第一条 産業投資特別会計の貸付の財源に充てるための外貨債の発行に関する法律(昭和三十三年法律第百七十八号)第一条又は第二条の規定により発行するアメリカ合衆国通貨をもつて表示する公債(以下「米貨公債」という。)は、長期公債及び中期公債とする。
(証券の形式)第二条 長期公債に対しては、利札付証券(元金について登録がなされた利札付証券を含む。以下同じ。)又は完全登録証券を発行する。
2 中期公債に対しては、利札付証券を発行する。 3 完全登録証券には、利札を附さない。 (登録)第三条 利札付証券の元金についての登録若しくはその除却又は完全登録証券の登録若しくはその除却は、債権者の請求により行う。
2 前項に規定する登録は、債権者の氏名及び住所並びに証券の名称、番号及び額面金額について行うものとする。 (登録等の停止等)第四条 前条第一項の規定による完全登録証券の登録又はその除却は、当該証券の利子支払期日前十日間は行わない。
2 長期公債に係る前条第一項の規定による登録又はその除却は、長期公債の償還のための抽せんを行う日前十日間は行わない。 3 償還の公告がなされた長期公債については、前条第一項の規定による登録又はその除却は行わない。 (変換)第五条 長期公債に係る利札付証券は、債権者の請求により完全登録証券に変換することができる。
2 完全登録証券は、債権者の請求により長期公債に係る利札付証券に変換することができる。 (移転)第六条 元金について登録がなされた利札付証券及び完全登録証券は、移転することができる。
(権利主張の要件)第七条 利札付証券(元金について登録がなされた利札付証券を除く。)に係る元金の受領その他の権利は、財務代理人(米貨公債の事務の取扱に関する省令(昭和三十四年大蔵省令第七号)第二項に規定する財務代理人をいう。以下同じ。)にその証券を呈示しなければ、国に対し、これを主張することができない。
2 元金について登録がなされた利札付証券に係る元金の受領その他の権利又は完全登録証券に係る元金若しくは利子の受領その他の権利は、第三条第一項の規定による登録がなされており、かつ、証券の券面に債権者の氏名又は氏名及び住所が記載されていなければ、国に対し、これを主張することができない。 3 利札付証券に係る償還期日までの利子の受領その他の権利は、財務代理人にその利札を呈示しなければ、国に対し、これを主張することができない。 (分割又は併合)第八条 利札付証券又は完全登録証券の債権者は、額面金額の種類に従い、名称、利率及び償還期限の同一の証券の間に限り、その分割又は併合の請求をすることができる。
(米貨公債登録簿)第九条 第三条第一項の規定による登録又はその除却は、財務代理人の事務所に備える米貨公債登録簿によりこれを行うものとする。
(完全登録証券の一部の償還)第十条 債権者の有する完全登録証券の一部の償還がなされる場合には、債権者は、その選択により、当該完全登録証券と引き換えに、その償還がなされた後における未償還額に相当する金額を額面金額とする完全登録証券若しくは長期公債に係る利札付証券の交付を請求し、又は当該完全登録証券にその旨の記入を請求することができる。
(汚染又はき損による引換)第十一条 利札付証券又は完全登録証券が汚染又はき損したときは、債権者は、その引換を請求することができる。
(証券の滅紛失の処理)第十二条 利札付証券又は完全登録証券を滅失又は紛失したときは、当該証券の債権者は、財務代理人の適正と認める者により当該証券の番号が確認され、かつ、当該証券の滅失又は紛失の証拠が財務代理人に提出される場合に限り、代証券の交付を請求することができる。
2 前項の規定により利札付証券又は完全登録証券の滅失又は紛失による代証券の交付がなされた場合においても、当該滅失又は紛失に係る利札付証券又は完全登録証券は、なお、有効とすることができる。 (証券再交付手数料)第十三条 次の各号の一に該当する請求をした者は、その請求により新たに交付される証券につき、財務大臣が定める金額の手数料を納付しなければならない。
一 第五条第一項又は第二項の規定による証券の変換の請求(長期公債の発行の際に交付された完全登録証券の全部又は一部を一回に限り利札付証券に変換する請求を除く。)
二 第六条に規定する完全登録証券の移転に係る請求
三 第八条の規定による証券の分割又は併合の請求
四 第十一条の規定による証券の引換の請求
五 前条第一項の規定による代証券の交付の請求
(証券取引所への上場等)第十四条 財務大臣は、長期公債のアメリカ合衆国における証券取引所への上場につき必要な手続をとることができる。
2 財務大臣は、長期公債及び中期公債のアメリカ合衆国における流通に関し必要とする資格取得のための手続をとるものとする。 (発行の条件等)第十五条 この省令に定めるもののほか、長期公債及び中期公債の発行額、発行の方法、額面金額の種類、利率、発行価格、利子支払期日、償還期限、償還(減債基金による償還を含む。)の方法その他米貨公債に関し必要な事項については、別に財務大臣が定める。