第三条 法の施行後一年を経過した際、現に法第三十八条第二項に規定する指定市(以下「指定市」という。)の市警察の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、それぞれ当該指定市を包括する指定府県の府県警察の職員となるものとする。
2 前項の規定により指定市の市警察の職員である者が引き続き当該指定市を包括する指定府県の府県警察の職員となつた場合において、その者が指定市の市警察の職員の職に正式任用されていた者であるときは引き続き当該指定市を包括する指定府県の府県警察の職員の職に正式任用されたものとし、指定市の市警察における条件附採用期間中の職員であつた者であるときは引き続き当該指定市を包括する指定府県の府県警察の職員の職に条件附で採用されたものとする。 (警察用財産の処理に関する経過規定)第四条 法の施行後一年を経過した際現に警察の用にもつぱら供され、又は供される予定となつている財産のうち、指定市所有の財産で指定府県の府県警察が引き続き警察の用に供する必要のあるもので、法第三十七条第一項及び第二項に規定する経費の負担区分に従い指定府県が経費を支弁するものに該当するものは、土地を除き、指定市と指定府県との間においてあらかじめ協議するところに基き、指定市から当該指定府県に譲渡するものとする。
2 法の施行後一年を経過した際現に警察の用にもつぱら供されている指定市所有の土地及び法の施行後一年を経過した際現に指定市の市警察が他の機関と共用している指定市所有の財産で、指定府県の府県警察が引き続き警察の用に供する必要のあるものは、前項の例により当該指定府県の府県警察が使用することができるものとする。 3 法附則第十三項及び第十四項並びに警察法施行令(昭和二十九年政令第百五十一号)附則第三項から第五項までの規定は、前二項の規定による譲渡又は使用について準用する。 (給与に関する経過規定)第五条 法の施行後一年を経過した際指定市の市警察の職員が都道府県警察の地方警察職員(法第五十六条第二項に規定する地方警察職員をいう。以下同じ。)となつた場合におけるその者が受けるべき俸給その他の給与は、当該都道府県の条例の定めるところによるものとし、その俸給月額が次項第一号に掲げる日現在におけるその者の俸給月額に達しないこととなる場合においては、その調整のため、都道府県は、同項に定める基準に従い条例で定めるところにより、手当を支給するものとする。
2 前項の規定による手当(以下本項中「調整手当」という。)の支給に関する条例の基準は、次のとおりとする。一 調整手当の額は、法の施行後一年を経過した際受けることとなつた俸給月額が昭和三十年四月一日(同年四月二日以後において指定市の市警察の職員となつた者については、その職員となつた日)におけるその者の俸給月額に達しない場合におけるその差額に相当する額とすること。
二 調整手当が支給されることとなつた地方警察職員について、法の施行後一年を経過した日後降格、降給、減給、俸給表間の異動、給与の改訂等の理由に基き、その者の俸給月額が減少した場合には、その者に対する調整手当の支給に関しては、これらの理由に基く俸給月額の減少がなかつたものとすること。
三 調整手当が支給されることとなつた地方警察職員について、法の施行後一年を経過した日後昇格、昇給、俸給表間の異動、給与の改訂等の理由に基き、その者の俸給月額が増加した場合には、その増加した日の前日においてその者の受けていた調整手当の額からその者の俸給月額の増加した額に相当する額を控除して得た差額を調整手当として支給すること。
(休職又は懲戒処分に関する経過規定)第六条 法の施行後一年を経過した際指定市の市警察の職員から引き続き警察職員となつた者で現に従前の規定により休職を命ぜられているものの休職又は法の施行後一年を経過した際指定市の市警察の職員から引き続き警察職員となつた者に対する法の施行後一年を経過した日の前日までの事案に係る懲戒処分に関しては、なお従前の例による。
(不利益処分に関する経過規定)第七条 法の施行の日から法の施行後一年を経過した日の前日までの間に指定市の市警察の職員に対して行われた不利益処分に関する説明書の交付、審査の請求、審査及び審査の結果執るべき措置に関しては、なお従前の例による。
(公務災害補償に関する経過規定)第八条 指定市の市警察の職員に係る公務による災害に対する補償で、災害の原因である事故が発生した日又は診断によつて疾病の発生が確定した日が昭和三十年六月三十日以前に係るものについて同年七月一日以後において実施すべきもの及びこれに対する審査は、その者が法の施行の日から一年を経過した日後引き続き警察職員として在職する場合においては、同年七月一日以後当該警察職員に係る俸給その他の給与を負担すべき者が行うものとする。
2 法の施行の日から法の施行後一年を経過した日の前日までの間にすでに退職し、又は法の施行後一年を経過した際退職した指定市の市警察の職員に対し法の施行後一年を経過した際行われている公務による災害に対する補償並びに当該警察職員に対する前項に規定する補償及びこれに対する審査については、なお従前の例による。 (退職手当に関する経過規定)第九条 法の施行後一年を経過した際、指定市の市警察の職員が引き続き地方警察職員となつた場合においては、その者に対しては、指定市の退職手当に関する条例の規定にかかわらず、退職手当は、支給しないものとする。
2 法の施行後一年を経過した際、指定市の市警察の職員が引き続き国家公務員たる警察職員となつた場合においては、その者に対しては、指定市の退職手当に関する条例の規定にかかわらず、退職手当は、支給しないものとする。 (警察の事務に関する指定市条例の経過規定)第十条 法の施行後一年を経過した際、指定市の条例で現に効力を有するものの規定により当該市警察の機関又は職員の事務として定められていた事項は、当該指定市又は当該指定府県が条例で別に定をするまでの間、当該指定府県の府県警察の機関又は職員の事務として当該府県警察の機関又は職員が処理するものとする。
(指定市の市公安委員会の許可等の経過規定)第十一条 法の施行後一年を経過した際、道路交通取締法(昭和二十二年法律第百三十号)、風俗営業取締法(昭和二十三年法律第百二十二号)、古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)、質屋営業法(昭和二十五年法律第百五十八号)、銃砲刀剣類等所持取締令(昭和二十五年政令第三百三十四号)又は道路交通取締法施行令(昭和二十八年政令第二百六十一号)及び警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律(昭和二十九年法律第百六十三号。以下「整理法」という。)附則第七項又は警察法の施行に伴う関係政令の整理に関する政令(昭和二十九年政令第百八十一号。以下「整理政令」という。)附則第五項の規定により指定市の市公安委員会の行つた許可、免許、取消、停止その他の処分で現にその効力を有するものは、当該指定府県の府県公安委員会のした処分とみなす。
2 法の施行後一年を経過した際、道路交通取締法、風俗営業取締法、古物営業法、質屋営業法、銃砲刀剣類等所持取締令、古物営業法施行令(昭和二十八年政令第二百二十八号)又は道路交通取締法施行令及び整理法附則第七項又は整理政令附則第五項の規定により指定市の市公安委員会に対してなされた許可、免許その他の処分の申請、届出その他の手続は、当該指定府県の府県公安委員会に対してなされたものとみなす。 3 法の施行後一年を経過した際、道路交通取締法第二十六条第一項及び整理法附則第七項、道路交通取締法施行令及び整理政令附則第五項又は整理法附則第四項及び第九項若しくは整理政令附則第四項及び第七項の規定に基き、指定市の市公安委員会が制定している道路における禁止行為に関する定その他道路の交通の取締に関する定は、指定府県の府県公安委員会が改廃の措置をとるまでの間、なお効力を有するものとする。 (災害給付に関する経過規定)第十二条 法の施行後一年を経過した際、警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律(昭和二十七年法律第二百四十五号)の規定により指定市から給付を受けている者に対する給付については、なお従前の例による。
2 警察官に協力援助した者に係る災害に対する給付で、災害の原因である事故が発生した日又は診断によつて疾病の発生が確定した日が昭和二十九年七月一日から昭和三十年六月三十日までの間に係るものについて同年七月一日以後において警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律第三条及び整理法附則第七項の規定により指定市が実施すべきものについては、当該指定市が行うものとする。