平成三年法律第二号
湾岸地域における平和回復活動を支援するため平成二年度において緊急に講ずべき財政上の措置に必要な財源の確保に係る臨時措置に関する法律

国債施行日:2015/08/01

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第一章 総則

(趣旨)

第一条 この法律は、湾岸地域における平和回復活動(湾岸地域における平和と安定を回復するために国際連合加盟国が行う活動をいう。)を支援するため、湾岸アラブ諸国協力理事会(湾岸アラブ諸国協力理事会憲章に基づき設立された湾岸アラブ諸国協力理事会をいう。)に設けられた湾岸平和基金に対し平成二年度の一般会計補正予算(第2号)に基づき緊急に資金を拠出するに当たり、これに必要な財源の確保に係る臨時の措置として外国為替資金特別会計からの一般会計への繰入れの特例措置及び一般会計からの国債整理基金特別会計への繰入れの特例措置を講ずるとともに、なお不足する財源の確保に係る臨時の措置として法人臨時特別税及び石油臨時特別税を創設するほか、一般会計からの繰入金及びこれらの税の収入により償還すべき公債の発行に関する措置等について定めるものとする。

第二章 外国為替資金特別会計からの一般会計への繰入れの特例

第二条 政府は、平成二年度の一般会計補正予算(第2号)により追加される歳出の財源に充てるため、同年度において、外国為替資金特別会計から、千百二十五億円を限り、一般会計に繰り入れることができる。

2 前項の規定による繰入金は、外国為替資金特別会計の歳出とする。

第三章 一般会計からの国債整理基金特別会計への繰入れの特例

第三条 政府は、第七章に定めるところにより第四十八条第一項に規定する臨時特別公債の償還に充てるため、平成三年度において一般会計から国債整理基金特別会計に二千十七億四百八十六万五千円を繰り入れるほか、平成四年度から平成六年度までの間において九百九十一億六千百六十六万五千円に達するまでの金額を一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れるものとする。

第四章 法人臨時特別税

第一節 総則

(定義)

第四条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

内国法人 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第三号に規定する内国法人をいう。

外国法人 内国法人以外の法人をいう。

人格のない社団等 法人税法第二条第八号に規定する人格のない社団等をいう。

指定期間 平成三年四月一日から平成四年三月三十一日までの期間をいう。

事業年度 法人税法第十三条及び第十四条に規定する事業年度をいう。

法人臨時特別税申告書 第十四条第一項の規定による申告書(当該申告書に係る国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第十八条第二項に規定する期限後申告書を含む。)をいう。

修正申告書 国税通則法第十九条第三項に規定する修正申告書をいう。

更正又は決定 それぞれ国税通則法第二十四条若しくは第二十六条の規定による更正又は同法第二十五条の規定による決定をいう。

(人格のない社団等に対する適用)

第五条 人格のない社団等は、法人とみなして、この章の規定を適用する。

(納税義務者)

第六条 法人は、基準法人税額につき、この法律により、法人臨時特別税を納める義務がある。

(課税の対象)

第七条 法人の各課税事業年度の基準法人税額には、この法律により、法人臨時特別税を課する。

(基準法人税額)

第八条 この章において「基準法人税額」とは、法人の法人税の課税標準である各事業年度の所得の金額(法人税法第百二条第一項の規定による申告書を提出すべき法人の清算中の各事業年度の所得の金額を含む。)につき、法人税法その他の法人税の税額の計算に関する法令の規定(同法第六十七条から第七十条の二まで及び第百四十四条の規定並びに租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第三章第五節の三及び第六十八条の二の規定を除く。)により計算した法人税の額(国税通則法第二条第四号に規定する附帯税の額を除く。)をいう。

(課税事業年度)

第九条 この章において「課税事業年度」とは、法人の指定期間内に終了する事業年度をいう。

2 次の各号に掲げる法人の課税事業年度は、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める事業年度とする。

事業年度の変更その他の事由により、指定期間内に終了する事業年度の月数の合計が十二月に満たない法人及び当該月数の合計が十二月を超える法人(次号から第五号までに掲げる法人を除く。) これらの法人の指定期間内に最初に終了する事業年度開始の日から同日以後一年を経過する日までの期間内の日を含む事業年度

指定期間内に新たに設立された法人(次号から第五号までに掲げる法人を除く。) 指定期間内の日を含む事業年度

法人税法第二条第六号に規定する公益法人等及び人格のない社団等で指定期間内に同条第十三号に規定する収益事業を開始したもの(次号及び第五号に掲げる法人を除く。) その開始した日から指定期間の末日までの期間内の日を含む事業年度

指定期間内に法人税法第百四十一条第一号から第三号までに掲げる外国法人又は同条第四号に掲げる外国法人(同号イ又はロに掲げる国内源泉所得を有するものに限る。)のいずれかに新たに該当することとなった外国法人(次号に掲げる法人を除く。) その該当することとなった日から指定期間の末日までの期間内の日を含む事業年度

指定期間内に合併をした法人で合併後存続するもの及び指定期間内の合併により設立された法人 第一号又は第二号に定める事業年度に準ずるものとして政令で定める事業年度

3 前項の月数は、暦に従って計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。

(納税地)

第十条 法人の法人臨時特別税の納税地は、当該法人の法人税法第一編第六章の規定による法人税の納税地とする。

第二節 課税標準

(各課税事業年度の法人臨時特別税の課税標準)

第十一条 法人臨時特別税の課税標準は、各課税事業年度の課税標準法人税額とする。

2 各課税事業年度の課税標準法人税額は、各課税事業年度の基準法人税額から年三百万円を控除した残額とする。

3 課税事業年度が一年に満たない法人に対する前項の規定の適用については、同項中「年三百万円」とあるのは、「三百万円を十二で除し、これに当該課税事業年度の月数を乗じて計算した金額」とする。

4 第九条第二項各号に掲げる法人の各課税事業年度のうち最後の課税事業年度の課税標準法人税額は、第二項の規定にかかわらず、同項(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する残額を当該最後の課税事業年度の月数で除し、これに次の各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に定める期間の月数を乗じて計算した金額とする。

第九条第二項第一号に掲げる法人 当該最後の課税事業年度開始の日から当該法人の指定期間内に最初に終了する事業年度開始の日以後一年を経過する日までの期間

第九条第二項第二号から第四号までに掲げる法人 当該最後の課税事業年度開始の日から指定期間の末日までの期間

第九条第二項第五号に掲げる法人 前二号に定める期間に準ずるものとして政令で定める期間

5 前二項の月数は、暦に従って計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。

第三節 税額の計算

(税率)

第十二条 法人臨時特別税の額は、各課税事業年度の課税標準法人税額に百分の二・五の税率を乗じて計算した金額とする。

(外国税額の控除)

第十三条 法人臨時特別税申告書を提出する内国法人が課税事業年度において法人税法第六十九条第一項の規定の適用を受ける場合において、当該課税事業年度の同項に規定する控除対象外国法人税の額が同項の控除限度額を超えるときは、前条の規定を適用して計算した当該課税事業年度の法人臨時特別税の額のうち当該内国法人の当該課税事業年度の所得でその源泉が国外にあるものに対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を限度として、その超える金額を当該課税事業年度の法人臨時特別税の額から控除する。

2 法人税法第六十九条第六項、第七項及び第九項の規定は、前項の規定を適用する場合について準用する。

第四節 申告及び納付等

(課税標準及び税額の申告)

第十四条 法人は、各課税事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。 ただし、第一号に掲げる課税標準法人税額がない場合には、当該申告書を提出することを要しない。

当該課税事業年度の課税標準である課税標準法人税額

前号に掲げる課税標準法人税額につき前節の規定を適用して計算した法人臨時特別税の額

前二号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項

2 法人税法第百四十五条において準用する同法第七十四条第一項の規定は、外国法人の前項の規定による申告書の提出期限について準用する。

3 法人税法第七十五条及び第七十五条の二(これらの規定を同法第百四十五条において準用する場合を含む。)の規定は、法人の第一項の規定による申告書の提出期限について準用する。

4 租税特別措置法第六十六条の三の規定は、前項において準用する法人税法第七十五条の二(同法第百四十五条において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける法人の第一項の規定による申告書に係る課税事業年度の法人臨時特別税について準用する。

(法人臨時特別税の期限内申告による納付)

第十五条 前条第一項の規定による申告書を提出した法人は、当該申告書に記載した同項第二号に掲げる金額があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人臨時特別税を国に納付しなければならない。

(更正の請求の特例)

第十六条 法人税法第八十二条の規定は、法人が次に掲げる金額につき修正申告書を提出し、又は更正若しくは決定を受けた場合において、その修正申告書の提出又は更正若しくは決定に伴い、その修正申告書若しくは更正若しくは決定に係る事業年度後の課税事業年度の法人臨時特別税申告書に記載した、又は決定を受けた当該課税事業年度に係る第十四条第一項第一号又は第二号に掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出又は更正があった場合には、その申告又は更正後の金額)が過大となるときについて準用する。

法人税法第二条第三十一号に規定する確定申告書に記載すべき同法第七十四条第一項第一号から第五号まで(同法第百四十五条において準用する場合を含む。)に掲げる金額

法人臨時特別税申告書に記載すべき第十四条第一項第一号又は第二号に掲げる金額

(青色申告)

第十七条 法人が法人税法第百二十一条第一項(同法第百四十六条において準用する場合を含む。)の承認を受けている場合には、法人臨時特別税申告書及び当該申告書に係る修正申告書についても、青色の申告書により提出することができる。

2 法人税法第百三十条第二項の規定は、法人が提出した前項の規定による青色の申告書に係る法人臨時特別税について準用する。

第五節 雑則

(代表者等の自署押印)

第十八条 法人税法第百五十一条の規定は、法人の提出する法人臨時特別税申告書及び当該申告書に係る修正申告書について準用する。

(当該職員の質問検査権)

第十九条 国税庁の当該職員又は法人の納税地を所轄する税務署若しくは国税局の当該職員は、法人臨時特別税に関する調査について必要があるときは、法人に質問し、又はその帳簿書類その他の物件を検査することができる。

2 国税庁の当該職員又は法人の納税地を所轄する税務署若しくは国税局の当該職員は、法人臨時特別税に関する調査について必要があるときは、法人に対し、金銭の支払若しくは物品の譲渡をする義務があると認められる者又は金銭の支払若しくは物品の譲渡を受ける権利があると認められる者に質問し、又はその事業に関する帳簿書類を検査することができる。

3 前二項の規定は、国税庁の当該職員及び納税地を所轄する税務署又は国税局の当該職員以外の当該職員のその所属する税務署又は国税局の所轄する区域内に本店、支店、工場、営業所その他これらに準ずるものを有する法人に対する質問又は検査について準用する。

4 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第一項又は第二項(これらの規定を前項において準用する場合を含む。)の規定による質問又は検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

5 第一項又は第二項(これらの規定を第三項において準用する場合を含む。)の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(法人臨時特別税に係る法人税法の適用の特例等)

第二十条 法人臨時特別税に係る次の表の第一欄に掲げる法律の適用については、同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

2 前項に定めるもののほか、法人税又は法人臨時特別税に係る国税通則法の規定の適用については、次に定めるところによる。

国税通則法第七十一条第一項第一号の規定の適用については、法人税及び法人臨時特別税は、同一の税目に属する国税とみなす。

法人税又は法人臨時特別税に係る国税通則法第五十八条第一項第一号イに規定する更正決定等(以下この号及び次項において「更正決定等」という。)について不服申立てがされている場合において、当該法人税又は法人臨時特別税と納税義務者及び事業年度が同一である他の法人臨時特別税又は法人税についてされた更正決定等があるときは、同法第九十条第一項若しくは第二項、第百四条第二項又は第百十五条第一項第二号の規定の適用については、当該他の法人臨時特別税又は法人税についてされた更正決定等は、当該法人税又は法人臨時特別税の同法第十九条第一項に規定する課税標準等又は税額等についてされた他の更正決定等とみなす。

3 租税特別措置法第六十六条の四第十六項から第十八項までの規定は、法人税についてこれらの規定の適用がある課税事業年度の法人臨時特別税に係る更正決定等及び国税の徴収権(国税通則法第七十二条第一項に規定する国税の徴収権をいう。)の時効について準用する。 この場合において、租税特別措置法第六十六条の四第十六項中「課税の特例)」」とあるのは「課税の特例)(湾岸地域における平和回復活動を支援するため平成二年度において緊急に講ずべき財政上の措置に必要な財源の確保に係る臨時措置に関する法律(平成三年法律第二号)第二十条第三項(法人臨時特別税に係る法人税法の適用の特例等)において準用する場合を含む。次条において同じ。)」」と、「生ずべき法人税」とあるのは「生ずべき法人税若しくは法人臨時特別税」と、「法人税の」とあるのは「法人税又は法人臨時特別税の」と、「還付請求申告書に係る」とあるのは「還付請求申告書に係る更正又は当該更正に伴つてする法人臨時特別税に係る」と、「当該法人税」とあるのは「当該法人税又は法人臨時特別税」と、同条第十七項中「法人税」とあるのは「法人税又は法人臨時特別税」と読み替えるものとする。

4 前三項に定めるもののほか、法人臨時特別税に係る法人税法その他の法令の規定の技術的読替えその他この章の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

第六節 罰則

第二十一条 偽りその他不正の行為により、第十四条第一項第二号に規定する法人臨時特別税の額につき法人臨時特別税を免れた場合には、法人の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。以下この節において同じ。)、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 前項の免れた法人臨時特別税の額が五百万円を超えるときは、情状により、同項の罰金は、五百万円を超えその免れた法人臨時特別税の額に相当する金額以下とすることができる。

第二十二条 正当な理由がなくて第十四条第一項の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかった場合には、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。 ただし、情状により、その刑を免除することができる。

第二十三条 第十八条において準用する法人税法第百五十一条第一項から第三項までの規定に違反した者又はこれらの規定に違反する法人臨時特別税申告書若しくは当該申告書に係る修正申告書の提出があった場合のその行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。 ただし、情状により、その刑を免除することができる。

第二十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

第十九条第一項又は第二項(これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

前号の検査に関し偽りの記載をした帳簿書類を提示した者

第二十五条 法人臨時特別税の調査に関する事務に従事している者又は従事していた者が、その事務に関して知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用したときは、これを二年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。

第二十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第二十一条、第二十二条又は第二十四条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。

2 前項の規定により第二十一条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

3 人格のない社団等について第一項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその人格のない社団等を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

第五章 石油臨時特別税

第一節 総則

(定義)

第二十七条 この章及び附則第二条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

原油 石油税法(昭和五十三年法律第二十五号)第二条第一号に規定する原油をいう。

石油製品 石油税法第二条第二号に規定する石油製品をいう。

ガス状炭化水素 石油税法第二条第三号に規定するガス状炭化水素をいう。

保税地域 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二十九条に規定する保税地域をいう。

(課税物件)

第二十八条 原油及び石油製品並びにガス状炭化水素には、この法律により、石油臨時特別税を課する。

(納税義務者)

第二十九条 原油又はガス状炭化水素の採取者(石油税法第五条第一項ただし書、第六条又は第十条第六項の規定により原油又はガス状炭化水素の採取者とみなされる者を含む。)は、平成三年四月一日から平成四年三月三十一日までの間にその採取場(同法第五条第五項又は第十条第六項の規定により原油又はガス状炭化水素の採取場とみなされる場所を含む。附則第二条において同じ。)から移出した原油又はガス状炭化水素(同法第五条第一項の規定の適用がある場合には、その消費される原油又はガス状炭化水素とし、同条第三項の規定の適用がある場合には、その換価される原油又はガス状炭化水素とし、同条第四項又は第五項の規定の適用がある場合には、その現存する原油又はガス状炭化水素とする。)につき、石油臨時特別税を納める義務がある。

2 原油等(石油税法第四条第二項に規定する原油等をいう。以下この章及び附則第二条第三項において同じ。)を平成三年四月一日から平成四年三月三十一日までの間に保税地域から引き取る者(同法第五条第二項の規定の適用がある場合には、その消費者。第四十三条第一項第二号において同じ。)は、その引き取る原油等(同法第五条第二項の規定の適用がある場合には、その消費される原油等)につき、石油臨時特別税を納める義務がある。

(適用除外)

第三十条 ガス状炭化水素の採取者(法人を除く。)のうち、自己又は同居の親族の用に供するガス状炭化水素のみを採取するものには、当該ガス状炭化水素については、この章の規定を適用しない。

(納税地)

第三十一条 石油臨時特別税の納税地は、石油税の納税地となる場所とする。

第二節 課税標準及び税率

(課税標準)

第三十二条 石油臨時特別税の課税標準は、石油税の課税標準となる原油等の数量とする。

(税率)

第三十三条 石油臨時特別税の税率は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める金額とする。

原油及び石油製品 一キロリットルにつき千二十円

ガス状炭化水素のうち関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)別表第二七一一・一一号及び第二七一一・二一号に掲げる天然ガス 一トンにつき三百六十円

ガス状炭化水素(前号に掲げるものを除く。) 一トンにつき三百三十五円

第三節 免税及び税額控除等

(未納税移出等)

第三十四条 石油税法第十条第一項若しくは第十一条第一項、租税特別措置法第九十条の四第一項その他の法律又は条約の規定により石油税を免除するときは、当該免除に係る原油等に係る石油臨時特別税を免除する。 ただし、輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)の規定により石油税を免除するときは、この項の規定は、適用しない。

2 前項の規定の適用を受けた原油等について租税特別措置法第九十条の四第五項その他の法律の規定により石油税を徴収することとなるときは、当該石油税を徴収すべき者から当該原油等に係る石油臨時特別税を徴収する。

(戻入れの場合の石油臨時特別税の控除等)

第三十五条 石油臨時特別税及び石油税課税済みの原油等につき、石油税法第十二条第一項から第四項までの規定により石油税額に相当する金額の控除又は当該控除すべき金額若しくはその不足額の還付が行われるときは、当該控除又は還付に係る金額の計算に準じて計算した石油臨時特別税額に相当する金額を、当該控除又は還付に係る金額にあわせて控除し、又は還付する。

2 石油臨時特別税及び石油税課税済みの原油等につき、租税特別措置法第九十条の五第一項又は第九十条の六第一項の規定により石油税額に相当する金額の還付が行われるときは、当該還付に係る金額の計算に準じて計算した石油臨時特別税額に相当する金額を、当該還付に係る金額にあわせて還付する。

3 前二項の規定により石油税額に相当する金額の控除又は還付にあわせて石油臨時特別税額に相当する金額の控除又は還付が行われたときは、これらの控除又は還付に係る金額の合算額の三分の一に相当する石油臨時特別税額に相当する金額及び三分の二に相当する石油税額に相当する金額の控除又は還付があったものとする。

4 石油税法第十二条第五項及び第八項の規定は、第一項の規定による控除又は還付について、租税特別措置法第九十条の五第六項及び第九十条の六第六項の規定は、第二項の規定による還付について、それぞれ準用する。

第四節 申告及び納付等

(申告及び納付等)

第三十六条 石油臨時特別税は、石油税の申告にあわせて申告して納付し、又は石油税にあわせて徴収しなければならない。

2 石油臨時特別税及び石油税の納付があったときは、その納付に係る金額の三分の一に相当する税額の石油臨時特別税及び三分の二に相当する税額の石油税の納付があったものとする。

(担保の提供)

第三十七条 石油税法第十八条の規定による担保を提供する者は、政令で定めるところにより、石油臨時特別税額に相当する担保をあわせて提供しなければならない。

2 国税庁長官、国税局長、税務署長又は税関長は、石油税法第十九条第一項の規定により担保の提供を命ずるときは、政令で定めるところにより、石油臨時特別税額に相当する担保をあわせて提供すべきことを命じなければならない。

3 石油税法第十九条第二項の規定は、前項の規定により提供される担保について準用する。

(延滞税)

第三十八条 国税通則法の規定により石油臨時特別税及び石油税に係る延滞税を納付すべき場合においては、未納に係る石油臨時特別税額及び石油税額の合算額について同法の規定による延滞税の額の計算に準じて計算した金額の三分の一に相当する金額及び三分の二に相当する金額を、それぞれ同法の規定により納付すべき石油臨時特別税に係る延滞税の額及び石油税に係る延滞税の額とする。

2 第三十六条第一項の規定は、前項に規定する延滞税を納付する場合について準用する。

(過少申告加算税又は無申告加算税)

第三十九条 前条第一項の規定は、国税通則法の規定により石油臨時特別税及び石油税に係る過少申告加算税又は無申告加算税を納付すべき場合について準用する。

2 第三十六条第一項の規定は、前項に規定する過少申告加算税又は無申告加算税を納付する場合について準用する。

(還付及び充当)

第四十条 石油臨時特別税に係る過誤納金は、石油税に係る過誤納金にあわせて還付しなければならない。

2 国税通則法第五十六条第一項に規定する還付金等及び同法の規定による還付加算金を未納の石油臨時特別税及び石油税に充当するときは、これらの税にあわせて充当しなければならない。

3 第一項の規定による還付があったときは、その還付に係る金額の三分の一に相当する石油臨時特別税の過誤納金及び三分の二に相当する石油税の過誤納金の還付があったものとし、前項の規定による充当があったときは、その充当に係る金額の三分の一に相当する未納の石油臨時特別税及び三分の二に相当する未納の石油税に対する充当があったものとする。

(還付加算金)

第四十一条 国税通則法の規定により還付加算金を、第三十五条第一項及び石油税法第十二条の規定による石油臨時特別税及び石油税の還付に係る金額又は石油臨時特別税及び石油税の過誤納額に加算すべき場合においては、これらの還付に係る金額の合算額又は過誤納額の合算額についてこれらの規定による還付加算金の計算に準じて計算した金額の三分の一に相当する金額及び三分の二に相当する金額を、それぞれ国税通則法の規定により加算すべき石油臨時特別税に係る還付加算金及び石油税に係る還付加算金とする。

2 石油臨時特別税及び石油税に係る還付加算金は、あわせて支払又は充当をしなければならない。

(端数計算)

第四十二条 石油臨時特別税及び石油税の額又はこれらの税に係る国税通則法第五十六条第一項に規定する還付金等の金額を計算する場合における端数計算については、これらの税の額の合算額又は当該還付金等の金額の合算額につき、同法の規定を適用する。

第五節 雑則

(当該職員の権限)

第四十三条 国税庁、国税局、税務署又は税関の当該職員(以下この章において「当該職員」という。)は、石油臨時特別税に関する調査について必要な範囲内で、次に掲げる行為をすることができる。

石油税法第二十一条に規定する者に対して質問し、又はこれらの者の業務に関する原油等、帳簿書類その他の物件を検査すること。

原油等を保税地域から引き取る者(石油税法第十五条第一項の承認を受けている者を除く。)に対して質問し、その引き取る原油等を検査すること。

租税特別措置法第九十条の四第二項若しくは第三項、第九十条の五第五項若しくは第九十条の六第二項若しくは第三項に規定する者に対して質問し、又はこれらの者の業務に関する特定石油製品等(同法第九十条の四第一項に規定する石油製品等、同法第九十条の五第一項に規定する揮発油若しくは石油化学製品又は同法第九十条の六第一項に規定する重油をいう。以下この条において同じ。)、帳簿書類その他の物件を検査すること。

第一号に規定する者の業務に関する原油等、第二号に規定する原油等又は前号に規定する者の業務に関する特定石油製品等について必要最少限度の分量の見本を採取すること。

運搬中の原油等を検査し、又はこれを運搬する者に対してその出所若しくは到達先を質問すること。

2 当該職員は、石油臨時特別税に関する調査について必要がある場合には、前項第一号又は第三号に規定する者の組織する団体(当該団体をもって組織する団体を含む。)に対して、その団体員の原油若しくはガス状炭化水素の採取又は原油等若しくは特定石油製品等の取引に関し参考となるべき事項を諮問することができる。

3 第一項第四号の規定により採取した見本に関しては、第二十九条及び第三十六条の規定は、適用しない。

4 当該職員は、第一項又は第二項の規定により職務を執行する場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

5 第一項に規定する当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(石油臨時特別税に係る石油税法の適用の特例等)

第四十四条 石油臨時特別税に係る次の表の第一欄に掲げる法律の適用については、同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

2 前項に定めるもののほか、石油臨時特別税に係る石油税法その他の法令の規定の技術的読替えその他この章の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

第六節 罰則

第四十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

偽りその他不正の行為により石油臨時特別税を免れ、又は免れようとした者

偽りその他不正の行為により第三十五条第一項又は第二項の規定による還付を受け、又は受けようとした者

2 前項の犯罪に係る原油等に対する石油臨時特別税に相当する金額又は還付金に相当する金額の三倍が五十万円を超える場合には、情状により、同項の罰金は、五十万円を超え当該石油臨時特別税に相当する金額又は還付金に相当する金額の三倍以下とすることができる。

第四十六条 第四十三条第一項第一号から第三号までの規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項第一号から第四号までの規定による当該職員の職務の執行を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、五万円以下の罰金又は科料に処する。

第四十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前二条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。

2 前項の規定により第四十五条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

第六章 臨時特別公債の発行等

(臨時特別公債の発行)

第四十八条 政府は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四条第一項の規定にかかわらず、平成二年度の一般会計補正予算(第2号)により追加される歳出の財源に充てるため、当該補正予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、平成三年度から平成六年度までの間における第三条の規定による一般会計からの国債整理基金特別会計への繰入金並びに平成三年度及び平成四年度における前二章の規定による法人臨時特別税及び石油臨時特別税(第五十条及び第五十一条において「臨時特別税」と総称する。)の収入によって償還すべき公債(以下「臨時特別公債」という。)を発行することができる。

2 臨時特別公債の発行は、平成三年六月三十日までの間、行うことができる。 この場合において、同年四月一日以後発行される臨時特別公債に係る収入は、平成二年度所属の歳入とする。

(臨時特別公債等の償還)

第四十九条 臨時特別公債及び当該臨時特別公債に係る借換国債(国債整理基金特別会計法(明治三十九年法律第六号)第五条第一項又は第五条ノ二の規定により起債される借換国債をいい、当該借換国債につきこれらの規定により順次起債された借換国債を含む。次条第二項及び第五十一条において同じ。)については、平成六年度までの間に償還するものとする。

第七章 臨時特別税の収入の使途等

(臨時特別税の収入の帰属及び使途)

第五十条 平成三年度及び平成四年度における臨時特別税の収入は、当該各年度の国債整理基金特別会計の歳入に組み入れるものとする。

2 前項の規定により平成三年度及び平成四年度の国債整理基金特別会計の歳入に組み入れられた臨時特別税の収入は、臨時特別公債(当該臨時特別公債に係る借換国債を含む。次条及び第五十二条第一項において同じ。)の償還に要する費用(割引の方法により発行した場合においては、発行価格に相当する部分に限るものとし、借換国債を発行した場合においては、当該借換国債の収入をもって充てられる部分を除く。次条において同じ。)の財源に充てるものとする。

(一般会計からの国債整理基金特別会計への繰入金の使途)

第五十一条 平成三年度から平成六年度までの間における第三条の規定による一般会計からの国債整理基金特別会計への繰入金は、臨時特別公債の償還に要する費用のうち前条第二項の規定により臨時特別税の収入をもって充てられる部分以外の部分の財源に充て、なお残余があるときは、臨時特別公債以外の公債(財政法第四条第一項ただし書の規定により発行された公債(当該公債に係る借換国債を含む。)を除く。)の償還に要する費用の財源に充てるものとする。

(国債整理基金特別会計法の適用に関する特例)

第五十二条 臨時特別公債は、国債整理基金特別会計法第二条第二項の規定の適用については、国債とみなさない。

2 第四十八条第二項に規定する平成三年四月一日以後発行される臨時特別公債は、国債整理基金特別会計法第二条ノ二第一項の規定の適用については、同年三月三十一日に発行されたものとみなす。

(国税収納金整理資金に関する法律の適用に関する特例)

第五十三条 平成三年度及び平成四年度における国税収納金整理資金に関する法律(昭和二十九年法律第三十六号)第六条第二項の規定の適用については、同項中「石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計」とあるのは、「国債整理基金特別会計、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計」とする。

第八章 雑則

(広報活動等)

第五十四条 政府は、この法律の趣旨及び内容について、広報活動等を通じて国民に周知を図り、その理解と協力を得るよう努めるものとする。

附則

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、第四章及び第五章の規定並びに次条の規定は、平成三年四月一日から施行する。

(戻入れの場合の石油税の控除等に関する経過措置)
第二条 平成三年四月一日前に原油若しくはガス状炭化水素の採取場から移出され、又は保税地域から引き取られた原油又はガス状炭化水素につき、同日から平成四年三月三十一日までの間に石油税法第十二条第一項、第二項又は第四項の規定の適用がある場合において、これらの規定による控除を受けようとする月分が平成三年四月分から平成四年三月分までの各月分であるときは、当該控除を受けようとする月分については、同法第十三条第一項の規定による申告書の提出を要しないときとみなして、同法第十二条及び第十三条第二項の規定を適用する。 この場合において、同条第一項の規定の適用については、同項第五号中「石油税額(」とあるのは、「石油税額(湾岸地域における平和回復活動を支援するため平成二年度において緊急に講ずべき財政上の措置に必要な財源の確保に係る臨時措置に関する法律附則第二条第一項の規定による還付を受けようとする石油税額を除くものとし、」とする。 平成三年四月一日から平成四年三月三十一日までの間に原油若しくはガス状炭化水素の採取場から移出され、又は保税地域から引き取られた原油又はガス状炭化水素につき、同年四月一日以後に石油税法第十二条第一項、第二項又は第四項の規定の適用がある場合において、これらの規定による控除を受けようとする同月以後の各月分については、同法第十三条第一項の規定による申告書の提出を要しないときとみなして、同法第十二条及び第十三条第二項の規定を適用する。 この場合において、同条第一項の規定の適用については、同項第五号中「石油税額(」とあるのは、「石油税額(湾岸地域における平和回復活動を支援するため平成二年度において緊急に講ずべき財政上の措置に必要な財源の確保に係る臨時措置に関する法律附則第二条第二項の規定による還付を受けようとする石油税額を除くものとし、」とする。 平成四年四月一日前に原油若しくはガス状炭化水素の採取場から移出され、又は保税地域から引き取られた原油等に係る災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律第七条の規定の適用については、前二項の規定に準じ、政令で定める。

附則(平成三年四月二日法律第二四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

(政令への委任)
第十三条 附則第二条及び第十条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置その他の事項は、政令で定める。

附則(平成四年三月三一日法律第一四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成四年四月一日から施行する。

附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(平成一二年五月三一日法律第九七号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。

附則(平成一三年三月三〇日法律第六号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年三月三十一日から施行する。 ただし、次に掲げる規定は、同年四月一日から施行する。