第一条 この法律は、教育の機会均等の趣旨に基き、かつ、地における教育の特殊事情にかんがみ、国及び地方公共団体が地における教育を振興するために実施しなければならない諸施策を明らかにし、もつて地における教育の水準の向上を図ることを目的とする。
(定義)第二条 この法律において「へき地学校」とは、交通条件及び自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない山間地、離島その他の地域に所在する公立の小学校、中学校及び義務教育学校並びに中等教育学校の前期課程並びに学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第六条に規定する施設(以下「共同調理場」という。)をいう。
(市町村の任務)第三条 市町村は、地における教育の振興を図るため、当該地方の必要に応じ、左に掲げる事務を行う。
一 地学校の教材、教具等の整備、地学校に勤務する教員の研修その他地における教育の内容を充実するため必要な措置を講ずること。
二 地学校に勤務する教員及び職員のための住宅の建築、旋その他その福利厚生のため必要な措置を講ずること。
三 体育、音楽等の学校教育及び社会教育の用に供するための施設を地学校に設けること。
四 地学校における教員及び職員並びに児童及び生徒の健康管理の適正な実施を図るため必要な措置を講ずること。
五 地学校の児童及び生徒の通学を容易にするため必要な措置を講ずること。
(都道府県の任務)第四条 都道府県は、へき地における教育の振興を図るため、当該地方の必要に応じ、次に掲げる事務を行う。
一 へき地における教育の特殊事情に適した学習指導、教材、教具等について必要な調査、研究を行い、及び資料を整備すること。
二 へき地学校に勤務する教員の養成施設を設けること。
三 前条に規定する市町村の事務の遂行について、市町村に対し、適切な指導、助言又は援助を行うこと。
四 その設置するへき地学校に関し、前条各号に掲げる事務を行うこと。
2 都道府県は、地学校に勤務する教員及び職員の定員の決定について特別の考慮を払わなければならない。 3 都道府県は、地学校に勤務する教員の研修について教員に十分な機会を与えるように措置するとともに研修旅費その他研修に関し必要な経費の確保に努めなければならない。 (文部科学大臣の任務)第五条 文部科学大臣は、へき地における教育について必要な調査、研究を行い、及び資料を整備し、並びに前二条に規定する地方公共団体の任務の遂行について、地方公共団体に対し、適切な指導、助言を行い、又は必要なあつせんをしなければならない。
(へき地手当等)第五条の二 都道府県(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市の設置する小学校、中学校及び義務教育学校並びに中等教育学校の前期課程並びに共同調理場については、当該指定都市。次条において同じ。)は、条例で定めるところにより、文部科学省令で定める基準を参酌して条例で指定するへき地学校並びにこれに準ずる学校及び共同調理場(以下「へき地学校等」という。)に勤務する教員及び職員(地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十二条の四第一項若しくは第二十二条の五第一項若しくは第二項、地方公務員の育児休業等に関する法律(平成三年法律第百十号)第十八条第一項又は地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律(平成十四年法律第四十八号)第五条の規定により採用された教員及び職員(次条第一項において「再任用教職員等」という。)を除く。)に対して、へき地手当を支給しなければならない。
2 へき地手当の月額は、文部科学省令で定める基準を参酌して条例で定める。 3 へき地学校等が当該学校に勤務する教員及び職員に対し地域手当が支給される地域に所在する場合におけるへき地手当と地域手当その他の手当との調整等に関し必要な事項は、文部科学省令で定める基準を参酌して条例で定める。第五条の三 都道府県は、教員又は職員(再任用教職員等を除く。以下「教職員」という。)が在勤地を異にして異動し、当該異動に伴つて住居を移転した場合又は教職員の勤務する学校若しくは共同調理場(以下この条において「学校等」という。)が移転し、当該移転に伴つて教職員が住居を移転した場合において、当該異動の直後に勤務する学校等又はその移転した学校等がへき地学校等又は特別の地域に所在する学校等で文部科学省令で定める基準を参酌して条例で指定する学校等に該当するときは、当該教職員には、文部科学省令で定める基準を参酌して条例で定めるところにより、へき地手当に準ずる手当を支給しなければならない。
2 都道府県は、新たにへき地学校等又は前項の規定により条例で指定する学校等に該当することとなつた学校等に勤務する教職員のうち、同項の規定による手当を支給される教職員との権衡上必要があると認められる教職員には、文部科学省令で定める基準を参酌して条例で定めるところにより、同項の規定に準じて、へき地手当に準ずる手当を支給しなければならない。 (国の補助等)第六条 国は、へき地学校の設置者が行う第三条第一号、第二号、第四号若しくは第五号又は第四条第一項第四号に掲げる事務に要する経費(当該経費のうち、へき地学校の教材、教具等の整備に係る部分、へき地学校に勤務する教員及び職員のための住宅の建築に係る部分並びに他の法律に基づき国が負担し、又は補助する部分を除く。)について、その二分の一を補助する。
2 国は、都道府県が行う第四条第一項第二号に掲げる事務に要する経費(当該経費のうち、他の法律に基き国が負担し、又は補助する部分を除く。)について、その二分の一を補助する。 3 前二項の規定により国が補助する場合の経費の範囲及び算定基準は、政令で定める。 4 国は、義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律(昭和三十三年法律第八十一号)第十二条第一項の規定により地方公共団体に対して交付金を交付する場合において、当該地方公共団体が同条第二項の規定により作成した施設整備計画に記載された改築等事業(同法第十一条第一項に規定する「改築等事業」をいう。)として、へき地学校の設置者が行う第三条第二号に規定する住宅の建築及び同条第三号に規定する施設の設置に係る事業がある場合においては、当該事業に要する経費の二分の一を下回らない額の交付金が充当されるように算定するものとする。 (補助金の返還)第七条 国は、国庫から補助金の交付を受けた地方公共団体が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、当該年度におけるその後の補助金の全部又は一部の交付をやめるとともに、既に交付した当該年度の補助金の全部又は一部を返還させることができる。
一 補助金を補助の目的以外の目的に使用したとき。
二 正当な理由がなくて補助金の交付を受けた年度内に補助に係る施設を設けないこととなつたとき。
三 補助に係る施設を、正当な理由がなくて補助の目的以外の目的に使用し、又は文部科学大臣の許可を受けないで処分したとき。
四 補助金の交付の条件に違反したとき。
五 虚偽の方法により補助金の交付を受けたことが明らかになつたとき。
(政令への委任)第八条 この法律に定めるもののほか、補助金の交付及び返還の手続その他国の補助金に関し必要な事項は、政令で定める。
(負担金、補助金等の配分)第九条 国及び都道府県は、学校施設の建設又は復旧、教材、教具等の整備その他の教育事務に要する経費について市町村に交付する負担金、補助金等の配分を行うに当つては、地における教育の特殊性に留意して適切な配分を行わなければならない。
附則
この法律は、公布の日から施行する。附則(昭和三三年四月二八日法律第一〇一号)
この法律は、昭和三十四年四月一日から施行する。 この法律による改正後の地教育振興法第五条の二及び第五条の三の規定に基く地手当に関する条例(以下「条例」という。)の制定にあたつては、都道府県は、当該都道府県内の地学校に勤務する教員及び職員のうちに、条例の施行により、条例の規定による地手当の月額が当該手当に相当する従前の特殊勤務手当の月額より低額であるものを生ずることとなるときは、これらの教員及び職員につき不利益な結果が生じないように必要な経過的措置を当該条例において定めなければならない。附則(昭和三五年六月九日法律第九三号)
この法律は、公布の日から施行し、別表第一から別表第七までの改正規定及び附則第二項から附則第四項までの規定は、昭和三十五年四月一日から適用する。附則(昭和四五年一二月一七日法律第一一九号)
この法律は、公布の日から施行する。 第一条の規定(前項ただし書に係る改正規定を除く。)による改正後の一般職の職員の給与に関する法律の規定、附則第十三項の規定による改正後の国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の規定、附則第十五項の規定による改正後の大学の運営に関する臨時措置法(昭和四十四年法律第七十号)の規定、附則第十六項の規定による改正後の地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号。第二百四条第二項中調整手当に係る部分、附則第六条の二及び附則第六条の四を除く。)の規定、附則第十七項の規定による改正後の地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号。第二条第三項中調整手当に係る部分を除く。)の規定、附則第十九項の規定による改正後の市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号。第一条中調整手当に係る部分を除く。)の規定及び附則第二十項の規定による改正後の地教育振興法(昭和二十九年法律第百四十三号)の規定は、昭和四十五年五月一日から適用する。 切替期間において、前項の規定による改正前の地教育振興法第五条の二の規定による地手当を受けていた期間がある教員又は職員について必要がある場合には、文部省令で定める基準に従い条例で定めるところにより、同項の規定による改正後の同法第五条の二の規定による地手当の額に関し特例を定めることができる。附則(昭和四九年六月二二日法律第九〇号)
この法律は、公布の日から施行する。附則(昭和六〇年五月一八日法律第三七号)
この法律は、公布の日から施行する。附則(平成一〇年六月一二日法律第一〇一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十一年四月一日から施行する。
附則(平成一一年七月二二日法律第一〇七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年四月一日から施行する。
附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)
(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成一四年二月八日法律第一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
附則(平成一六年六月九日法律第八五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則(平成一七年一一月七日法律第一一三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日の属する月の翌月の初日(公布の日が月の初日であるときは、その日)から施行する。 ただし、第二条、第三条、第五条及び第七条並びに附則第六条から第十五条まで及び第十七条から第三十二条までの規定は、平成十八年四月一日から施行する。
(地方自治法の一部改正に伴う経過措置)
第十九条 前条の規定による改正後の地方自治法(以下この項において「新地方自治法」という。)第二百四条第二項の規定にかかわらず、普通地方公共団体は、切替日の前日に前条の規定による改正前の地方自治法第二百四条第二項の規定に基づく調整手当を支給する条例(以下この項において「調整手当条例」という。)を施行している場合で、当該普通地方公共団体が切替日の直近において新たに設置されたことその他のやむを得ない事情により切替日までに新地方自治法第二百四条第二項の規定に基づく地域手当を支給する条例を制定することができないときは、切替日から起算して六月を経過する日までの間に限り、当該調整手当条例で定めるところにより、調整手当を支給することができる。 前項の場合における当該普通地方公共団体に係る次に掲げる法律の規定の適用については、第一号及び第二号に掲げる法律の規定中「地域手当」とあるのは「調整手当」と、第三号に掲げる法律の規定中「地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四条第二項に規定する地域手当、特地勤務手当」とあるのは「一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(平成十七年法律第百十三号)附則第十九条第一項の規定により支給することができる調整手当又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四条第二項に規定する特地勤務手当」と、「又は」とあるのは「若しくは」とする。
附則(平成一八年三月三一日法律第一八号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十八年四月一日から施行する。
(義務教育諸学校施設費国庫負担法等の一部改正等に伴う経過措置)
第三条 第三条から第十四条まで及び附則第五条から第七条までの規定による改正後の次に掲げる法律の規定は、平成十八年度以降の年度の予算に係る国の負担若しくは補助(平成十七年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成十八年度以降の年度に支出される国の負担又は補助(第十五条第一号の規定による廃止前の公立養護学校整備特別措置法第二条第一項及び第三条第一項並びに附則第四項並びに第十五条第二号の規定による廃止前の公立高等学校危険建物改築促進臨時措置法第三条第一項の規定に基づく国の負担又は補助を含む。以下この条において同じ。)及び平成十七年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成十八年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)又は交付金の交付について適用し、平成十七年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成十八年度以降の年度に支出される国の負担又は補助、平成十七年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成十八年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助及び平成十七年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成十八年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。
附則(平成一九年五月一六日法律第四四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則(平成二〇年六月一八日法律第七三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十一年四月一日から施行する。
附則(平成二三年五月二日法律第三七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(政令への委任)
第二十四条 附則第二条から前条まで及び附則第三十六条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二三年一二月一四日法律第一二二号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成二六年六月四日法律第五一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十七年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成二七年六月二四日法律第四六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。 ただし、次条並びに附則第三条及び第二十条の規定は、公布の日から施行する。
附則(平成二七年七月一五日法律第五六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(令和三年六月一一日法律第六三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、令和五年四月一日から施行する。