--- title: "登記手数料令とは:登記関連の手数料の確認先" description: "登記手数料令の証明書交付、オンライン請求、閲覧、筆界特定の料金区分を整理します。不動産や法人の登記資料を取り寄せる際に、請求方法、受取方法、通数や枚数による違いを条文から確認できます。" date: 2026-09-15 category: 法令解説 tags: [登記, 手数料] related_laws: [324CO0000000140] draft: false --- 登記手数料令(昭和24年政令第140号、法令ID:`324CO0000000140`)は、登記事項証明書の交付、登記簿等の閲覧、筆界特定の申請などに関する手数料を定める政令です。[法令全集の条文](/view/324CO0000000140)と[e-Gov法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/20260401_507CO0000000367)で確認できます。不動産の資料を集める人、法人の証明書を取得する担当者、登記関係の申請を準備する人が、請求する資料と料金区分を照合する場面で参照します。この記事では2026年9月15日時点の施行条文に基づき、主な交付・閲覧手数料の見方を扱い、登記申請そのものの要件や個別の筆界の判断は扱いません。 ## 証明書の種類と料金の数え方 第1条は、この政令で手数料を定める手続を列挙しています。不動産・商業登記だけでなく、動産・債権譲渡登記や後見登記の証明書なども含まれます。名称に「登記」が入る費用を一つの料金にまとめる規定ではなく、証明・閲覧・申請といった行為ごとに金額を定める仕組みです。 第2条第1項では、同条の別項に掲げるものを除く登記事項証明書等の交付を1通600円としています。一方、登記事項要約書は第2項で1登記記録500円、所有不動産記録証明書は第3項で1通1,600円です。同じ不動産関係の資料でも、証明する範囲と料金の単位が異なります。請求書の名称だけでなく、「1通」「1登記記録」などの数え方まで対応させる必要があります。 | 主な交付対象 | 第2条の基本額 | 数える単位 | |---|---:|---| | 登記事項証明書等(第1項) | 600円 | 1通 | | 登記事項要約書 | 500円 | 1登記記録 | | 所有不動産記録証明書 | 1,600円 | 1通 | | 地図等の写し | 500円 | 土地1筆または建物1個 | | 土地所在図等の写し | 500円 | 1事件に関する図面 | この表は第2条の一部を抜き出したもので、オンライン請求の特例を反映した総合料金表ではありません。また、同条第1項は1通が50枚を超える場合に、超過する枚数50枚までごとに100円を加算します。枚数加算は各項で定め方が異なるため、別の証明書にも同じ加算額をそのまま当てはめることはできません。出典は[登記手数料令第1条・第2条](https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/20260401_507CO0000000367)です。 ## オンライン請求と受取方法の組合せ 第3条は、電子情報処理組織を使って交付を請求する場合の手数料を定めています。ここで区別されているのは請求の方法だけではありません。請求後に証明書の送付を求めるかどうかも、条文上の金額を選ぶ条件になります。 第3条第1項の登記事項証明書は、原則として1通490円で、送付を求める場合は520円です。第2項の所有不動産記録証明書は1通1,470円、送付を求める場合は1,500円とされています。第3項・第4項の電磁的記録に記録された地図等や土地所在図等に関する書面では、440円と、送付を求める場合の470円が区別されます。それぞれ第2条のどの対象に対応する特例なのかが条文に明示されています。 さらに第3条第7項は、書留など所定の特殊な取扱いで送付を求める場合の料金加算を定めています。基本額だけを見て郵送に関する費用が常に一定だと考えず、送付の取扱いに応じた規定も合わせて確認する構造です。複数通の送付については、同項に合計額に関する規定があります。 オンラインで請求することと、証明内容を電磁的記録で受け取ることも別です。第4条は、動産・債権譲渡登記や後見登記について、電磁的記録の提供を求める場合を列挙しています。第3条のすべての書面について第4条の受取方法を選べる、という書き方にはなっていません。対象となる証明書と提供方法を一組で確認することが、この政令の料金表を読む要点です。出典は[第3条・第4条](https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/20260401_507CO0000000367)です。 ## 閲覧と特殊な登記の証明 証明書を受け取る手続と、登記簿や附属書類を閲覧する手続は、別の条文で扱われます。第5条第1項は登記簿またはその附属書類の閲覧を、1登記用紙または1事件に関する書類につき500円としています。地図等の閲覧、動産・債権譲渡登記の申請書等の閲覧、後見登記の申請書等の閲覧も、それぞれ同条に区分があります。 交付される証明書についても、動産・債権譲渡登記には独自の計算があります。第2条第7項では、動産譲渡登記ファイルに係る登記事項証明書と、債権譲渡登記ファイルに係るものを分けています。複数の動産や債権の登記事項を一括して証明した場合の加算も置かれているため、単純に「証明書1通」の基本額だけで完結しない場合があります。 後見登記については、第2条第10項が、登記事項を証明するものと、ファイルに記録がないことを証明するものを区別しています。電子的な請求・提供の場合には第3条・第4条の該当号を確認します。これは書類名のわずかな違いではなく、何を証明する請求なのかという区分です。 また、第7条には登記識別情報に関する証明の手数料があります。登記記録に記載された権利等の証明、記録がない旨の証明、識別情報に関する証明を混同せず、必要とされる資料を確定してから該当条文へ進むと、料金区分を整理できます。根拠は[第2条第7項以下・第5条・第7条](https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/20260401_507CO0000000367)です。 ## 筆界特定は土地の価額を基礎に計算する 第8条の筆界特定の申請手数料は、証明書の交付のような一律の通数料金ではありません。対象土地の価額として法務省令の方法で算定される額の合計、その2分の1に相当する額、さらに法務省令で定める利益の割合を用いて、計算の基礎となる額を求める仕組みです。 その基礎額に対し、第8条第1項の表にある段階別の計算を行います。表は「100万円までの部分」など、額の部分ごとに区切られています。土地の価額そのものを表の一つの区分に入れて単一の料金を選ぶ方式ではなく、基礎額を作る段階と、区分別に手数料を計算する段階が分かれています。実際の算定には、同条から委任された法務省令の内容も必要です。 同条第2項は、同一の筆界に係る複数の申請が一つの手続でされた場合の扱いを定めます。第3項以下には、所定の公告または通知の前に申請が取り下げられ、または却下された場合の還付と、その請求期間の規定があります。申請した件数だけで計算を終えず、同一筆界を一つの手続で扱う場合や、手続の進行段階に関する条項も関係する構成です。 筆界特定書や手続中の図面の写し、手続記録の閲覧については、第9条が別に手数料を定めています。筆界特定の申請のための費用と、結果や記録を取得するための費用は区別されています。この記事では個別の土地価額や利益割合を仮定した試算は行わず、算定の根拠がどの条文に分かれているかを示しています。出典は[第8条・第9条](https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/20260401_507CO0000000367)です。 ## 参考リンク 本文の金額と手続区分は、2026年4月1日施行版の次の一次資料で確認できます。 - [e-Gov法令検索:登記手数料令](https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/20260401_507CO0000000367) - [e-Gov法令API:同施行版の条文](https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/324CO0000000140_20260401_507CO0000000367)