--- title: "食料供給困難事態対策法とは:食料安全保障の基本枠組み" description: "食料供給困難事態対策法(令和6年法律第61号)の基本情報と条文構成を解説します。基本方針、対策本部、報告徴収、出荷・輸入・生産・製造に関する措置の概要を紹介します。" date: 2026-05-21 category: 法令解説 tags: [食料安全保障, 食料供給] related_laws: [506AC0000000061] draft: false --- 食料供給困難事態対策法(法令ID:`506AC0000000061`)は、食料供給困難事態に対応するため、基本方針、対策本部、特定食料の安定供給確保のための措置などを定める法律です。条文全文は[法令全集の食料供給困難事態対策法ページ](/view/506AC0000000061)またはe-Gov法令検索([https://laws.e-gov.go.jp/](https://laws.e-gov.go.jp/))で無料で閲覧できます。 ## 基本情報 食料供給困難事態対策法は、令和6年(2024年)に制定された法律です。農林水産省は、同法について、令和7年4月1日に施行されたと説明しています。 | 項目 | 内容 | |---|---| | 正式名称 | 食料供給困難事態対策法 | | 法令番号 | 令和六年法律第六十一号 | | 法令ID | 506AC0000000061 | | 制定年 | 2024年 | | 施行 | 2025年4月1日 | | 主な分野 | 食料安全保障、需給状況、対策本部、供給確保措置 | 第1条は、世界の食料需給・貿易が不安定な状況にあることを踏まえ、基本方針の策定、対策本部の設置、特定食料の安定供給確保のための措置等を定めることにより、食料安全保障の確保に寄与することを目的としています。 ## 条文構成 食料供給困難事態対策法は、総則、基本方針、需給状況に関する報告、対策本部、具体的な対策、雑則、罰則で構成されています。以下は主要な章の概要です(出典:e-Gov法令検索 掲載の条文)。 | 章 | 主な内容 | |---|---| | 第一章 総則 | 目的、特定食料、特定資材、食料供給困難兆候、食料供給困難事態などの定義 | | 第二章 基本方針 | 食料供給困難事態対策の実施に関する基本方針 | | 第三章 報告の徴収 | 特定食料等の需給状況に関する報告 | | 第四章 対策本部 | 食料供給困難事態対策本部の設置、組織、実施方針、公示、廃止 | | 第五章 対策 | 出荷・販売、輸入、生産、製造に関する要請・計画・指示等 | | 第六章 雑則 | 財政上の措置、権限、主務大臣等 | | 第七章 罰則 | 報告や計画届出等に関する罰則 | この法律は、食料供給が不足した後の対応だけでなく、食料供給困難兆候の段階からの情報収集や体制整備も扱っています。 ## 用語の位置づけ この法律を読むときは、第2条の定義が重要です。どのような食料や資材が対象になるか、どの段階で対策が動き出すかを確認する入口になります。 ### 特定食料 第2条は、特定食料について、米穀、小麦、大豆その他の農林水産物で、国民が日常的に消費しているものや国民の食生活上重要なものなどとして政令で定めるものをいうと定めています。 対象となる品目は、法律本文だけでなく政令もあわせて確認する必要があります。記事では個別品目の該当性判断までは扱いません。 ### 食料供給困難兆候 食料供給困難兆候は、気象災害、植物に有害な動植物、家畜の伝染性疾病の発生・まん延などにより、特定食料の供給が大幅に不足し、または不足するおそれがある段階を指します。 この段階では、食料供給困難事態の発生を未然に防止するための措置が想定されています。 ### 食料供給困難事態 食料供給困難事態は、特定食料の供給が大幅に不足し、または不足するおそれが高いため、国民生活の安定または国民経済の円滑な運営に支障が生じたと認められる事態を指します。 この用語は、対策本部の設置、実施方針、公示、出荷・販売等に関する措置と結びついています。 ## 基本方針と対策本部 第二章と第四章は、政府全体で対策を進めるための枠組みを定めています。基本方針と対策本部は、この法律の中核となる制度です。 第3条は、政府が食料供給困難事態対策の実施に関する基本方針を定めるものとしています。基本方針には、対策の基本的な方向、食料供給困難兆候または食料供給困難事態に該当するかどうかの基準、国が実施する措置、実施体制などが含まれます。 第6条以下は、食料供給困難事態対策本部について定めています。本部長は内閣総理大臣とされ、内閣官房長官および農林水産大臣が副本部長とされています。 ## 出荷・輸入・生産・製造に関する措置 第五章は、特定食料等の供給を確保するための具体的な措置を定めています。条文上は、まず要請が置かれ、その後に計画の届出や変更指示などが規定されています。 第15条は、出荷または販売に関する要請等を定めています。主務大臣は、本部設置期間において必要があると認めるとき、出荷販売業者に対し、措置対象特定食料等の出荷または販売を調整するよう要請することができます。 第16条は輸入に関する要請等、第17条は農林水産物の生産に関する要請等、第18条は加工品等の製造に関する要請等を定めています。 これらの規定は、どの事業者が対象になるか、どの段階でどの措置が行われるかについて、法律、政令、省令、基本方針をあわせて確認する必要があります。 ## 読むときの注意点 食料供給困難事態対策法は、報道やSNSで断片的に語られることもありますが、条文上は段階ごとの要件、手続、公示、国会報告などが細かく置かれています。確認するときは、目的規定、定義、基本方針、対策本部、第五章の措置を順に読むと全体像をつかみやすくなります。 個別の事業者が計画届出や指示の対象になるかどうか、特定の品目が対象になるかどうかは、具体的な状況、政令・省令、基本方針、行政の運用に左右されます。実務上の判断が必要な場合は、所管行政庁または弁護士等の専門家に確認してください。 ## 参考リンク この記事は、以下の公式資料等を参照して作成しています。 - [法令全集:食料供給困難事態対策法](/view/506AC0000000061) - [e-Gov法令検索:食料供給困難事態対策法](https://laws.e-gov.go.jp/law/506AC0000000061) - [農林水産省:食料供給困難事態対策法について](https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/horitsu.html) - [農林水産省:食料安全保障について](https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/)