--- title: "自然公園法とは:公園の指定と区域内の規制" description: "自然公園法の国立・国定公園、公園計画、特別地域・特別保護地区・海域公園地区、普通地域と利用調整を解説。公園内で活動や事業を計画する人に向け、区域指定と許可・届出・認定の違いを整理します。" date: 2026-09-15 category: 法令解説 tags: [自然公園, 自然保護] related_laws: [332AC0000000161] draft: false --- 自然公園法(昭和32年法律第161号、法令ID:`332AC0000000161`)は、優れた自然の風景地の保護と利用の増進を図り、生物多様性の確保にも寄与するため、公園の指定、計画、行為規制等を定めています。[法令全集](/view/332AC0000000161)と[e-Gov法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000161)で確認できます。公園内で施設整備や自然体験活動を計画する人、自然保護行政を調べる人が参照します。この記事では区域と手続の違いを扱い、特定地点での行為の許可要否や登山時の安全判断は扱いません。 2026年9月15日時点の2026年7月1日施行版を参照しています。 ## 公園の指定と公園計画は異なる決定である 第2条は自然公園を国立公園、国定公園、都道府県立自然公園に分けています。第5条では国立・国定公園とも環境大臣が指定しますが、国定公園は関係都道府県の申出によるという違いがあります。国定公園を都道府県が指定する公園と同一視しないことが出発点です。 指定は公園の区域を定める手続であり、第7条の公園計画は、その区域での保護・利用のための規制、公園事業その他の必要事項を定めるものです。公園の名称を確認することと、内部でどのような区域や事業が計画されているかを確認することは別の作業になります。 第7条は公園計画の公示・閲覧、第8条は変更等を定めます。現地での活動を調べる場合は、法律の一般規定に加えて、対象公園の計画と区域を確認する構成です。同じ公園の中でも、保護の必要性や利用の条件に応じた区分があり、公園境界だけを見ればすべての行為規制が分かるわけではありません。[根拠:第2条・第5条・第7条・第8条](https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000161#Mp-At_7) ## 特別地域と特別保護地区は保護の範囲が違う 第20条は風致維持のため、海域を除く区域内に特別地域を指定する仕組みです。工作物の新築・改築・増築、木竹の伐採等の行為について許可制を定めています。許可の主体は国立公園では環境大臣、国定公園では都道府県知事という基本構造です。 第21条の特別保護地区は、景観維持のため特に必要な場合に、特別地域内に指定するものです。特別地域の一定の行為に加え、木竹の損傷・植栽等についても規定があります。名前が似ていますが同じ区域ではなく、特別地域の内部に設ける、より限定された保護の仕組みです。 各条には対象行為の条件、例外、届出等もあり、どの活動も一律禁止とする規定ではありません。法文で挙げられた行為と、省令や指定によって具体化される条件を組み合わせます。公園の種類、内部の区域区分、予定行為の三つを分けて読むことで、どの条文の手続を確認すべきかが明確になります。[根拠:第20条・第21条](https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000161#Mp-At_20) ## 海域公園地区と普通地域にも独自の規制がある 第22条は、海域の景観維持のために海域公園地区を指定する仕組みを置いています。工作物や指定された区域・対象に関する行為等を扱い、漁業に関する一定の行為や応急措置等についても区分しています。陸上の特別地域の規定を、海域にそのまま当てはめる制度ではありません。 第33条の普通地域は、特別地域と海域公園地区に含まれない公園区域です。一定規模を超える工作物の新築等について届出を定めています。「普通」という名称でも、公園の外と同じ扱いになるわけではありません。許可制の地域とは手続の入口が異なりますが、行為について何の規定もない区域ではありません。 この区分を理解するには、公園内かどうかだけでなく、陸域・海域と指定区域を併せて確認します。工作物の規模等は省令で具体化されるものもあるため、法律上の行為名と現地の区域図だけでも完結しない場合があります。許可、届出、例外という違いは、区分された保護目的に対応して設けられています。[根拠:第22条・第33条](https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000161#Mp-At_33) ## 利用調整地区では立入り自体を認定で扱う 第23条は、風致又は景観の維持と適正な利用のため特に必要な場合に、特別地域又は海域公園地区内へ利用調整地区を指定できるとしています。区域内では、定められた期間の立入りについて認定制度が置かれています。建物を建てる等の行為だけでなく、人が利用することそのものを調整する仕組みです。 第24条は、公園を利用する目的や、風致・景観と適正利用に支障を及ぼさない基準への適合等を認定の条件としています。認定の申請、認定証等に関する規定があり、指定認定機関に関する制度へ続きます。公園全体で一律に入場許可が必要という制度ではなく、指定された地区と期間が前提です。 開発行為の許可と、利用者の立入りの認定は名称も役割も異なります。自然体験の計画を調べる場合は、施設整備に関係する手続だけでなく、利用地点が利用調整地区に含まれるかという別の確認軸があります。自然を保護しながら利用を認めるという第1条の目的が、区域と期間を限定した利用制度にも表れています。[根拠:第23条・第24条](https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000161#Mp-At_23) ## 公園事業と地域の管理主体を組み合わせる 第9条は公園事業の決定、第10条は国立公園事業の執行を定めています。国が執行するほか、公共団体は協議、国・公共団体以外の者は認可を受けて一部を執行できる構成です。公園事業は公園計画に基づく保護・利用施設に関する事業であり、公園内で行う事業をすべて同じ意味で呼ぶものではありません。 第49条は公園管理団体の指定を定め、自然の風景地の保護と適正利用を目的とする法人等が対象となります。国や自治体だけでなく、一定の能力を持つ団体が管理に関わる仕組みです。事業の認可と管理団体の指定は別制度であり、活動の目的や法的な位置を確認して読み分けます。 都道府県立自然公園については、第72条以降が指定・保護・利用を扱い、第73条が条例による規制等を定めています。国立・国定公園の規定がすべて直接同じ形で適用されるわけではありません。自然公園法を入口として、個別の公園計画や指定、環境省令、条例へ進むことが、現地の保護と利用の仕組みを把握するための順序になります。[根拠:第9条・第10条・第49条・第73条](https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000161#Mp-At_73) ## 参考リンク 公園区分と手続の根拠は、公式条文で確認できます。 - [自然公園法:e-Gov法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000161) - [2026年9月15日時点の条文データ](https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/332AC0000000161?asof=2026-09-15)