--- title: "河川法施行規則とは:河川管理の申請と書類" description: "河川法施行規則の水利使用、土地占用、工作物の申請書類を整理します。河川を利用する事業者や申請担当者が、添付図書、同時申請、変更、完成検査、地位承継の手続を条文から確認するための解説です。" date: 2026-09-15 category: 法令解説 tags: [河川, 申請手続] related_laws: [340M50004000007] draft: false --- 河川法施行規則(昭和40年建設省令第7号、法令ID:`340M50004000007`)は、河川法に基づく申請・届出の様式や添付図書、公示、台帳などの細目を定める省令です。[法令全集](/view/340M50004000007)と[e-Gov法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50004000007/20241101_506M60000800092)で確認できます。河川を利用する事業者、設計・申請担当者、河川管理に関わる職員が、行為に対応する書類を整理する際に参照します。この記事では2026年9月15日時点の申請関係規定を中心に扱い、個別の工事が許可されるかどうかや設計の安全性は判定しません。 ## 水利使用は事業計画と河川への影響を示す 第11条は、水利使用に関する流水の占用等の許可申請を扱います。申請書は別記様式第8の甲と乙の1による構成で、正本と別表所定の写しを提出する仕組みです。単に河川名と希望水量を書くだけでなく、水利使用の内容を説明する添付図書が定められています。 第2項第1号には、事業計画の概要、使用水量の算出根拠、河川の流量と申請取水量・関係河川使用者の取水量との関係を明らかにする計算が挙げられています。さらに、治水、他の河川使用、通航、漁業、史跡等への影響と対策の概要も対象です。申請者に必要な水量だけでなく、河川全体での利用関係を資料として示す構造になっています。 工作物を新築・改築・除却する場合は、工事計画の図書も関係します。第11条の表はダムの新築・改築、その他の工作物、除却を分け、計算書や図面などを掲げています。工事の種類で図書が変わるため、表の一行だけをすべての水利使用に共通する資料と扱うことはできません。 また、他者の管理する土地・施設等の使用権原や、他の行政庁の処分を受けていること、または受ける見込みに関する書面も挙げられています。流水の使用、工事、他制度の手続を別々に放置せず、申請資料の中で関係を示す仕組みです。出典は[施行規則第11条](https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50004000007/20241101_506M60000800092)です。 ## 土地占用と工作物の申請を区別する 第12条は、土地の占用の許可申請を扱います。ただし、水利使用に関するものや、所定の工作物の新築・改築に関するものを除くとされています。この除外部分が、土地を使う申請をすべて第12条にまとめないための重要な手がかりです。 第12条の添付図書には、事業計画の概要、位置図、実測平面図、面積計算書、丈量図などがあります。土地をどこでどの程度使う計画なのかを図面と面積で説明する構成です。これに対し、第15条は工作物の新築等に関する申請を定め、設計図、除却の場合の構造図、工事の実施方法などを掲げています。 第15条にも、水利使用に関するものなどの除外があります。したがって、「工作物だから第15条」と名称だけで選ぶのではなく、水利使用との結び付きと各条冒頭の対象範囲を照合します。土地占用の許可と工作物に関する許可が一つの計画に関連する場合でも、提出する書類の組合せは規則の区分に従います。 別記様式第8の甲は共通に使われる一方、乙の部分は第12条では乙の2、第15条では乙の4です。共通部分と行為別の部分があるため、同じ様式番号を見つけただけで書類の選択が終わるわけではありません。様式、条文、添付図書を対応させて読むと、申請の内容を整理できます。出典は[第12条・第15条](https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50004000007/20241101_506M60000800092)です。 ## 関連する許可の同時申請と図書の省略 第39条は、一つの行為または関連する行為について複数の所定の許可・登録が必要な場合に、申請を同時に行うことを定めています。対象には流水の占用、土地占用、工作物等の許可や、所定の流水占用の登録などが列挙されています。やむを得ない理由がある場合のただし書もあります。 この規定は、必要な許可を一つに置き換えるものではありません。複数の許可・登録の関係を保ったまま、申請時期を合わせるための規定です。例えば書類が共通していても、許可の根拠となる行為区分まで同一になるわけではありません。 第40条第1項は、同時申請で一つの添付図書の内容が他の図書に含まれる場合、重複する図書を添付する必要がないとしています。第2項は変更申請について、変更に関する事項を記載した図書を添付すれば足りるとし、第3項は変更の趣旨と理由の書面を求めています。 第4項には、行為が軽易であることなどから図書全部が不要と認められる場合の一部省略もあります。「同時申請なので添付はすべて不要」「変更なので理由書は不要」とする規定ではなく、省略できる条件と残る資料が区別されています。準備段階では、重複図書の整理と変更内容の説明を切り分けられます。根拠は[第39条・第40条](https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50004000007/20241101_506M60000800092)です。 ## 完成検査と許可後の地位の変化 河川法施行規則は、工事前の許可申請だけで終わりません。第19条は完成検査の申請を定め、工作物の使用開始予定年月日、関連工事の実施状況、当初の水利使用で示した影響への対策の実施状況などを記載する図書を求めています。 許可前には計画を示し、完成段階ではその実施状況を示すという対応が読み取れます。ダムについては、流水の貯留により損失を受ける者への措置の実施状況も関係します。完成検査は単に工事完了の日付を通知するだけの書類として設計されていません。第20条には工作物の一部使用の承認申請が別に置かれています。 第21条は、許可に基づく地位の承継の届出を規定します。別記様式第11を使うとともに、地位の承継を示す書面等を添付します。許可の対象物が同じであっても、承継を証明する資料を用いた手続があることが分かります。権利の譲渡の承認申請は第22条で別に扱われます。 このように、申請資料の管理は新規申請の一度だけではなく、変更、完成、地位の承継とつながります。規則を使う場面がどの段階にあるかを確定すると、初回の計画図書を探すべきなのか、実施状況や承継の証拠を整理すべきなのかを区別できます。出典は[第19条から第22条](https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50004000007/20241101_506M60000800092)です。 ## 参考リンク 様式・別表を含む一次資料は、次の2024年11月1日施行版です。 - [e-Gov法令検索:河川法施行規則](https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50004000007/20241101_506M60000800092) - [e-Gov法令API:同施行版](https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/340M50004000007_20241101_506M60000800092)