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昭和二十八年法律第二百三十六号
国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律

施行日:

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(この法律の目的)

第一条 この法律は、生活の困窮のため帰国を希望する日本国民又は在留する国の官憲から退去強制等の処分を受けて帰国しなければならない日本国民で、自己の負担において帰国することができず、かつ、領事官がその帰国を援助し、又はその退去強制等の処分の執行に関し当該国の官憲に協力する必要があると認めるもの(以下「帰国者」という。)について、船員法(昭和二十二年法律第百号)第四十七条第一項及び第二項に規定する場合を除くほか、領事官がその帰国のため講ずべき措置等を定めることを目的とする。

(送還命令及び乗船地行旅費の貸付)

第二条 領事官は、帰国者が船舶(船員法第一条に規定する船舶をいう。以下同じ。)により帰国する場合には、当該船舶に乗り組む船長に対し、帰国者の本邦までの送還を命ずることができる。

2 領事官は、前項の規定により送還を命ずる場合には、帰国者に対し、外務大臣の承認を経て、当該船舶に乗船するまでの必要な旅費(以下「乗船地行旅費」という。)を貸し付けることができる。

3 前項の規定により乗船地行旅費の貸付を受けようとする帰国者は、政令で定めるところにより、領事官に対し、乗船地行旅費の貸付を申請しなければならない。

4 第二項の規定において乗船地行旅費とは、帰国者の在留地(その者が居住する地域であつて、本邦における市町村に準ずるものをいう。以下同じ。)又は外務大臣が指定する地から乗船地までの船賃、航空賃、鉄道賃、車賃並びに旅行中必要と認められる宿泊料及び食費で、帰国者が乗船地に到着するため必要な最低限度のものをいい、帰国者が乗船のため当該在留地又は外務大臣が指定する地から出発するまでの間において帰国者の生活又は医療処置のため必要があると認められる場合にあつては、帰国者のその間における生活費又は緊急を要する医療処置のため必要な最低限度の費用を含むものとする。

(帰国費の貸付)

第三条 領事官は、前条第一項の規定により船長に対し帰国者の送還を命ずることができない場合には、帰国者に対し、外務大臣の承認を経て、その帰国のため必要な旅費(以下「帰国費」という。)を貸し付けることができる。

2 前項の規定により帰国費の貸付を受けようとする帰国者は、政令で定めるところにより、領事官に対し、帰国費の貸付を申請しなければならない。

3 第一項の規定において帰国費とは、帰国者の在留地又は外務大臣が指定する地から本邦までの船賃、航空賃、鉄道賃、車賃並びに旅行中必要と認められる宿泊料及び食費で、帰国者が帰国するため必要な最低限度のものをいい、当該在留地又は外務大臣が指定する地から帰国のため出発するまでの間において帰国者の生活又は医療処置のため必要があると認められる場合にあつては、帰国者のその間における生活費又は緊急を要する医療処置のため必要な最低限度の費用を含むものとする。

(帰郷費の貸付)

第四条 厚生労働大臣は、帰国者に対し、その帰国の際、政令で定めるところにより、その帰郷のため必要な旅費(以下「帰郷費」という。)を貸し付けることができる。

(乗船地行旅費、帰国費及び帰郷費に対する利息)

第五条 乗船地行旅費、帰国費及び帰郷費には、利息を附さないことができる。

(乗船地行旅費、帰国費、送還費及び帰郷費の償還)

第六条 乗船地行旅費及び帰国費の貸付を受けた帰国者は、帰国後すみやかに、その貸付を受けた乗船地行旅費及び帰国費を外務大臣に償還しなければならない。

2 第二条第一項の規定により本邦に送還された帰国者は、帰国後速やかに、その送還に要した費用(以下「送還費」という。)を、当該送還費を負担した船舶所有者(船員法の適用を受ける船舶所有者をいい、同法第五条第一項の規定により船舶所有者に関する規定の適用を受ける者を含む。以下同じ。)に償還しなければならない。

3 第四条の規定により帰郷費の貸付を受けた帰国者は、帰郷後すみやかに、その貸付を受けた帰郷費を厚生労働大臣に償還しなければならない。

4 帰国者が乗船地行旅費、帰国費、送還費又は帰郷費の全部又は一部を償還することができないときは、その帰国者の配偶者又は扶養義務者(民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十七条に規定する扶養義務者をいう。以下同じ。)は、その乗船地行旅費、帰国費、送還費又は帰郷費のうち償還されなかつた部分を償還しなければならない。

5 前項に規定する場合には、外務大臣、船舶所有者又は厚生労働大臣は、帰国者の配偶者又は扶養義務者中の何人に対しても、それぞれ乗船地行旅費、帰国費、送還費又は帰郷費の償還の請求をすることができる。

6 前項の規定は、第四項の規定により乗船地行旅費、帰国費、送還費又は帰郷費を償還した扶養義務者が、民法第八百七十八条及び第八百七十九条の規定により扶養の義務を履行すべき者に対し求償することを妨げるものではない。

7 外務大臣は、船舶所有者が第二項、第四項及び第五項の規定により帰国者又はその配偶者若しくは扶養義務者から送還費の全部又は一部の償還を受けることができなかつた場合には、政令で定めるところにより、その帰国者又はその配偶者若しくは扶養義務者に代つて、その船舶所有者に対し、償還されなかつた金額を償還することができる。

8 外務大臣は、前項の規定により、送還費の全部又は一部を船舶所有者に償還したときは、その償還した金額の限度において、船舶所有者に代位するものとする。

(実施規定)

第七条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、政令で定める。

附則

この法律は、公布の日から施行する。 領事官の職務に関する法律(明治三十二年法律第七十号)は、廃止する。

附則(昭和三〇年七月一日法律第四三号)

この法律は、公布の日から施行する。

附則(昭和三一年五月二二日法律第一一四号)

この法律は、公布の日から起算して八月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。 旧租税債権及び貸付金債権以外の国の債権の整理に関する法律の規定により、この法律の施行の際現に定期貸債権又はすえ置貸債権とされている債権については、同法第六条の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。 前項に規定する債権については、旧租税債権及び貸付金債権以外の国の債権の整理に関する法律の規定により定期貸債権又はすえ置貸債権とした日をこの法律の規定により履行延期の特約等をした日とみなして、第三十二条第一項の規定を適用する。 第四項及び第五項の規定は、改正前の国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律第七条の規定により、この法律の施行の際現に定期貸債権又はすえ置貸債権とされている債権について準用する。

附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(平成二四年九月一二日法律第八七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。