--- title: "学校教育法とは:学校制度と条文構成の基本的な枠組み" description: "学校教育法(昭和22年法律第26号)の基本情報と条文構成を解説します。幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、特別支援教育、専修学校の制度上の位置づけを紹介します。" date: 2026-05-21 category: 法令解説 tags: [学校教育法, 教育制度] related_laws: [322AC0000000026] draft: false --- 学校教育法(法令ID:`322AC0000000026`)は、日本の学校制度について、学校の種類、設置者、義務教育、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、専修学校などの基本的な枠組みを定める法律です。条文全文は[法令全集の学校教育法ページ](/view/322AC0000000026)またはe-Gov法令検索([https://laws.e-gov.go.jp/](https://laws.e-gov.go.jp/))で無料で閲覧できます。 学校教育法は、教育基本法(昭和22年法律第25号)が定める教育の基本原則を受けて、学校教育の具体的な制度を規律する法律です。学校の種類・設置者・修業年限・入学資格など制度の骨格は学校教育法で定められ、教育課程・教職員免許・設置基準などの詳細は学校教育法施行規則(省令)・設置基準(省令)・学習指導要領(告示)で規定されています。地方教育行政については地方教育行政の組織及び運営に関する法律、私立学校については私立学校法、教員については教育公務員特例法など、関連法令は多岐にわたります。 ## 基本情報 学校教育法は昭和22年(1947年)に制定された法律です。教育基本法とともに、学校教育制度の基本を形づくる法律として位置づけられます(出典:e-Gov法令検索)。 | 項目 | 内容 | |---|---| | 正式名称 | 学校教育法 | | 法令番号 | 昭和二十二年法律第二十六号 | | 公布日 | 昭和22年(1947年)3月31日 | | 所管省庁 | 文部科学省 | | 法令ID | 322AC0000000026 | 学校教育法第1条は、この法律でいう学校として、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、高等専門学校を掲げています。専修学校は第十一章に規定され、第1条に掲げる学校とは別の教育施設として制度化されています。 学校教育法施行令(政令)は、就学義務の履行・就学先の決定・転学などの手続に関する詳細を定めており、特別支援学校・通常学校の就学先決定手続でも参照されます。学校教育法施行規則(省令)は、各学校種別の教育課程・修業年限・校長・教員免許・学則・各種届出等に関する広範な規定を置いています。学校教育制度を調べる際は、法律条文だけでなく施行令・施行規則および文部科学省告示(学習指導要領等)を合わせて参照することが必要です。 ## 学校教育法が扱う主な対象 学校教育法は、学校の種類ごとに目的、修業年限、入学資格、教育内容、教職員、設置基準などの基本を定めています。 | 学校種別 | 主な位置づけ | |---|---| | 幼稚園 | 幼児を保育し、心身の発達を助長する教育機関 | | 小学校 | 義務教育として行われる普通教育の基礎的な部分 | | 中学校 | 義務教育として行われる普通教育の発展的な部分 | | 義務教育学校 | 小学校から中学校までの義務教育を一貫して行う学校 | | 高等学校 | 義務教育後の普通教育・専門教育を行う学校 | | 中等教育学校 | 前期課程と後期課程により中高一貫教育を行う学校 | | 特別支援学校 | 障害のある幼児・児童・生徒に対する教育を行う学校 | | 大学 | 学術の中心として教育研究を行う学校 | | 高等専門学校 | 深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成する学校 | | 専修学校 | 職業・実際生活に必要な能力や教養の向上を目的とする教育施設 | 文部科学省は、教育基本法第6条の解説において、法律に定める学校が学校教育法第1条に定める学校を指すものとして説明しています。学校教育法は、こうした学校の制度的な土台を具体化する法律です。 ## 条文の章別構成 学校教育法は、総則、義務教育、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援教育、大学、高等専門学校、専修学校、雑則、罰則で構成されています(出典:e-Gov法令検索、法令翻訳データ)。 各章は学校種別ごとに独立した規定を置いており、調べたい学校種別に対応する章を特定してから読むことが効率的です。第一章(総則)はすべての学校に共通する基本事項を定めており、まず総則を読んでから各学校種別の章を参照する順序が理解しやすいといえます。学校教育法は制定当初から繰り返し改正されており、義務教育学校(平成28年施行)・専門職大学(平成31年施行)など、比較的新しい学校種別が追加されています。参照する際は施行日を確認することが重要です。 ### 第一章 総則 第一章は、学校教育法全体に共通する基本規定を置く章です。学校の種類、設置者、設置廃止の認可、校長・教員、授業料などの基礎が定められています。 第1条は、学校教育法上の学校を列挙しています。第2条は、学校の設置者について、国、地方公共団体、学校法人などに関する規定を置いています。第6条は、学校において授業料を徴収できることを定めていますが、義務教育諸学校については別途の法制度も関係します。 総則には、校長、教員、学校評価、学校の管理運営に関係する基本的な規定も含まれます。具体的な設置基準や教育課程は、学校教育法施行規則、各学校種別の設置基準、学習指導要領などと合わせて確認されます。 第5条は、学校の設置者が学校を管理し、法令に特別の定めのある場合を除き、その学校の経費を負担することを定めています。第7条は、学校には校長及び相当数の教員を置かなければならないことを定めています。第42条(幼稚園を含む各学校種別にも準用される)は、学校が教育活動等の状況について評価を行い、その結果に基づき学校運営の改善を図ることを定めており、学校評価制度の根拠となっています。教員免許に関しては、教育職員免許法が別途の規定を置いています。 ### 第二章 義務教育 第二章は、義務教育に関する基本規定を定める章です。保護者が子に普通教育を受けさせる義務、義務教育の目標などが置かれています。 義務教育は、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程、特別支援学校の小学部・中学部などと関係します。条文を読む際は、学校教育法だけでなく、教育基本法、義務教育諸学校の教科用図書に関する法律、地方教育行政の組織及び運営に関する法律なども関連します。 第17条は、保護者が子女を小学校・義務教育学校の前期課程等に就学させる義務(就学義務)を定めており、学齢は満6歳に達した翌日以後の最初の4月1日から始まります。学齢期の子女については、市町村教育委員会が学齢簿を編製し、就学先の指定・通知を行います(学校教育法施行令)。就学援助制度(学用品費・給食費等の援助)は、学校教育法第19条を根拠とするものであり、市町村が実施しています。 ### 第三章から第八章 学校種別ごとの規定 第三章から第八章は、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援教育に関する規定を置いています。 幼稚園は、義務教育およびその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、心身の発達を助長することを目的とします。小学校は、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施すことを目的とします。中学校は、小学校教育の基礎の上に、義務教育として行われる普通教育を施す学校です。 高等学校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達および進路に応じた高度な普通教育・専門教育を施す学校です。中等教育学校は、前期課程と後期課程を通じて一貫した教育を行います。特別支援学校は、障害のある幼児・児童・生徒に対して、幼稚園、小学校、中学校または高等学校に準ずる教育と、障害による学習上または生活上の困難を克服するために必要な知識技能を授ける学校です。 ### 第九章 大学 第九章は、大学に関する規定をまとめた章です。大学の目的、学部、大学院、学位、認証評価、専門職大学などに関する規定が置かれています。 大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的・道徳的・応用的能力を展開させることを目的とします。大学院、短期大学、専門職大学などの制度もこの章と関係します。 大学の設置や教育研究の詳細は、大学設置基準、大学院設置基準、専門職大学設置基準など、文部科学省令と合わせて確認されます。 第109条は、大学が教育研究活動等の状況について認証評価機関による評価(認証評価)を受けることを義務付けており、7年以内ごとに評価を受ける必要があります。学位(学士・修士・博士・専門職学位)は第104条に根拠があり、学位授与機構や認定専攻科による学位授与も規定されています。専門職大学(令和元年施行)は、実践的な職業教育を行う大学として設置基準が整備されており、産業界等との連携教育が特徴です。大学の認証評価・学位制度・設置申請の詳細は、文部科学省の大学振興担当部局に確認することが必要です。 ### 第十章 高等専門学校 第十章は、高等専門学校に関する規定を定めています。高等専門学校は、深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成することを目的とする学校です。 高等専門学校は、中学校卒業後の進路の一つとして、工業・商船などの専門分野を中心に実践的な教育を行う制度です。卒業者は準学士と称することができ、文部科学大臣の定めるところにより大学に編入学することができます。 修業年限は5年(商船に関する学科は5年6か月)であり、高等学校とは異なる制度設計となっています。国立の高等専門学校は独立行政法人国立高等専門学校機構が一括して設置・運営する形態がとられています(国立高等専門学校機構法)。高等専門学校の設置・運営に関する基準は高等専門学校設置基準(省令)に定められており、専攻科を置いて学士の学位取得に向けた教育も行われています。 ### 第十一章 専修学校 第十一章は、専修学校に関する規定を置いています。専修学校は、職業または実際生活に必要な能力を育成し、教養の向上を図ることを目的として組織的な教育を行う教育施設です。 専修学校には、高等課程、専門課程、一般課程を置くことができます。専門課程を置く専修学校は、一般に専門学校と呼ばれることがあります。入学資格、修業年限、教員資格、設置基準などは、学校教育法と施行規則、専修学校設置基準を合わせて確認します。 高等課程は中学校卒業者を主な対象とし、専門課程は高校卒業者等を対象とするものが多い設計です。専門課程の修了者は「専門士」または「高度専門士」の称号が与えられる場合があり、一定の要件を満たす場合に大学への編入学が認められることもあります。専修学校は都道府県知事が認可・監督する学校種別であり、設置・廃止・変更には都道府県知事への認可・届出が必要です。学校教育法と異なり、専修学校は学校法人以外の法人や個人も設置できます(一定要件あり)。 ### 雑則と罰則 第十二章は雑則、第十三章は罰則です。学校の設置者、認可、命令、報告などに関する補足的な規定や、法令違反に対する罰則が置かれています。 学校教育法の具体的な運用は、文部科学省令、告示、通知、各学校の設置者の規則などと結びつきます。個別の学校の制度や手続を調べる場合は、学校種別と設置者を確認することが重要です。 罰則(第十三章)では、認可を受けずに学校を設置した者、文部科学大臣・都道府県知事の命令に違反した者、虚偽の報告・届出等をした者などに対する罰則が定められています。学校の設置廃止や教育課程の変更に必要な手続(認可・届出等)を怠った場合も罰則の対象となりえます。雑則(第十二章)には、地方公共団体・学校法人以外の者が学校を設置する場合の特別認可、文部科学大臣・都道府県知事の報告徴収・立入検査権限なども置かれています。 ## 学校教育法を読むときの注意点 学校教育法は、学校種別ごとに目的や制度が分かれています。まず、調べたい対象が幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、専修学校などのどれに当たるかを確認すると、該当章を探しやすくなります。 教育課程、教職員、設置基準、学位、入学資格などの詳細は、学校教育法だけでなく、施行規則、設置基準、学習指導要領、文部科学省通知などに定められることがあります。個別の学校運営や入学資格の判断は、公式資料や学校・設置者への確認が必要です。 特別支援教育に関しては、第七十二条以下の特別支援学校に関する規定のほか、通常の学校における障害のある児童生徒への対応(学習障害・発達障害を含む)も学校教育法の枠内で整理されています。障害者差別解消法・バリアフリー法・医療的ケア児支援法など関連法令との交差も多く、インクルーシブ教育・合理的配慮・就学先の決定については文部科学省通知・事例集も参考になります。学校教育法を起点としつつ、教育委員会や学校に直接問い合わせることが個別事案の確認に最も適しています。 ## 条文の閲覧方法 学校教育法の条文と関連資料は、以下から無料で閲覧できます。 - [法令全集で学校教育法の条文を読む](/view/322AC0000000026) - [e-Gov法令検索 学校教育法ページ](https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000026) - [文部科学省 教育](https://www.mext.go.jp/a_menu/a002.htm) - [文部科学省 教育基本法第6条の解説](https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/004/a004_06.htm) 学校教育法は改正が重ねられており、学校種別や制度によって施行日が問題となる場合があります。参照する際は、最新の条文、施行規則、文部科学省の公式資料を合わせて確認してください。 文部科学省ウェブサイトでは、各学校種別の設置基準・制度の概要・Q&Aが公開されています。学習指導要領はe-Gov法令検索や文部科学省のページから閲覧でき、各学校種別の教育内容の基準を把握するうえで重要な資料です。学校の設置認可・変更・廃止については、国立学校は文部科学大臣、公立・私立学校は都道府県知事が認可権者となりますが、学校種別によって所轄庁が異なるため、設置を検討する際は管轄官庁への事前確認が必要です。