--- title: "物品管理法施行令とは:管理手続と物品管理官の事務" description: "物品管理法施行令の分類、事務委任、管理換、払出しと供用を解説。修繕・不用決定から売払い、亡失・損傷の報告、帳簿と年度末報告、交替時の検査まで各担当官の事務をつないで整理します。" date: 2026-09-15 category: 法令解説 tags: [物品管理, 国の会計] related_laws: [331CO0000000339] draft: false --- 物品管理法施行令(法令ID:`331CO0000000339`)は、物品管理法に基づく国の物品管理の事務分担と具体的な手続を定めます。[法令全集](/view/331CO0000000339)と[e-Gov法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/law/331CO0000000339)に条文があります。官庁の物品担当者が管理換、払出し、修繕等を整理する際に参照する政令です。本記事は物品管理官等の事務と確認事項を扱い、個別の調達契約や廃棄方法の判断は扱いません。2026年9月15日時点について、2024年6月10日施行版を確認しています。 ## 分類と事務委任で管理の単位を決める 第3条は物品の分類を、会計、予算上の部局等の組織、予算の項の目的等に対応させています。単に品名や保管棚ごとに整理する分類ではなく、国の会計・組織と結び付いた管理単位です。 同条は、物品の用途や適正・効率的な供用・処分を考慮し、目的別によらない分類を設ける場合も規定しています。分類は物品をどう使用し処分するかと関わるため、現物の形だけを基準に固定する仕組みではありません。第5条以降は管理事務、出納保管事務、供用事務の委任を分けます。 第6条では、物品の数量や保管場所などの管理条件を勘案して定める基準に従い、出納・保管の事務を委任等する構成です。第7条は供用事務についてこれを準用します。誰が管理を決め、誰が受渡しや保管を担い、誰が使用のための供用を行うかを区別することで、同じ物品について複数の担当者が関与する理由を説明できます。 ## 管理計画と管理換は別の手続 第11条は、各省各庁の長等が管理の実情を考慮して定めるところに従い、物品管理官が管理計画を定めることを規定します。四半期ごとに定めることを例としており、将来の管理を計画する規定です。 これに対し、第18条は管理換をする、または受ける際の承認手続を定めます。相手方となる物品管理官と協議し、その内容を明らかにして、所属する各省各庁の長等の承認を受けます。管理換は物品の保管場所を変えることだけでなく、管理する機関の変更に対応するため、協議の相手と承認する者を明確にする必要があります。 異なる会計間の管理換について、第21条は有償としない場合を定め、第22条は有償で整理する対価を時価としています。短期間で返還する条件が付く場合など、例外の対象は条文で限定されています。管理換の承認と会計上の有償・無償の整理は別の確認事項であり、一方を確認すればもう一方も済むわけではありません。 ## 払出し・供用・出納を記録可能な形で行う 第26条は、供用のための払出し請求で品目、規格、数量、用途を明らかにすることを定めます。倉庫から物を出すという動作の前に、どの物を何のために使用するかを特定する仕組みです。 第27条では、物品を供用する場合に使用する職員を明らかにします。担当部署に渡したことだけでなく、使用者との対応を確認する規定です。第29条の出納命令では、分類、品目、規格、数量、時期、引渡しの相手等を明らかにし、第30条は物品出納官に命令内容との適合確認を求めます。 この流れでは、必要性を示す払出し請求、管理官の出納命令、出納官による確認、供用先の明確化がそれぞれ役割を持ちます。数量が合っているかだけでなく、規格や相手方も命令との照合対象です。第28条は国以外の者の施設で保管する際の品目・数量、期間、管理上の条件等も規定しており、物品が庁舎外にある場合にも管理情報を保持する構造になっています。 ## 修繕の請求と不用決定の承認 第32条は、物品管理官または物品供用官が修繕・改造の措置を請求する際、品目・数量、時期、内容、管理上の条件を明らかにすることを定めます。使用中の不具合を直す段階にも、具体的な事務手続があります。 修繕内容を明示することは、物を渡して修理を頼むだけの処理と異なります。いつ、どの範囲を、どの条件で直すかを整理し、契約等の担当職員へ必要な措置をつなげる関係です。供用する担当者と契約を担う担当者が同一とは限らないことが、条文の事務分担に表れています。 第33条は不用決定に承認を要する物品を定め、第34条は承認を求める際に処分予定を明らかにすることを求めます。不用とする判断と、その後どう処分するかは関連しつつ別の事項です。現物が古い、使う予定がないという事情だけで処分まで完了するのではなく、対象物品と承認の要否、予定する処分を順に整理することになります。 ## 売払い・貸付けは契約担当者への請求で具体化する 第35条は、不用の決定と廃棄を各省各庁の長が定める基準に従って行うことを規定しています。使わなくなった物品であることと、直ちに廃棄することは同じではありません。不用として整理する判断と、その後にどのような方法で処分するかを分ける構造です。管理担当者が独自に処分方法を決めるための包括的な裁量を与える条項ではありません。 第36条では、物品管理官が売払い・貸付けのための措置を請求するときに、物品の品目・数量、時期、管理上付すべき条件を明らかにすることを定めています。物品の状態を把握する管理事務と、売買や貸付契約を締結する事務を、請求によってつなぐ制度です。数量だけでなく、時期や引渡し後の管理に関係する条件も含めて伝える仕組みになっています。 これにより、物品管理官、物品出納官、契約等担当職員の役割を区別しながら、同じ物品の処分に必要な情報を共有します。購入から使用、返納、不用決定、売払いへ進む際には、担当者の役割が変わるため、どの段階で誰が何を請求するかを確認することが重要です。施行令は、物品の最終的な処分まで事務の連絡方法を具体化しています。 ## 亡失・損傷は使用職員から管理官へ報告する 第37条は、使用中の物品が失われたり損傷したりした場合に、使用職員が物品供用官などへ速やかに報告することを定めています。保管中・供用中の事故については出納官・供用官から管理官へ報告し、管理官から各省各庁の長などへ報告する流れがあります。事故を発見した人と、全体の管理責任を担う人を報告で結び付ける規定です。 後に返還を受ける条件の契約によって処分した物品についても、契約等担当職員が亡失・損傷の事実を把握したときは管理官へ通知します。庁内で直接使用している物品だけを対象にした報告網ではありません。また、物品管理に関する法令違反などの事実も報告対象とされ、物の有無に加えて管理行為の適否を把握します。 第39条は、弁償を命じられた物品管理職員が、その責めを免れるべき理由があると考える場合の会計検査院への検定請求を定めています。理由を示す書面と証拠書類を、所定の経由先を通して送付する制度です。事故の報告と弁償責任の手続は別であり、報告があったことだけで責任の内容を確定する規定ではありません。 ## 帳簿の異動記録を年度末報告と検査へつなぐ 第42条は、管理官・出納官・供用官がそれぞれの帳簿を備え、職務に応じて物品の異動を記録することを定めています。誰が使用しているか、どの管理区分へ移ったかなどを追う基礎となる制度です。第43条の物品増減及び現在額報告書は、指定された機械・器具・美術品を対象とし、年度末の管理簿の記録を基に作成します。すべての消耗品を同じ報告書に集計する規定ではありません。 第44条は、毎会計年度1回に加えて、管理官等の交替や廃止の際にも、物品と帳簿について検査することを定めています。必要な場合に随時検査を行う規定もあります。年度末の金額だけを点検するのではなく、管理行為が法律に適合しているかを確認するため、現物と記録を対応させる構造です。 第45条・第46条では、検査を受ける管理官等の立会い、検査書の作成・交付・提出を規定しています。検査書には検査員と立会人が記名し、結果を関係者が保持できるようにします。日々の異動記録、年度末の報告、交替時を含む検査という段階をつなぐことで、担当者が変わっても管理の経過を確認できる仕組みです。 ## 参考リンク 本文は第3条、第5条から第7条、第11条、第18条、第21条・第22条、第26条から第30条、第32条から第34条を参照しています。 - [e-Gov法令検索:物品管理法施行令](https://laws.e-gov.go.jp/law/331CO0000000339) - [e-Gov法令API:基準日時点の条文](https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/331CO0000000339?asof=2026-09-15)