株式会社日本政策投資銀行法
第一章 総則
(目的)
第一条目的
第一条 株式会社日本政策投資銀行(以下「会社」という。)は、その完全民営化の実現に向けて経営の自主性を確保しつつ、出資と融資を一体的に行う手法その他高度な金融上の手法を用いた業務を営むことにより日本政策投資銀行の長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持し、もって長期の事業資金を必要とする者に対する資金供給の円滑化及び金融機能の高度化に寄与することを目的とする株式会社とする。
(商号の使用制限)
第二条商号の使用制限
第二条 会社でない者は、その商号中に株式会社日本政策投資銀行という文字を使用してはならない。
2 銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第六条第二項の規定は、会社には適用しない。
第二章 業務等
(業務の範囲)
第三条業務の範囲
第三条 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。
一 預金(譲渡性預金その他政令で定めるものに限る。)の受入れを行うこと。
二 資金の貸付けを行うこと。
三 資金の出資を行うこと。
四 債務の保証を行うこと。
五 有価証券(第七号に規定する証書をもって表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等を除く。第八号において同じ。)の売買(有価証券関連デリバティブ取引(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十八条第八項第六号に規定する有価証券関連デリバティブ取引をいう。以下この号及び第十一号において同じ。)に該当するものを除く。)又は有価証券関連デリバティブ取引(投資の目的をもってするものに限る。)を行うこと(第三号に掲げる業務に該当するものを除く。)。
六 有価証券の貸付けを行うこと。
七 金銭債権(譲渡性預金証書その他の財務省令で定める証書をもって表示されるものを含む。)の取得又は譲渡を行うこと。
八 特定目的会社が発行する特定社債又は優先出資証券(資産流動化計画において当該特定社債又は優先出資証券の発行により得られる金銭をもって金銭債権(民法(明治二十九年法律第八十九号)第三編第一章第七節第一款に規定する指図証券、同節第二款に規定する記名式所持人払証券、同節第三款に規定するその他の記名証券及び同節第四款に規定する無記名証券に係る債権並びに電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権を除く。以下この号において同じ。)又は金銭債権を信託する信託の受益権のみを取得するものに限り、特定社債にあっては、特定短期社債を除く。以下この号において同じ。)その他特定社債又は優先出資証券に準ずる有価証券として財務省令で定めるもの(以下この号において「特定社債等」という。)の引受け(売出しの目的をもってするものを除く。)又は当該引受けに係る特定社債等の募集の取扱いを行うこと。
九 短期社債等の取得又は譲渡を行うこと。
十 銀行(銀行法第二条第一項に規定する銀行をいう。以下同じ。)その他政令で定める金融業を行う者のために資金の貸付けを内容とする契約の締結の代理又は媒介を行うこと。
十一 金融商品取引法第二条第二十項に規定するデリバティブ取引(有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。)を行うこと(第七号に掲げる業務に該当するものを除く。)。
十二 金融商品取引法第二条第八項第七号に掲げる行為を行うこと。
十三 金融商品取引法第二条第八項第九号に掲げる行為を行うこと(募集又は売出しの取扱いについては、同法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う金融商品取引業者(同法第二条第九項に規定する金融商品取引業者をいう。以下同じ。)の委託を受けて当該金融商品取引業者のために行うものに限る。)。
十四 金融商品取引法第二条第八項第十一号に掲げる行為を行うこと。
十五 金融商品取引法第二条第八項第十三号に掲げる行為を行うこと。
十六 金融商品取引法第二条第八項第十五号に掲げる行為を行うこと。
十七 金融商品取引法第三十三条第二項各号に掲げる有価証券(当該有価証券が発行されていない場合における当該有価証券に表示されるべき権利を含む。)又は取引について、同項各号に定める行為を行うこと(第三号、第五号、第七号から第九号まで、第十一号及び第十三号に掲げるものを除く。)。
十八 他の事業者の事業の譲渡、合併、会社の分割、株式交換、株式移転若しくは株式交付に関する相談に応じ、又はこれらに関し仲介を行うこと。
十九 他の事業者の経営に関する相談に応じること又は他の事業者の事業に関して必要となる調査若しくは情報の提供を行うこと。
二十 金融その他経済に関する調査、研究又は研修を行うこと。
二十一 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 会社は、前項の業務を営むほか、財務大臣の認可を受けて、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。
3 第一項第五号及び第六号並びに第五項の「有価証券」とは、金融商品取引法第二条第一項に規定する有価証券及び同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう。
4 第一項第五号及び第九号並びに次項の「短期社債等」とは、次に掲げるものをいう。
一 社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第六十六条第一号に規定する短期社債
二 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の十二第一項に規定する短期投資法人債
三 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第八項に規定する特定短期社債
四 その権利の帰属が社債、株式等の振替に関する法律の規定により振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされる外国法人の発行する債券(新株予約権付社債券の性質を有するものを除く。)に表示されるべき権利のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの
イ 各権利の金額が一億円を下回らないこと。
ロ 元本の償還について、権利の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
ハ 利息の支払期限を、ロの元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
5 第一項第七号に掲げる業務には同号に規定する証書をもって表示される金銭債権のうち有価証券に該当するものについて、同項第九号に掲げる業務には短期社債等について、金融商品取引法第二条第八項第一号から第六号まで及び第八号から第十号までに掲げる行為を行う業務を含むものとする。
6 第一項第八号の「特定目的会社」、「資産流動化計画」、「特定社債」、「特定短期社債」又は「優先出資証券」とは、それぞれ資産の流動化に関する法律第二条第三項、第四項又は第七項から第九項までに規定する特定目的会社、資産流動化計画、特定社債、特定短期社債又は優先出資証券をいう。
7 会社が第一項第十号に掲げる業務を営む場合には、銀行法第五十二条の三十六第一項の規定その他同号に規定する政令で定める金融業を行う者に関し適用される同項の規定に相当する規定であって政令で定めるものは、適用しない。
(金融商品取引法の規定の読替え適用等)
第四条金融商品取引法の規定の読替え適用等
第四条 会社についての金融商品取引法の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
| 第二条第八項 | 「協同組織金融機関」という。) | 「協同組織金融機関」という。)、株式会社日本政策投資銀行 |
| 第二条第十一項、第二十七条の二十八第三項、第二十八条第四項、第三十三条第一項、第三十三条の五第二項、第三十三条の七、第五十八条、第六十条の十四第一項、第六十六条並びに第二百二条第二項第一号及び第二号 | 協同組織金融機関 | 協同組織金融機関、株式会社日本政策投資銀行 |
| 第三十三条の八第一項 | 金融機関である場合 | 金融機関である場合又は株式会社日本政策投資銀行が株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)第三条第一項第十六号に掲げる業務を行う場合 |
2 会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。以下この項において同じ。)、監査役若しくは執行役又は使用人は、金融商品取引業者(金融商品取引法第二十八条第八項に規定する有価証券関連業を行う者に限る。以下この項において同じ。)の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役に就任した場合(金融商品取引業者の取締役、会計参与、監査役又は執行役が会社の取締役、会計参与、監査役又は執行役を兼ねることとなった場合を含む。)又は金融商品取引業者の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役を退任した場合には、財務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を財務大臣に届け出なければならない。
(日本政策投資銀行債の発行)
第五条日本政策投資銀行債の発行
第五条 会社は、日本政策投資銀行債を発行することができる。
2 会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百二条の規定は、会社が日本政策投資銀行債を発行する場合には、適用しない。
3 会社は、外国を発行地とする日本政策投資銀行債に限り、その社債券(その利札を含む。以下この項並びに第十三条第三項及び第四項第一号において同じ。)を失った者に対し交付するため必要があるときは、政令で定めるところにより、日本政策投資銀行債の社債券を発行することができる。
(日本政策投資銀行債の発行方法)
第六条日本政策投資銀行債の発行方法
第六条 日本政策投資銀行債の社債券を発行する場合には、当該社債券は、無記名式とする。 ただし、応募者又は所有者の請求により記名式とすることができる。
2 会社は、日本政策投資銀行債の社債券を発行する場合には、当該社債券の応募者との間で、当該社債券に係る保護預り契約であって財務省令・内閣府令で定める事項を内容とするものを締結してはならない。
3 会社は、日本政策投資銀行債を発行する場合においては、売出しの方法によることができる。 この場合においては、売出期間を定めなければならない。
4 会社は、日本政策投資銀行債の社債券を発行する場合には、その券面に次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 会社の商号
二 当該社債券に係る社債の金額
三 当該社債券に係る日本政策投資銀行債の利率
四 当該社債券に係る日本政策投資銀行債の償還の方法及び期限
五 当該社債券の番号
5 会社は、売出しの方法により日本政策投資銀行債を発行しようとするときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。
一 売出期間
二 日本政策投資銀行債の総額
三 数回に分けて日本政策投資銀行債の払込みをさせるときは、その払込みの金額及び時期
四 日本政策投資銀行債発行の価額又はその最低価額
五 社債、株式等の振替に関する法律の規定によりその権利の帰属が振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされる日本政策投資銀行債を発行しようとするときは、同法の適用がある旨
六 前項第一号から第四号までに掲げる事項
6 会社は、日本政策投資銀行債を発行する場合においては、割引の方法によることができる。
(日本政策投資銀行債の消滅時効)
第七条日本政策投資銀行債の消滅時効
第七条 会社が発行する日本政策投資銀行債の消滅時効は、その権利を行使することができる時から、元本については十五年、利子については五年で完成する。
(通貨及証券模造取締法の準用)
第八条通貨及証券模造取締法の準用
第八条 通貨及証券模造取締法(明治二十八年法律第二十八号)は、会社が発行する日本政策投資銀行債の社債券の模造について準用する。
(預金の受入れ等を開始する場合の特例)
第九条預金の受入れ等を開始する場合の特例
第九条 会社は、第三条第一項第一号に規定する預金の受入れ又は日本政策投資銀行債の発行を開始しようとするときは、あらかじめ、財務大臣の承認を受けなければならない。
2 財務大臣は、前項の承認をしようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の規定による協議があった場合において、必要があると認めるときは、財務大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
4 内閣総理大臣は、第二項の規定による協議があった場合において、特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、会社に対し、資料の提出、説明その他の協力を求めることができる。
5 会社が第一項の承認を受けた場合における会社が営む業務については、銀行法第四条第一項及び長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第四条第一項の規定は、適用しない。
(銀行法の準用)
第十条銀行法の準用
第十条 銀行法第十二条の二(第三項を除く。)、第十三条、第十三条の二、第十三条の四、第十四条、第十四条の二、第二十条、第二十一条、第二十三条及び第五十七条の四(第一号に係る部分に限る。)の規定は、前条第一項の承認を受けた会社について準用する。 この場合において、これらの規定(同法第十三条の四後段及び第二十条第七項を除く。)中「内閣総理大臣」とあるのは「財務大臣及び内閣総理大臣」と、「内閣府令」とあるのは「財務省令・内閣府令」と、同法第十三条の四中「第三十八条第一号、第二号、第七号」とあるのは「第三十八条第七号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2 前項において読み替えて準用する銀行法第十三条の四において読み替えて準用する金融商品取引法の規定の適用については、当該規定中「内閣府令」とあるのは、「財務省令・内閣府令」とする。
3 政府は、第一項において読み替えて準用する銀行法の規定に基づき命令を定めるに当たっては、前条第一項の承認をする時点における会社の資金の貸付けその他の業務の利用者の利益が不当に侵害されないよう、配慮しなければならない。
(事業年度)
第十一条事業年度
第十一条 会社の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。
(株式)
第十二条株式
第十二条 会社は、会社法第百九十九条第一項に規定する募集株式(第三十四条第四号において「募集株式」という。)若しくは同法第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権(同号において「募集新株予約権」という。)を引き受ける者の募集をし、又は株式交換若しくは株式交付に際して株式若しくは新株予約権を交付しようとするときは、財務大臣の認可を受けなければならない。
2 会社は、新株予約権の行使により株式を交付した後、遅滞なく、その旨を財務大臣に届け出なければならない。
(社債、日本政策投資銀行債及び借入金)
第十三条社債、日本政策投資銀行債及び借入金
第十三条 会社は、毎事業年度の開始前に、財務省令で定めるところにより、社債(日本政策投資銀行債を除く。以下同じ。)及び日本政策投資銀行債(それぞれ社債、株式等の振替に関する法律第六十六条第一号に規定する短期社債を除く。以下この条及び第十八条において同じ。)の発行並びに借入金(弁済期限が一年を超えるものに限る。以下この条及び第十八条において同じ。)の借入れについて、発行及び借入れの金額、社債及び日本政策投資銀行債並びに借入金の表示通貨その他の社債及び日本政策投資銀行債の発行並びに借入金の借入れに係る基本方針を作成し、財務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2 会社は、社債若しくは日本政策投資銀行債を発行したとき、又は借入金の借入れをしたときは、財務省令で定めるところにより、その旨を遅滞なく財務大臣に届け出なければならない。
3 会社は、外国を発行地とする社債に限り、その社債券を失った者に対し交付するため必要があるときは、政令で定めるところにより、社債券を発行することができる。
4 第一項後段及び第二項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 会社法第六百九十九条第二項に規定する除権決定を得た後にされる再発行の請求を受けて、社債の社債券又は日本政策投資銀行債の社債券(次号及び第二十五条第二項において「社債券等」という。)を発行した場合
二 第五条第三項又は前項の規定により社債券等を発行した場合
(受信限度額及び与信限度額)
第十四条受信限度額及び与信限度額
第十四条 次に掲げるものの合計額は、資本金及び準備金(資本準備金及び利益準備金をいう。以下この条において同じ。)の額の合計額の十四倍に相当する額を超えることとなってはならない。 ただし、社債及び日本政策投資銀行債については、発行済みの旧銀行債券(附則第二十六条の規定による廃止前の日本政策投資銀行法(平成十一年法律第七十三号。以下「旧政投銀法」という。)第四十三条第一項又は第四項の規定に基づき発行された同条第一項に規定する銀行債券をいう。以下同じ。)、社債又は日本政策投資銀行債の借換えのため必要があるときは、当該借換えを行うために必要な期間内に限り、当該額を超えて発行することができる。
一 預金の現在額
二 借入金の現在額
三 旧政投銀法第四十二条第五項の規定に基づき受け入れた寄託金の現在額
四 旧銀行債券の元本に係る債務の現在額
五 発行した社債及び日本政策投資銀行債の元本に係る債務の現在額
六 いずれの名義をもってするかを問わず、前各号に掲げるものと同様の経済的性質を有するものの現在額
2 次に掲げるものの合計額は、資本金及び準備金の額並びに前項本文の規定による限度額の合計額を超えることとなってはならない。
一 資金の貸付け及び譲り受けた債権(第三号に規定する有価証券に係るものを除く。)の現在額
二 保証した債務の現在額
三 取得した有価証券(第三条第三項に規定する有価証券をいい、金融商品取引法第二条第一項第一号及び第二号に掲げる有価証券(当該有価証券が発行されていない場合における当該有価証券に表示されるべき権利を含む。)並びに次号の資金の出資に係るものを除く。)の現在額
四 資金の出資の現在額
(代表取締役等の選定等の決議)
第十五条代表取締役等の選定等の決議
第十五条 会社の代表取締役又は代表執行役の選定及び解職並びに監査等委員である取締役若しくは監査役の選任及び解任又は監査委員の選定及び解職の決議は、財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(取締役の兼職の認可)
第十六条取締役の兼職の認可
第十六条 会社の常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)は、財務大臣の認可を受けた場合を除き、他の会社の常務に従事してはならない。
2 財務大臣は、前項の認可の申請があったときは、当該申請に係る事項が会社の業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがあると認められる場合を除き、これを認可しなければならない。
(事業計画)
第十七条事業計画
第十七条 会社は、毎事業年度の開始前に、財務省令で定めるところにより、その事業年度の事業計画を定め、財務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
(償還計画)
第十八条償還計画
第十八条 会社は、毎事業年度の開始前に、財務省令で定めるところにより、社債、日本政策投資銀行債及び借入金の償還計画を立てて、財務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
(認可対象子会社)
第十九条認可対象子会社
第十九条 会社は、次に掲げる者(第三号、第四号及び第七号に掲げる者にあっては、個人であるものを除く。以下「認可対象子会社」という。)を子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。)としようとするときは、あらかじめ、財務大臣の認可を受けなければならない。
一 銀行
二 長期信用銀行(長期信用銀行法第二条に規定する長期信用銀行をいう。)
三 金融商品取引業者(金融商品取引法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者に限る。)
四 貸金業者(貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第二項に規定する貸金業者をいい、前号に掲げる者を兼ねることその他財務省令で定める要件に該当するものを除く。)
五 信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。)
六 保険会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第二項に規定する保険会社をいう。)
七 前各号に掲げる者に類するものとして財務省令で定める者
(定款の変更等)
第二十条定款の変更等
第二十条 会社の定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、会社分割及び解散の決議は、財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 財務大臣は、前項の認可(合併、会社分割及び解散の決議に係るものに限る。)をしようとするときは、国土交通大臣に協議しなければならない。
(貸借対照表等の提出)
第二十一条貸借対照表等の提出
第二十一条 会社は、事業年度ごとに、財務省令で定めるところにより、当該事業年度の中間事業年度(当該事業年度の四月一日から九月三十日までの期間をいう。)に係る貸借対照表、損益計算書及び事業報告書並びに当該事業年度に係る貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を財務大臣に提出しなければならない。
(財政融資資金の運用に関する特例)
第二十二条財政融資資金の運用に関する特例
第二十二条 財政融資資金(財政融資資金法(昭和二十六年法律第百号)第二条の財政融資資金をいう。以下同じ。)は、同法第十条第一項の規定にかかわらず、第三条第一項及び第二項に規定する会社の業務に要する経費に充てるため会社が借入れをする場合における会社に対する貸付け(第二十四条において単に「貸付け」という。)に運用することができる。
第二十三条
第二十三条 財政融資資金は、財政融資資金法第十条第一項の規定にかかわらず、第三条第一項及び第二項に規定する会社の業務に要する経費に充てるため会社が発行する社債又は日本政策投資銀行債(次項、次条及び第二十五条第一項において「社債等」という。)に運用することができる。
2 財政融資資金を社債等又は旧銀行債券に運用する場合においては、社債等及び旧銀行債券の発行残高の十分の五又は会社の一回に発行する社債等の十分の六を超える割合の社債等又は旧銀行債券の引受け、応募又は買入れ(旧銀行債券にあっては、買入れに限る。以下この項において「引受け等」という。)を行ってはならない。 この場合において、財政融資資金により引受け等を行う社債等又は旧銀行債券は、利率、担保、償還の方法、期限その他の条件において、当該引受け等以外の引受け等に係るものとその種類を同じくするものでなければならない。
第二十四条
第二十四条 第二十二条の規定により貸付けに運用される財政融資資金又は前条第一項の規定により社債等に運用される財政融資資金に係る財政融資資金の長期運用に対する特別措置に関する法律(昭和四十八年法律第七号)の規定の適用については、会社を財政融資資金法第十条第一項第七号に規定する法人とみなす。
(債務保証)
第二十五条債務保証
第二十五条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、社債等に係る債務について、保証契約をすることができる。
2 政府は、前項の規定によるほか、会社が社債券等を失った者に交付するために会社法第六百九十九条第二項に規定する除権決定を得た後にされる再発行の請求を受けて発行する社債券等又は第五条第三項若しくは第十三条第三項の規定により発行する社債券等に係る債務について、保証契約をすることができる。
第三章 雑則
(監督上の措置)
第二十六条監督上の措置
第二十六条 会社は、主務大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
2 主務大臣は、会社の業務若しくは財産又は会社及びその子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社であって、認可対象子会社に該当するものに限る。次条第二項及び第五項並びに第三十三条第二項において同じ。)の財産の状況に照らして会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときその他この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、会社の経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において、期限を付して会社の業務の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは会社の財産の供託を命ずることその他業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第二十七条報告及び検査
第二十七条 主務大臣は、会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときその他この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社に対して報告をさせ、又はその職員に、会社の営業所その他の施設に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。
2 主務大臣は、会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときその他この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、会社の子会社若しくは会社からその業務の委託を受けた者(以下この項、第五項及び第三十三条第二項において「受託者」という。)に対して会社の業務の状況に関し参考となるべき報告をさせ、又はその職員に、会社の子会社若しくは受託者の施設に立ち入り、会社の業務の状況に関し参考となるべき業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。
3 前二項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 会社の子会社又は受託者は、正当な理由があるときは、第二項の規定による報告又は立入検査を拒むことができる。
(権限の委任)
第二十八条権限の委任
第二十八条 財務大臣は、政令で定めるところにより、前条第一項又は第二項の規定による立入検査の権限の一部を内閣総理大臣に委任することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の委任に基づき、前条第一項又は第二項の規定により立入検査をしたときは、速やかに、その結果について財務大臣に報告するものとする。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定により委任された権限及び前項の規定による権限を金融庁長官に委任する。
4 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の全部又は一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
5 会社が第九条第一項の承認を受けた場合には、前各項の規定は、適用しない。
(主務大臣)
第二十九条主務大臣
第二十九条 この法律における主務大臣は、財務大臣とする。 ただし、会社が第九条第一項の承認を受けた場合における次に掲げる事項については、財務大臣及び内閣総理大臣とする。
一 第十条において読み替えて準用する銀行法の規定に関する事項
二 第二十六条第二項の規定による命令(同項に規定する会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときにするものに限る。)に関する事項
三 第二十七条第一項の規定による報告徴収及び立入検査(同項に規定する会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときにするものに限る。)に関する事項
四 第二十七条第二項の規定による報告徴収及び立入検査(同項に規定する会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときにするものに限る。)に関する事項
2 前項ただし書の規定による同項第三号又は第四号に掲げる事項に係る権限は、財務大臣又は内閣総理大臣がそれぞれ単独に行使することを妨げない。
3 次の各号に掲げる大臣は、前項の規定によりその権限を単独で行使したときは、速やかに、その結果を当該各号に定める大臣に通知するものとする。
一 財務大臣内閣総理大臣
二 内閣総理大臣財務大臣
4 第一項ただし書の場合において、第三条第二項中「財務大臣」とあるのは「財務大臣及び内閣総理大臣」と、第十三条第二項中「財務大臣」とあるのは「財務大臣(日本政策投資銀行債の発行に係るものについては、財務大臣及び内閣総理大臣)」と、第二十条第二項中「国土交通大臣」とあるのは「国土交通大臣及び内閣総理大臣」と、第二十一条中「財務省令で定めるところにより、当該事業年度の中間事業年度(当該事業年度の四月一日から九月三十日までの期間をいう。)」とあるのは「財務省令(第九条第一項の承認を受けた日の属する事業年度以後の事業年度及び中間事業年度(当該事業年度の四月一日から九月三十日までの期間をいう。以下この条において同じ。)にあっては、財務省令・内閣府令)で定めるところにより、当該事業年度の中間事業年度」と、「財務大臣」とあるのは「財務大臣(同項の承認を受けた日の属する事業年度以後の事業年度及び中間事業年度にあっては、財務大臣及び内閣総理大臣)」と読み替えるものとする。
5 財務大臣は、第一項ただし書の場合において、第三条第一項第七号又は第八号の財務省令を改正しようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の同意を得なければならない。
6 内閣総理大臣は、この法律による権限(前条第一項から第三項までの規定によるものその他政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
7 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
第四章 罰則
第三十条
第三十条 会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は使用人が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑に処する。 これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、五年以下の拘禁刑に処する。
2 前項の場合において、犯人が収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第三十一条
第三十一条 前条第一項の賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第三十二条
第三十二条 第三十条第一項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の例に従う。
2 前条第一項の罪は、刑法第二条の例に従う。
第三十三条
第三十三条 第二十七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は使用人は、三十万円以下の罰金に処する。
2 第二十七条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした会社の子会社又は受託者の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は使用人は、三十万円以下の罰金に処する。
第三十四条
第三十四条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。
一 第三条第二項の規定に違反して、業務を営んだとき。
二 第四条第二項の規定に違反して、兼職の届出を行わなかったとき。
三 第九条第一項の規定に違反して、預金の受入れ又は日本政策投資銀行債の発行を開始したとき。
四 第十二条第一項の規定に違反して、募集株式若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集をし、又は株式交換若しくは株式交付に際して株式若しくは新株予約権を交付したとき。
五 第十二条第二項の規定に違反して、株式を交付した旨の届出を行わなかったとき。
六 第十三条第一項の規定に違反して、基本方針の認可を受けなかったとき。
七 第十三条第二項の規定に違反して、社債若しくは日本政策投資銀行債を発行した旨又は借入金の借入れをした旨の届出を行わなかったとき。
八 第十四条第一項又は第二項の規定に違反して、限度額又は合計額を超えることとなったとき。
九 第十六条第一項の規定に違反して、兼職の認可を受けなかったとき。
十 第十七条の規定に違反して、事業計画の認可を受けなかったとき。
十一 第十八条の規定に違反して、償還計画の認可を受けなかったとき。
十二 第十九条の規定に違反して、認可対象子会社を子会社としたとき。
十三 第二十一条の規定に違反して、貸借対照表、損益計算書若しくは事業報告書を提出せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたこれらのものを提出したとき。
十四 第二十六条第二項の規定による命令に違反したとき。
第三十五条
第三十五条 第二条第一項の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。