければならない。

公共施設の用に供する土地は、当該公共施設に係る前項の公告の日の翌日において、管理処分計画の定めるところに従い、新たに所有者となるべき者に帰属する。

第百九条の規定は、第二種市街地再開発事業の施行により設置された公共施設の管理について準用する。

(建築施設の部分等の登記)

第百十八条の二十一 施行者は、施設建築物の建築工事が完了したときは、遅滞なく、施設建築敷地及び施設建築物について必要な登記を申請し、又は嘱託しなければならない。

第百十八条の十九第一項の合意が、第百十八条の十八の規定により取得される建築施設の部分に質権又は抵当権を設定すべきことを条件として成立したものであるときは、施行者は、前項の登記の際に、当該権利を有する者のために、当該権利の設定の登記を登記所に申請し、又は嘱託しなければならない。

施設建築敷地及び施設建築物に関する権利に関しては、前二項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。

(借家条件の協議及び裁定)

第百十八条の二十二 譲受け予定者と管理処分計画においてその者が譲り受けることと定められた施設建築物の一部についての賃借り予定者は、家賃その他の借家条件について協議しなければならない。

第百二条第二項から第七項までの規定は、前項の規定による協議について準用する。 この場合において、同条第二項中「第百条第二項」とあるのは、「第百十八条の十七」と読み替えるものとする。

(建築施設の部分等の価額等の確定)

第百十八条の二十三 施行者は、第二種市街地再開発事業の工事が完了したときは、速やかに、当該事業に要した費用の額を確定するとともに、建築施設の部分を取得した者がこれに対応するものとして有していた施行地区内の宅地、借地権若しくは建築物の価額(以下「従前の権利の価額」という。)及びその取得した建築施設の部分の価額(建築施設の部分を取得した者が特定事業参加者である場合にあつては、その取得した建築施設の部分の価額)又は第百十八条の十八の規定により借家権を取得した者に対して施行者が賃貸しする施設建築物の一部の家賃の額を確定し、これらの者にその確定した額を通知しなければならない。

前項の従前の権利の価額は、同項の宅地、借地権又は建築物の対償の額に、これらが契約に基づき、又は収用により、施行者に取得され、又は消滅した時から第百十八条の十七の公告の日までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額をもつてその確定額とする。 この場合において、その修正率は、政令で定める方法によつて算定するものとする。

第一項の建築施設の部分の価額及び家賃の額は、政令で定めるところにより、当該事業に要した費用の確定額及び第百十八条の七第一項第十号の基準日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額に同号の基準日から第百十八条の十七の公告の日までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額を基準として確定する。 前項後段の規定は、この場合について準用する。

(清算)

第百十八条の二十四 前条第一項の規定により確定した従前の権利の価額と同項の規定により確定した建築施設の部分の価額とに差額があるときは、施行者は、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。

第百五条から第百七条まで(第百六条第六項を除く。)の規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、第百五条第一項中「前条第一項」とあるのは「第百十八条の二十三第一項」と、「同項」とあるのは「第百十八条の二十四第一項」と、第百六条第一項及び第二項中「第百四条第一項」とあるのは「第百十八条の二十四第一項」と、第百七条第一項中「第百四条第一項」とあるのは「第百十八条の二十四第一項」と、「施設建築物の一部」とあるのは「建築施設の部分」と、同条第二項中「第百一条第一項」とあるのは「第百十八条の二十一第一項」と読み替えるものとする。

(建築施設の部分の管理処分)

第百十八条の二十四の二 第百八条第一項の規定は、第二種市街地再開発事業により譲受け予定者及び特定事業参加者が取得した建築施設の部分並びに賃借り予定者が取得した借家権に係る建築施設の部分以外の建築施設の部分について準用する。

施行者が地方公共団体であるときは、施行者が第二種市街地再開発事業により取得した建築施設の部分の管理処分については、当該地方公共団体の財産の管理処分に関する法令の規定は、適用しない。

第三款の二 施設建築敷地内の道路等に関する特例

(施設建築敷地内の道路に関する特例)

第百十八条の二十五 都市計画法第十二条の四第一項第一号に掲げる地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち同法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内における第二種市街地再開発事業その他政令で定める第二種市街地再開発事業については、事業計画において、施設建築敷地の上の空間又は地下に道路を設置し、又は道路が存するように定めることができる。

第百九条の二第二項から第六項までの規定は、前項の規定により事業計画において施設建築敷地の上の空間又は地下に道路を設置し、又は道路が存するように定めた場合の管理処分計画について準用する。 この場合において、同条第二項中「第七十五条第一項」とあるのは「第百十八条の十において準用する第七十五条第一項」と、同条第三項中「第七十五条第二項に定めるもののほか、当該道路」とあるのは「当該道路」と、同条第四項中「第八十二条」とあるのは「第百十八条の十において準用する第八十二条」と、同条第六項中「第七十三条第一項各号」とあるのは「第百十八条の七第一項各号」と読み替えるものとする。

前項において準用する第百九条の二第二項から第六項までの規定により管理処分計画を定めた場合においては、施設建築敷地の道路部分には、第百十八条の二十第二項の規定にかかわらず、当該施設建築敷地の施設建築物に係る第百十八条の十七の公告の日(その公告の日前に当該施設建築敷地の道路に係る第百十八条の二十第一項の公告がなされた場合にあつては、当該公告の日)の翌日において、管理処分計画の定めるところに従い、民法第二百六十九条の二の規定により道路の所有を目的とする同条第一項の地上権が設定されたものとみなす。

第八十八条第六項の規定は、前項の規定による地上権の設定について準用する。

(施設建築敷地内の都市高速鉄道に関する特例)

第百十八条の二十五の二 都市計画施設の区域をその施行地区に含む第二種市街地再開発事業のうち施設建築敷地を立体的に利用する必要があるものとして政令で定めるものについては、事業計画において、施設建築敷地の上の空間又は地下(いずれも政令で定める範囲内に位置するものに限る。)に都市高速鉄道が存するように定めることができる。

第百九条の三第二項から第五項までの規定は、前項の規定により事業計画において施設建築敷地の上の空間又は地下に都市高速鉄道が存するように定めた場合の管理処分計画について準用する。 この場合において、同条第二項中「第七十五条第一項」とあるのは「第百十八条の十において準用する第七十五条第一項」と、同条第三項中「第七十五条第二項に定めるもののほか、当該都市高速鉄道」とあるのは「当該都市高速鉄道」と、同条第五項中「第七十三条第一項各号」とあるのは「第百十八条の七第一項各号」と読み替えるものとする。

前項において準用する第百九条の三第二項から第五項までの規定により管理処分計画を定めた場合においては、施設建築敷地の都市高速鉄道部分には、当該施設建築敷地の施設建築物に係る第百十八条の十七の規定による公告の日の翌日において、管理処分計画の定めるところに従い、民法第二百六十九条の二の規定により都市高速鉄道の所有を目的とする同条第一項の地上権が設定されたものとみなす。

第八十八条第六項の規定は、前項の規定による地上権の設定について準用する。

第四款 管理処分手続の特則

第百十八条の二十五の三 施行者は、施設建築物の建築並びに施設建築敷地及び施設建築物に関する権利の取得につき、譲受け希望の申出をした者及び賃借り希望の申出をした者(第百十八条の十八又は次項の規定により建築施設の部分若しくは施設建築物の一部についての借家権又は施設建築敷地若しくは施設建築物に関する権利を取得した者を除く。)並びに特定事業参加者の全ての同意を得たときは、第百十八条の八、第百十八条の十において準用する第七十五条第一項及び第三項並びに第七十七条第二項前段、第百十八条の二十五第二項において準用する第百九条の二第二項後段、前条第二項において準用する第百九条の三第二項後段並びに第百十八条の三十二第三項において準用する同条第一項の規定によらないで、管理処分計画を定めることができる。 この場合においては、第百十八条の二十二の規定は、適用しない。

前項の規定により管理処分計画を定めた場合においては、第百十八条の十八の規定にかかわらず、当該第二種市街地再開発事業に係る施設建築敷地又は施設建築物に関する権利は、第百十八条の十七の公告の日の翌日において、管理処分計画の定めるところにより、これを取得すべき者が取得する。

第一項の場合においては、次の表の上欄に掲げる規定の同表中欄に掲げる字句は、同表下欄に掲げる字句に読み替えて、これらの規定を適用する。

第二節 雑則

(建築物の収用の請求)

第百十八条の二十六 第二種市街地再開発事業につき都市計画法第六十九条の規定により適用される土地収用法の規定により土地又は権利が収用されるときは、権原により当該土地又は当該権利の目的である土地に建築物を所有する者は、その建築物の収用を請求することができる。

2 第百十八条の二第一項の規定により建築物の所有者が譲受け希望の申出をしたときは、土地収用法第四十七条の四第二項において準用する同法第四十二条第二項の公告の日から起算して二週間を経過する日以後に第百十八条の五第一項の規定により当該譲受け希望の申出が撤回され、又は第百十八条の十二若しくは第百十八条の十九第一項の規定により当該譲受け希望の申出が撤回されたものとみなされた場合であつても、当該建築物については、収用の請求をしたものとみなす。 この場合においては、施行者は、同法第四十七条の三第一項の明渡裁決の申立てをする際に、当該譲受け希望の申出があつたことを証する書面を収用委員会に提出しなければならない。

3 土地収用法第八十七条の規定は第一項の規定による収用の請求について、同法第百一条第三項の規定は第一項の規定による収用の請求及び第二項の規定によりみなされる収用の請求について準用する。

(物件の移転命令)

第百十八条の二十七 第二種市街地再開発事業の施行者は、当該第二種市街地再開発事業の施行のため必要があるときは、施行地区内の土地にある物件の所有者で当該物件のある土地に関し施行者に対抗することができる権利を有しないものに対し、相当の期限を定めて、当該物件の移転を命じ、当該物件の占有者で当該物件に関し所有者に対抗することができる権利を有しないものに対し、相当の期限を定めて、当該物件を所有者に引き渡すべきことを命ずることができる。

2 第九十八条第二項の規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同項中「第九十六条第三項の場合」とあるのは、「第百十八条の二十七第一項の規定により物件の移転又は引渡しが命ぜられた場合」と読み替えるものとする。

(施行者以外の者による施設建築物の建築)

第百十八条の二十八 施行者は、施設建築物(管理処分計画においてその全部を譲受け予定者又は特定事業参加者が譲り受けるように定められたものを除く。)の建築を他の者に行わせることができる。

2 第九十九条の二第二項及び第三項、第九十九条の三から第九十九条の九まで並びに第百四条第二項の規定は、前項の規定により施行者以外の者に施設建築物の建築を行わせる場合について準用する。 この場合において、第九十九条の二第二項及び第三項、第九十九条の三第二項並びに第九十九条の七中「権利変換計画」とあるのは「管理処分計画」と、第九十九条の六第二項中「第九十九条の二第三項」とあるのは「第百十八条の二十八第二項において準用する第九十九条の二第三項」と、「地上権又はその共有持分」とあるのは「施設建築敷地又はその共有持分」と、第百四条第二項中「第九十九条の二第三項」とあるのは「第百十八条の二十八第二項において準用する第九十九条の二第三項」と、「第九十九条の六第二項」とあるのは「第百十八条の二十八第二項において準用する第九十九条の六第二項」と読み替えるものとする。

(測量のための標識の設置等)

第百十八条の二十九 第六十四条、第六十五条、第六十九条及び第九十九条の十の規定は、第二種市街地再開発事業について準用する。

(再開発会社の事業の代行)

第百十八条の三十 都道府県知事は、第二種市街地再開発事業について、再開発会社の事業の現況その他の事情により再開発会社の事業の継続が困難となるおそれがある場合において、第百二十四条第三項又は第百二十五条の二の規定による監督処分によつては再開発会社の事業の遂行の確保を図ることができないと認めるときは、事業代行の開始を決定することができる。

2 第百十三条から第百十五条まで及び第百十七条の規定は、再開発会社の事業について事業代行の開始を決定した場合に準用する。 この場合において、第百十三条中「前条」とあるのは「第百十八条の三十第一項」と、「個人施行者の氏名若しくは名称又は組合若しくは再開発会社」とあるのは「再開発会社」と、同条、第百十四条並びに第百十七条第一項及び第三項中「個人施行者、組合又は再開発会社」とあるのは「再開発会社」と、第百十五条中「個人施行者の事業にあつては業務の執行並びに当該業務に係る財産の管理及び処分をする権限は、組合又は再開発会社の事業にあつては組合又は再開発会社」とあるのは「再開発会社」と、第百十七条第一項中「第百一条第一項」とあるのは「第百十八条の二十一第一項」と読み替えるものとする。

第四章の二 土地区画整理事業との一体的施行に関する特則

(土地区画整理事業との一体的施行に関する特則)

第百十八条の三十一 土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地(同法第八十七条第一項又は第二項に規定する換地計画に基づき換地となるべき土地に指定されたものに限る。以下この章において「特定仮換地」という。)を含む土地の区域においては、当該特定仮換地に対応する従前の宅地に関する権利を施行地区又は施行地区となるべき区域内の土地に関する権利とみなし、これを施行地区又は施行地区となるべき区域内の当該特定仮換地に係る土地に関する権利に代えて、市街地再開発事業を施行するものとする。

2 前項の場合において、特定仮換地に対応する従前の宅地に関する権利の価額若しくはその概算額又は見積額を定めるときは、当該権利が当該特定仮換地に存するものとみなすものとする。

3 前二項の場合におけるこの法律の適用についての必要な技術的読替えは、政令で定める。

第百十八条の三十二 前条の規定により第一種市街地再開発事業が施行される場合においては、権利変換計画において、一個の施設建築物に係る特定仮換地以外の施設建築敷地及び施設建築敷地となるべき特定仮換地に対応する従前の宅地に関する所有権及び地上権の共有持分の割合が、当該宅地ごとにそれぞれ等しくなるよう定めなければならない。 この場合においては、第七十五条第一項の規定は、適用しない。

2 前項の場合における第九十条第一項の規定の適用については、同項中「従前の土地の表示の登記の消及び新たな土地の表示の登記」とあるのは、「特定仮換地以外の土地については従前の土地の表題部の登記の抹消及び新たな土地の表題登記(不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第二条第二十号に規定する表題登記をいう。)又は権利変換手続開始の登記の抹消、特定仮換地に対応する従前の宅地については権利変換手続開始の登記の抹消」とする。

3 第一項の規定は、第二種市街地再開発事業の管理処分計画について準用する。 この場合において、同項中「所有権及び地上権」とあるのは「所有権」と、「第七十五条第一項」とあるのは「第百十八条の十において準用する第七十五条第一項」と読み替えるものとする。

第五章 費用の負担等

(費用の負担)

第百十九条 市街地再開発事業に要する費用は、施行者の負担とする。 ただし、第九十九条の二第一項又は第百十八条の二十八第一項の規定により施行者以外の者が施設建築物の建築を行う場合の建築に要する費用は当該施行者以外の者の、第九十九条の十(第百十八条の二十九において準用する場合を含む。)の規定により公共施設の管理者又は管理者となるべき者に公共施設の工事を行わせる場合の工事に要する費用は当該管理者又は管理者となるべき者の負担とする。

(地方公共団体の分担金)

第百二十条 機構等は、機構等が施行する市街地再開発事業の施行により利益を受ける地方公共団体に対し、その利益を受ける限度において、その市街地再開発事業に要する費用の一部を負担することを求めることができる。

2 前項の場合において、地方公共団体が負担する費用の額及び負担の方法は、機構等と地方公共団体とが協議して定める。

3 前項の規定による協議が成立しないときは、当事者の申請に基づき、国土交通大臣が裁定する。 この場合において、国土交通大臣は、当事者の意見をきくとともに、総務大臣と協議しなければならない。

(公共施設管理者の負担金)

第百二十一条 施行者は、市街地再開発事業の施行により整備されることとなる重要な公共施設で政令で定めるものの管理者又は管理者となるべき者に対し、当該公共施設の整備に要する費用の全部又は一部を負担することを求めることができる。

2 前項の規定による費用の負担については、あらかじめ、個人施行者、組合又は再開発会社が施行する市街地再開発事業にあつては当該公共施設の管理者又は管理者となるべき者の承認を得、その他の市街地再開発事業にあつては当該公共施設の管理者又は管理者となるべき者と協議し、その者が負担すべき費用の額を事業計画において定めておかなければならない。

(費用の補助)

第百二十二条 地方公共団体は、施行者(政令で定める施行者を除く。)に対して、市街地再開発事業に要する費用の一部を補助することができる。

2 国は、地方公共団体が、前項の規定により補助金を交付し、又はみずから市街地再開発事業を施行する場合には、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その費用の一部を補助することができる。

(資金の融通等)

第百二十三条 国及び地方公共団体は、施行者に対し、市街地再開発事業に必要な資金の融通又はあつせんその他の援助に努めるものとする。

第六章 監督等

(報告、勧告等)

第百二十四条 国土交通大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県知事は個人施行者、組合、再開発会社又は市町村に対し、市町村長は個人施行者、組合又は再開発会社に対し、それぞれその施行する市街地再開発事業に関し、この法律の施行のため必要な限度において、報告若しくは資料の提出を求め、又はその施行する市街地再開発事業の施行の促進を図るため必要な勧告、助言若しくは援助をすることができる。

2 国土交通大臣は、独立行政法人都市再生機構(第二条の二第五項の規定により市街地再開発事業を施行する場合に限る。第百二十六条第一項及び第三項並びに第百二十八条第二項において同じ。)に対し、市街地再開発事業の施行の促進を図るため必要な勧告、助言又は援助をすることができる。

3 都道府県知事は、個人施行者、組合又は再開発会社に対し、市街地再開発事業の施行の促進を図るため必要な措置を命ずることができる。

(個人施行者に対する監督)

第百二十四条の二 都道府県知事は、個人施行者の施行する第一種市街地再開発事業につき、その事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は規準、規約、事業計画若しくは権利変換計画に違反すると認めるときその他監督上必要があるときは、その事業又は会計の状況を検査し、その結果、違反の事実があると認めるときは、その施行者に対し、その違反を是正するため必要な限度において、その施行者のした処分の取消し、変更若しくは停止又はその施行者のした工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。

2 都道府県知事は、個人施行者が前項の規定による命令に従わないときは、権利変換期日前に限り、その施行者に対する第一種市街地再開発事業の施行についての認可を取り消すことができる。

3 都道府県知事は、前項の規定により認可を取り消したときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

4 個人施行者は、前項の公告があるまでは、認可の取消しによる第一種市街地再開発事業の廃止をもつて第三者に対抗することができない。

(組合に対する監督)

第百二十五条 都道府県知事は、組合の施行する第一種市街地再開発事業につき、その事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画、事業基本方針若しくは権利変換計画に違反すると認めるときその他監督上必要があるときは、その組合の事業又は会計の状況を検査することができる。

2 都道府県知事は、組合の組合員が総組合員の十分の一以上の同意を得て、その組合の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画、事業基本方針若しくは権利変換計画に違反する疑いがあることを理由として組合の事業又は会計の状況の検査を請求したときは、その組合の事業又は会計の状況を検査しなければならない。

3 都道府県知事は、前二項の規定により検査を行つた場合において、組合の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画、事業基本方針若しくは権利変換計画に違反していると認めるときは、組合に対し、その違反を是正するため必要な限度において、組合のした処分の取消し、変更若しくは停止又は組合のした工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。

4 都道府県知事は、組合が前項の規定による命令に従わないとき、又は組合の設立についての認可を受けた者がその認可の公告があつた日から起算して三十日を経過してもなお総会を招集しないときは、権利変換期日前に限り、その組合についての設立の認可を取り消すことができる。

5 都道府県知事は、第三十一条第三項の規定により組合員から総会の招集の請求があつた場合において、理事長及び監事が総会を招集しないときは、これらの組合員の申出に基づき、総会を招集しなければならない。 第三十四条第三項又は第三十五条第四項において準用する第三十一条第三項の規定により組合員又は総代から総会の部会又は総代会の招集の請求があつた場合において、理事長及び監事が総会の部会又は総代会を招集しないときも、同様とする。

6 都道府県知事は、第二十六条第一項の規定により組合員から理事又は監事の解任の請求があつた場合において、組合がこれを組合員の投票に付さないときは、これらの組合員の申出に基づき、これを組合員の投票に付さなければならない。 第三十六条第三項において準用する第二十六条第一項の規定により組合員から総代の解任の請求があつた場合において、組合がこれを組合員の投票に付さないときも、同様とする。

7 都道府県知事は、組合の組合員が総組合員の十分の一以上の同意を得て、総会、総会の部会若しくは総代会の招集手続若しくは議決の方法又は役員若しくは総代の選挙若しくは解任の投票の方法が、この法律又は定款に違反することを理由として、その議決、選挙、当選又は解任の投票の取消しを請求した場合において、その違反の事実があると認めるときは、その議決、選挙、当選又は解任の投票を取り消すことができる。

(再開発会社に対する監督)

第百二十五条の二 都道府県知事は、再開発会社の施行する市街地再開発事業につき、その事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は規準、事業計画、権利変換計画若しくは管理処分計画に違反すると認めるときその他監督上必要があるときは、その再開発会社の事業又は会計の状況を検査することができる。

2 都道府県知事は、再開発会社の施行する市街地再開発事業の施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者が、その区域内の宅地について所有権又は借地権を有するすべての者の十分の一以上の同意を得て、その再開発会社の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は規準、事業計画、権利変換計画若しくは管理処分計画に違反する疑いがあることを理由として再開発会社の事業又は会計の状況の検査を請求したときは、その再開発会社の事業又は会計の状況を検査しなければならない。 この場合において、所有権又は借地権が数人の共有に属する宅地又は借地があるときは、当該宅地又は借地について所有権を有する者又は借地権を有する者の数をそれぞれ一とみなし、同意した所有権を有する者の共有持分の割合の合計又は同意した借地権を有する者の共有持分の割合の合計をそれぞれ当該宅地又は借地について同意した者の数とみなす。

3 都道府県知事は、前二項の規定により検査を行つた場合において、再開発会社の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は規準、事業計画、権利変換計画若しくは管理処分計画に違反していると認めるときは、再開発会社に対し、その違反を是正するため必要な限度において、再開発会社のした処分の取消し、変更若しくは停止又は再開発会社のした工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。

4 都道府県知事は、再開発会社が前項の規定による命令に従わないときは、権利変換期日前又は管理処分計画の認可の公告の日前に限り、その再開発会社に対する市街地再開発事業の施行についての認可を取り消すことができる。

5 都道府県知事は、前項の規定により認可を取り消したときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

6 再開発会社は、前項の公告があるまでは、認可の取消しによる市街地再開発事業の廃止をもつて第三者に対抗することができない。

(是正の要求)

第百二十六条 国土交通大臣は都道府県又は独立行政法人都市再生機構に対し、都道府県知事は市町村に対し、これらの者が施行者として行う処分又は工事が、この法律又はこれに基づく国土交通大臣若しくは都道府県知事の処分に違反していると認めるときは、市街地再開発事業の適正な施行を確保するため必要な限度において、その処分の取消し、変更若しくは停止又はその工事の中止若しくは変更その他必要な措置を講ずべきことを求めることができる。

2 国土交通大臣は、市町村に対し、その施行者として行う処分又は工事が、この法律又はこれに基づく都道府県知事の処分に違反していると認める場合において、緊急を要するときその他特に必要があると認めるときは、市街地再開発事業の適正な施行を確保するため必要な限度において、その処分の取消し、変更若しくは停止又はその工事の中止若しくは変更その他必要な措置を講ずべきことを求めることができる。

3 都道府県、市町村又は独立行政法人都市再生機構は、前二項の規定による要求を受けたときは、当該処分の取消し、変更若しくは停止又は当該工事の中止若しくは変更その他必要な措置を講じなければならない。

(不服申立て)

第百二十七条 次に掲げる処分又はその不作為については、審査請求をすることができない。

第十一条第一項若しくは第三項又は第三十八条第一項の規定による認可(事業基本方針の変更に係るものを除く。)

第十六条第三項(第三十八条第二項、第五十条の六、第五十条の九第二項、第五十三条第二項(第五十六条において準用する場合を含む。)並びに第五十八条第三項及び第四項において準用する場合を含む。)の規定による通知

第五十条の二第一項又は第五十条の九第一項の規定による認可

第五十一条第一項(第五十六条において準用する場合を含む。)の規定による認可

第五十八条第一項の規定による認可

第八十三条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による通知

第百十八条の十において準用する第八十三条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による通知

第百二十八条 前条に規定するものを除くほか、組合、再開発会社、市町村、都道府県又は機構等がこの法律に基づいてした処分その他公権力の行使に当たる行為(以下この条において「処分」という。)に不服のある者は、組合、再開発会社、市町村又は市のみが設立した地方住宅供給公社がした処分にあつては都道府県知事に対して、都道府県又は機構等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)がした処分にあつては国土交通大臣に対して審査請求をすることができる。 ただし、権利変換に関する処分についての審査請求においては、権利変換計画に定められた宅地若しくは建築物又はこれらに関する権利の価額についての不服をその理由とすることができない。

2 前項の場合において、都道府県知事又は国土交通大臣は、行政不服審査法第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、それぞれ組合若しくは再開発会社又は独立行政法人都市再生機構の上級行政庁とみなす。

3 第一項の審査請求について都道府県知事がした裁決に不服がある者は、国土交通大臣に対して再審査請求をすることができる。

(技術的援助の請求)

第百二十九条 個人施行者若しくは再開発会社となろうとする者又は組合を設立しようとする者は都道府県知事及び市町村長に対し、個人施行者、組合又は再開発会社は市町村長に対し、市街地再開発事業の施行の準備又は施行のために、それぞれ市街地再開発事業に関し専門的知識を有する職員の技術的援助を求めることができる。

第七章 再開発事業の計画の認定

(再開発事業の計画の認定)

第百二十九条の二 建築物及び建築敷地の整備並びに公共施設の整備に関する事業並びにこれに附帯する事業であつて、市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新に資するもの(市街地再開発事業を除く。以下この章において「再開発事業」という。)を実施しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、再開発事業に関する計画(以下この章において「再開発事業計画」という。)を作成し、都道府県知事の認定を申請することができる。

2 前項の認定(以下この章において「再開発事業計画の認定」という。)を申請しようとする者は、あらかじめ、再開発事業計画に関係がある公共施設の管理者の同意を得、かつ、当該再開発事業計画の実施により設置される公共施設を管理することとなる者その他政令で定める者と協議しなければならない。

3 再開発事業計画の認定を申請しようとする者は、その者以外に再開発事業を実施しようとする土地の区域内の宅地又は建築物について権利を有する者があるときは、当該再開発事業計画についてこれらの者の同意を得なければならない。 ただし、その権利をもつて再開発事業計画の認定を申請しようとする者に対抗することができない者については、この限りでない。

4 前項の場合において、宅地又は建築物について権利を有する者のうち、宅地について所有権又は借地権を有する者及び権原に基づいて存する建築物について所有権又は借家権を有する者以外の者を確知することができないときは、確知することができない理由を記載した書面を添えて、再開発事業計画の認定を申請することができる。

5 再開発事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

再開発事業を実施する土地の区域(以下この章において「再開発事業区域」という。)

再開発事業区域内にある建築物の建築面積、延べ面積、構造方法、主たる用途、建築時期及び敷地面積

建築する建築物の建築面積、階数、延べ面積、構造方法、建築設備、用途及び敷地面積

整備する公共施設の種類、配置及び規模

再開発事業の実施期間

再開発事業の資金計画

その他国土交通省令で定める事項

(再開発事業計画の認定基準)

第百二十九条の三 都道府県知事は、再開発事業計画の認定の申請があつた場合において、当該申請に係る再開発事業計画が次に掲げる条件に該当すると認めるときは、再開発事業計画の認定をすることができる。

再開発事業区域が第二条の三第一項第二号又は第二項の地区内にあり、次に掲げる条件に該当すること。

当該再開発事業区域内にある耐火建築物で次に掲げるもの以外のものの建築面積の合計が、当該再開発事業区域内にあるすべての建築物の建築面積の合計のおおむね二分の一以下であること又は当該再開発事業区域内にある耐火建築物で次に掲げるもの以外のものの敷地面積の合計が、当該再開発事業区域内のすべての宅地の面積の合計のおおむね二分の一以下であること。

当該再開発事業区域内に十分な公共施設がないこと、当該再開発事業区域内の土地の利用が細分されていること等により、当該再開発事業区域内の土地の利用状況が著しく不健全であること。

建築物及び建築敷地の整備並びに公共施設の整備に関する計画が、第二条の三第一項第二号又は第二項の地区の整備又は開発の計画の概要に即したものであり、かつ、次に掲げる条件に該当すること。

建築する建築物の地階を除く階数が三以上の耐火建築物であること。

建築する建築物の建築面積が、国土交通省令で定める規模以上であること。

建築する建築物の容積率の基準割合に対する割合が、国土交通省令で定める割合以上であること。

建築する建築物の建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合をいう。以下この号において同じ。)が、建築基準法第五十三条の規定により建ぺい率の限度が定められている場合にあつては当該限度から国土交通省令で定める数値を減じた数値以下、同条の規定により建ぺい率の限度が定められていない場合にあつては国土交通省令で定める数値以下であること。

道路、公園その他の公共施設が、当該再開発事業区域の良好な都市環境を形成するよう必要な位置に適切な規模で配置されていること。

再開発事業計画の内容が再開発事業区域について定められた都市計画に適合していること。

再開発事業計画の内容が当該都市の機能の更新に貢献するものであること。

再開発事業の実施期間が当該再開発事業を確実に遂行するため適切なものであること。

再開発事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分であること。

(再開発事業計画の認定通知)

第百二十九条の四 都道府県知事は、再開発事業計画の認定をしたときは、速やかに、その旨を関係市町村長に通知しなければならない。

(再開発事業計画の変更)

第百二十九条の五 再開発事業計画の認定を受けた者(以下この章において「認定事業者」という。)は、当該再開発事業計画の認定を受けた再開発事業計画(以下この章において「認定再開発事業計画」という。)の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、都道府県知事の認定を受けなければならない。

2 前二条の規定は、前項の場合について準用する。

(報告の徴収)

第百二十九条の六 都道府県知事は、認定事業者に対し、認定再開発事業計画(前条第一項の変更の認定があつたときは、その変更後のもの。次条及び第百二十九条の八において同じ。)に係る再開発事業の実施の状況について報告を求めることができる。

(地位の承継)

第百二十九条の七 認定事業者の一般承継人又は認定事業者から認定再開発事業計画に係る再開発事業区域内の土地の所有権その他当該認定再開発事業計画に係る再開発事業の実施に必要な権原を取得した者は、都道府県知事の承認を受けて、当該認定事業者が有していた再開発事業計画の認定に基づく地位を承継することができる。

(改善命令)

第百二十九条の八 都道府県知事は、認定事業者が認定再開発事業計画に従つて再開発事業を実施していないと認めるときは、当該認定事業者に対し、相当の期間を定めて、その改善に必要な措置を命ずることができる。

(再開発事業計画の認定の取消し)

第百二十九条の九 都道府県知事は、認定事業者が前条の規定による処分に違反したときは、再開発事業計画の認定を取り消すことができる。

2 第百二十九条の四の規定は、都道府県知事が前項の規定による取消しをした場合について準用する。

第八章 雑則

(処分、手続等の効力)

第百三十条 市街地再開発事業の施行に係る土地又はその土地に存する工作物その他の物件について権利を有する者の変更があつたときは、この法律又はこの法律に基づく命令、規準、規約、定款若しくは施行規程の規定により従前のこれらの者がした手続その他の行為は、新たにこれらの者となつた者がしたものとみなし、従前のこれらの者に対してした処分、手続その他の行為は、新たにこれらの者となつた者に対してしたものとみなす。

(土地の分割及び合併)

第百三十一条 施行者は、第一種市街地再開発事業の施行のために必要があるときは、所有者に代わつて土地の分割又は合併の手続をすることができる。

2 施行者は、一筆の土地が施行地区の内外又は二以上の工区にわたる場合において、権利変換手続開始の登記を申請し、又は嘱託をするときは、あらかじめ、その土地の分割の手続をしなければならない。

(不動産登記法の特例)

第百三十二条 施行地区内の土地及びその土地に存する建物の登記については、政令で、不動産登記法の特例を定めることができる。

(建物の区分所有等に関する法律の特例等)

第百三十三条 施行者は、政令で定めるところにより、施設建築物及び施設建築敷地の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項につき、管理規約を定めることができる。 この場合において、施行者(都道府県及び市町村を除く。)は、政令で定めるところにより、その管理規約について、機構等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)にあつては国土交通大臣の、個人施行者、組合、再開発会社又は市のみが設立した地方住宅供給公社にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 前項の管理規約は、建物の区分所有等に関する法律第三十条第一項の規約とみなす。

(関係簿書の備付け)

第百三十四条 施行者は、国土交通省令で定めるところにより、市街地再開発事業に関する簿書をその事務所に備え付けておかなければならない。

2 利害関係者から前項の簿書の閲覧又は謄写の請求があつたときは、施行者は、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。

(書類の送付に代わる公告)

第百三十五条 施行者は、市街地再開発事業の施行に関し書類を送付する場合において、送付を受けるべき者がその書類の受領を拒んだとき、又は過失がなくて、その者の住所、居所その他書類を送付すべき場所を確知することができないときは、政令で定めるところにより、その書類の内容を公告することをもつて書類の送付に代えることができる。

2 前項の公告があつたときは、その公告の日の翌日から起算して十日を経過した日に当該書類が送付を受けるべき者に到達したものとみなす。

(意見書等の提出の期間の計算等)

第百三十六条 この法律又はこの法律に基づく命令の規定により一定期間内に差し出すべき意見書その他の文書が郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便で差し出されたときは、送付に要した日数は、期間に算入しない。

2 前項の文書は、その提出期間が経過した後においても、容認すべき理由があるときは、受理することができる。

(権限の委任)

第百三十六条の二 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。

(大都市等の特例)

第百三十七条 この法律又はこの法律に基づく政令の規定により、都道府県知事が処理し、又は管理し、及び執行することとされている事務(都道府県が施行する市街地再開発事業に係る事務を除く。)で政令で定めるものは、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下この条において「中核市」という。)においては、政令で定めるところにより、指定都市又は中核市(以下この条において「指定都市等」という。)の長が行うものとする。 この場合においては、この法律又はこの法律に基づく政令中都道府県知事に関する規定は、指定都市等の長に関する規定として指定都市等の長に適用があるものとする。

(固定資産税の軽減等)

第百三十八条 高度利用地区内において当該高度利用地区に関する都市計画に適合して建築された耐火建築物で政令で定めるものに対して課する固定資産税については、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条第二項の規定の適用があるものとする。

2 国及び地方公共団体は、第百二十三条に規定する場合のほか、高度利用地区内において土地の合理的かつ健全な高度利用を実現する者に対し、建築物の建築に必要な技術上の助言又は資金のあつせんその他の援助に努めるものとする。

(政令への委任)

第百三十九条 この法律に特に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。

(経過措置)

第百三十九条の二 この法律の規定に基づき政令又は国土交通省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ、政令又は国土交通省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

(事務の区分)

第百三十九条の三 この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務のうち次に掲げるものは、第一号法定受託事務とする。

都道府県が第六十一条第一項、第六十六条第一項から第八項まで、第六十八条第二項において準用する土地収用法第三十六条第五項並びに第九十八条第二項(第九十九条の八第五項(第百十八条の二十八第二項において準用する場合を含む。)及び第百十八条の二十七第二項において準用する場合を含む。)及び第三項の規定により処理することとされている事務(都道府県又は機構等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)が施行する市街地再開発事業に係るものに限る。)

市が第六十一条第一項(土地の試掘等に係る部分に限る。)、第六十六条第一項から第八項まで並びに第九十八条第二項(第百十八条の二十七第二項において準用する場合を含む。)及び第三項の規定により処理することとされている事務(機構等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)が施行する市街地再開発事業に係るものに限る。)

市町村が第五十五条第二項(第五十六条において準用する場合を含む。)、第五十八条第三項及び第四項において準用する第十六条第一項(ただし書を除く。)及び第十九条第四項、第六十一条第一項(土地の試掘等に係る部分を除く。)及び第三項、第六十八条第二項において準用する土地収用法第三十六条第四項、第九十八条第一項並びに第九十九条第一項及び第三項から第五項まで(これらの規定を第九十九条の八第五項(第百十八条の二十八第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第九十九条第二項において準用する第九十八条第三項並びに第百六条第六項において準用する第四十一条第二項の規定により処理することとされている事務(都道府県又は機構等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)が施行する市街地再開発事業に係るものに限る。)

2 この法律の規定により市町村が処理することとされている事務のうち次に掲げるものは、地方自治法第二条第九項第二号に規定する第二号法定受託事務とする。

第七条の九第二項(第七条の十六第二項、第七条の二十第二項、第十一条第四項、第三十八条第二項、第四十五条第五項、第五十条の二第二項、第五十条の九第二項、第五十条の十二第二項及び第五十条の十五第二項において準用する場合を含む。)、第七条の十五第三項(第七条の十六第二項において準用する場合を含む。)、第七条の十七第五項及び第七項、第十五条第二項(第三十八条第二項において準用する場合を含む。)及び第五十条の五第二項(第五十条の九第二項において準用する場合を含む。)において準用する第七条の三第二項及び第三項、第十六条第一項(第三十八条第二項、第五十条の六及び第五十条の九第二項において準用する場合を含む。)、第十九条第四項(第三十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二十八条第一項、第四十一条第二項(第五十条の十一第二項(第百六条第七項(第百十八条の二十四第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)及び第百六条第六項において準用する場合を含む。)、第五十条の八第三項(第五十条の九第二項において準用する場合を含む。)、第百十四条(第百十八条の三十第二項において準用する場合を含む。)、第百十五条(第百十八条の三十第二項において準用する場合を含む。)、第百十七条第一項及び第三項(これらの規定を第百十八条の三十第二項において準用する場合を含む。)並びに第百二十四条第一項に規定する事務

第五十五条第二項(第五十六条において準用する場合を含む。)、第五十八条第三項及び第四項において準用する第十六条第一項(ただし書を除く。)及び第十九条第四項並びに第百十八条の二十八第二項において準用する第九十九条の八第五項において準用する第九十八条第一項並びに第九十九条第一項及び第三項から第五項までに規定する事務(市町村又は市のみが設立した地方住宅供給公社が施行する市街地再開発事業に係るものに限る。)

第六十一条第一項(土地の試掘等に係る部分を除く。)及び第三項、第六十八条第二項において準用する土地収用法第三十六条第四項、第九十八条第一項並びに第九十九条第一項及び第三項から第五項まで(これらの規定を第九十九条の八第五項において準用する場合を含む。)並びに第九十九条第二項において準用する第九十八条第三項に規定する事務(個人施行者、組合、再開発会社、市町村又は市のみが設立した地方住宅供給公社が施行する市街地再開発事業に係るものに限る。)

第九章 罰則

第百四十条 個人施行者(法人である個人施行者にあつては、その役員又は職員)、組合の役員、総代若しくは職員、再開発会社の役員若しくは職員又は審査委員(以下「個人施行者等」と総称する。)が職務に関して賄を収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。 よつて不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、七年以下の懲役に処する。

2 個人施行者等であつた者がその在職中に請託を受けて職務上不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたことにつき賄を収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。

3 個人施行者等がその職務に関し請託を受けて第三者に賄を供与させ、又はその供与を約束したときは、三年以下の懲役に処する。

4 犯人又は情を知つた第三者の収受した賄は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第百四十一条 前条第一項から第三項までに規定する賄を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。

第百四十一条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第七条の五第一項の規定による建築許可権者の命令に違反した者

第六十六条第四項の規定による都道府県知事等の命令に違反して、土地の原状回復をせず、又は建築物その他の工作物若しくは物件を移転せず、若しくは除却しなかつた者

第百四十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

第六十条第一項又は第二項に規定する場合において、立入許可権者の許可を受けないで、土地又は工作物に立ち入り、又は立ち入らせた者

第六十条第一項又は第二項の規定による土地又は工作物への立入りを拒み、又は妨げた者

第六十一条第一項に規定する場合において、市町村長の許可を受けないで障害物を伐除した者又は試掘等許可権者の許可を受けないで土地に試掘等を行つた者

第百四十二条の二 第九十九条の五第二項(第百十八条の二十八第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

第百四十三条 第六十四条第二項(第百十八条の二十九において準用する場合を含む。)の規定に違反して、第六十四条第一項(第百十八条の二十九において準用する場合を含む。)の規定による標識を移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくは損壊した者は、二十万円以下の罰金に処する。

第百四十三条の二 個人施行者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした個人施行者(法人である個人施行者を除く。)又は法人である個人施行者の役員若しくは職員を二十万円以下の罰金に処する。

第百二十四条第一項の規定による報告又は資料の提出を求められて、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。

第百二十四条第三項又は第百二十四条の二第一項の規定による都道府県知事の命令に違反したとき。

第百二十四条の二第一項の規定による都道府県知事の検査を拒み、又は妨げたとき。

第百四十四条 組合が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした役員又は職員を二十万円以下の罰金に処する。

第百二十四条第一項の規定による報告又は資料の提出を求められて、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。

第百二十四条第三項又は第百二十五条第三項の規定による都道府県知事の命令に違反したとき。

第百二十五条第一項又は第二項の規定による都道府県知事の検査を拒み、又は妨げたとき。

第百四十四条の二 再開発会社が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした役員又は職員を二十万円以下の罰金に処する。

第百二十四条第一項の規定による報告又は資料の提出を求められて、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。

第百二十四条第三項又は第百二十五条の二第三項の規定による都道府県知事の命令に違反したとき。

第百二十五条の二第一項又は第二項の規定による都道府県知事の検査を拒み、又は妨げたとき。

第百四十四条の三 第百二十九条の六の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の罰金に処する。

第百四十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して第百四十一条の二から第百四十二条の二まで又は第百四十三条の二から前条までに規定する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

第百四十五条の二 個人施行者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした個人施行者(法人である個人施行者を除く。)又は法人である個人施行者の役員若しくは清算人を二十万円以下の過料に処する。

第七条の十六第三項の規定に違反したとき。

第百三十四条第一項の規定に違反して簿書を備えず、又はその簿書に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。

第百三十四条第二項の規定に違反して正当な理由がないのに簿書の閲覧又は謄写を拒んだとき。

この法律の規定による公告をせず、又は不実の公告をしたとき。

第百四十六条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした組合の理事、監事又は清算人は、二十万円以下の過料に処する。

組合が第一種市街地再開発事業以外の事業を営んだとき。

第二十七条第九項の規定に違反して正当な理由がないのに帳簿及び書類の閲覧又は謄写を拒んだとき。

第二十七条第十項の規定に違反して監事が理事又は組合の職員と兼ねたとき。

第三十一条第一項(第三十五条第四項において準用する場合を含む。)又は第三項若しくは第六項(第三十四条第三項及び第三十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して総会、総会の部会又は総代会を招集しなかつたとき。

第三十一条第九項の規定に違反して書類を備えず、又はその書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。

第三十一条第十項の規定に違反して正当な理由がないのに書類の閲覧又は謄写を拒んだとき。

第三十八条第二項において準用する第七条の十六第三項又は第四十五条第三項の規定に違反したとき。

第四十七条又は第四十九条に掲げる書類に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載をしたとき。

第四十八条の規定に違反して組合の残余財産を処分したとき。

第百三十四条第一項の規定に違反して簿書を備えず、又はその簿書に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。

十一 第百三十四条第二項の規定に違反して正当な理由がないのに簿書の閲覧又は謄写を拒んだとき。

十二 都道府県知事若しくは市町村長又は総会、総会の部会若しくは総代会に対し、不実の申立てをし、又は事実を隠したとき。

十三 組合がこの法律の規定による公告をすべき場合において、公告をせず、又は不実の公告をしたとき。

第百四十七条 第三十一条第七項の規定に違反して最初の理事又は監事を選挙し、又は選任するための総会を招集しなかつた者は、二十万円以下の過料に処する。

第百四十八条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした再開発会社の役員又は清算人は、二十万円以下の過料に処する。

第五十条の九第二項において準用する第七条の十六第三項の規定に違反したとき。

第百三十四条第一項の規定に違反して簿書を備えず、又はその簿書に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。

第百三十四条第二項の規定に違反して正当な理由がないのに簿書の閲覧又は謄写を拒んだとき。

市町村長に対し、不実の申立てをし、又は事実を隠したとき。

この法律の規定による公告をせず、又は不実の公告をしたとき。

第百四十九条 第十条第二項の規定に違反してその名称中に市街地再開発組合という文字を用いた者は、十万円以下の過料に処する。

附則

(施行期日)
第一条 この法律は、都市計画法の施行の日から施行する。

(公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律等の廃止)
第三条 次の各号に掲げる法律は、廃止する。

(市街地改造事業等に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際、現に市街地改造事業に関する都市計画において施行区域として定められている土地の区域について施行される市街地改造事業については、旧公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。 この法律の施行の際、現に存する防災建築街区造成組合、現に施行されている旧防災建築街区造成法第五十四条に規定する防災建築街区造成事業及び現に同法第五十六条の規定による補助金の交付の決定があつた防災建築物に関しては、同法は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。

(国の無利子貸付け等)
第五条 国は、当分の間、第百二十二条第一項に規定する施行者に対し、市街地再開発事業で日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法(昭和六十二年法律第八十六号。以下「社会資本整備特別措置法」という。)第二条第一項第二号に該当するものに要する費用に充てる資金の一部を、予算の範囲内において、無利子で貸し付けることができる。 国は、当分の間、地方公共団体に対し、市街地再開発事業で社会資本整備特別措置法第二条第一項第二号に該当するものにつき、第百二十二条第一項に規定する施行者が施行する場合にあつては当該施行者に対し当該地方公共団体が同項の規定により補助する費用に充てる資金の一部を、当該地方公共団体が自ら施行する場合にあつてはその要する費用に充てる資金の一部を、機構等が施行する場合にあつては当該機構等に対し当該地方公共団体が第百二十条第一項の規定により負担する費用に充てる資金の一部を、予算の範囲内において、無利子で貸し付けることができる。 国は、当分の間、地方公共団体又は独立行政法人都市再生機構に対し、市街地再開発事業の施行区域内に居住する者で第七十九条第三項の規定により権利変換計画において施設建築物の一部等又は借家権が与えられないように定められたものその他当該事業の施行により特に新たな住宅を必要とすることとなるものに賃貸するための住宅の建設の事業で、社会資本整備特別措置法第二条第一項第二号に該当するものに要する費用に充てる資金の一部を、予算の範囲内において、無利子で貸し付けることができる。 前三項の国の貸付金の償還期間は、五年(二年以内の据置期間を含む。)以内で政令で定める期間とする。 前項に定めるもののほか、第一項から第三項までの規定による貸付金の償還方法、償還期限の繰上げその他償還に関し必要な事項は、政令で定める。 国は、第一項から第三項までの規定により、第百二十二条第一項に規定する施行者、地方公共団体又は独立行政法人都市再生機構に対し貸付けを行つた場合には、当該貸付けの対象である事業について、当該貸付金に相当する金額の補助を行うものとし、当該補助については、当該貸付金の償還時において、当該貸付金の償還金に相当する金額を交付することにより行うものとする。 第百二十二条第一項に規定する施行者、地方公共団体又は独立行政法人都市再生機構が、第一項から第三項までの規定による貸付けを受けた無利子貸付金について、第四項及び第五項の規定に基づき定められる償還期限を繰り上げて償還を行つた場合(政令で定める場合を除く。)における前項の規定の適用については、当該償還は、当該償還期限の到来時に行われたものとみなす。

(罰則に関する経過措置)
第二十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則(昭和四五年四月一日法律第一三号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

附則(昭和四五年六月一日法律第一〇九号)

この法律は、公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(昭和四九年六月一日法律第六九号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(昭和四九年六月一日法律第七一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、第二百八十一条、第二百八十一条の三、第二百八十二条第二項、第二百八十二条の二第二項及び第二百八十三条第二項の改正規定、附則第十七条から第十九条までに係る改正規定並びに附則第二条、附則第七条から第十一条まで及び附則第十三条から第二十四条までの規定(以下「特別区に関する改正規定」という。)は、昭和五十年四月一日から施行する。

附則(昭和五〇年七月一六日法律第六六号)

この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 この法律の施行の際現に施行中の市街地再開発事業は、この法律による改正後の都市再開発法の規定による第一種市街地再開発事業とみなす。 この法律による改正前の都市再開発法の規定により市街地再開発事業に関してした手続、処分その他の行為は、この法律による改正後の都市再開発法の規定により第一種市街地再開発事業に関してした手続、処分その他の行為とみなす。 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則(昭和五四年三月三〇日法律第五号)

この法律は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。 この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。 前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。

附則(昭和五五年五月一日法律第三四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(昭和五五年五月一日法律第三五号)

この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(昭和五五年五月二七日法律第六二号)

この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則(昭和五六年五月二二日法律第四八号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、附則第二十一条から第五十五条までの規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(昭和五八年五月二一日法律第五一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、昭和五十九年一月一日から施行する。

附則(昭和六二年九月四日法律第八七号)

この法律は、公布の日から施行し、第六条及び第八条から第十二条までの規定による改正後の国有林野事業特別会計法、道路整備特別会計法、治水特別会計法、港湾整備特別会計法、都市開発資金融通特別会計法及び空港整備特別会計法の規定は、昭和六十二年度の予算から適用する。

附則(昭和六三年五月二〇日法律第四九号)

この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成元年六月二八日法律第五六号)

この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成元年一二月二二日法律第九一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成二年六月二九日法律第六一号)

この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成四年六月五日法律第七六号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成五年一一月一二日法律第八九号)

(施行期日)
第一条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。

(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第十四条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。

(政令への委任)
第十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成六年六月二九日法律第四九号)

この法律中、第一章の規定及び次項の規定は地方自治法の一部を改正する法律(平成六年法律第四十八号)中地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二編第十二章の改正規定の施行の日から、第二章の規定は地方自治法の一部を改正する法律中地方自治法第三編第三章の改正規定の施行の日から施行する。

附則(平成七年二月二六日法律第一三号)

この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成七年二月二六日法律第一四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

附則(平成八年五月二四日法律第四八号)

この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成九年五月九日法律第五〇号)

この法律は、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)の施行の日から施行する。

附則(平成九年六月一三日法律第七九号)

この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一〇年五月二九日法律第八〇号)

この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一〇年六月三日法律第九二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一一年三月三一日法律第二五号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十一年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(経過措置)
第二条 都市再開発法第八十条第一項に規定する三十日の期間を経過した日が前条第一号に掲げる改正規定の施行の日前である場合における第四条の規定による改正後の都市再開発法(以下この条において「新都市再開発法」という。)第九十一条の規定の適用並びに都市再開発法第百十八条の五第一項の規定による譲受け希望の申出を撤回した者の宅地、借地権又は建築物が当該改正規定の施行前に施行者に取得され、又は消滅している場合における新都市再開発法第百十八条の十三、第百十八条の十五及び第百十八条の十九の規定の適用については、なお従前の例による。

附則(平成一一年六月一六日法律第七六号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、附則第十七条から第七十二条までの規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一一年七月一六日法律第八七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(都市再開発法の一部改正に伴う経過措置)
第百四十一条 施行日前に第四百三十八条の規定による改正前の都市再開発法(以下この条において「旧都市再開発法」という。)第百二十六条の規定により建設大臣が都道府県に対してした命令若しくは都道府県知事が市町村に対してした命令又は同条の規定により建設大臣が市町村に対してした命令は、それぞれ第四百三十八条の規定による改正後の都市再開発法(以下この条において「新都市再開発法」という。)第百二十六条第一項の規定により建設大臣若しくは都道府県知事がした要求又は同条第二項の規定により建設大臣がした要求とみなす。 施行日前に旧都市再開発法第百三十三条第一項の規定により都道府県若しくは市町村に対してされた認可又はこの法律の施行の際現に同項の規定により都道府県若しくは市町村からされている認可の申請は、それぞれ新都市再開発法第百三十三条第一項の規定によりされた同意又は協議の申出とみなす。

(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(平成一二年五月一九日法律第七三号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(都市再開発法の一部改正に伴う経過措置)
第十八条 この法律の施行の際旧都市再開発法の規定により旧都市計画法第七条第四項の市街化区域の整備、開発又は保全の方針において定められている都市再開発の方針(附則第二条第二項の規定に基づきなお従前の例により施行日以後に旧都市計画法第七条第四項の市街化区域の整備、開発又は保全の方針において定められたものを含む。)は、前条の規定による改正後の都市再開発法の規定により定められた都市再開発の方針とみなす。

附則(平成一四年二月八日法律第一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

附則(平成一四年三月三一日法律第一一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則(平成一四年四月五日法律第二二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一四年七月一二日法律第八五号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(地区計画等に関する都市計画に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現に第二条の規定による改正前の都市計画法(以下「旧都市計画法」という。)の規定により定められている住宅地高度利用地区計画又は第三条の規定による改正前の都市再開発法(以下「旧都市再開発法」という。)の規定により定められている再開発地区計画に関する都市計画は、第二条の規定による改正後の都市計画法(以下「新都市計画法」という。)の規定により定められた地区計画でその区域の全部について再開発等促進区が定められているものに関する都市計画とみなす。 旧都市計画法の規定により住宅地高度利用地区計画に関する都市計画に関してした手続、処分その他の行為又は旧都市再開発法の規定により再開発地区計画に関する都市計画に関してした手続、処分その他の行為は、新都市計画法の規定により地区計画に関する都市計画に関してした手続、処分その他の行為とみなす。

(市街地再開発事業に関する経過措置)
第四条 この法律の施行前に都市再開発法第六十条第二項各号に掲げる公告があった第一種市街地再開発事業の権利変換手続については、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則(平成一四年七月三一日法律第一〇〇号)

(施行期日)
第一条 この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)の施行の日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成一五年六月二〇日法律第一〇〇号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十六年七月一日から施行する。

附則(平成一五年六月二〇日法律第一〇一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成一六年六月九日法律第八四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一六年六月九日法律第一〇二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十八年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。

附則(平成一六年六月一八日法律第一一一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、景観法(平成十六年法律第百十号)の施行の日から施行する。 ただし、第一条中都市計画法第八条、第九条、第十二条の五及び第十三条の改正規定、第三条、第五条、第七条から第十条まで、第十二条、第十六条中都市緑地法第三十五条の改正規定、第十七条、第十八条、次条並びに附則第四条、第五条及び第七条の規定は、景観法附則ただし書に規定する日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成一六年六月一八日法律第一一二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一六年六月一八日法律第一二四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、新不動産登記法の施行の日から施行する。

附則(平成一六年一二月一日法律第一四七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一六年一二月一日法律第一五〇号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十七年四月一日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則(平成一七年四月二七日法律第三四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(都市再開発法の一部改正に伴う経過措置)
第三条 この法律の施行前にされた第三条の規定による改正前の都市再開発法(以下「旧都市再開発法」という。)第十一条第二項若しくは第三項又は第三十八条第一項に規定する認可の申請であって、この法律の施行の際、認可又は不認可の処分がなされていないものについての処分については、なお従前の例による。 この法律の施行前に旧都市再開発法第十一条第二項の規定により設立された市街地再開発組合の事業計画の決定手続については、なお従前の例による。 第三条の規定による改正後の都市再開発法(以下「新都市再開発法」という。)第二十七条第七項の規定は、この法律の施行の日以後に通常総会の承認を得た事業報告書、収支決算書及び財産目録について適用する。 新都市再開発法第三十一条第七項の規定は、この法律の施行の日以後に会議の日時、場所及び目的である事項を組合員に通知して招集する通常総会について適用する。

(罰則に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成一七年七月二六日法律第八七号)

この法律は、会社法の施行の日から施行する。

附則(平成一八年六月二日法律第五〇号)

この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。

附則(平成一八年六月八日法律第六一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

(政令への委任)
第十七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

附則(平成二三年五月二五日法律第五三号)

この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。

附則(平成二三年六月二二日法律第七〇号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十四年四月一日から施行する。 ただし、次条の規定は公布の日から、附則第十七条の規定は地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成二十三年法律第百五号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日から施行する。

附則(平成二三年六月二四日法律第七四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

附則(平成二三年八月三〇日法律第一〇五号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(都市再開発法の一部改正に伴う経過措置)
第五十九条 第百二十一条の規定(都市再開発法第七条の四から第七条の七まで、第六十条から第六十二条まで、第六十六条、第九十八条、第九十九条の八、第百三十九条の三、第百四十一条の二及び第百四十二条の改正規定に限る。以下この条において同じ。)の施行の際現に効力を有する第百二十一条の規定による改正前の都市再開発法(以下この条及び附則第六十七条において「旧都市再開発法」という。)第七条の四第一項、第七条の五第一項若しくは第二項、第七条の六第二項、第六十条第一項若しくは第二項、第六十一条第一項若しくは第六十六条第一項から第五項まで、第七項若しくは第八項の規定により都道府県知事が行った許可その他の行為又は現に旧都市再開発法第七条の四第一項、第七条の六第一項若しくは第五項、第六十条第一項若しくは第二項、第六十一条第一項、第六十六条第一項若しくは第七項若しくは第九十八条第二項の規定により都道府県知事に対して行っている許可の申請その他の行為で、第百二十一条の規定による改正後の都市再開発法(以下この条及び附則第六十七条において「新都市再開発法」という。)第七条の四第一項、第七条の五第一項若しくは第二項、第七条の六第一項、第二項若しくは第五項、第六十条第一項若しくは第二項、第六十一条第一項、第六十六条第一項から第五項まで、第七項若しくは第八項又は第九十八条第二項の規定により市長が行うこととなる事務に係るものは、それぞれこれらの規定により当該市長が行った許可その他の行為又は当該市長に対して行った許可の申請その他の行為とみなす。 第百二十一条の規定の施行の際現に効力を有する旧都市再開発法第六十二条第一項又は第二項の都道府県知事の許可証で新都市再開発法第六十条第一項若しくは第二項又は第六十一条第一項の規定により市長が行うこととなる許可に係るものは、それぞれ当該市長に係る新都市再開発法第六十二条第一項又は第二項の許可証とみなす。 第百二十一条の規定の施行前に都道府県知事がした旧都市再開発法第七条の四第一項の許可の申請についての不許可の処分に係る土地の買取りの手続については、第一項及び新都市再開発法第七条の六第一項から第三項までの規定にかかわらず、なお従前の例による。 第百二十一条の規定の施行前に旧都市再開発法第九十八条第二項の規定により都道府県知事が自らし、又は第三者をしてさせた代執行については、新都市再開発法第九十八条第三項又は第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第八十一条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第八十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附則(平成二三年一二月一四日法律第一二二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(平成二五年六月一四日法律第四四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第十一条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附則(平成二六年五月三〇日法律第四二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(都市再開発法及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第四十八条 施行時特例市に対する前条の規定による改正後の同条各号に掲げる法律の規定の適用については、これらの規定中「及び同法」とあるのは「、同法」と、「「中核市」とあるのは「「中核市」という。)及び地方自治法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第四十二号)附則第二条に規定する施行時特例市(以下この条において「施行時特例市」と、「又は中核市」とあるのは「、中核市又は施行時特例市」とする。

附則(平成二六年六月一三日法律第六九号)

(施行期日)
第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。

(経過措置の原則)
第五条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。

(訴訟に関する経過措置)
第六条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第九条 この法律の施行前にした行為並びに附則第五条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第十条 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附則(平成二八年六月七日法律第七二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(都市再開発法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 この法律の施行前にされた第二条の規定による改正前の都市再開発法第七条の九第一項の規定による認可の申請であって、この法律の施行の際、認可又は不認可の処分がなされていないものについての処分については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)
第四条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、第一条から第三条までの規定による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附則(平成二九年六月二日法律第四五号)

この法律は、民法改正法の施行の日から施行する。 ただし、第百三条の二、第百三条の三、第二百六十七条の二、第二百六十七条の三及び第三百六十二条の規定は、公布の日から施行する。

附則(平成三〇年七月一三日法律第七二号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(政令への委任)
第三十一条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附則(令和三年五月一九日法律第三七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、令和三年九月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第七十一条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第七十二条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)
第七十三条 政府は、行政機関等に係る申請、届出、処分の通知その他の手続において、個人の氏名を平仮名又は片仮名で表記したものを利用して当該個人を識別できるようにするため、個人の氏名を平仮名又は片仮名で表記したものを戸籍の記載事項とすることを含め、この法律の公布後一年以内を目途としてその具体的な方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附則(令和四年六月一七日法律第六八号)

この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

第五百九条の規定 公布の日