日本銀行特別融通及損失補償法第一条ニ依ル特別融通ニ関スル規程左ノ通定ム
第一条 日本銀行カ特別融通ヲ為ス場合ニ於テハ本令ノ定ムル所ニ依リ特別融通審査会ノ議ヲ経ルモノトス
第二条 日本銀行カ特別融通ノ為手形割引ヲ為ス場合ニ於テハ有価証券、不動産及法律ノ規定ニ依リ設定シタル財団ヲ担保トスル債権ヲ見返ト為スコトヲ得
特別ノ必要アル場合ニ於テハ日本銀行ハ大蔵大臣ノ承認ヲ受ケ前項ニ定ムル以外ノモノヲ見返ト為シ手形割引ヲ為スコトヲ得第三条 日本銀行カ特別融通ヲ為ス場合ニ於ケル割引歩合ハ国債担保ノ貸付利率ニ依ルモノトス
特別ノ必要アル場合ニ於テハ日本銀行ハ大蔵大臣ノ承認ヲ受ケ前項ノ利率ニ依ラス特別融通ヲ為スコトヲ得 日本銀行ハ特別融通ヲ為シタル銀行ノ状況ニ依リ特別融通資金ノ回収ヲ促進スル為必要アリト認ムルトキハ特別融通手形書換ノ場合ニ於テ其ノ割引歩合ヲ高ムルコトヲ得第四条 日本銀行ハ特別融通ノ為割引ヲ為シタル手形ニ関シ必要ナル事項ヲ大蔵大臣ニ報告スベシ
第五条 日本銀行ハ特別融通ヲ為シタル銀行ニ対シ必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ其ノ資産負債及営業ノ状態ヲ調査スルコトヲ得ヘキ旨契約ヲ締結スヘシ
日本銀行カ前項ノ契約ニ依リ調査ヲ為シタルトキハ其ノ結果ヲ大蔵大臣ニ報告スヘシ第六条 日本銀行ハ特別融通ヲ為シタル銀行ト契約ヲ締結シ少クトモ六箇月毎ニ一回日計表其ノ他必要ト認ムル書類各二通ヲ提出セシムヘシ
日本銀行ノ前項ノ契約ニ依リ徴シタル書類各一通ヲ大蔵大臣ニ提出スベシ第七条 不動産又ハ法律ノ規定ニ依リ設定シタル財団ヲ担保トスル債権ヲ見返トスル特別融通ニ付テハ日本銀行ハ株式会社日本勧業銀行、農工銀行、株式会社北海道拓殖銀行又ハ株式会社日本興業銀行ヲシテ日本銀行ノ為其ノ事務ヲ取扱ハシムルコトヲ得
朝鮮、関東州及南満洲鉄道附属地ニ於ケル朝鮮銀行以外ノ銀行ニ対スル特別融通ニ付テハ日本銀行ハ朝鮮銀行ヲシテ日本銀行ノ為其ノ業務ヲ代理セシムルコトヲ得 台湾ニ於ケル株式会社台湾銀行以外ノ銀行ニ対スル特別融通ニ付テハ日本銀行ハ株式会社台湾銀行ヲシテ日本銀行ノ為其ノ業務ヲ代理セシムルコトヲ得 樺太ニ於ケル株式会社北海道拓殖銀行以外ノ銀行ニ対スル特別融通ニ付テハ日本銀行ハ株式会社北海道拓殖銀行ヲシテ日本銀行ノ為其ノ業務ヲ代理セシムルコトヲ得第八条 特別融通ニ関シテハ本令ニ依ルモノノ外大蔵大臣之ヲ定ム