--- title: "警備業法とは:認定・警備員教育・業務の規制" description: "警備業法の四つの業務区分、事業者の認定と警備員の要件を解説。特別な権限を与えない原則、契約書面、指導教育責任者と検定、機械警備の即応体制、公安委員会の監督を整理します。" date: 2026-09-15 category: 法令解説 tags: [警備業, 認定制度] related_laws: [347AC0000000117] draft: false --- 警備業法(昭和47年法律第117号、法令ID:`347AC0000000117`)は、警備業の認定、警備員の教育、業務実施の原則、機械警備や監督を定めます。警備を依頼する企業、警備業者、就業を検討する人が、事業者と警備員それぞれの要件を確認する際に参照する法律です。この記事は制度の区分を扱い、特定の警備行為や契約の適否は判断しません。[法令全文](/view/347AC0000000117)と[e-Govの条文](https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117?occasion_date=20260915)により、2026年9月15日時点の内容を説明します。 ## 警備業務を四つの区分で定義する 第2条は、他人の需要に応じて行う事故の警戒・防止業務を四つに区分しています。施設、雑踏・交通、運搬中の物品、身辺という対象の違いによる整理です。 第1号は事務所や住宅、興行場、駐車場等での盗難等、第2号は人や車両が雑踏する場所や通行に危険がある場所での負傷等を扱います。第3号は運搬中の現金、貴金属、美術品等の盗難等、第4号は人の身体に対する危害の発生を身辺で警戒・防止する業務です。いずれも事故が起きた後の対応だけではなく、その発生を警戒・防止する仕事として定義されています。 同条は、警備業をこれらの業務を行う営業、警備業者を認定を受けた者、警備員を業者の従業者等として業務に従事する者と分けます。会社の呼称や制服の見た目だけではなく、業務の内容と他人の需要に応じて行う関係が定義の入口です。この業務区分は、後の指導教育責任者等の制度にもつながっています。[根拠:第2条](https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117?occasion_date=20260915) ## 事業者の認定と警備員の要件 第4条は、警備業を営もうとする者に都道府県公安委員会の認定を求めています。認定は第3条に掲げる欠格事由に該当しないことについて受ける制度です。 第3条には、一定の刑や法令違反、不正行為等に関する事由が列挙されています。事業を開始した後も、第7条により認定の有効期間満了後に続ける場合の更新が必要です。最初に認定を受ければ、その後の事情を問わず永続する仕組みではありません。申請と更新の判断を、法律が別に定めています。 警備員自身については第14条が別の制限を置き、18歳未満の者や所定の欠格事由に該当する者は警備員になれず、業者も従事させてはならないとしています。会社の認定と、個々の警備員の就業条件は別です。さらに教育や検定の制度も続くため、事業者の認定を受けたことと、すべての従業者があらゆる警備業務に従事できることは同じではありません。[根拠:第3条・第4条・第7条・第14条](https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117?occasion_date=20260915) ## 特別な権限を与えないという業務原則 第15条は、警備業者と警備員に、この法律によって特別な権限を与えられているものではないことへの留意を求めます。他人の権利・自由を侵害し、正当な活動に干渉してはならないという原則も定めています。 認定は警察官と同じ権限を付与する制度ではありません。第16条も、公務員の所定の制服と色、型式、標章によって明確に識別できる服装を用いることを求めています。業務の外形についても、公的権限を持つ職員と区別する仕組みです。服装の届出等は、業務を行う都道府県の公安委員会と関係します。 依頼者との関係では第19条が、契約前の概要書面と、契約後の内容を明らかにする書面を定めます。内容、対価、支払方法、期間、解除等が対象となり、一定の条件で電子的方法による提供も認められています。現場の権限の範囲と、依頼者が何を委託したかを明確にする契約上の情報は、どちらも適正な警備業務の基礎として規定されています。[根拠:第15条・第16条・第19条](https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117?occasion_date=20260915) ## 教育責任者と検定で知識・能力を確保する 第21条は、知識・能力の向上に努めることと、業者が警備員に教育、指導、監督を行うことを定めます。現場経験だけに任せるのではなく、事業者が継続的に教育を行う制度です。 第22条は、警備員が属する営業所ごと、扱う警備業務の区分ごとに、警備員指導教育責任者を選任することを求めています。資格者証の交付を受けた者から選び、計画に基づく教育・指導を担わせます。一社に一人置けばすべての営業所・業務を当然に担当できるという説明にはなりません。営業所と業務区分の二つを確認する構成です。 第23条は、警備員等の知識と能力に関する検定を定めます。学科・実技による判定、一定の講習を修了した場合の免除、種別ごとの合格証明書が規定されています。指導教育責任者の資格と警備員の検定は、役割が違う制度です。教育時間や具体的な検定種別等の細目は府令・規則に接続しており、法律の本文だけにすべての運用条件が書かれているわけではありません。[根拠:第21~23条](https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117?occasion_date=20260915) ## 機械警備の即応体制と公安委員会の監督 機械警備については、第5章に専用の規定があります。装置が異常を感知することと、その情報を受けて現場で確認・対応することをつなぐ制度です。 第40条は、基地局や警備対象施設が所在する都道府県の区域ごとに届出を行うことを定めます。第43条は、事故情報を受信した際に速やかに現場確認等ができるよう、必要な警備員、待機所、車両等を適正に配置することを求めます。その基準は都道府県公安委員会規則に委ねられているため、全国一律の到着時間を法律から読み取ることはできません。 通常の監督制度として、第45条は営業所ごとの警備員名簿等の備付け、第48条は違反等によって適正な実施が害されるおそれがある場合の指示を定めています。認定時の審査、日常の教育、機械警備の即応、名簿と監督がつながることで、業務開始後も適正さを確保する構造です。警備業法を読む際は、機器だけ、資格だけではなく、事業者の管理体制と合わせて把握する必要があります。[根拠:第40条・第43条・第45条・第48条](https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117?occasion_date=20260915) ## 特定業務への配置と護身用具の規制 教育や検定の制度は、実際の業務への配置とも関係します。第18条は、専門的な知識・能力を要し、事故が起きた場合に不特定または多数の人の生命・身体・財産に危険が生じるおそれがある警備業務について、特定の種別を国家公安委員会規則で定める仕組みを置いています。 警備業者がその種別の業務を行うときは、規則の定めに従い、その種別の合格証明書の交付を受けた警備員に実施させなければなりません。検定を受ける制度が存在することと、特定の現場で合格証明書を持つ人の配置が求められることは、関連しながら別の規定です。営業所の指導教育責任者だけを確認しても、実施する警備業務ごとの配置要件までは確認したことになりません。 現場で携帯する護身用具については第17条が定めています。都道府県公安委員会は、公共の安全のため必要な場合、規則によって携帯を禁止・制限できます。また、携帯しようとする用具の種類や規格に関する届出にも規定があります。道具を所持することによって特別の権限が与えられるのではなく、第15条の原則の下で、道具そのものにも規制を設けています。 第20条は、依頼者等から寄せられる苦情の適切な解決に努めることを業者に求めています。契約内容の説明、現場の人員配置、用具の管理、苦情への対応は、警備の実施を支える異なる業務です。認定や資格の有無にとどまらず、どの種別の仕事に誰を配置し、どのように管理するかまでが警備業法の規律に含まれています。[根拠:第15条・第17条・第18条・第20条](https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117?occasion_date=20260915) ## 参考リンク 認定・教育・機械警備の根拠は、次の条文で確認できます。 - [e-Gov法令検索:警備業法](https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117?occasion_date=20260915)