第一条 この法律は、辺地を包括する市町村について、当分の間、当該辺地に係る公共的施設の総合的、かつ、計画的な整備を促進するために必要な財政上の特別措置等を定め、辺地とその他の地域との間における住民の生活文化水準の著しい格差の是正を図ることを目的とする。
(定義)第二条 この法律において「辺地」とは、交通条件及び自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれず、他の地域に比較して住民の生活文化水準が著しく低い山間地、離島その他のへんぴな地域で、住民の数その他について政令で定める要件に該当しているものをいう。
2 この法律において「公共的施設」とは、次に掲げる施設で、辺地とその他の地域との間における住民の生活文化水準の著しい格差の是正を図るため最低限度必要なものをいう。一 電灯用電気供給施設
二 道路及び渡船施設
三 小学校、中学校若しくは義務教育学校又は中等教育学校の前期課程の児童又は生徒の通学を容易にするための自動車、渡船施設又は寄宿舎
四 診療施設
五 飲用水供給施設
六 前各号に掲げるもののほか、政令で定める施設
(総合整備計画の策定等)第三条 この法律によつて公共的施設の整備をしようとする市町村は、当該市町村の議会の議決を経て当該辺地に係る公共的施設の総合的な整備に関する財政上の計画(以下「総合整備計画」という。)を定めることができる。
2 総合整備計画においては、次に掲げる事項について定めるものとする。一 整備しようとする公共的施設
二 整備の方法
三 整備に要する経費とその財源内訳
3 総合整備計画においては、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項について定めるよう努めるものとする。一 整備を必要とする辺地の事情
二 その他総務省令で定める事項
4 市町村は、総合整備計画を定めようとするときは、あらかじめ、第二項各号に掲げる事項に係る部分について都道府県知事と協議しなければならない。 5 市町村は、総合整備計画を定めたときは、総務大臣にこれを提出しなければならない。 6 都道府県知事は、前項の規定により市町村が総務大臣に提出する総合整備計画に関し、当該都道府県が当該市町村に協力して講じようとする措置の計画(以下「都道府県計画」という。)を定めるように努めなければならない。 7 総務大臣は、第五項の規定により総合整備計画の提出があつた場合においては、直ちに、その旨を当該総合整備計画について関係がある各省各庁の長(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項の各省各庁の長をいう。)(以下「関係各省各庁の長」という。)に通知しなければならない。 8 前各項の規定は、第五項の規定により総合整備計画を提出した市町村が当該総合整備計画を変更しようとする場合について準用する。 (関係各省各庁の長等の協力)第四条 総務大臣は、総合整備計画に基づく公共的施設の整備に関し必要がある場合においては、関係各省各庁の長に対し、当該市町村に対する技術的助言その他の協力を求めることができる。
2 総務大臣は、総合整備計画のうちに、第二条第二項各号に掲げる施設に関する事業で当該市町村以外の者が経営するものに係る計画が含まれている場合においては、関係各省各庁の長を通じて、これらの者に対し、これらの施設の設置及び経営について当該市町村に対する協力を求めることができる。 (地方債)第五条 第三条第五項の規定により市町村が総務大臣に提出した総合整備計画に基づいて実施する公共的施設の整備につき当該市町村が必要とする経費については、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条各号に規定する経費に該当しないものについても、地方債をもつてその財源とすることができる。
(元利償還金の基準財政需要額への算入)第六条 総合整備計画に基づいて実施する公共的施設の整備につき当該市町村が必要とする経費の財源に充てるため起こした地方債(当該地方債を財源として設置した施設に関する事業の経営に伴う収入を当該地方債の元利償還に充てることができるものを除く。)で、総務大臣が指定したものに係る元利償還に要する経費は、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)の定めるところにより、当該市町村に交付すべき地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入するものとする。
(助言及び調査)第七条 総務大臣又は都道府県知事は、公共的施設の総合的、かつ、計画的な整備を促進するために必要があると認める場合においては、辺地を包括する市町村に対し助言し、又はそれらの市町村について調査を行うことができる。
(政令への委任)第八条 この法律の実施のための手続その他その施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附則
この法律は、公布の日から施行し、次項の規定による改正後の地方交付税法の規定は、昭和三十八年度分の地方交付税から適用する。附則(平成一〇年六月一二日法律第一〇一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十一年四月一日から施行する。
附則(平成一一年七月一六日法律第八七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)
(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成二三年五月二日法律第三七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(政令への委任)
第二十四条 附則第二条から前条まで及び附則第三十六条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二五年六月一四日法律第四四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(政令への委任)
第十一条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(平成二七年六月二四日法律第四六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。