--- title: "国家公務員宿舎法施行令とは:宿舎の設置と管理の委任事項" description: "国家公務員宿舎法施行令の貸与対象、宿舎設置計画、無料・有料宿舎の選定、使用料と管理変更を解説。宿舎事務を調べる人に向け、国家公務員宿舎法と財務省令がそれぞれ担う手続・算定の範囲を整理します。" date: 2026-09-15 category: 法令解説 tags: [国家公務員, 宿舎] related_laws: [333CO0000000341] draft: false --- 国家公務員宿舎法施行令(昭和33年政令第341号、法令ID:`333CO0000000341`)は、宿舎の貸与対象、設置計画、使用料の算定等について、国家公務員宿舎法から委ねられた事項を具体化する政令です。[法令全集](/view/333CO0000000341)と[e-Gov法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/law/333CO0000000341)で確認できます。各省各庁の宿舎担当者や貸与制度を調べる職員が参照します。この記事では設置から管理・使用料までの仕組みを扱い、特定の宿舎の入居可否や使用料の個別計算は扱いません。 2026年9月15日時点では、2024年4月1日施行版を参照しています。 ## 貸与対象と共同施設を法律の定義から具体化する 施行令第1条は、職員、宿舎、各省各庁、省庁別宿舎、合同宿舎等の用語を本法の定義に結び付けています。政令が独立した住宅制度を作るのではなく、本法の制度を具体化していることを示す規定です。宿舎の種類や管理区分を読む場合は、法律で定めた用語を前提にします。 第2条は、短時間勤務の官職を占める者等の範囲について、職務に伴う非常勤務や官署への近接居住の必要等に応じた定めを置いています。対象となる官署に勤務することだけではなく、職務の性質や指定の手続も組み込まれています。国家公務員という身分の名称だけですべての貸与条件を表す制度ではありません。 第3条は共同施設として、共同の洗濯場・物干場、物置、ごみ処理場、集会場等を挙げます。また、第1条第2項は自動車の保管場所を定義しています。居住する部屋だけでなく、共用の設備や駐車のための施設も対象になるため、後の使用料規定では住居部分と自動車の保管場所を分けて扱います。[根拠:第1条から第3条](https://laws.e-gov.go.jp/law/333CO0000000341#Mp-At_1) ## 設置要求を構造・場所・必要性の資料にする 第6条は、宿舎設置要求の書類に構造、規格、数量、設置場所と方法、貸与を受ける職員の勤務官署等を示すことを定めています。単に戸数を要求するのではなく、どこにどのような施設を設け、どの官署に関係するかを記録する手続です。区分に応じて、宿舎の現況や不足数等を示す添付書類も求めています。 第7条は、財務大臣が合同宿舎設置計画書と各省各庁別の省庁別宿舎設置計画書を作成することを定めます。要求する側の書類と、設置計画として整理する書類は別に設けられています。施設の種類や設置場所等の情報が、要求から計画へつながる構成です。 第8条は、計画変更の要求について変更内容と理由を明らかにした書面を必要とします。さらに、第6条・第7条の様式や作成方法は財務省令に委ねられています。政令で記載事項の骨格を定め、省令が書式等を補う関係です。計画段階で必要性と内容を整理し、変更が生じた場合にはその理由を明らかにする仕組みが設けられています。[根拠:第6条から第8条](https://laws.e-gov.go.jp/law/333CO0000000341#Mp-At_6) ## 無料宿舎の対象と有料宿舎の選定は異なる 第9条は、無料宿舎を貸与する者の範囲を定めています。非常勤務のため官署の構内や近接する場所等に居住する必要のある職員、継続的な研究・実験に従事する職員、へき地の官署に勤務する職員等が挙げられ、各省各庁の長が財務大臣に協議して指定する構成です。福利厚生としての住宅需要だけを挙げる規定ではありません。 有料宿舎の選定は第12条です。省庁別宿舎について職務等による順位を定め、同順位の職員が複数いる場合は、職務の性質、住居の困窮度その他の事情を考慮するとしています。特別の事情がある場合の扱いも条文にあります。順位の記載だけで個々の貸与が確定する仕組みではなく、複数の事情を扱う制度です。 合同宿舎では、各省各庁の宿舎の充足状況を考慮し、有料宿舎の選定方法に準拠すると定めています。無料か有料かという区分と、省庁別か合同かという区分は同じではありません。対象者の性質、貸与の選定、管理の区分を分けて読むと、宿舎制度の条件を取り違えずに整理できます。[根拠:第9条・第12条](https://laws.e-gov.go.jp/law/333CO0000000341#Mp-At_9) ## 使用料は面積と所在地の区分を基礎にする 第13条は、住居部分等の有料宿舎の使用料を、1平方メートル当たりの基準使用料と延べ面積から算定すると定めています。基準使用料は面積区分と所在地の区分に対応した表に置かれています。全国の宿舎に同一の月額を適用する制度ではありません。 同条第2項には、建築後の年数、立地条件、構造・施設の差、公用部分、面積等に応じた調整があり、財務省令の定めにつながっています。政令の表を見つけても、その値だけで個別の使用料計算が完結するとは限りません。基礎となる単価と面積、調整が関係する項目を分けて把握します。 第14条は自動車の保管場所について、設置形態と所在地に応じた基準使用料に、財務省令で定める駐車面積を乗じる仕組みを置いています。住居と駐車場所の算定は別条です。さらに第15条は在外公館勤務職員の有料宿舎について、外務大臣が財務大臣に協議して定めるとしています。国内の住居部分の計算を、そのまま駐車施設や在外宿舎に広げない構成になっています。[根拠:第13条から第15条](https://laws.e-gov.go.jp/law/333CO0000000341#Mp-At_13) ## 管理の委任・廃止・明渡しにも手続を置く 第5条は宿舎事務を職員に委任する際、職員・官職と委任する事務の範囲について財務大臣に協議すること等を定めています。他の各省各庁の職員への委任では、その長の同意に関する規定もあります。実際の事務担当者を置くことと、権限をどの範囲で委任するかを明確にすることは別の段階です。 第10条は宿舎廃止や種類変更の協議書に、所在地、種類、構造、面積、理由、現に貸与を受ける職員の勤務官署等を記載し、図面等を添付することを定めます。第11条は維持管理する省庁を変更する場合の協議を扱います。建物を設けるときだけでなく、用途や管理主体を変える段階にも資料による確認が設けられています。 第16条は、本法の明渡期日を過ぎて明け渡さない場合の損害賠償金の額を、使用料を基礎として算定する規定です。通常の使用料と別の性質の金額であり、明渡しの事由や期日自体は本法の規定と併せて読む必要があります。施行令は、設置計画、貸与、使用料、終了時の取扱いを、法律と省令の間で具体化する役割を担っています。[根拠:第5条・第10条・第11条・第16条](https://laws.e-gov.go.jp/law/333CO0000000341#Mp-At_16) ## 参考リンク 宿舎制度の各段階は、公式条文で確認できます。 - [国家公務員宿舎法施行令](https://laws.e-gov.go.jp/law/333CO0000000341) - [2026年9月15日時点の条文データ](https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/333CO0000000341?asof=2026-09-15)