--- title: "地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令とは:特例対象の調達と手続" description: "地方公共団体の調達特例政令について、対象団体・契約・予定価格から適用範囲を整理します。自治体の契約担当者や入札参加者が、資格、公示、入札説明書、複数落札、随意契約の特例を確認できます。" date: 2026-09-15 category: 法令解説 tags: [政府調達, 地方自治] related_laws: [407CO0000000372] draft: false --- 地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令(平成7年政令第372号、法令ID:`407CO0000000372`)は、国際約束の適用を受ける地方公共団体の契約について、通常の契約手続の特例を定めています。[法令全集](/view/407CO0000000372)と[e-Gov法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/law/407CO0000000372/20240401_506CO0000000012)で確認できます。自治体の契約担当者や入札参加者が、特定調達の対象と必要な手続を調べる際に参照します。この記事では2026年9月15日時点の政令の構造を説明し、個別案件の適用判定や告示による基準額の一覧は扱いません。 ## 国際約束の対象となる団体と契約 第1条は、政府調達に関する協定、日欧の経済連携協定などを実施するため、地方自治法施行令と地方公営企業法施行令の特例を設けるとしています。地方公共団体の調達をすべて一から定め直すのではなく、通常の契約制度に対する特例という関係です。 第2条の「特定地方公共団体」は都道府県と指定都市を指します。ただし、第3条の適用範囲には中核市も記載されています。「特定地方公共団体」の定義だけを読んで中核市を全く対象外と説明することはできません。第2条は特定役務の定義も団体区分に応じて分け、協定の附属書等を参照しています。 物品等には、現金・有価証券を除く動産だけでなく、著作権法上のプログラムも含まれます。調達契約には物品等・特定役務に付随する他の調達を含む旨がある一方、特定事業に関する限定もあります。契約名が「委託」か「購入」かだけで適用を判断する構造ではありません。 さらに第3条には、有償譲渡を目的とする物品等、中核市の電気事業、公共の安全と秩序に関する秘密を要する契約などの除外があります。団体、調達の対象、除外という複数の条件を順に照合する制度です。出典は[政令第1条から第3条](https://laws.e-gov.go.jp/law/407CO0000000372/20240401_506CO0000000012)です。 ## 予定価格は継続期間と一連の契約を含めて読む 第3条は、予定価格が総務大臣の定める区分・額以上である調達契約を対象とします。具体的な基準額はこの政令本文に固定されていません。政令の適用構造を説明することと、対象時期の告示の額を確認することは別の作業になります。 物品の借入れや継続的な役務については、期間の定めが12か月以下の場合、期間全体の予定賃借料または予定価格の総額を用いるとしています。それ以外の場合は総務大臣の定めるところにより算定する仕組みです。月額だけを基準額と比較する読み方では、条文の期間に関する条件を反映できません。 第2条第6号は、一つの需要や同一種類の物品等・役務に係る複数の契約を「一連の調達契約」と定義しています。第3条第2項は、その予定価格を合計額とします。契約書が複数に分かれていることだけで、予定価格の確認も常に個別になるわけではありません。 こうした規定は、対象額を契約件数や月額だけで把握しないためのものです。算定の際は、調達の内容と期間、関連する契約のまとまりを整理してから、当該時期の基準額に対応させる必要があります。根拠は[第2条第6号・第3条](https://laws.e-gov.go.jp/law/407CO0000000372/20240401_506CO0000000012)です。 ## 参加資格と公告・説明書の関係 第4条は、特定調達契約の締結が見込まれる年度ごとの参加資格の公示を定めています。第5条は、特定地方公共団体について事業所所在地に関する資格を定めることを制限し、中核市では欧州連合等の供給者に関する取扱いを別項で規定しています。団体区分と供給者の区分を省略すると、異なる条件を一つの説明にしてしまいます。 第6条の一般競争入札の公告には、競争入札に付する事項、契約条項を示す場所、入札保証金、資格審査申請の時期・場所、説明書の交付、落札者の決定方法等があります。一連の調達契約では、後の調達の名称・数量・公告予定時期なども示す構造です。 第7条は指名競争入札についての公示等、第8条は入札説明書の交付を扱います。説明書で扱う必要事項は地方公共団体の規則に委任されています。政令に共通の骨格がある一方、実際の入札参加では対象自治体の規則と案件の文書も関係します。 参加資格を持つこと、案件の公告を確認すること、説明書で必要事項を把握することは、それぞれ別の段階です。この政令はそれらを接続する規定を置いており、特定調達であることだけから参加条件を一律に説明するものではありません。出典は[第4条から第8条](https://laws.e-gov.go.jp/law/407CO0000000372/20240401_506CO0000000012)です。 ## 複数落札と随意契約にも独自の条件がある 第10条は、需要数量が多い場合に数量と単価を入札させ、予定価格以下の単価の入札者から低価の順に需要数量まで落札者とすることができるとしています。一つの案件で落札者を一者に限定しない、数量を分ける仕組みです。 最後の順位の入札数量を合算すると需要数量を超える場合、その超過分は落札がなかったものとします。同価の入札がある場合は入札数量の多い者を先順位とし、数量も同じ場合の順位決定にも規定があります。単価の比較だけでなく、数量と順位を組み合わせた制度として設計されています。 第11条は随意契約を扱い、地方自治法施行令等の特定の号による場合のほか、列挙する事情に該当するときに限るとしています。代替できない物品等や排他的権利・特殊技術、既調達物品等との連接、試験研究の結果による試作品等などが挙げられています。 通常の随意契約の根拠を、そのまま特定調達にもすべて適用できるとする規定ではありません。特例政令が参照する号と独自の要件を確認する必要があります。この記事は個別案件の随意契約の可否を判断せず、複数落札と随意契約に固有の規定があることを示しています。出典は[第10条・第11条](https://laws.e-gov.go.jp/law/407CO0000000372/20240401_506CO0000000012)です。 ## 参考リンク 対象契約と特例の詳細は、次の2024年4月1日施行版で確認できます。 - [e-Gov法令検索:地方公共団体の調達特例政令](https://laws.e-gov.go.jp/law/407CO0000000372/20240401_506CO0000000012) - [e-Gov法令API:同施行版](https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/407CO0000000372_20240401_506CO0000000012)